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会計ソフトの乗り換えに最適なタイミングは?注意点やおすすめソフトも解説

更新日: 2024/08/05
会計ソフトの乗り換えに最適なタイミングは?注意点やおすすめソフトも解説

個人事業主・法人向けに、会計ソフトを変更するタイミングや、乗り換えの手順をわかりやすく解説します。他社ソフトからデータ移行する際の注意点や、乗り換え先としておすすめの会計ソフトも紹介します。

INDEX

目次

    会計ソフトを乗り換えるタイミング

    一般的に、会計ソフトを乗り換えるタイミングは下記の3パターンです。年の途中から会計ソフトを変更する場合も、きちんとデータ移行をすれば問題ありません。

    1. 法人化や事業規模を拡大するとき
    2. 法改正や会計基準に変更があったとき
    3. 既存の機能への不便を感じたとき

    ① 法人化や事業規模を拡大するとき

    個人事業主が法人化すると、決算や確定申告が複雑になります。それに対応できる会計ソフトが必要です。また、法人がさらに事業規模を拡大する場合や、業種転換をしたり新規事業を始めたりする場合も同様です。

    ② 法改正や会計基準に変更があったとき

    法改正や会計基準の変更により、これまで使っていた会計ソフトが役に立たなくなる場合もあります。その場合、新ルールに対応した会計ソフトへの乗り換えが必要です。なお、更新プログラムなどで、つねに最新版を使えるソフトなら乗り換えは不要です。

    ③ 既存の機能への不便を感じたとき

    会計ソフトを使ううちに、機能面で不足を感じたり、使い勝手の悪さが目についたりすることもあるでしょう。そのようなストレスを感じる場合は、早めにソフトの変更を検討したほうがよいです。時間が経つほど、乗り換え時の作業量も増えます。

    会計ソフトを乗り換える手順

    まずは、どの会計ソフトに乗り換えるか決めましょう。そのうえで、以下の流れで乗り換え作業を進めます。新しいソフトをどれにするか迷っている人は、記事後半でおすすめソフトを紹介しているので参考にしてください。

    古い会計ソフトから新しい会計ソフトに乗り換える流れ(4ステップ)

    ステップ① 新しい会計ソフトを準備する

    スムーズに移行作業を進めるには、乗り換え元の古い会計ソフトと、乗り換え先の新しい会計ソフトの両方を使える状態にします。新しい会計ソフトの初期設定を済ませて「あとは帳簿データを入力するだけ」という状態にしておきましょう。

    ステップ② 古い会計ソフトのデータを出力する

    乗り換え元の会計ソフトから、帳簿データをエクスポート(出力)します。たいていは「CSV形式」で出力できます。CSV形式の帳簿データがあれば、手入力で転記しなくても、自動的にデータ移行ができます。

    ステップ③ 新しい会計ソフトにデータを入力する

    乗り換え先の会計ソフトに帳簿データを入力します。主な入力方法は「CSV形式のデータを取り込む(インポート)」と「手入力で転記する」のどちらかです。最近の会計ソフトなら、基本的にはインポートに対応しています。

    ステップ④ 正しくデータ移行されているかを確認する

    新旧ソフトの帳簿を見比べて、ミスがないか確認しましょう。まずは決算書などを出力して、各科目の合計額が合っているか確かめます。さらに「帳簿の摘要欄が文字数制限で途切れていないか」や「端数処理が正しくできているか」などをチェックします。

    【補足】データ移行しなくてよい場合も

    古いソフトをそのまま残しておける場合は、無理にデータ移行しなくてもOKです。たとえば、買い切りの会計ソフトや、無料のクラウド会計ソフトを使っていた場合です。昔の帳簿を見たいときだけ、古いソフトを使います。

    ただし、会計期間(個人事業主の場合は1月1日〜12月31日)の途中から乗り換える場合は、データ移行しないと正しい決算処理ができません。少なくとも、当年度のデータだけでも、新しいソフトへ移行する必要があります。

    会計ソフトを乗り換える際の注意点

    会計ソフトを乗り換える際は、下記の4点に注意しましょう。

    1. 乗り換えの目的を明確にする
    2. 最適な乗り換え方法を選ぶ
    3. 新旧ソフトの互換性を確認する
    4. 新しいソフトのサポート体制を確認する

