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会計ソフトのインボイス対応【個人事業主向け】比較一覧表

更新日: 2023/01/31
会計ソフトのインボイス対応【個人事業主向け】比較一覧表

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目次

    会計ソフトのインボイス対応 – 比較一覧表

    個人事業主やフリーランス向けに、クラウド会計ソフトのインボイス対応を比較します。インボイス制度は2023年10月から導入されるので、それまでに対応ソフトを用意しておきましょう。

    【インボイス制度】会計ソフトの対応状況を比較

    料金
    (税込)
    対応OS インボイス
    発行
    消費税の
    帳簿付け
    消費税申告
    やよいの白色申告 オンラインやよいの白色申告
    オンライン
    0円/年~
    やよいの青色申告 オンラインやよいの青色申告
    オンライン
    9,680円/年~
    freee会計freee会計 12,936円/年~
    上位プランのみ
    マネーフォワード
    クラウド確定申告
    10,560円/年~
    上位プランのみ
    HANJO会計HANJO 会計 12,936円/年 ×
    ツカエル青色申告オンラインツカエル青色申告
    オンライン
    13,200円/年 ×

    これらのソフトは、もちろん「売上・経費の帳簿付け」や「確定申告書の作成」などの基本的な機能も備えています。ベーシックな経理業務から、インボイス制度に関わる業務まで、ひとつのソフトでカバーできるわけです。

    ちなみに、インボイス制度の導入に伴って新しい業務が発生するのは「課税事業者」だけです。制度導入後も「免税事業者」でいるなら、会計ソフトのインボイス対応を重視する必要はありません。
    インボイス制度をおさらい – 課税事業者・免税事業者とは?

    【前提】インボイス対応に必要な機能は?

    まずは、インボイス制度導入後の「課税事業者」にとって、重要な機能を確認しておきましょう。

    インボイス制度に関わる重要な機能

    インボイスの発行 インボイス(適格請求書)を作成・発行する機能
    消費税の帳簿付け 売上や経費の記帳時に、消費税率などを入力する機能
    消費税の確定申告 消費税の確定申告書類を作成する機能
    簡易課税制度の対応 「簡易課税用」の申告書類を作成する機能
    ※ 消費税の「簡易課税制度」を選択する場合のみ必要

    >> 課税事業者がおこなう経理業務をおさらい

    第一に、インボイスをスムーズに作成・発行できることが重要です。インボイスには消費税額を細かく記載するので、自力で作成すると計算ミスや記載漏れが起こりがちです。ソフトを使えば、面倒な項目はすべて自動計算してくれます。

    消費税に関する帳簿付け機能も重要です。たとえば、取引の「消費税率」や「請求書区分」を逐一記録しておけば、消費税の確定申告にかかる手間を減らせます。加えて、申告書類の自動作成機能があれば、初めての消費税申告でも安心でしょう。

    消費税の「簡易課税制度」とは?
    中小事業者の消費税申告にかかる事務負担を減らすための制度。事前申請をしておけば、消費税申告の際に納税額を簡易的な方法で計算できる。(申告時の提出書類が通常と異なるので、会計ソフトの対応状況に注意が必要)

    ここからは、弥生freeeマネーフォワードのクラウド会計ソフトについて、インボイス制度に関わる機能を比較します。「まだ消費税の経理とかよくわからないな…」という個人事業主も、ひとまず最大手の3社から選んでおけば間違いありません。

    弥生のクラウド会計ソフト

    弥生のクラウド会計ソフト(白色申告・青色申告オンライン)

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    白:無料~
    青:9,680円/年~
    Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    弥生のクラウド会計ソフトは、低価格と使いやすさで多くの個人事業主やフリーランスに支持されています。白色向けの「やよいの白色申告 オンライン」と青色向けの「やよいの青色申告 オンライン」があり、どちらもインボイス制度に対応しています。

    弥生のインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    インボイス(適格請求書)の作成画面 - Misoca インボイス(適格請求書)の完成イメージ - Misoca

    弥生のクラウド会計ソフトでは、姉妹サービスの「Misoca(ミソカ)」を使ってインボイスを作成できます。商品の単価と数量を打ち込めば、あとはほとんど自動入力してくれるので、計算ミスや記載漏れなくインボイスを作れます。

    弥生の帳簿付け画面

    弥生の帳簿付け画面(インボイス制度対応)

    ※ 一部の入力項目は2023年春以降に実装予定

    弥生のクラウド会計ソフトは、記帳画面がシンプルにまとまっているので、会計初心者の個人事業主・フリーランスでも使いやすいでしょう。消費税関連の項目(消費税率や請求書区分など)は選択式になっており、クリック操作だけで入力できます。

    日頃の帳簿付けが済んでいれば、消費税の確定申告書類はほとんど自動的に作成されます。他社だと「ちょっと高めのプランじゃないと申告書を作れない」ということも多いですが、弥生なら最安プランでも消費税申告ができます。

    >> やよいの白色申告 オンライン(公式)
    >> やよいの青色申告 オンライン(公式)

    freee会計

    freee会計(個人)

