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インボイス対応のおすすめ会計ソフト比較一覧【個人事業主向け】

更新日: 2024/07/02
インボイス対応のおすすめ会計ソフト比較一覧【個人事業主向け】

個人事業主・フリーランス向けに、インボイス制度の対応に役立つおすすめ会計ソフトを紹介します。実際の入力方法などを画像付きで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。無料で導入できるソフトもあります。

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目次

    会計ソフトのインボイス対応 – 比較一覧表

    個人事業主やフリーランス向けに、クラウド会計ソフトのインボイス対応を比較します。インボイス制度は2023年10月から導入されているので、早めに対応ソフトを用意しましょう。

    【インボイス制度】会計ソフトの対応状況を比較

    料金
    (税込)
    対応OS インボイス
    発行
    消費税の
    帳簿付け
    消費税申告
    やよいの白色申告 オンラインやよいの白色申告
    オンライン
    0円/年~
    やよいの青色申告 オンラインやよいの青色申告
    オンライン
    11,330円/年~
    freee会計freee会計 12,936円/年~
    上位プランのみ
    マネーフォワード
    クラウド確定申告
    11,880円/年~
    上位プランのみ
    ジョブカン青色申告ジョブカン青色申告 13,200円/年 ×

    これらのソフトは、もちろん「売上・経費の帳簿付け」や「確定申告書の作成」などの基本的な機能も備えています。ベーシックな経理業務から、インボイス制度に関わる業務まで、ひとつのソフトでカバーできるわけです。

    ちなみに、インボイス制度の導入に伴って新しい業務が発生するのは「課税事業者」だけです。制度導入後も「免税事業者」でいるなら、会計ソフトのインボイス対応を重視する必要はありません。
    インボイス制度をおさらい – 課税事業者・免税事業者とは?

    個人事業主がインボイスに対応する際の注意点

    個人事業主がインボイス制度に対応するには、主に以下の3点を押さえる必要があります。なお、インボイスを発行しない免税事業者については、このような対応はひとまず不要です。

    1. インボイスを発行できるようにする
    2. 消費税の記帳や確定申告ができるようにする
    3. 困ったときの相談先を確保する
    ① インボイスを発行できるようにする

    インボイスは手書きでも発行できますが、必要項目の記載漏れや記入ミスが心配であれば専用のシステムを導入しましょう。発行したインボイスにミスがあると、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるなど、先方に迷惑をかける恐れがあります。

    ② 消費税の記帳や確定申告ができるようにする

    消費税を納めるには、消費税に関する記帳と確定申告が必要です(所得税の確定申告とは別の手続き)。インボイスの有無・消費税区分・軽減税率などを記帳した上で、それらを集計して「消費税の確定申告書」を作成しないといけません。

    ③ 困ったときの相談先を確保する

    インボイス制度には細かなルールが多く、専門知識のない個人事業主が独力で対応するのは困難です。経理に詳しい事務職や税理士を雇うことを検討中の方も多いでしょう。あるいは、業務相談などのサポートオプションが充実した会計ソフトを導入すれば、専門家を雇わずに済む場合もあります。

    インボイス制度には会計ソフトが便利 – 必要な機能は?

    インボイス制度を前提に、課税事業者が会計ソフトを選ぶときに重視すべき機能を解説します。これらの機能を備えた会計ソフトを使えば、個人事業主でもインボイス制度に対応しやすくなります。

    インボイス制度に関わる重要な機能
    インボイスの発行 インボイスをミスなく簡単に発行できる機能
    帳簿付け 記入漏れの防止 必要項目に抜けがあったら教えてくれる機能
    簡易入力 プルダウンなどで簡単に入力できる機能
    テンプレート登録 同じ取引を何度も入力せずに済む機能
    確定申告書の自動作成 消費税の確定申告書類を自動作成する機能
    簡易課税への対応 「簡易課税用」の申告書類を作成する機能
    ※ 消費税の「簡易課税制度」を選択する場合のみ必要

    第一に、インボイスをスムーズに作成・発行できることが重要です。インボイスには消費税額を細かく記載するので、自力で作成すると計算ミスや記載漏れが起こりがちです。ソフトを使えば、こうした失敗を最小限に抑えられます。

    消費税に関する帳簿付け機能も重要です。たとえば、取引の「消費税率」や「請求書区分」を逐一記録しておけば、消費税の確定申告にかかる手間を減らせます。加えて、申告書類の自動作成機能があれば、初めての消費税申告でも安心です。

    消費税の「簡易課税制度」とは?
    中小事業者の消費税申告にかかる事務負担を減らすための制度。事前申請をしておけば、消費税申告の際に納税額を簡易的な方法で計算できる。消費税申告の提出書類が通常と異なるので、会計ソフトの対応状況に注意が必要。

