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白色申告の事業専従者とは?要件や給与の扱いについて

更新日: 2021/04/23
白色申告の事業専従者とは?要件や給与の扱いについて

白色申告者の場合、生計をともにする親族に給与を支払っても、給与額をそのまま経費にすることはできません。そのかわり、その親族が「事業専従者」であれば、一定の控除を受けられます。本記事では、その要件や適用方法について解説します。

INDEX

目次

    白色申告の事業専従者とは

    事業専従者とは、簡単にいうと「家業に専念してくれる家族従業員」のことです(「専従者」ともいう)。厳密には、以下の要件をすべて満たす親族をいいます。

    白色申告における「事業専従者」の要件

    • 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族
    • その年の12月31日時点で15歳以上
    • 白色申告者の事業に専ら(もっぱら)従事する期間が年間6ヶ月超

    白色申告者は、専従者一人につき、最高86万円の「事業専従者控除」が受けられます。ただし、事業専従者控除の対象になった親族は「配偶者控除」や「扶養控除」の対象からは外れてしまうので注意しましょう。

    「生計を一にする配偶者その他の親族」とは

    ここでは「生計を一にする」と「配偶者その他親族」について、それぞれ説明します。

    「生計を一にする」とは

    同居している親族は、多くの場合「生計を一にする」に該当します。また、仕事の都合などで同居していなくても、日頃から生活費や学費を送金していれば、基本的にはこれに該当します。

    国税庁によると、「生計を一にする」は「日常の生活の資を共にすること」と定義されてます。ここでいう「資」とは、ざっくり“生活の資金・財源”といった意味です。

    「配偶者その他の親族」とは

    「配偶者その他の親族」について、国税庁は「配偶者・6親等以内の血族及び3親等以内の姻族」と定義しています。ただ、難しく考える必要はなく、以下に挙げるようないわゆる「家族」や「親戚」であればこれに該当します。

    • 曽祖父母
    • 祖父母
    • 両親(父・母)
    • 配偶者(夫・妻)
    • 子供(息子・娘)
    • いとこ
    • はとこ

    「専ら従事する期間が年間6ヶ月超」とは

    「専ら(もっぱら)従事」とは、簡単に言うと「専念して働いている」状態です。つまり、その親族があなたの個人事業に専念して働いていた期間が、年間で「6ヶ月」を超える必要があるというわけです。

    ただ、この「専ら従事」には明確な判定基準が設けられていません。そのため、勤務時間や仕事内容などの実態を踏まえて、総合的に判断する必要があります。少なくとも、下記のようなケースで「専ら従事」していると主張するのは難しいでしょう。

    「専ら従事」しているとは言い難いケース(一例)

    • 高校、大学、専門学校などに通っている*
    • 他に本業があり、その合間をぬって事業を手伝っている
    • 家事や育児を最優先し、その空き時間のみ事業を手伝っている
    • 心身に障害があり、働く能力がない

    *夜間学校の学生など、一部の場合を除く

    ちなみに青色申告の場合、専ら従事する期間が6ヶ月超でなくても、専従者として認められる場合があります。しかし、白色申告においては、そのような例外は認められません。
    >> 青色事業専従者について

    事業専従者と控除額の関係

    白色申告の専従者控除額は、専従者が事業主の配偶者であるか否かによって、金額が異なります。

    配偶者(夫 or 妻) 配偶者以外の親族
    最高86万円 最高50万円

    もし次の計算結果が上記の金額を下回ってしまう場合には、下記の算出金額が控除額になります。下回らなければ、上記の最高額を控除できます。

    専従者控除を適用前の事業所得等 ÷ (専従者の数 + 1)
    = 事業専従者控除額

    この「事業所得等」には「不動産所得」と「山林所得」が含まれます。それらの所得を得ている方は、加算したものを事業所得等の金額としましょう。

    専従者本人にとっては「給与」扱い

    事業専従者控除の対象となる本人(親族)は、実際に支払われた給与の金額にかかわらず、その控除額分の「給与収入」があったものとして扱われます。

    白色申告者 事業専従者
    控除を受ける 控除額分の給与収入があったとみなされる

    例:白色申告者の配偶者が事業専従者の場合

    • 白色申告者……86万円の事業専従者控除を適用する
    • 配偶者…………86万円の給与収入があったものとして扱われる

    もし事業専従者に他の収入がなければ、この収入について所得税が発生することはありません。というのも、白色申告の事業専従者なら少なくとも「103万円」の控除が受けられるからです(給与所得控除55万円 + 基礎控除48万円 = 103万円)。これを超えない限り、所得税の心配はしなくてOKです。

    まとめ

    白色申告者は、原則として親族に対して支払った給与を経費にはできません。そのかわり、一定の要件を満たす「事業専従者」がいる場合は、事業専従者控除の適用を受けられます。

    白色申告における「事業専従者」の要件

    • 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族
    • その年の12月31日時点で15歳以上
    • 白色申告者の事業に専ら(もっぱら)従事する期間が年間6ヶ月超

    白色申告の事業専従者控除を受けるにあたっては、事前の届出などは不要です。確定申告の際に「収支内訳書」と「確定申告書B」の該当箇所に記入をすれば、控除の適用を受けられます。