せどり・転売で稼いでいる人は、会計ソフトを利用すれば、帳簿付けや確定申告がぐんと楽になります。会計ソフトを導入するメリットや、せどりに役立つ会計ソフトの機能、選び方のポイントなどをわかりやすく紹介します。
5分でわかる!せどりの確定申告 – 初心者向けの解説
INDEX
目次
【比較一覧】せどり・転売におすすめの会計ソフト
せどり用に会計ソフトの導入を検討している人には、以下の「弥生・freee・マネーフォワード」のソフトがおすすめです。会計ソフトを使えば、効率よく帳簿付けや確定申告ができます。
やよいの白色申告 オンライン |
やよいの青色申告 オンライン |
freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|
---|---|---|---|---|
帳簿入力画面 | ||||
料金 (税込) |
永年無料〜 | 11,330円/年〜 初年度無料〜 |
12,936円/年〜 | 11,880円/年〜 |
対応OS | Windows Mac |
Windows Mac |
Windows Mac |
Windows Mac |
申告対応 | 白色のみ | 白色・青色 | 白色・青色 | 白色・青色 |
自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
金融機関連携 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告書の作成 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
法令対応 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
特長 | 完全無料で有料並みの機能が使える | 画面がシンプルでわかりやすい | 自動化の機能が充実している | 外部とのデータ連携がしやすい |
サポート | メール チャット 電話 |
メール チャット 電話 |
メール チャット 電話 |
メール チャット 電話 |
3社のどれを選んでも、帳簿付け〜確定申告の基本機能はしっかり搭載されています。画面のデザインや操作感などを確認した上で、好みで選んでもOKです。選ぶ際のポイントは、記事の後半で詳しく解説しています。
せどりに会計ソフトは必要?
帳簿付けは、すべての個人事業主に義務付けられています。日々の売上や仕入れなどを、漏れなく記帳しないといけません。会計ソフトを使えば、日々の記帳をパッと片付けられます。せどりに集中する上で、会計ソフトは必須級のツールです。
帳簿付けの義務がある人・ない人(せどりでの考え方)
帳簿付けの義務あり | 帳簿付けの義務なし |
---|---|
事業所得として申告する人 (個人事業) |
雑所得として申告する人 (小規模な副業など) |
せどりによる利益を「雑所得」として申告する場合は、帳簿付けの義務はありません。たとえば「せどりの利益はお小遣い程度しかない……」という副業会社員などが該当します。
とはいえ、雑所得においても、任意で帳簿付けをするのは自由です。帳簿を作成すれば、利幅などを一目で把握できる上、確定申告書を作成する際にも役立ちます。永年無料の会計ソフトもあるので、ぜひ検討してみましょう。
会計ソフトはエクセルで代用できない?
結論から言うと、会計ソフトをエクセルなどで代用するのは、初心者にとってはなかなか難しいです。ろくに税務の知識もないままエクセルで記帳すると、あとでミスが発覚して二度手間になる恐れもあるので、最初から会計ソフトを導入するのが安全です。
帳簿付けにあまり適さないツール(主な例)
① 表計算ソフト | エクセル、Googleスプレッドシート など |
---|---|
② 商品管理ツール | Amazonセラーセントラル、セラーブック など |
上記のようなツールを、会計ソフトの代用として使うには、一定以上の税務や会計の専門知識が不可欠です。帳簿付けや確定申告の用途なら、会計ソフトのほうが遥かに安全で、かつ操作も簡単です。
ここからは、会計ソフトとの違いをわかりやすく比較していきます。
① 会計ソフトとエクセルの違い
エクセルは自由度が高いツールですが、それゆえにシートから何からすべて自分で用意しないといけません。入力すべき項目や計算式などの設定が間違っていたら、あとで非常に面倒なことになります。専門知識のない初心者には、エクセルでの記帳はかなり困難といえます。
会計ソフト | エクセル | |
---|---|---|
帳簿付け | 初心者でもOK | 簿記の知識が必須 |
確定申告書類 | 自動作成できる | 自動作成は難しい |
記帳のサポート (チャット等) |
サポートあり | サポートなし |
専用の会計ソフトを使った方が、スムーズに帳簿付けや確定申告ができます。エクセルやGoogleスプレッドシートで帳簿を作成しても、法的には問題ありませんが、先述の通り初心者にはハードルが高いです。
会計ソフトには、わかりやすい入力フォームが用意されています。これに沿って入力するだけで、基本的には正しい記帳ができる仕組みになっています。もし操作でわからないことがあっても、チャットなどで気軽に質問できます。
② 会計ソフトと商品管理ツールの違い
商品管理ツールは、商品の仕入れや売上に関する情報を登録し、まとめて管理できるツールです(Amazonセラーセントラルやセラーブックなどが有名)。月利や在庫などの把握にはとても役立ちますが、基本的に帳簿付けや確定申告には対応していません。
会計ソフト | 商品管理ツール | |
---|---|---|
入力できる取引 | すべての取引を網羅 | 仕入れや売上に限定 |
