白色申告者にも、帳簿の作成・保存が義務付けられています。本記事では白色申告の個人事業主向けに、会計ソフトの操作画面を交えながら、帳簿づけから確定申告書類を作成するまでの流れを紹介します。
INDEX
目次
確定申告の流れ
売上や必要経費が発生したら、その取引を帳簿に記録します。そして、確定申告の時期になったら、帳簿を元に確定申告書類を作成します。会計ソフトでも、業務の流れそのものは手作業と変わりません。
帳簿付けをする期間 | 確定申告期間 |
---|---|
2024年1月1日 〜12月31日 |
2025年2月17日(月) 〜3月17日(月) |
ここからは帳簿づけから確定申告書類作成までの具体的な流れを、会計ソフトの画面を用いながら説明していきます。
日常業務 – 取引の登録
白色申告では、取引ごとに下記の4項目を帳簿に記入します。
- ・取引の年月日
・収入や必要経費の科目(例:売上・消耗品費・水道光熱費・通信費)
・金額
・摘要(具体的な品名・相手方・支払先の名称など)
会計ソフトで取引を登録する際は、請求書や領収書を元にデータ入力していきます。たとえば「5月10日に、A4コピー用紙の購入代金として、3,000円の支出があった」場合、以下のように入力します。
取引の入力画面
無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」
会計ソフトなら、便利な「自動入力機能」も使える!
「自動入力機能」とは、銀行口座やクレジットカードなどを登録すると、明細データを自動で取得し入力してくれる機能です。特に取引数が多い事業者は、この機能を活用することで、会計業務の負担をグッと軽減できます。
日常業務 – 帳簿の作成
入力した取引データは、自動的に各種帳簿(現金出納帳・売掛帳・買掛帳など)へ反映されます。ユーザー自身で、複数の帳簿を作成する必要はないということです。手書きで帳簿作成すると、帳簿間での転記ミスが起こることがありますが、その心配もありません。
閲覧できる帳簿の種類(やよいの白色申告 オンラインの場合)
帳簿の画面では、表示する取引を任意の項目で絞り込めます。会計ソフトにもよりますが、たいてい「取引日時」「科目」「金額」での検索が可能です。過去の取引を確認したいときに活躍します。
取引の一覧画面(現金出納帳)
確定申告 – 提出書類の作成
>> 白色申告で提出する書類
白色申告の個人事業主が提出する申告書類のうち、会計ソフトで作成するのは「収支内訳書」と「確定申告書」です。
「添付書類台紙」は、書面で提出する場合に必須の書類です。これに、所得控除を受けるための証明書などを貼り付けて提出します。税務署で入手するか、国税庁の該当ページからダウンロードして印刷しましょう。
確定申告書類の作成画面
作成画面 | プレビュー画面 |
---|---|
![]() |
![]() |
年間の取引登録さえ済んでいれば、画面の指示に従ってデータを入力・確認していくだけで、カンタンに確定申告書類が作成できます。
作成した申告書類については、紙に印刷して税務署に提出するか、インターネット経由で電子データを提出(電子申告)します(>> 確定申告の方法)。
確定申告が終わったら – 帳簿の保存
帳簿は、申告内容の証拠として一定の期間保存しておくよう定められています。確定申告が終わったあと、それぞれ下記の期間は保存しておく必要があります。
保存する帳簿・書類(白色申告の場合)
帳簿・書類 | 具体例 | 保存期間 |
---|---|---|
法定帳簿 | 収入金額や必要経費を記載した帳簿 | 7年 |
任意帳簿 | 売掛帳、買掛帳、固定資産台帳など | 5年 |
その他の書類 | 領収書、請求書、納品書など |
>> 帳簿の保存期間と保存方法
帳簿書類は「紙」で保存しておくのが原則です。会計ソフトで帳簿作成している場合、1年分の帳簿データをプリントアウトして、紙で保管しておきましょう。会計ソフト内にデータがあるだけでは、保存要件を満たしていることになりません。
まとめ
最後に、個人事業の税務で会計ソフトを使うメリットをまとめておきます。手書きでの作業と比べると、人為的なミスを大幅に削減でき、業務の効率アップが見込めます。特にクラウド会計ソフトは、簿記の知識がなくても利用しやすく、初心者にオススメです。
- 取引の入力画面がシンプルなので、初心者でも使いやすい
- 登録した金融機関の取引データを自動取得できる(自動入力機能)
- 登録した取引は、各帳簿に反映される(転記の必要なし)
- 帳簿画面では、取引を期間や科目で絞り込み検索できる
- 見やすいレポートやグラフで、業況を確認できる
- 画面の指示に従って進むだけで、簡単に確定申告書類が作成できる
- 申告書類を作成し、そのまま電子申告することも可能
大手の会計ソフトであれば、電子申告の機能は基本的に備わっています。本記事で紹介した「やよいの白色申告 オンライン」も、もちろん電子申告に対応しています。