自営業がとことん分かるメディア

農業におすすめの会計ソフト【比較一覧】農業の確定申告を効率化

更新日: 2024/05/07 PR
農業におすすめの会計ソフト【比較一覧】農業の確定申告を効率化

農業を営む個人事業主や法人向けに、おすすめの会計ソフトをわかりやすく紹介します。農業ならではの機能や、自動仕訳などの便利機能を一覧表で確認できます。記事の後半では、自分に合ったソフトの選び方なども解説しています。

INDEX

目次

    農業におすすめの会計ソフト【比較一覧】

    農業の帳簿付けに使える会計ソフトは、以下の2種類に大別できます。初心者には、汎用的なソフトのほうが操作しやすいのでおすすめです。必ずしも農業・農家専用のソフトでなくてOKです。

    • 汎用ソフト…………一般の会計ソフトのうち、農業にも対応できるもの
    • 農業特化ソフト……農業のみに特化した会計ソフト

    ちなみに、他の事業や不動産などで収入を得ている兼業農家の方にも、汎用ソフトがおすすめです。農業特化の会計ソフトでは、兼業に対応できない場合があるので注意しましょう。

    農業に使える会計ソフト一覧

    対象 料金(税込) 農業簿記 特徴
    freee会計(フリー)freee会計 個人事業主
    法人
    12,936円/年〜
    クラウド

    対応可
    汎用ソフト
    業務の自動化が得意
    マネーフォワードクラウド確定申告マネーフォワード 個人事業主
    法人
    10,560円/年〜
    クラウド

    対応可
    汎用ソフト
    幅広い業務をカバーできる
    弥生会計24スタンダード(インストール型)弥生会計 個人事業主
    法人
    55,000円~
    インストール

    対応可
    汎用ソフト
    基本的には法人向け
    農業簿記(ソリマチの会計ソフト)農業簿記 個人事業主
    法人
    66,000円
    インストール

    標準搭載
    農業に特化
    兼業にも対応できる
    らくらく青色申告農業版らくらく青色申告
    農業版
    個人事業主 8,800円
    インストール

    標準搭載
    農業に特化
    兼業には対応できない

    ソフトによって使用感やサポート体制が異なるため、自身の農業経営に最適なものを選びましょう。ここからは、各ソフトの機能や、どんな人にマッチするかなどを、順番に紹介していきます。

    freee会計

    クラウド会計ソフト freee会計(フリー)

    • 高性能で直感的に操作できるクラウド会計ソフト
    • テンプレートを適用するだけで農業用にカスタムできる
    • 個人事業主の場合、農業所得の確定申告にも対応可能

    「freee会計」は、一般業種だけでなく、農業の簿記にも対応できるクラウド会計ソフトです。公式サイトから「農業向け勘定科目テンプレート」をダウンロードして、ソフトに適用するだけで、農業用の会計ソフトとして使えるようになります。

    対象ユーザー 料金(税込) 対応OS 農業簿記
    個人事業主
    法人
    12,936円/年〜 Windows
    Mac
    初期設定が必要
    (テンプレート)
    自動仕訳 農業所得の申告 資産台帳 予実管理
    上位プランのみ

    freee会計は、業務の効率化を徹底したい事業者におすすめです。自動仕訳の性能が圧倒的に高く、ほとんど手をかけずに帳簿を作成できます。ただし、本領を発揮するには、初期設定を適切に行い、freeeのシステムに合わせて業務フローを見直す必要があります。

    操作画面はシンプルで、専門用語もあまり登場しません。簿記の知識がない初心者でも、比較的扱いやすいでしょう。個人事業主の場合は、農業所得の申告書を作成できるので、freeeで帳簿付けから確定申告まで完結できます。

    無料トライアルはこちらfreee会計 公式サイト

    マネーフォワードクラウド会計

    マネーフォワード クラウド会計 - バナー画像 アイキャッチ画像

    • バックオフィス業務全般をカバーできるクラウドソフト
    • 農業簿記に対応できる(手動で勘定科目の設定が必要)
    • 農業所得の申告書は作成できない