複式簿記の対応 | 対応可能 | 非対応 |
確定申告書類 | 自動作成できる | 作成できない |
会計ソフトを使えば、初心者でも正しい記帳がしやすく、複式簿記にも対応しやすいです。他方、商品管理ツールの記録だけでは、すべての取引を網羅できず、帳簿としては不完全です。
商品管理ツールは、基本的に「商品」と直結するデータだけを扱います。そのため、特定の商品に紐づかない費用などは、うまく登録できません(店舗仕入れの交通費や、せどり用に購入したスマホ代などが記録できない)。
せどりで会計ソフトを導入するメリット
せどりなどの物販は、取引数が多くなりがちで、在庫の棚卸し(たなおろし)も必要です。そのため、他の業種よりも記帳の難易度が高いです。仕入れや販売などのコア業務に集中するためにも、会計ソフトのメリットを理解して、上手に活用しましょう。
- 銀行口座やクレカの明細を自動取得できる
- レシートを撮影して帳簿に反映できる
- 自動仕訳により簡単にミスなく記帳できる
- 確定申告書の大部分を自動で作成できる
- 毎年の経営成績をグラフで可視化できる
- 65万円の青色申告特別控除を受けやすい
メリット① 銀行口座やクレカの明細を自動取得できる
銀行口座やクレジットカードをあらかじめアカウントに紐づけておけば、クラウド上で明細を自動で取得してくれます。取引の日付や金額を手作業で入力しなくてよいので、時間を節約できる上、正確性もアップします。
メリット② レシートを撮影して帳簿に反映できる
レシートをスマホで撮影すると、書かれている内容をデータとして会計ソフトに取り込めます。取り込んだ日付や金額が合っているか確認して、そのまま帳簿に登録できます。明るいところで正面から撮影すれば、かなり高精度で取り込み可能です。
ちなみに、撮影したレシートは、クラウド上で電子保存することも可能です(スキャナ保存)。この場合、紙のレシートは処分しても構いません。とくに、店舗仕入れなどを頻繁に行うせどらーにとっては重宝する機能です。
メリット③ 自動仕訳により簡単にミスなく記帳できる
自動仕訳の機能を使えば、銀行やクレカの明細データなどを取り込んだ際、自動で適切な勘定科目を割り当ててくれます。会計知識が浅い初心者でも、正確な記帳が可能です。勘定科目を手動で変更することも簡単にできます。
メリット④ 確定申告書の大部分を自動で作成できる
会計ソフトで帳簿を作成すれば、そのデータに基づいて、決算書や確定申告書の大部分を自動作成できます。わかりやすいガイドつきなので、初心者でも問題なく操作可能です。また、作成した申告書類は、自宅などからネットで提出できます(e-Tax)。
メリット⑤ 毎年の経営成績をグラフで可視化できる
毎年の経営成績を、グラフやチャートで簡単に可視化できます。ビジネスの収益性や経費の動向を一目で把握することができ、的確な経営判断に役立ちます。
とくにせどりの場合は、基本的には在庫ありきのビジネスです。そのため、会計上の利益と、実際の手残りが一致しないことが多く、黒字倒産のリスクもあります。このようなリスクを避けるためにも、グラフやチャートを上手に活用するとよいでしょう。
メリット⑥ 65万円の青色申告特別控除を受けやすい
会計ソフトを導入すると、複式簿記での記帳がしやすく、65万円の青色申告特別控除を受けやすくなります。この65万円控除は、実際に負担する経費ではないのに、経費と同じように収入から差し引けます。税務上の所得が減るので、税負担が軽減されます。
せどりの会計ソフト選びのポイント
「せどり向けの会計ソフト」という観点から、せどらー特有の課題なども踏まえつつ、ソフトを選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。
- クラウド型 or インストール型
- 使いやすさ
- 価格・コストパフォーマンス
- サポート体制
ポイント① クラウド型 or インストール型
会計ソフトは、大きく「クラウド型」と「インストール型」の2種類に分けられます。せどり・転売で使うなら、クラウド型の会計ソフトがおすすめです。
クラウド型 | インストール型 | |
---|---|---|
インストール | 不要 | 必要 (CD-ROMなど) |
デバイス | パソコン タブレット スマホ |
パソコン |
費用 | ソフトの利用料金 (月額 or 年額) |
ソフトの購入費用 + バージョンアップ費用 (年1回) |
ネット環境 | 必要 | 不要 |
対応OS | Windows・Macの両方に対応 | Windows or Mac (ソフトにより異なる) |
画面構成 | シンプル (初心者・経理経験者向き) |
複雑 (経理経験者向き) |
自動仕訳の機能 | あり | なし (一部のソフトは対応) |
データの保管先 | クラウド上 (運営会社が管轄するサーバー内) |
ローカルのディスク内 |
クラウド型の会計ソフトは、インターネット環境があれば、どこからでも帳簿にアクセスできます。店舗や市場で商品を仕入れて、スマホからその場で記帳することも可能です。
ポイント② 使いやすさ
ソフトの画面が見やすく、ストレスなく操作できるものを選びましょう。快適に操作できないと、日常的に長く使っていくのは困難です。無料トライアルなどを活用して、実際に一ヶ月ぐらい使ってみるのがベストです。
また、せどりの場合は、自分でデータ入力するだけでなく、クレカの明細データなどを自動取得する機会も多いです。スムーズにデータ連携できるか、実際に確認したほうがよいです。
ポイント③ 価格・コストパフォーマンス
