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NPO法人向けのおすすめ会計ソフト【比較一覧表】

更新日: 2024/08/02
NPO法人向けのおすすめ会計ソフト【比較一覧表】

NPO法人におすすめの会計ソフトを一覧表でわかりやすく比較します。NPO法人の会計基準は一般企業と異なるため、きちんと対応している会計ソフトを選んだほうがよいです。無料で使えるソフトもあります。

INDEX

目次

    NPO法人向けの会計ソフト【比較一覧表】

    NPO法人向けの会計ソフトを厳選して比較します。一般企業向けの会計ソフトをNPO法人が使用すると、必要な書類を作成できない場合などがあります。

    料金 対応
    OS
    主な出力書類 特徴
    freee会計 8,008/月~
    72,336/年~
    クラウド

    ・活動計算書
    ・貸借対照表
    ・財務諸表の注記
    ・財産目録
    ・NPO法人会計基準に対応
    ・金融機関の明細データの自動取込&自動仕訳
    ・NPO会計支援アプリ「Nport」と連携可
    ee-会計ソフト
    web会計ソフト
    110,000円/年~
    クラウド
    ・活動計算書
    ・貸借対照表
    ・財務諸表の注記
    ・財産目録
    ・NPO法人会計基準に対応
    ・Microsoft Officeが必要
    ちまたの会計 無料
    クラウド

    ・収支計算書 ・町内会やサークル向け
    ・NPO法人が使うには工夫が必要
    会計王NPO
    法人スタイル
    44,000円
    インストール
    ・活動計算書
    ・財務諸表の注記
    ・財産目録
    ・NPO法人会計基準に対応
    ・金融機関の明細データの自動取込&自動仕訳
    NPO法人会計
    データベース
    要問合せ
    インストール
    ・活動計算書
    ・貸借対照表
    ・財務諸表の注記
    ・財産目録
    ・NPO法人会計基準に対応
    ・TKC会員の税理士を通じて導入する

    ※ 料金はすべて税込表示

    料金と機能のバランスが優れているのは「freee会計」です。他の高機能なソフトに比べても、機能面は遜色ありませんし、お値段もリーズナブルです。一方、無料で使える「ちまたの会計」は、NPO法人が本格的に利用するソフトとしては機能が不足しています。

    NPO法人の会計とは?一般企業との違い

    NPO法人の会計は、一般的な営利企業と共通する部分も多いですが、いくつか異なる点があります。NPOの活動は社会的利益(公益)を目的としているため、社会に対してよりオープンで透明性の高い会計報告が求められます。

    会計目的の主な違い

    NPO法人 一般企業
    会員や支援者への活動報告 株主や投資家への情報開示

    NPO法人の場合は、「補助金や寄付金が適切に使われたか?」などを会員や支援者に対して説明・報告するために会計を行います(財務会計)。帳簿にもとづいて、いわゆる財務諸表を作成・公開するようNPO法で義務付けられています。

    財務諸表(計算書類)などの違い

    NPO法人(NPO法) 一般企業(会社法)
    活動計算書
    貸借対照表
    財務諸表の注記
    財産目録
    損益計算書
    貸借対照表
    株主資本等変動計算書
    個別注記表

    ※ NPO法では、いわゆる財務諸表のことを「計算書類」とも呼びます

    NPO法人と一般企業では作成する書類が異なるので、NPO法人に対応した会計ソフトがおすすめです。NPO法人に特有の勘定科目などもあるので、一般企業向けの会計ソフトでは対応しづらいです。

    NPO法人の会計基準とは?

    会計基準とは、簡単に言うと帳簿や財務諸表を作成する際のルールです。NPO法人なら、基本的には「NPO法人会計基準」に従っておけばOKです。例外として、障害者の就労支援事業を行うNPO法人は「就労支援会計基準」に従ったほうがよいです。

    NPO法人が会計ソフトを導入するメリット

    NPO法人が会計ソフトを導入するメリットは、主に下記の2点です。

    1. 会計業務のミスを減らせる
    2. 効率的に会計業務を進められる

    NPO法人が市役所などに毎年提出する活動計算書や貸借対照表は、誰でも見られるようにインターネットなどで公開されます(公告)。会計ソフトを導入すれば、きちんとした書類を手早く作成できます。

    メリット① 会計業務のミスを減らせる

    会計ソフトにきちんと入力すれば、計算ミスの心配がなく、正確な帳簿や書類を作成できます。一方、エクセルなどの表計算ソフトを使う場合は、自分で計算式などを設定する必要があるので、会計ソフトよりもミスが起きやすいです。

    メリット② 効率的に会計業務を進められる

    NPO法人向けの会計ソフトを使えば、NPO特有の科目やフォーマットを利用できるので、効率よく会計業務が進められます。一方、一般向けの会計ソフトを使う場合は、これらの設定を自分でやらないといけません。

    【会計ソフトの選定基準】NPO法人ならではのポイント

    NPO法人が会計ソフトを導入する際は、NPO特有の科目設定や書類作成に対応したソフトを選びましょう。以下のようなポイントを押さえていればOKです。経理担当者がNPOの会計基準に詳しくなくても、NPO法人向けのソフトがあれば対応しやすいです。