    ひとつ付け加えると、サポート体制が整ったソフトを選ぶことも重要です。いくら機能が充実したソフトを導入しても、正しい運用をしないと意味がありません。その点、これから紹介する「弥生・freee・マネーフォワード」の3社は、いずれも安心して利用できます。

    弥生のクラウド会計ソフト

    弥生のクラウド会計ソフト(白色申告・青色申告オンライン)

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    白:無料~
    青:11,330円/年~
    Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    弥生のクラウド会計ソフトは、低価格と使いやすさで多くの個人事業主やフリーランスに支持されています。白色向けの「やよいの白色申告 オンライン」と青色向けの「やよいの青色申告 オンライン」があり、どちらもインボイス制度に対応しています。

    弥生のインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    インボイス(適格請求書)の作成画面 - Misoca インボイス(適格請求書)の完成イメージ - Misoca

    弥生のクラウド会計ソフトでは、姉妹サービスの「Misoca(ミソカ)」を使ってインボイスを作成できます。商品の単価と数量を打ち込めば、あとはほとんど自動入力してくれるので、計算ミスや記載漏れなくインボイスを作れます。

    弥生の帳簿付け画面

    弥生の帳簿付け画面(インボイス制度対応)

    弥生のクラウド会計ソフトは、記帳画面がシンプルにまとまっているので、会計初心者の個人事業主・フリーランスでも使いやすいでしょう。消費税関連の項目(消費税率や請求書区分など)は選択式になっており、クリック操作だけで入力できます。

    日頃の帳簿付けが済んでいれば、消費税の確定申告書類はほとんど自動的に作成されます。他社だと「ちょっと高めのプランじゃないと申告書を作れない」ということも多いですが、弥生なら最安プランでも消費税申告ができます。

    freee会計

    freee会計(個人)

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    12,936円/年~ Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    最安プランは非対応
    • 経理業務の自動化に長けたクラウド会計ソフト
    • 料金がやや高めだが、業務の効率化を追求したい個人事業主にはおすすめ
    • 消費税の申告書類を作れるのは上位プランのみ(26,136円/年~)

    freee会計は、業務の効率化に定評のあるクラウド会計ソフトです。インボイス対応はもちろんのこと、記帳の自動化や高機能なスマホアプリにも強みがあります。「業務を効率化できるなら多少コストがかかってもいい!」という個人事業主におすすめです。

    freeeのインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    freee請求書のインボイス作成画面 freee請求書で作成したインボイス

    freee会計のユーザーは、同社の「freee請求書」というサービスを使ってインボイスを作るのがおすすめです。freeeらしいすっきりとした画面でインボイスを作成できます。最初から40種類以上のテンプレが用意されており、カスタマイズの自由度も高いです。

    freeeの帳簿付け画面

    freee会計の帳簿付け画面

    ※「請求書区分」の入力にはこれから対応予定

    記帳画面はシンプルですが、仕訳形式のプレビューが表示されるので、会計知識のある人でも使いやすいでしょう。消費税率などの情報は「詳細登録」のボタンを押すと編集できます。

    日頃からきちんと帳簿付けしていれば、消費税の確定申告書類はほとんど自動で作成されます。ただ、最安プランでは消費税の申告書を作れないので注意しましょう。消費税申告の機能が使えるのは「スタンダード(26,136円/年)」以上のプランだけです。

    「消費税申告ライト」- 個人事業主向けの新機能

    2023年冬、freeeは新機能「消費税申告ライト」を提供開始しました。インボイス制度をきっかけに、消費税の確定申告が必要になった個人事業主向けの機能です。

    「消費税申告ライト」を使えば、スマホで簡単に消費税申告ができます。簡易課税や2割特例にも対応予定です。ちなみに、2024年4月1日までのキャンペーンで、「消費税申告ライト」を含む消費税申告の機能がすべてのプランで使えます(通常はスタンダード以上のみ)。

    マネーフォワード クラウド

    マネーフォワード クラウド確定申告

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    11,880円/年~ Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    最安プランは非対応
    • バックオフィス業務に関わる複数のクラウドソフトを一気に導入できる
    • 給与計算や勤怠管理のソフトもあるので、特に従業員のいる事業者におすすめ
    • 消費税の申告書類を作れるのは上位プランのみ(12,936円/年~)

    マネーフォワード クラウド」は、バックオフィス業務に関わるソフトをセット提供するサービスです。会計ソフトの「クラウド確定申告」に加えて、「クラウド請求書・クラウド給与・クラウド勤怠」などのソフトを、年額1万円程度でまとめて導入できます。

    マネーフォワードのインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    マネーフォワード クラウド請求書のイン ボイス作成画面 マネーフォワード クラウド請求書で作成 したインボイス

    セット提供される「クラウド請求書」を使えば、簡単にインボイスを作成・発行できます。作成したインボイスは、そのままメールで送信できるほか、1通あたり200円程度で郵送を依頼することもできます。

    マネーフォワードの帳簿付け画面

    マネーフォワード クラウド確定申告の仕訳入力画面

    帳簿付けは「クラウド確定申告」で行います。記帳画面は、他社と比べるとやや中級者向けといった印象です。初心者向けの簡易的な記帳フォームも用意されていますが、そちらでは消費税率などの詳細情報を入力できません。

    「クラウド確定申告」は、消費税申告書の作成にも対応しています。他社と同様に、書類の大半は自動作成が可能です。ただ、消費税申告の機能が使えるのは「パーソナル(12,936円/年)」以上のプランだけです。

    【補足】そもそもインボイス制度とは?

    インボイスとは、ひとことで言えば「国が認める請求書」のことです。正式には「適格請求書」といいます。2023年10月から消費税のルールが変わり、消費税の課税事業者同士で取引する際は、基本的にインボイスの交付・保存が必要となりました。

    インボイス 従来の請求書
    適格請求書(インボイス) 区分記載請求書

    消費税の納税義務がある事業者を「課税事業者」といい、義務がない事業者を「免税事業者」といいます。基本的には、前々年度の売上が1,000万円を超えたら課税事業者です。売上に関係なく、任意で課税事業者になることも可能です。

    課税事業者と免税事業者の違い

    課税事業者 免税事業者
    • インボイスを発行できる
    • インボイスを受け取る必要がある
    • 消費税を納める義務がある
    • インボイスを発行できない
    • どんな請求書を受け取ってもよい
    • 消費税を納めなくてよい

    >> 免税事業者のままでもOK?メリット・デメリットをわかりやすく

    インボイスを発行する課税事業者のことを「インボイス発行事業者」と呼びます。インボイス発行事業者になるには、税務署長に申請書を提出して登録を受ける必要があります(適格請求書発行事業者の登録申請)。

    なお、免税事業者がインボイス発行事業者の申請をした場合、登録された時点から課税事業者となります。よって、免税事業者のままインボイスを発行するのは不可能です。

    インボイス制度の導入による主な変更点

    インボイス制度では「仕入税額控除」の仕組みが変わります。この制度下では、インボイスを発行してもらえない課税事業者は、消費税の計算において不利な扱いを受けます。そのため、課税事業者間での取引ではインボイスの発行と保存が必要になります。

    インボイス制度における仕入税額控除の仕組み(課税事業者の場合)

    たとえば、取引先から商品を仕入れて、消費者に販売するとします。税抜10万円の商品を売ると、消費税額は1万円です。もし仕入れの際にインボイスを受け取っていなければ、原則としてこの1万円をまるごと税務署に納める必要があります。

    しかし、仕入れの際にインボイスを受け取っていれば、税務署に納める消費税額を減らせます。税抜3万円で仕入れ、消費税として3,000円を支払っていた場合、この3,000円が仕入税額控除の対象です。納める消費税額は「10,000円 - 3,000円 = 7,000円」となります。

    まとめ

    インボイス制度の開始に伴って「課税事業者」になるなら、消費税関連の経理業務に対応した会計ソフトを導入しておきましょう。個人事業主やフリーランスには、弥生freeeマネーフォワードのクラウド会計ソフトがおすすめです。

    おすすめのクラウド会計ソフト【比較一覧表】

    弥生 freee マネーフォワード
    利用料金
    (税込)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円
    ベーシックプラン
    12,650円/年
    初年度は無料
    トータルプラン
    23,100円/年
    初年度は半額
    スターター
    12,936円/年
    1,628円/月


    スタンダード
    26,136円/年
    2,948円/月


    プレミアム
    43,780円/年
    パーソナルミニ
    11,880円/年
    1,408円/月


    パーソナル
    16,896円/年
    1,848円/月


    パーソナルプラス
    39,336円/年
    【青色申告】
    セルフプラン
    11,330円/年
    初年度は無料
    ベーシックプラン
    18,975円/年
    初年度は無料
    トータルプラン
    33,000円/年
    初年度は半額
    対応OS Windows・Mac
    基本機能
    インボイスの発行
    「Misoca」を使う

    「freee請求書」を使う

    「クラウド請求書」を使う
    消費税の帳簿付け
    消費税の確定申告
    最安プランは不可

    最安プランは不可
    簡易課税制度
    の対応
    弥生 freee マネーフォワード

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