個人事業向けクラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」の操作画面や基本的な使い方をまとめました。会計初心者から上級者まで、幅広い層が利用できるクラウド会計ソフトです。
INDEX
目次
「マネーフォワード クラウド確定申告」の特徴
マネーフォワードは複数のサービスをセットで提供しており、個人事業向けの会計ソフト「クラウド確定申告」はその中に含まれています。この会計ソフトだけを個別で契約することはできません。
マネーフォワード クラウド確定申告の主な特徴
- 他サービスとのセット利用により加速する効率化とコストダウン
- 会計初心者から上級者まで、扱いやすいデザイン
- 本格的な事業運営を見据える事業主向けサービス
本記事ではマネーフォワードの料金プランや、会計ソフトとしての基本的な機能(帳簿づけや確定申告書類の作成など)、サポート体制といった特徴について、実際の操作画面を交えながら紹介していきます。
4つの料金プランを比較
マネーフォワードには、無料で使用できる「フリープラン」と、3つの有料プラン「パーソナルミニ」「パーソナル」「パーソナルプラス」があります。いずれのプランも、白色申告・青色申告の両方に対応しています。
有料プランの利用料金は最低1,078円(月額)です。マネーフォワードでは、請求書などのクラウドサービスもセットで利用することができます。会計ソフト以外のサービスも使うのであれば、お得な料金設定です。
「パーソナルミニ」では請求書機能を一部の範囲でしか使えませんが、「パーソナル」以降ではすべての機能が利用可能です。とはいえ、請求書機能が必要ない事業者であれば「パーソナルミニ」で十分です。
「パーソナル」と「パーソナルプラス」の違いは、電話サポートの有無くらいです。公式サイトのヘルプページやチャット・メールでのサポートだけでは不安という方は「パーソナルプラス」を申し込みましょう。
「フリープラン」は年間の仕訳件数50件までなど、機能がかなり制限されています。開業したばかりで取引件数が少ないという場合なら、ギリギリ利用可能な程度です。
手動入力による帳簿づけ – 簡単入力と振替伝票入力
マネーフォワードで取引を入力する際は、簿記にまったく触れたことのない人でも簡単に操作できる「簡単入力」と、経理の経験がある人向けの「振替伝票入力」、どちらかの機能を使います。
簡単入力の画面
「簡単入力」は、その名のとおり取引を簡単に入力できる会計初心者向けの機能です。画面の案内に従って項目を選び、金額などを入力するだけで、取引を分類してくれます。まるで家計簿をつけるかのような手軽さで、取引を登録できます。
振替伝票入力の画面
複式簿記に慣れている方は「振替伝票入力」を使いましょう。先ほど簡単入力で入力した取引を、振替伝票入力で打ち込んだ画面が上の画像です。簿記の用語が多いので、中~上級者向けの機能といえます。
取引を仕訳した結果
簡単入力・振替伝票入力のどちらを使用しても、仕訳帳には同様に反映されます。ユーザー自身が使いやすいと思う入力方式を選びましょう。
自動入力による帳簿づけ – 銀行口座などの連携
自動入力とは、会計ソフトに銀行口座などを登録しておくことで、明細データを自動で読み込み、仕訳の提案までしてくれる機能のことです。現在、マネーフォワードと連携可能なサービスは2,400件以上あります。
自動入力の機能を利用すれば、ユーザーは最終的な確認をするだけで、取引データを登録できます。すべてのデータを手動入力するとなると、金額の打ち間違いなどのミスが発生することもありますが、自動入力ならその心配はありません。
取引を最大50件まで一括編集できる
会計ソフトが連携先から自動で取得したデータは、最終的にユーザーが確認する作業が必要です。マネーフォワードの場合、一括編集の機能が搭載されています。項目を複数選んで一度に登録できるので、非常に使いやすいです。これはマネーフォワードの大きな特徴のひとつです。
マネーフォワードの連携状況
銀行口座 | クレジットカード | その他サービス |
---|---|---|
主要なものは総じてOK | 主要なものは総じてOK | 比較的多め (ただしサービスによる) |