    • NPO法人用の勘定科目
    • 事業費と管理費の切り分け
    • 財務諸表、財産目録の作成
    • 収益事業への対応

    NPO法人用の勘定科目

    たとえば、NPO法人は収益の勘定科目を「受取会費・受取寄付金・受取助成金等・事業収益・その他の収益」に区分しないといけません。また、使い道が決められている寄付金などがあれば、それもきちんと記録する必要があります。

    事業費と管理費の切り分け

    NPO法人の会計では、費用を「事業費」と「管理費」に区分する必要があります。事業費とは、会場のレンタル料やチラシ代、講師への謝金など、事業に直接必要な費用です。管理費とは、事務所の家賃や水道光熱費など、事業を管理するための費用を指します。

    財務諸表、財産目録の作成

    NPO法人は、財務諸表や財産目録を作成して、市役所などに提出する義務があります。ここでいう財務諸表とは「活動計算書・貸借対照表・財務諸表の注記」です。NPO法人向けの会計ソフトなら、帳簿にもとづいて大部分を自動作成できます。

    収益事業への対応

    「収益事業」を行うNPO法人は、法人税申告のために、税務署へ「収益事業の損益計算書」などを提出する必要があります(活動計算書とは異なる)。収益事業とは、物品販売業や請負業など、法人税法で定められた34業種を指します。

    NPO法人には「freee会計」がおすすめ!

    NPO法人には、クラウド会計ソフトの「freee会計」がおすすめです。初心者でも操作画面がわかりやすく、前述した選定ポイントもしっかり押さえています。銀行口座などの明細データを取り込んで、記帳を自動化しやすいのも高評価ポイントです。

    freee会計の操作画面(NPO法人におすすめの会計ソフト)

    初心者にも嬉しいガイド付き

    freee会計の画面には専門用語がほとんど登場しません。わかりやすいガイド文が表示されるので、初心者でも簡単に扱えます。NPO専用の勘定科目や決算書のテンプレートがセットになった「NPO会計キット」も無料で配布してもらえます。

    会計業務を効率化してくれる便利機能

    freee会計は、様々な外部データを取り込めます。たとえば、銀行口座やクレジットカードの明細データを同期して、自動で帳簿付けができます。さらに、スマホの専用アプリでレシートを撮影すると、その金額なども自動で帳簿へ反映できます。

    充実したサポート

    freeeならサポート体制も整っており、メール・チャット・電話でのサポートが受けられます。マイナーな会計ソフトの場合は、ネットで調べても情報が全然出てこなかったり、メールで質問しても返事に数日かかったりすることもあるので要注意です。

    freee会計の料金プラン

    freee会計のNPO法人向けプランは以下の3種類です。いずれもNPO法人会計に対応可能です。自社の規模に合ったプランを選択しましょう。迷ったらまずは「スターター」で契約し、あとで「スタンダード」や「アドバンス」に変更してもOKです。

    スターター スタンダード アドバンス
    利用料金
    (税込)
    8,008円/月
    72,336円/年
    13,178円/月
    118,536円/年
    57,178円/月
    525,096円/年
    主な機能 自動記帳
    決算書作成
    納品書作成
    入金・支払管理
    従業員の経費精算
    スターターの全機能

    定期・一括請求
    ワンクリック振込
    カスタムレポート
    スタンダードの全機能

    予実管理
    ワークフロー
    部門別の配賦
    セグメントタグ
    ユーザー数 3名
    (追加可能)
    3名
    (追加可能)
    5名
    (追加可能)
    サポート チャット
    メール
    チャット
    メール
    電話
    チャット
    メール
    電話
    無料トライアル あり あり あり

    >> freee会計の料金プランを詳しく(公式サイト)

    取引先が多い場合や、複数の事業を営んでいる場合は「スタンダード」以上のプランがおすすめです。補助金や助成金の利用頻度が高い場合は、予実管理(予算と実績の管理)がしやすい「アドバンス」プランも検討してみましょう。

    ちなみに、freeeのプランには「ひとり法人」という廉価版もありますが、一人で設立できないNPO法人には馴染みません。基本的には「スターター」以上のプランで契約するものと考えましょう。

    まとめ

    NPO法人は、一般的に「NPO法人会計基準」というルールに従って会計を行います。この会計基準に対応したソフトを導入すれば、会計業務の効率や正確性の向上が見込めます。なかでも、クラウド会計ソフトの「freee会計」は多くのNPO法人におすすめできます。

    freee会計のおすすめポイント

    • NPO法人会計基準に準拠した決算ができる
    • 初心者でも操作がわかりやすい
    • 銀行やクレジットカードのデータを同期できる
    • ユーザーサポートが充実している
    • 基本的にインターネットだけで操作が完結する

    freee会計は「クラウド型」の会計ソフトです。パソコンにインストールする必要がないので、ネット環境さえあれば、パソコンやスマホでいつでも帳簿付けができます。銀行やクレカのデータを同期して自動的に仕訳してくれる機能など、便利機能も満載です。

    freee会計のように、NPO法人会計基準にしっかり対応しつつ、一般企業向けの会計ソフトと同等以上の機能を備えているソフトは珍しいです。いまなら30日間の無料トライアルを利用できるので、気になったら操作感を試してみましょう。

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