白色申告の個人事業主やフリーランス向けに、おすすめの会計ソフトを一覧表で比較します。無料で使える白色申告ソフトもあります。必要な機能をしっかり理解して、最適なソフトを選びましょう。
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目次
白色申告の会計ソフト – 比較一覧表
個人事業主・フリーランスの白色申告に対応している会計ソフトを紹介します。どれも「青色申告用だけど白色申告でも使える」ものばかりですが、唯一「やよいの白色申告 オンライン」は白色申告専用のソフトです。
白色申告対応の会計ソフト【比較一覧表】
料金(税込) | 操作画面 | |||
---|---|---|---|---|
やよいの白色申告 オンライン |
0円~ クラウド |
|||
マネーフォワード クラウド確定申告 |
11,880円/年~ クラウド |
|||
freee会計 | 12,936円/年~ クラウド |
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CalQShare | 0円~ クラウド |
– | ||
円簿青色申告 | 0円 クラウド |
– | ||
やよいの青色申告 | 13,200円~ インストール |
– | ||
みんなの青色申告 | 10,780円 インストール |
– | ||
やるぞ!青色申告 | 9,680円~ インストール |
– | ||
ジョブカン 青色申告/確定申告 |
5,500円~ インストール |
– | ||
MJSかんたん!青色申告 | 7,920円 インストール |
– |
会計ソフトは、ChromeやSafariなどのブラウザ上で動作する「クラウド型」と、パソコンにインストールして使う「インストール型」に分かれます。これから導入するなら「クラウド型」がおすすめです。初心者でも操作しやすく、導入コストも抑えやすいです。
クラウド型とインストール型の違い
白色申告が可能なクラウド会計ソフト
無料で使える | 有料で使う | |
---|---|---|
高スペック | ・やよいの白色申告 オンライン | ・マネーフォワード クラウド確定申告 ・freee会計 |
低スペック | ・CalQShare(自動取込ができない) ・円簿青色申告(白色申告には不便) |
– |
「やよいの白色申告 オンライン」は無料ながら、機能面でも他の有料ソフトに見劣りしません。むしろ、白色申告に特化している分、他のソフトよりインターフェイスがシンプルで使いやすいです。
ちなみに「CalQShare」には、銀行口座やクレカの明細をオンラインで自動取得する機能がありません。また「円簿青色申告」では、白色申告者が確定申告で提出する収支内訳書を自動作成できません。いずれも無視できない欠点と言えます(詳細は後述)。
【前提】そもそも白色申告とは?
まず「そもそも白色申告ってなに?青色申告と何が違うの?」というポイントを解説しておきます。早くおすすめの会計ソフトが知りたい人は、記事の後半まで飛ばしていただいてもOKです。
白色申告とは
個人事業主の確定申告では「白色申告」と「青色申告」のどちらかの方式を選択します。白色申告は帳簿付けなどのルールがゆるいかわりに、税制上の優遇がありません。青色申告を選ぶには事前申請が必要で、この申請をしていない人は自動的に白色申告となります。
ちなみに、2013年以前は、白色申告なら帳簿付けが免除される場合があり、どんぶり勘定でも確定申告は可能でした。しかし、2014年からはすべての白色申告者に帳簿付けが義務付けられたので、現在は会計ソフトなどを用いるのが一般的になっています。
白色申告と青色申告の違い
白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|
帳簿付け | わりとかんたん | めんどくさい |
確定申告書類 | 少ない | 多い |
税制上の優遇 | なし | 青色申告特別控除 少額減価償却資産の特例 など |
事前申請 | 不要 | 開業から2ヶ月以内 or 青色にする年の3月15日まで |
白色申告の場合は、帳簿付けや確定申告がそれほど難しくありません。ですから、安価な会計ソフトでも充分に対応可能です。青色申告のような税制優遇は受けられないので、必要以上に高額な会計ソフトを使うのはもったいないです。
白色申告が適しているケース
- 黒字ではあるが、所得はそれほど多くない
- 固定資産(10万円以上のパソコンなど)を買う予定がない
- 家族に業務をやらせていない
上記の3つをすべて満たしていれば、基本的には白色申告でも問題ありません。逆に、一つでも当てはまらない項目があれば、青色申告を一度検討してみたほうがよいです。青色申告のメリットを活用した節税が期待できます。
所得(収入 − 経費)については、大体100万円強ぐらいを目安に青色申告を検討し始めましょう。一方、所得が100万円弱なら、白色申告のままでも税金がかからないことが多いので、青色申告を選んでもあまりメリットがありません。
白色申告に会計ソフトは必要?