    「マネーフォワード クラウド」は、基本的には一般業種向けの会計ソフトですが、農業用にも使えます。会計業務だけでなく、請求・経費精算・給与計算など、複数のクラウドソフトがセットで提供されます。

    対象ユーザー 料金(税込) 対応OS 農業簿記
    個人事業主
    法人
    10,560円/年〜 Windows
    Mac
    初期設定が必要
    (手動)
    自動仕訳 農業所得の申告 資産台帳 予実管理
    × 上位プランのみ

    初期設定の際に農業用の勘定科目を追加すれば、農業用の帳簿や決算書も作成できます。ただし、農業用の確定申告書は作成できないので、個人事業主にとってはやや使いにくいです。

    バックオフィス業務で使うソフトを、マネーフォワードのクラウドソフトで統一すれば、データ連携や管理がやりやすくなります。加えて、連携できる金融機関の種類が多く、データ取得の頻度も高いです。

    無料トライアルはこちらマネーフォワード 公式サイト

    弥生会計

    弥生会計 - バナー画像 アイキャッチ画像

    • インストール型だが、クラウド機能も備えた会計ソフト
    • 農業簿記に対応できる(手動で勘定科目の設定が必要)
    • クラウド機能には年額料金がかかる

    「弥生会計」は、農業簿記にも対応できる会計ソフトです。パソコンにインストールする必要があり、農業用の勘定科目などの初期設定も手動で行う必要があるので、使い始めるまでに少し手間がかかります。

    対象ユーザー 料金(税込) 対応OS 農業簿記
    個人事業主
    法人
    55,000円~ Windows 初期設定が必要
    (手動)
    自動仕訳 農業所得の申告 資産台帳 予実管理
    上位版のみ
    (プロフェッショナル)

    買い切り型なので、ソフト本体については継続的な費用が発生しません。長く使い続けるならおトクです。ただし、自動仕訳などのクラウド機能を使いたければ、サポート料金として「税込40,370円/年〜」の費用が継続的にかかります(初年度は無料or半額)。

    サポートに加入するメリットは大きいです。自動仕訳の機能があれば、銀行口座やクレカの明細データをクラウド上で取得し、帳簿に反映できます。さらに、最新バージョンのソフトをつねに無償で提供してもらえます。

    農業簿記

    農業簿記 ソリマチの農業向け会計ソフト - バナー画像 アイキャッチ画像

    • 農業用に特化した会計ソフト
    • 30年以上の実績を持つロングセラー製品
    • 農業での経理経験がある個人事業主・法人向け

    ソリマチの「農業簿記」は、農業の会計に特化したインストール型の会計ソフトです。30年以上にわたり農業経営者に支持されています。兼業農家や家賃収入にも対応可能です。

    対象ユーザー 料金(税込) 対応OS 農業簿記
    個人事業主
    法人
    66,000円 Windows 標準搭載
    自動仕訳 農業所得の申告 資産台帳 予実管理

    農業向けの機能が標準搭載されており、決算書の作成まで完結できます。ただし、個人事業主の確定申告書を作成する場合は、別途「ソリマチクラブ」という有償サポートに加入する必要があります(初年度無料)。

    自動仕訳をする際は、無料ソフト「MoneyLink(マネーリンク)」を併用します。パソコンを起動すれば、自動で銀行口座やクレカのWeb明細を取り込んでくれます。取り込んだデータは、そのまま「農業簿記」のソフトにも反映されます。

    らくらく青色申告 農業版

    らくらく青色申告農業版 個人事業主向けの会計ソフト - バナー画像 アイキャッチ画像

    • 個人事業主の農業に特化した会計ソフト(法人には非対応)
    • 農業以外の所得には対応していない
    • シンプルな機能のみで、複雑な操作は不要

    「らくらく青色申告農業版」は、個人事業主の農業経営に特化した会計ソフトです。比較的安いですが、そのぶん機能は少ないです。農業用の勘定科目などは、標準で搭載されています。