メガバンク・地方銀行問わず、一通りの金融機関には対応しています。クレジットカードも同様です。そのほかのPOSレジや通販サイト、クラウドソーシングサイトなどについても、ほかの会計ソフトと比べて多くのサービスと連携できます。
連携サービスの登録画面 | 連携可能なその他サービスの一覧 |
---|---|
![]() |
![]() |
2022年12月時点
もちろん「マネーフォワード クラウド請求書」や「マネーフォワード クラウド給与」など、同社の他サービスとシームレスに連携できます。
シンプルで見やすいレポート機能
入力してきた取引データは、レポート機能によってグラフ形式で表示させることも可能です。収益や必要経費の割合などをグラフで閲覧でき、経営状態の分析ができます。また、表示する範囲は自由に指定できるので、一年の流れを把握するだけでなく月ごとの確認もできます。
マネーフォワードで表示できる主なレポート
キャッシュフローレポート | 費用レポート |
---|---|
![]() |
![]() |
たとえば「費用レポート」では、必要経費の割合が勘定科目ごとに色別で表示されるので、無駄な支出を見極めるのに有効です。
確定申告の書類も作成できる
帳簿づけした内容を確定申告書類データに反映し、個人事業の確定申告に必要な書類を作成することができます。マネーフォワードで作成して印刷した確定申告書類を、そのまま税務署への提出用として使うことができます。
マネーフォワードで作成できる確定申告データ
白色申告の場合 | 青色申告の場合 |
---|---|
|
|
書面で提出する場合は、作成したデータをプリントアウトして、税務署に持参するか郵送して提出します。電子申告する場合は、マネーフォワードで作成した申告データをe-Tax送信用に出力します(この場合、印刷する必要はない)。
収支内訳書 or 青色申告決算書
マネーフォワードは白色申告・青色申告の両方に対応しているので、「収支内訳書」と「青色申告決算書」の両方を作成できます。作成の際は、これまで入力してきたデータをもとに自動で反映されるので、手間がかかりません(下画像は、青色申告決算書を作成する例)。
確定申告書
「確定申告書」についても、収支内訳書や青色申告決算書と同様、案内に従ってデータを入力すれば作成できます。
>> 白色申告で提出する書類
>> 青色申告で提出する書類
マイページで確定申告の進捗状況を把握できる
マネーフォワードのマイページでは、確定申告の流れが箇条書きで示されています。完了した項目については、左のチェックマークが自動的に青色に変わります。次にすべきことがわかりやすいので、初めて確定申告をする人でも安心です。
プランによってサポート内容が異なる
サポート内容は、契約しているプランごとに異なります。AIチャットボットやメールでのサポートはどのプランでも利用できますが、マネーフォワードのスタッフによるチャットや電話のサポートは有料プラン向けとなっています。
プラン別サポート内容
フリープラン | パーソナル ミニ |
パーソナル | パーソナル プラス |
|
---|---|---|---|---|
AIチャット ボット |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
メール | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
チャット | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ |
電話 | ☓ | ☓ | ☓ | ◯ |
*会計ソフトに関する問い合わせのみ可能
AIチャットボットによるサポート
チャットサポートの営業時間外は、AIチャットボットのサービスに切り替わります。自分に当てはまる項目を選択していくと、該当するヘルプページリンクが提示されます。ただ相手はAIなので、個別的なケースは対応できません。
無料で使えるフリープランの場合、マネーフォワードスタッフによるチャットサポートは利用できず、AIチャットボットが常時右下に表示されます。
チャットによるリアルタイムサポート
スタッフによるチャットサポートは、平日10:30~17:00の間利用できます(土日祝日は対応時間外)。チャットの履歴はメールで自身に送信することもできるので、あとで読み返しながら作業をすることも可能です。
