個人事業向けの会計ソフト10種の比較情報を一覧にまとめました。料金・申告対応・対応OSなどで各ソフトを比較しています。
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目次
個人事業向け会計ソフトの比較一覧表
前提として、クラウド型とインストール型で大きくソフトの扱いが異なります。この違いは重要なので、比較表でぜひ着目して頂きたいポイントです(詳細は後述)。
料金(年額) | 申告対応 | 形式 | 対応OS | |
---|---|---|---|---|
![]() |
白:0円~ 青:8,000円~ |
白色申告 青色申告 |
クラウド | Windows Mac |
![]() (フリー) |
11,760円~ | 白色申告 青色申告 |
クラウド | Windows Mac |
![]() |
9,600円~ | 白色申告 青色申告 |
クラウド | Windows Mac |
![]() 青色申告 |
12,000円~ | 白色申告 青色申告 |
インストール | Windows |
![]() 青色申告 |
9,800円 | 白色申告 青色申告 |
インストール | Windows |
![]() 青色申告 |
8,800円~ | 白色申告 青色申告 |
インストール | Windows Mac |
![]() 青色申告 |
5,000円~ | 白色申告 青色申告 |
インストール | Windows |
![]() |
7,200円 | 白色申告 青色申告 |
インストール | Windows |
![]() |
0円~ | 未対応 申告書の作成機能は別ソフト |
インストール | Windows |
![]() 青色申告FY |
7,500円~ | 青色のみ (申告書Bの作成は不可) |
インストール | Mac (macOS Big Sur以降のOSに対応予定なし) |
表示は税抜き料金
有料で提供されている会計ソフトには、取引の記帳や確定申告の書類作成といった基本的な機能が大抵備わっています。
無料で利用できる会計ソフトも紹介していますが、基本的に十分な機能が備わっていないので注意しましょう。ただ、無料で利用できる会計ソフトのなかでも唯一「やよいの白色申告 オンライン」は、帳簿づけから確定申告書類の作成までの基本機能を有料版と同等に利用できます(白色申告のみ)。
クラウド型とインストール型の違い
ここ数年でシェアを伸ばしているクラウド型は、ブラウザから直接ソフトを利用できるタイプです。対してインストール型は、パソコン本体にソフトをインストールして使う、従来のタイプを指します。
クラウド型 | インストール型 | |
---|---|---|
費用 | ・ソフトの利用料金 (月額 or 年額) |
・ソフトの購入費用 ・バージョンアップ費用(年に1回) |
対応OS | Windows・Macの両方に対応 | Windows or Mac (ソフトにより異なる) |
デバイス | パソコン・タブレット・スマホなどデバイスを問わない | パソコン |
画面構成 | シンプル (初心者・経理経験者向き) |
複雑 (経理経験者向き) |
初めて会計ソフトを利用するのであれば、手軽に導入できるクラウド型の会計ソフトが断然おすすめです。クラウド会計ソフトの大手3社である、弥生・freee・マネーフォワードの会計ソフトを詳しく見ていきましょう。
【クラウド型】弥生のクラウド会計ソフト
- クラウド会計大手3社のなかで最も低価格の料金プラン
- 業界最大規模のカスタマーセンターによる万全のサポート体制
- インターフェイスは項目が少なく、スッキリとした印象
弥生のクラウド型会計ソフトは、白色申告用の「やよいの白色申告 オンライン」と、青色申告用の「やよいの青色申告 オンライン」の2つがあります(「弥生会計 オンライン」は法人向け)。弥生のインストール型ソフトについては、記事後半で紹介します。
料金(税抜) | お試し期間 | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|---|
白:0円~ 青:8,000円/年~ |
白:なし 青:2ヶ月 (基本機能のみ) |
白色・青色 | Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
操作性 | 帳簿づけ | 自動仕訳 | 確定申告書類 | スマホアプリ |
◎ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
「やよいの白色申告 オンライン」ならずっと無料で利用することができます。白色申告の方には、とくに弥生がおすすめです。有料のプランでも初年度無料(もしくは初年度半額)のキャンペーンを開催中です。
ちなみに、freeeとマネーフォワードでは月払いも選べますが、弥生は年払いのみです。
基本的な操作画面(やよいの青色申告 オンライン)
トップ | 取引入力 |
---|---|
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![]() |
レポート | 申告書類作成 |
![]() |
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メニュー画面には必要最低限の項目しかなく、さっぱりとしています。会計初心者にやさしいデザインです。自動仕訳機能に関しては、ロードに時間がかかるなど、他社よりも少々使いにくいところがあります。