    対象ユーザー 料金(税込) 対応OS 農業簿記
    個人事業主 8,800円 Windows 標準搭載
    自動仕訳 農業所得の申告 資産台帳 予実管理
    × ×

    新規購入の価格は「8,800円(税込)」ですが、翌年以降の更新版は「5,500円(税込)」です。確定申告書の様式は毎年のように変わるので、基本的には毎年買い替えるものと考えておきましょう。

    機能はごくシンプルなものしかなく、自動仕訳などの便利機能はありません。電子帳簿保存にも対応していないので、作成した帳簿は紙に印刷して保存しないといけません(青色申告の場合は7年間)。

    そもそも農業に会計ソフトは必要?

    農業の会計ルールは複雑ですが、農業簿記に対応した会計ソフトを使うことで、効率よく正確に帳簿付けができます。農業特有の勘定科目を使うため、農業経営の規模にかかわらず、会計ソフトを導入するメリットは大きいです。

    会計ソフトを導入したほうが良いケース

    • 人手不足で経理にまで手が回らない
    • デジタル化を進めて紙の書類を減らしたい
    • 財務状況をリアルタイムで分析したい
    • 経理ミスが多くて困っている
    • 税理士費用を安く抑えたい

    とくに農業の場合は、請求業務や棚卸しの業務、備品の管理などが煩雑になりやすいです。そのため、上記のようなケースに当てはまることも多いでしょう。もし当てはまる項目が一つでもあれば、会計ソフトの導入を検討してみると良いです。

    税理士と顧問契約をする場合も、会計ソフトを活用するのがおすすめです。簡単な入力業務を自分でやれば、そのぶん顧問料を安く抑えられます。入力業務といっても、自動仕訳などの機能をうまく利用すれば、実質的な負担はそれほど重くないでしょう。

    兼業農家でも帳簿付けや確定申告は必要?

    結論から言うと、兼業農家でも帳簿付けは必須です。一方、確定申告については、副業としての農業所得が年間20万円以下であれば、基本的には不要です。確定申告が不要な場合でも、帳簿付けは全事業者に義務付けられている点に注意しましょう。

    農業所得の計算方法は「農業における収入 − 必要経費」です。この計算には、色々と細かいルールがあります。農産物を収穫した時点で収入計上する「収穫基準」も、その一例です。農業所得を正しく計算するには、会計ソフトがあったほうが便利です。

    農業の会計ソフトを選ぶポイント

    農業経営に最適な会計ソフトを選ぶには、以下のようなポイントを押さえると良いです。農業での利用を前提として、順番にわかりやすく解説していきます。

    1. 農業簿記に対応しているか
    2. 資産管理の機能があるか
    3. 経営分析や予実管理の機能があるか
    4. 農業所得の確定申告に対応しているか
    5. 青色申告に対応しているか

    ① 農業簿記に対応しているか

    農業の会計は一般業種に比べて複雑で、特有の勘定科目が存在します。たとえば「種苗費」「素畜費」「農薬衛生費」などです。種子や肥料、農機具の購入、作物の成長段階に応じた適切な会計処理を行う必要があります。

    ② 資産管理の機能があるか

    農業では土地、農機具、施設などの資産管理が重要です。資産の購入、減価償却、売却などの取引を正確に記録する必要があり、場合によっては農地の借地契約やリース農機の管理も必要です。こうした資産管理をサポートしてくれる会計ソフトを選ぶとよいです。

    ③ 経営分析や予実管理の機能があるか

    農業経営では、作物の生産計画と実績の比較が欠かせません。グラフなどで経営状況をリアルタイムに分析できれば、計画の軌道修正もしやすいです。また、農業では補助金を活用する機会が比較的多く、その申請や実績報告にも役立ちます。

    ④ 農業所得の確定申告に対応しているか(個人事業主)

    農業所得の確定申告は、一般の事業所得とは異なる点が多々あります。たとえば、決算書を提出する際も「農業所得用」の様式を使う必要があります。農業所得の申告に対応した会計ソフトを使わないと、二度手間になる場合もあるので注意しましょう。

    ⑤ 青色申告に対応しているか

    青色申告に対応すれば、最大65万円の特別控除を始めとした、様々なメリットを受けられます。とくに農業の場合は、自然災害による収入減少が補てんされる公的な収入保険に加入できるなど、一般業種よりも青色申告を行うメリットが大きいです。

    農業の会計ソフトはクラウド型がおすすめ!