事業規模に合ったソフトを選ばないと、機能が足りなかったり、無駄に高いお金を取られたりします。せどりの規模は、月利でいうと、数万〜数百万円と幅広いです。事業の成長に合わせて、その時々でコストパフォーマンスの良いソフトを選ぶのが理想です。
サブスク料金のクラウド会計ソフトなら、必要な機能に応じて、料金プランの変更が容易にできます。わざわざ別のソフトに乗り換えなくても、同じソフトを使いながら、簡単に機能を増やしたり減らしたりできます。
ポイント④ サポート体制
せどりを始めたばかりの方や、簿記や会計に自信がない初心者は、サポート体制を重視したほうがよいです。どんなに優れた機能があっても、使いこなせないと意味がありません。誤った記帳を、無自覚のまま何年も続けてしまうリスクもあります。
サポートを上手に活用すれば、迷うことなく記帳でき、余計な手間や時間をかけずに済みます。基本的にはチャットサポートがあれば十分です。メーカーによって質問できる範囲が異なる場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
【個別紹介】せどりにおすすめの会計ソフト
せどりで使うなら「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトがおすすめです。クラウド型なら、申し込んですぐに使い始められますし、事業の成長に合わせて柔軟にプラン変更できます。
やよいの白色申告 オンライン
- 永年無料から使えるクラウド会計ソフト
- 白色申告をするせどらー向け
- パソコンが必要(Windows、Mac)
料金(税込) | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|
無料〜 | 白色申告 | Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
レシート撮影 | 自動仕訳 | 電子申告 | サポート |
◯ | ◯ | ◯ | メール チャット 電話 |
やよいの白色申告 オンラインは、永年無料から利用できる上に、他の有料ソフトと同等の機能を備えています。無料ソフトのなかではトップクラスの性能なので、白色申告のせどらーには断然おすすめです。
なお、無料プランと有料プランの違いはサポートの有無のみで、機能はまったく同じです。初心者には、サポートありの有料プランがおすすめです。ソフトの操作方法だけでなく、帳簿付けや確定申告に関する一般的な質問もできます。
やよいの青色申告 オンライン
- 初年度は無料で利用できる
- サポートが充実している
- パソコンが必要(Windows、Mac)
料金(税込) | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|
11,330円/年〜 | 白色申告 青色申告 |
Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
レシート撮影 | 自動仕訳 | 電子申告 | サポート |
◯ | ◯ | ◯ | メール チャット 電話 |
やよいの青色申告 オンラインは、操作画面がシンプルでわかりやすく、初心者でも扱いやすいクラウド会計ソフトです。レシート撮影や自動仕訳など、せどりに欠かせない機能もしっかり揃っています。
料金プランによって、サポートの内容が異なります。どのプランでも、機能はまったく同じです。上位プランでは、帳簿付けや確定申告に関する一般的な質問ができます。初心者には上位プランがおすすめです。
freee会計
- 自由度が高く、先進的な機能が搭載されている
- 業務の自動化や効率化がしやすい
- パソコンがなくてもスマホだけで完結できる
料金(税込) | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|
1,628円/月〜 12,936円/年〜 |
白色申告 青色申告 |
Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
レシート撮影 | 自動仕訳 | 電子申告 | サポート |
◯ | ◯ | ◯ | メール チャット 電話 |
freee会計は、直感的に操作できるクラウド会計ソフトです。専門用語があまり登場せず、ガイド文もわかりやすいので、初心者でも扱えます。商品在庫の金額を登録できるので、せどりとの相性も良好です(在庫棚卸)。
とくに自動化の性能は、業界内でもトップクラスです。たとえば、「〇〇のお店で△△のクレカを使ったら、仕入れの勘定科目で記帳して」といったルールを設定できます。ルール設定後は、完全放置でもソフトが自動で記帳してくれます。
マネーフォワード クラウド確定申告
- 外部サービスとの連携がスムーズ
- 10個以上のクラウドサービスがセットになっている
- スマホ用のアプリが使いやすい
料金(税込) | 申告対応 | 対応OS | デバイス |
---|---|---|---|
1,628円/月〜 12,936円/年〜 |
白色申告 青色申告 |
Windows Mac |
パソコン タブレット スマホ |
レシート撮影 | 自動仕訳 | 電子申告 | サポート |
◯ | ◯ | ◯ | メール チャット 電話 |
「マネーフォワード クラウド」は、バックオフィスソフトがまとめてパッケージ化されているクラウドサービスです。そのなかの「クラウド確定申告」というソフトを使って、帳簿付けや確定申告ができます。
外部データの取り込みが得意で、スムーズに連携でき、素早く帳簿に反映できます。取り込んだデータを、一括で登録できる点も便利です。商品在庫を別のアプリで管理するせどらーや、クレカでの取り引きが多いせどらーにおすすめできます。