弥生を使う大きなメリットが、充実したサポート体制です。自社で専用のカスタマーセンターを構えているので、ユーザーは迅速かつ丁寧なサポートを受けることができます。
>> 「やよいの白色申告 オンライン」
>> 「やよいの青色申告 オンライン」
【クラウド型】会計freee(フリー)
- 専門用語がほとんど登場しない、初心者特化型のクラウド会計ソフト
- 初めての確定申告でも簡単に提出書類を作成可能
- スマホアプリで、帳簿づけ〜電子申告までできる
freeeは白色申告・青色申告の両方に対応している会計ソフトです。スマホアプリにも力を入れており、スマホで取引の登録や書類の作成だけでなく、電子申告まで行うことができます。
料金(税抜) | お試し期間 | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|---|
1,180円/月~ 11,760円/年~ |
1ヶ月 (好きなプラン) |
白色・青色 | Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
操作性 | 帳簿づけ | 自動仕訳 | 確定申告書類 | スマホアプリ |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
基本的には、有料のプランを契約して利用します。無料プランも一応ありますが「データの閲覧は直近1ヶ月まで」などと機能が制限されているお試し程度のものです。
基本的な操作画面
トップ | 取引入力 |
---|---|
![]() |
![]() |
レポート | 申告書類作成 |
![]() |
![]() |
freeeでは、簿記の用語が身近な言葉にわかりやすく置き換えられています。確定申告の書類についてもアンケートのような形式で作成できるので、初めてでもカンタンです。ただ、ほかの会計ソフトを使ったことがある人には、独特すぎて扱いにくく感じるかもしれません。
>> 「会計freee」
【クラウド型】マネーフォワード クラウド確定申告
- 全部で7つのクラウドサービスがセットで使える料金プラン
- 初心者・上級者に関わらず、使いやすいインターフェイス
- 価格よりも質を重視する事業主にピッタリの会計ソフト
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、帳簿・確定申告書類の作成機能が備わっている個人事業向けの会計ソフトです(「マネーフォワード クラウド会計」は法人向けソフト)。白色申告・青色申告ともに対応しています。
料金(税抜) | お試し期間 | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|---|
980円/月~ 9,600円/年~ |
1ヶ月 (プランはパーソナルのみ) |
白色・青色 | Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
操作性 | 帳簿づけ | 自動仕訳 | 確定申告書類 | スマホアプリ |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
マネーフォワードの大きな特徴は、請求書の作成や経費精算など、他のクラウドサービスも料金内で利用できる点です。これらをうまく利用すれば、事務的業務の効率を上げることができます。
マネーフォワードも、有料プランでの契約が基本です。こちらも無料プランはありますが、取引の登録可能件数が年間50件までなど、限られた範囲でしか使用できません。
基本的な操作画面
トップ | 取引入力 |
---|---|
![]() |
![]() |
レポート | 申告書類作成 |
![]() |
![]() |
マネーフォワードの操作画面はとてもわかりやすいですが、簿記の用語がそのまま登場するので、会計業務に慣れていないと初めは戸惑うかもしれません。ただ、ヘルプページが充実しているので、わからないことがあっても大抵のことは自力で解決できるはずです。
【インストール型】やよいの青色申告
- 老舗メーカーが提供する、ロングセラーのインストール型会計ソフト
- インストール型なのにクラウド型に近い機能が使える
- 対応OSはWindowsのみ
弥生が提供するインストール型の会計ソフトが「やよいの青色申告」です(「弥生会計」は法人向けソフト)。名称に「青色申告」とありますが、白色申告にも対応しています。
料金(税抜) | お試し期間 | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|---|
12,000円~ | 1ヶ月 (体験版) |
白色・青色 | Windowsのみ | パソコン スマホ(レシート取込アプリ) |
操作性 | 帳簿づけ | 自動仕訳 | 確定申告書類 | スマホアプリ |
◎ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
「やよいの青色申告」は長年にわたる利用者が多い、歴史ある会計ソフトです。インストール型のソフトとしては、初心者にもやさしいインターフェイスとなっています。とはいえ、クラウド型の分かりやすさにはかないません。
自動仕訳やスマホ用アプリの連携が可能!