    注意点① 乗り換えの目的を明確にする

    乗り換えの目的を明確にしておかないと、ソフトの選定ミスにもつながりかねません。下表を参考に、目的の優先順位やチェック項目を再確認しておきましょう。

    乗り換えの目的と注意点(主な例)
    固定費の削減 自社にとって必要な機能を厳選する
    機能や使いやすさの向上 予算の許容範囲を決めておく
    法人会計への対応 顧問税理士との連携しやすさを確認する
    法令対応など 新ルールにきちんと対応できるか確認する

    機能が過度に少ないソフトを選ぶと、経理業務などの雑事にとらわれ、貴重な時間を失う恐れがあります。料金と機能のバランスを考え、事業規模に合ったソフトを選択しましょう。

    注意点② 最適な乗り換え方法を選ぶ

    ソフトの乗り換え作業は、おおまかに「自分でやる」か「外注する」かの2パターンあります。CSV形式でデータ移行できれば、自分でも比較的簡単にできます。

    データ移行の方法
    自分でやる場合 外注する場合
    CSVデータをインポートする
    or
    帳簿を見て手入力で転記する
    顧問税理士などに任せる
    or
    メーカーの代行サービスを使う

    予算に余裕があれば、顧問税理士などへ外注することも検討してみましょう。会計ソフトによっては、有償の乗り換え代行サービスも用意されています。そこまでお金をかけたくなければ、CSVデータをインポートできるか、互換性を確認しておくとよいです。

    注意点③ 新旧ソフトの互換性を確認する

    新旧ソフトの相性によっては、データの取り込みがうまくいかない場合があります。事前にメーカーへ問い合わせておくと安心です。たとえば「〇〇社のソフトから乗り換えを検討中です。どのようにデータ移行できますか?」のように聞いてみましょう。

    新旧ソフトの相性は、だいたい下記の4段階に分けられます。

    会計ソフト同士の相性【データ移行のしやすさ】
    CSVデータをそのままインポートできる
    CSVデータを少し加工すればインポートできる
    CSVインポートはできないが、移行作業をメーカーに外注できる(有償)
    × CSVインポートができないうえ、移行作業をメーカーに外注できない

    たとえば、弥生のインストール型ソフト「やよいの青色申告」から、クラウド型の「やよいの青色申告 オンライン」へ移行する場合は、上表の「相性◎」に該当します。この場合、ダウンロードしたCSVデータは加工する必要がなく、そのままインポートできます。

    注意点④ 新しいソフトのサポート体制を確認する

    スムーズに会計ソフトを乗り換えるには、メーカーのサポート体制が重要です。乗り換えるまでのサポートはもちろんですが、無事に乗り換えたあとも、慣れるまではサポートがあったほうが便利です。

    サポート体制のチェックポイント
    乗り換え前 ・料金や機能がHPなどで公開されているか
    ・電話などで詳しい相談に乗ってもらえるか
    ・無料トライアルなどで使用感を確認できるか
    ・乗り換え方法がわかりやすく案内されているか
    乗り換え時 ・データ移行がスムーズにできるか
    ・乗り換え代行を依頼できるか
    乗り換え後 ・ソフトの使い方がわかりやすく案内されているか
    ・使い方がわからないときに質問しやすいか
    ・電話や画面共有など、サポート手段は豊富か

    ちなみに、導入までは無料でサポートしてくれるメーカーがほとんどですが、導入後のサポートは一部有料になる場合が多いです。事前によく確認しておきましょう。

    乗り換えにおすすめの会計ソフト

    乗り換え先を決めるときは、他社ソフトとの互換性があり、サポートが充実している会計ソフトを選ぶとよいです。無難な選択肢としては「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトがおすすめです。

    個人事業主におすすめの会計ソフト

    やよいの青色申告
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    操作画面 やよいの青色申告 オンライン トップページ freee トップページ画面 マネーフォワード 確定申告 トップページ画面
    料金
    (税込)
    11,330円/年~ 12,936円/年~ 10,560円/年~
    対応OS Windows
    Mac
    Windows
    Mac
    Windows
    Mac
    互換性 弥生(クラウド)から
    データ加工が必要
    freeeから
    マネーフォワードから
    データ加工が必要
    機能 自動仕訳
    仕訳の確認が必要