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    12,936円/年~ Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    最安プランは非対応
    • 経理業務の自動化に長けたクラウド会計ソフト
    • 料金がやや高めだが、業務の効率化を追求したい個人事業主にはおすすめ
    • 消費税の申告書類を作れるのは上位プランのみ(26,136円/年~)

    freee会計は、業務の効率化に定評のあるクラウド会計ソフトです。インボイス対応はもちろんのこと、記帳の自動化や高機能なスマホアプリにも強みがあります。「業務を効率化できるなら多少コストがかかってもいい!」という個人事業主におすすめです。

    freeeのインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    freee請求書のインボイス作成画面 freee請求書で作成したインボイス

    freee会計のユーザーは、同社の「freee請求書」というサービスを使ってインボイスを作るのがおすすめです。freeeらしいすっきりとした画面でインボイスを作成できます。最初から40種類以上のテンプレが用意されており、カスタマイズの自由度も高いです。

    freeeの帳簿付け画面

    freee会計の帳簿付け画面

    ※「請求書区分」の入力にはこれから対応予定

    記帳画面はシンプルですが、仕訳形式のプレビューが表示されるので、会計知識のある人でも使いやすいでしょう。消費税率などの情報は「詳細登録」のボタンを押すと編集できます。

    日頃からきちんと帳簿付けしていれば、消費税の確定申告書類はほとんど自動で作成されます。ただ、最安プランでは消費税の申告書を作れないので注意しましょう。消費税申告の機能が使えるのは「スタンダード(26,136円/年)」以上のプランだけです。

    freee会計(公式)

    マネーフォワード クラウド

    マネーフォワード クラウド確定申告

    料金(税込) 対応OS インボイスの発行
    10,560円/年~ Windows・Mac
    消費税の帳簿付け 消費税の確定申告 簡易課税制度

    最安プランは非対応
    • バックオフィス業務に関わる複数のクラウドソフトを一気に導入できる
    • 給与計算や勤怠管理のソフトもあるので、特に従業員のいる事業者におすすめ
    • 消費税の申告書類を作れるのは上位プランのみ(12,936円/年~)

    マネーフォワード クラウド」は、バックオフィス業務に関わるソフトをセット提供するサービスです。会計ソフトの「クラウド確定申告」に加えて、「クラウド請求書・クラウド給与・クラウド勤怠」などのソフトを、年額1万円程度でまとめて導入できます。

    マネーフォワードのインボイス発行機能

    インボイスの作成画面 完成イメージ
    マネーフォワード クラウド請求書のイン ボイス作成画面 マネーフォワード クラウド請求書で作成 したインボイス

    セット提供される「クラウド請求書」を使えば、簡単にインボイスを作成・発行できます。作成したインボイスは、そのままメールで送信できるほか、1通あたり200円程度で郵送を依頼することもできます。

    マネーフォワードの帳簿付け画面

    マネーフォワード クラウド確定申告の仕訳入力画面

    ※「請求書区分」の入力にはこれから対応予定

    帳簿付けは「クラウド確定申告」で行います。記帳画面は、他社と比べるとやや中級者向けといった印象です。初心者向けの簡易的な記帳フォームも用意されていますが、そちらでは消費税率などの詳細情報を入力できません。

    「クラウド確定申告」は、消費税申告書の作成にも対応しています。他社と同様に、書類の大半は自動作成が可能です。ただ、消費税申告の機能が使えるのは「パーソナル(12,936円/年)」以上のプランだけです。

    マネーフォワード クラウド(公式)

    まとめ

    インボイス制度の開始に伴って「課税事業者」になるなら、消費税関連の経理業務に対応した会計ソフトを導入しておきましょう。個人事業主やフリーランスには、弥生freeeマネーフォワードのクラウド会計ソフトがおすすめです。

    おすすめのクラウド会計ソフト【比較一覧表】

    弥生 freee マネーフォワード
    利用料金
    (税込)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円
    ベーシックプラン
    10,120円/年
    初年度は半額
    トータルプラン
    18,480円/年
    初年度は半額
    スターター
    12,936円/年
    1,628円/月


    スタンダード
    26,136円/年
    2,948円/月


    プレミアム
    43,780円/年
    パーソナルミニ
    10,560円/年
    1,078円/月


    パーソナル
    12,936円/年
    1,408円/月


    パーソナルプラス
    39,336円/年
    【青色申告】
    セルフプラン
    9,680円/年
    初年度は無料
    ベーシックプラン
    15,180円/年
    初年度は半額
    トータルプラン
    26,400円/年
    初年度は半額
    対応OS Windows・Mac
    基本機能
    インボイスの発行
    「Misoca」を使う

    「freee請求書」を使う

    「クラウド請求書」を使う
    消費税の帳簿付け
    消費税の確定申告
    最安プランは不可

    最安プランは不可
    簡易課税制度
    の対応
    弥生 freee マネーフォワード

    なかでも、イチオシは弥生のクラウド会計ソフトです。最安プランでも消費税の確定申告機能を使えるので、ランニングコストをかなり抑えられます。さらに、現在は初年度の料金が無料 or 半額になるキャンペーンも開催中です。

    弥生の場合、最上位のプランでは「業務相談」のサポートも利用できます(経理業務や確定申告について相談できるサービス)。課税事業者になったばかりの個人事業主は、初年度だけでも「トータルプラン」に加入しておくと安心です。ちなみに、次年度から安いプランに切り替えることもできます。

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