インストール型ではあるものの、自動仕訳機能を搭載していたりスマホ用アプリと連携できたりと、クラウド型に近い側面をもっています。
なお「やよいの青色申告」はWindowsにしか対応していません。Macでインストール型の会計ソフトを使う場合は、WindowsとMacの両方に対応している「やるぞ!青色申告」がオススメです。
サービス提供を終了した会計ソフト
会計ソフトを選ぶ上では、市場シェアも重要視しておきましょう。ある程度のソフトであっても、数年でサービスを終了してしまうケースがあります。
近年サービスを終了した主な会計ソフト
名称 | サービス提供期間 |
---|---|
フリビズ | 2014年10月14日~2018年3月31日 |
ネットde青色申告 | 2011年9月30日~2018年5月31日 |
ハイブリッド会計Crew | 2015年2月23日~2018年11月30日 |
いずれの会計ソフトも、ユーザー数の伸び悩みで撤退したと推測されます。個人事業向けの会計ソフトは、先に挙げた弥生・freee・マネーフォワードの3社がメインで切磋琢磨している状態なので、やはりこの3社のなかから選ぶのがおすすめです。
ちなみに、この3社のシェア率については、明確な数字が出ていません。ユーザーアンケートの結果なども目まぐるしく変化しています。しばらくはこの3社が、個人事業用クラウド会計ソフトの大手メーカーとして活躍する状態が続きそうです。
クラウド会計ソフトの弥生・freee・マネーフォワードを比較
クラウド会計ソフトの大手3社「弥生」「freee」「マネーフォワード」の比較情報を表にまとめました。
弥生・freee・マネーフォワードの比較表
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
料金 (税抜) |
白色申告オンライン フリープラン 0円/年 ベーシックプラン 8,000円/年 初年度4,000円/年 トータルプラン 14,000円/年 初年度7,000円/年 青色申告オンライン |
スターター 1,180円/月 11,760円/年 スタンダード プレミアム |
パーソナルミニ 980円/月 9,600円/年 パーソナル パーソナルプラス |
お試し期間 | 2ヶ月 (基本機能のみ) + 初年度は 「無料か半額」 |
1ヶ月 (好きなプラン) |
1ヶ月 (パーソナルのみ) |
取引入力の画面 | ![]() |
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申告書類 作成の画面 |
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![]() |
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対応OS | Windows・Macなど | ||
デバイス | パソコン・タブレット・スマホ | ||
自動仕訳 | ○ | ○ | ○ |
チャット サポート |
ベーシックプラン トータルプラン |
全プラン | 全プラン |
メール サポート |
ベーシックプラン トータルプラン |
全プラン | 全プラン |
電話 サポート |
ベーシックプラン トータルプラン |
プレミアムプラン | パーソナルプラス (会計ソフトに関する問い合わせのみ可能) |
確定申告 などの相談 サポート |
トータルプラン | なし | なし |
スマホ アプリ |
手入力による簡単な帳簿づけに特化 | 記帳や電子申告に加え、請求書等の作成も可能 | 帳簿づけから電子申告まで対応 |
共有可能 人数 |
1ユーザーまで 追加ごとに通常プランと同じ料金がかかる |
3ユーザーまで 3名を超える場合 毎月360円/ユーザー数 |
制限なし 追加料金はかからない |
最後に、それぞれの会計ソフトがどんな事業者に向いているのかまとめています。検討の際、参考にしてみてください。
「弥生のクラウド会計ソフト」がオススメなのはこんな人
- とにかく低料金でクラウド会計ソフトを利用したい
- 確定申告などの相談についてもしっかりサポートを受けたい
- 老舗メーカーが提供する安心感のあるソフトを使いたい
「会計freee」がオススメなのはこんな人
- 経理未経験で、確定申告をしたことがない
- とにかくラクに会計業務を済ませたい
- 帳簿や確定申告書類の作成をスマホアプリで行いたい
「マネーフォワード クラウド確定申告」がオススメなのはこんな人
- 会計ソフト以外のクラウドサービスも合わせて利用したい
- 簿記について、ある程度の知識がある
- 効率化のためなら、それなりのコストは許容できる
上記3つのうち、どの会計ソフトを選んでも帳簿や確定申告書類の作成機能は備わっています。どれも無料でお試しできるので、実際に使い心地を確かめてみてください。