    確認不要

    仕訳の確認が必要
    電子帳簿保存法
    優良帳簿は非対応
    インボイス対応の記帳
    所得税の
    確定申告
    消費税の
    確定申告

    上位プランのみ

    上位プランのみ
    電子申告
    (e-Tax)
    請求書の発行 ×
    給与管理 × ×
    サポート 乗り換え代行 ×
    最上位プランのみ
    ×
    ヘルプページ
    メール
    チャット

    上位プランのみ
    電話
    上位プランのみ

    最上位プランのみ
    ×
    やよいの青色申告
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    あなたにピッタリの会計ソフトを診断

    Q.これまでに会計ソフトを導入したことがある?

    初めて導入する 導入した経験あり

    「やよいの青色申告 オンライン」と「マネーフォワード クラウド」は、他社ソフトとの互換性が高いです。CSV形式でデータを書き出せれば、ほぼ加工することなく読み込み可能です。

    「freee会計」は記帳方式が特殊なので、他社ソフトからのデータ移行に少々手間取ります。しかし、最上位プランの「プレミアム」に加入すれば、無料で乗り換え代行を依頼できるので、すべて丸投げすることも可能です。

    中小法人におすすめの会計ソフト

    弥生会計
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    操作画面 やよいの青色申告 オンライン トップページ freee トップページ画面 マネーフォワード 確定申告 トップページ画面
    料金
    (税込)
    30,580円/年~ 39,336円/年~ 39,336円/年~
    対応OS Windows
    Mac
    Windows
    Mac
    Windows
    Mac
    互換性 弥生(クラウド)から
    データ加工が必要
    freeeから
    マネーフォワードから
    データ加工が必要
    機能 自動仕訳
    仕訳の確認が必要

    確認不要

    仕訳の確認が必要
    電子帳簿保存法
    インボイス対応の記帳
    法人用決算書
    消費税申告 ×
    上位プランのみ
    請求書の発行 ×
    電子契約 × ×
    給与管理 × ×
    サポート 乗り換え代行 × × ×
    ヘルプページ
    メール
    チャット

    上位プランのみ
    電話
    上位プランのみ

    上位プランのみ
    ×
    弥生会計
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド

    法人の場合は、顧問税理士などに記帳代行を依頼するケースが多いです。そのため、互換性をそれほど気にする必要はありません。ただ、自社で移行作業をする予定なら注意しましょう。

    ちなみに、個人事業主が法人化する際は、会計データを移行する必要はありません。法人として新規に帳簿データを作成すればOKです。

    まとめ

    会計ソフトの主な乗り換えタイミングは、事業の転換期や社会的な変化があったときです。たとえば、個人事業主が法人成りするときや、法改正で会計基準が変わったときなどが該当します。以下のポイントを押さえて、最適な乗り換え先を選びましょう。

    • 乗り換えの目的を明確にする
    • 目的に合った会計ソフトを探す
    • 互換性の有無やサポートの充実度を考慮する

    おすすめの会計ソフト【乗り換えの目的別】

    会計ソフトの利用料金を節約したい
    個人事業主の場合はやよいの青色申告 オンライン」がおすすめ
    法人の場合はマネーフォワード クラウド」がおすすめ
    便利機能を使って徹底的に業務効率化したい
    業務フローの根本的な見直しが可能ならfreee会計」がおすすめ
    業務フローを変えたくなければマネーフォワード クラウド」がおすすめ
    法人会計に対応したい
    顧問税理士と相談してから決めるのが吉
    迷ったら、多機能でコスパの良いマネーフォワード クラウド」が無難
    法改正や会計基準の変更に対応したい
    クラウド型は総じて対応が早いので、3社どれでもOK
    とくにfreee会計」は対応が早い傾向あり

    互換性やサポートの点でも、大手3社の「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトがおすすめです。簡単にデータ移行ができる上に、電話対応などのサポート体制も万全です。

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