① ホーム画面右下をクリックする | ② チャット画面が表示される |
---|---|
![]() |
![]() |
スマホアプリでできること
スマホアプリ「マネーフォワード クラウド確定申告」を使えば、主に下記4つの機能をスマホから利用できます。もちろん、スマホ側で操作した内容は、パソコンからログインしたときにも反映されます。
- 手入力による帳簿づけ(かんたん入力 or 振替伝票入力)
- 自動入力による帳簿づけ
- 口座残高や損益分析レポートの確認
- 申告書類の作成や電子申告
取引の手入力に関しては、「かんたん入力」と「振替伝票入力」の2つの方法が用意されています。「かんたん入力」を選択すれば、初心者でもパパっと帳簿づけができます。
また、連携した口座・カード・電子マネーなどの取引情報は、アプリ上では以下のように表示されます。パソコンから処理するときと同じように、シンプルな操作で修正・登録が可能です。
2020年11月からは、確定申告書類の作成や電子申告ができるよう、アプリがリニューアルされました。これにより、日々の会計業務から確定申告までをスマホで完結できます。
「クラウド経費」のアプリなら、スマホで領収書を読み取れる
「マネーフォワード クラウド経費」のアプリを使えば、レシートなどをスマホで撮影して、取引を読み取ることができます。
「クラウド経費」のアプリで読み取ったデータは、会計ソフトに自動で取得されます。金融機関を連携させたときと同様、取得した取引データにはあらかじめ勘定科目が提案されているので、それを確認して登録します。
クラウド会計ソフト以外のサービスも利用可能
2019年5月に大きなプラン改定があり、以下のサービスがセット提供される形になりました。以前は各サービスの個別契約が可能でしたが、現在はそれぞれを個別契約することはできません。
マネーフォワードの各サービスについて
クラウド 確定申告 |
日々の帳簿づけから確定申告の書類作成が可能なサービス |
---|---|
クラウド 請求書 |
請求書の作成・送付・受取をまとめて管理できるサービス |
クラウド 経費 |
経費の精算業務をサポートするサービス (領収書・レシート読み取り機能など) |
クラウド 給与 |
従業員の給与計算や給与明細の発行などができるサービス |
クラウド 勤怠 |
従業員の勤怠(打刻や休暇申請など)を管理するサービス |
クラウド マイナンバー |
従業員などのマイナンバー(個人番号)を管理するサービス |
クラウド 社会保険 |
社会保険の手続きに必要な書類の作成や電子申請などができるサービス |
一人で事業を営むのであれば「クラウド確定申告」「クラウド請求書」「クラウド経費」の3サービスが活躍します。ほかの「クラウド給与」「クラウド勤怠」「クラウドマイナンバー」「クラウド社会保険」は人事労務をサポートするサービスのため、従業員を雇用していなければ基本的に使うことはありません。
各サービスを連携させることで、事務作業が効率的になります。たとえば、「クラウド請求書」で作成・送付した請求書のデータは、以下のように「クラウド確定申告」に反映されます。
「マネーフォワード クラウド確定申告」のポイントまとめ
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、会計初心者から上級者まで使用できるクラウド会計ソフトです。とはいえ簿記用語が多く登場するので、ある程度の知識があったほうがスムーズに利用できます。
会計ソフト以外のサービスもセットで利用できることは、マネーフォワードの大きな特徴です。税務や人事労務の事務作業をクラウド化して連携することにより、事業運営を効率的に進めることができます。
「マネーフォワード クラウド確定申告」の主なポイント
手動入力機能 |
|
---|---|
自動入力機能 |
|
レポート機能 |
|
確定申告書類 の作成 |
|
サポート体制 |
|
スマホでの 利用 |
|
マネーフォワードなら、日々の帳簿づけから確定申告の書類作成だけでなく、主要なバックオフィス作業をトータルでサポートしてくれます。すべての機能を使える「パーソナル」プランを一ヶ月無料で利用できるので、気になる方は試してみてください。