    会計ソフトは「クラウド型」と「インストール型」に大別できます。農業経営では、アクセスのしやすさやデータの更新性、コストの面から「クラウド型」がおすすめです。

    クラウド型とインストール型の違い【会計ソフトの種類】

    クラウド型 インストール型
    インストール 不要 必要
    (CD-ROMなど)
    デバイス パソコン
    タブレット
    スマホ
    パソコン
    費用 ソフトの利用料金
    (月額 or 年額)
    ソフトの購入費用
    +
    バージョンアップ費用
    (年1回)
    ネット環境 必要 不要
    対応OS Windows・Macの
    両方に対応
    Windows or Mac
    (ソフトにより異なる)
    画面構成 シンプル
    (初心者・経理経験者向き)
    複雑
    (経理経験者向き)
    自動仕訳の機能 あり なし
    (一部のソフトは対応)
    データの保管先 クラウド上
    (運営会社が管轄するサーバー内)
    ローカルのディスク内

    >> 会計ソフトの「クラウド型」と「インストール型」の違い

    クラウド型なら、インターネット環境があれば、どこからでもアクセスできます。これにより、農場での作業中や外出先でも簡単に会計データを確認・更新できます。また、入力データは自動的に最新の状態に保たれるので、複数人での運用にも向いています。

    また、クラウド型ソフトは自動でアップデートされるため、税法の変更などにも即座に対応できます。初心者でも直感的に操作できるデザインが多く、煩雑な設定やメンテナンスに煩わされる心配もありません。

    費用面についても、クラウド型は初期投資が少ないサブスク形式なので、導入や変更がしやすいです。必要な機能やサービスに応じて、プランを柔軟に選択・変更できます。将来的な規模の変化に合わせて、つねに最適なソフトを利用できます。

    まとめ

    農業を営む個人事業主や農業法人には、人気メーカー「freee・マネーフォワード・弥生」の会計ソフトがとくにおすすめです。以下のソフトは、いずれも農業簿記に対応可能です。

    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    弥生会計
    形式 クラウド型 クラウド型 インストール型
    対応OS Windows
    Mac
    Windows
    Mac
    Windowsのみ
    操作画面 取引の登録(手入力) – freee 弥生会計 - 操作画面(かんたん取引入力)
    費用
    (税込)
    12,936円/年〜 10,560円/年〜 55,000円~
    対象
    ユーザー
    個人事業主
    法人
    個人事業主
    法人
    個人事業主
    法人
    農業簿記
    テンプレあり

    テンプレ無し

    テンプレ無し
    自動仕訳
    資産管理
    予実管理 上位プランのみ 上位プランのみ 上位版のみ
    農業所得の申告
    (個人事業主)
    ×
    freee会計公式サイトで見る マネーフォワード公式サイトで見る 弥生会計公式サイトで見る

    総合的に見ると、最もおすすめできるのは「freee会計」です。農業簿記にもテンプレートで簡単に対応できる上に、農業所得の確定申告にもしっかり対応しています。

    ただ、画面デザインの使いやすさや操作性を重視する方は、実際に使ってみて判断したほうがよいです。上記の3つは、いずれも無料体験できるので、使い心地を比較した上で導入を検討してみましょう。

    \ この記事をSNSでシェアする /
    PICKUP POSTS
    ピックアップ記事
    マネーフォワード クラウド確定申告
    NEW POSTS
    新着記事
    自営業の専門メディア 自営百科
    最新情報はSNSアカウントで