白色申告でも、基本的には会計ソフトが必要と考えましょう。会計ソフトを使ったほうが、帳簿付けや確定申告をミスなく素早く行えます。青色申告に比べれば多少マシとはいえ、白色申告もそれなりに大変です。
白色申告に必要な機能とは?
あったほうがよい機能 | なくてもよい機能 |
---|---|
|
|
白色申告者にとっては、複式簿記や青色申告決算書の機能は、かえって邪魔なだけです。これから紹介する「やよいの白色申告 オンライン」のように、白色申告に特化したソフトのほうが単純明快で使いやすいでしょう。
【おすすめNo.1】無料で使えて高スペック「やよいの白色申告 オンライン」
- 充実の機能がずっと無料で使える
- 白色申告に特化している
- シンプルで分かりやすいインターフェイス
「やよいの白色申告 オンライン」は、白色申告に必要な機能が過不足なく揃っていて、ずっと無料で使えます。白色申告の個人事業主・フリーランスなら、これを選んでおけばまず間違いありません。
無料で使える「フリープラン」と、その他2つの上位プランの違いは、カスタマーサポートの有無だけです。フリープランでも、上位プランと同じ機能を利用できます。
「やよいの白色申告 オンライン」の料金プラン
フリープラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
料金(税込) | ずっと無料 | 12,650円/年 初年度は無料 |
23,100円/年 初年度は半額 |
帳簿付け | ○ | ○ | ○ |
確定申告 | ○ | ○ | ○ |
サポート | なし |
※ 電話は年10回まで |
|
「いままで経理なんかやったことないよ~」という初心者は、トータルプランから始めるのをおすすめします。初年度だけ半額で利用できるので、その間に帳簿付けや確定申告に慣れましょう。その後、サポートが必要なくなってからフリープランへ変更するのが賢い使い方です。
トータルプランなら「白色申告の帳簿付けって何をすればいいの?」のような、確定申告に関する一般的な質問にもやさしく答えてもらえます(業務相談)。一方、ベーシックプランでは製品の操作方法に関する質問しかできません。フリープランではカスタマーサポートを利用できないので、操作に慣れてからフリープランに切り替えるのがおすすめです。
【比較】大手3社のクラウド会計ソフト
無料で使える | 有料で使う | |
---|---|---|
高スペック | ・やよいの白色申告 オンライン | ・マネーフォワード クラウド確定申告 ・freee会計 |
低スペック | ・CalQShare ・円簿青色申告 |
– |
大手3社「弥生・マネーフォワード・freee」のクラウド会計ソフトは、いずれもハイスペックなソフトです。銀行やクレカの明細をオンラインで自動取得する機能など、便利な機能を豊富に備えています。
弥生・マネーフォワード・freeeの比較
やよいの白色申告 オンライン |
マネーフォワード クラウド確定申告 |
freee会計 | |
---|---|---|---|
操作画面 | |||
料金(税込) | 0円~ | 11,880円/年~ | 12,936円/年~ |
帳簿付け | 単式簿記 | 複式簿記に対応 | 複式簿記に対応 |
自動取込 | ○ | ○ | ○ |
収支内訳書 | ○ | ○ | ○ |
青色申告決算書 | × | ○ | ○ |
確定申告書 | ○ | ○ | ○ |
請求書の作成 | 「Misoca」 と連携 |
「クラウド請求書」 と連携 |
○ |
電子申告 | ○ | ○ | ○ |
対応ブラウザ (パソコン) |
|||
スマホアプリ |
>> 弥生・マネーフォワード・freeeを徹底比較!個人事業主の会計ソフト
料金面において、弥生には「ずっと無料で使える」という強力なアドバンテージがあります。これを覆せるほどの利点は、マネーフォワードやfreeeには見当たりません。
【比較】無料のクラウド会計ソフト
無料で使える | 有料で使う | |
---|---|---|
高スペック | ・やよいの白色申告 オンライン | ・マネーフォワード クラウド確定申告 ・freee会計 |
低スペック | ・CalQShare ・円簿青色申告 |
– |
無料で「帳簿付け~白色での確定申告」ができるのは、以下のクラウド会計ソフトです。「やよいの白色申告オンライン」は無料とは思えないほど高機能ですから、万人におすすめできます。
無料のクラウド会計ソフトの比較
やよいの白色申告 オンライン |
CalQShare (カルクシェア) |
円簿青色申告 | |
---|---|---|---|
操作画面 | |||
画面上の広告 | なし | なし | あり |
有料オプション (任意) |
ユーザーサポート 10,120円/年~ |
記帳&申告代行 77,000円/年~ |
なし |
帳簿付け | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記に対応 |
自動取込 | ○ | × | × |
収支内訳書 | ○ | ○ | × |
青色申告決算書 | × | △ | ○ |
確定申告書 | ○ | ○ | ○ |
請求書の作成 | 「Misoca」 と連携 |
× | × |
電子申告 | ○ | × | × |
対応ブラウザ (パソコン) |
– | ||
スマホアプリ | – |
「やよいの白色申告 オンライン」は、銀行口座やクレカの明細をオンラインで自動取得できます。この機能があるだけで、帳簿付けの手間がかなり省けます。明細データをそのまま帳簿へ反映してくれるので、ユーザーはその内容を確認するだけでOKです。
「CalQShare」は、自動取り込みに対応していないのが大きな欠点です。個人事業主にとっては、パソコンで操作できない点も不便です。スマホでの取り回しは悪くないので、副業などで家計簿の延長として使っている人もいるかもしれません。
「円簿青色申告」は、「収支内訳書」を作成できないのが致命的です。科目の集計等はしてくれるので、それらを自ら転記すれば、白色での確定申告も一応は可能です。とはいえ、白色申告でこのソフトをあえて選ぶ意味はないでしょう。
まとめ
白色申告の会計ソフトは、機能面と料金面のどちらで考えても「やよいの白色申告 オンライン」がおすすめです。
白色申告が可能なクラウド会計ソフト
無料で使える | 有料で使う | |
---|---|---|
高スペック | ・やよいの白色申告 オンライン | ・マネーフォワード クラウド確定申告 ・freee会計 |
低スペック | ・CalQShare(自動取込ができない) ・円簿青色申告(白色申告には不便) |
– |
「やよいの白色申告 オンライン」は、有料ソフトと同等の機能を無料で使えます。一方、「CalQShare」と「円簿青色申告」は無料ですが、やはり機能面がいまひとつです。とくに「円簿青色申告」では、収支内訳書が作成できないので注意しましょう。
大手3社の比較 – 弥生・マネーフォワード・freee
やよいの白色申告 オンライン |
マネーフォワード クラウド確定申告 |
freee会計 | |
---|---|---|---|
操作画面 | |||
料金(税込) | フリープラン 0円/年 ベーシックプラン 12,650円/年 初年度無料 トータルプラン 23,100円/年 初年度半額 |
パーソナルミニ 1,408円/月 11,880円/年 パーソナル 1,848円/月 16,896円/年 パーソナルプラス 39,336円/年 |
スターター 1,958円/月 12,936円/年 スタンダード 3,278円/月 26,136円/年 プレミアム 43,780円/年 |
帳簿付け | 単式簿記 | 複式簿記に対応 | 複式簿記に対応 |
自動取込 | ○ | ○ | ○ |
収支内訳書 | ○ | ○ | ○ |
確定申告書 | ○ | ○ | ○ |
対応ブラウザ (パソコン) |
|||
スマホアプリ | |||
サポート |
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上表の機能は、3社とも最安プランからすべて利用可能です。ただ、サポートに関しては制限がかかります。たとえば、電話サポートを利用するには、3社とも上位プランでの契約が必要です。
「やよいの白色申告 オンライン」は、白色申告に特化した機能を過不足なく備えています。初年度は、サポートありの有料プランを無料or半額で利用できます。まずは有料プランでサポートを活用し、慣れてきたら無料のフリープランへ変更するとよいでしょう。
ただ、弥生はスマホ対応でやや遅れをとっています。「パソコンなんて持ってない!」という事業主は、マネーフォワードやfreeeも検討してみましょう。