iPhoneやAndroidで使えるおすすめ会計ソフトを一覧表で比較します。個人事業主・フリーランスの帳簿付けや確定申告をサポートしてくれるスマホアプリです。どれも基本的には無料でダウンロードでき、なかには完全無料で利用できるものもあります。
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目次
【比較一覧】スマホアプリで使える会計ソフト
初めて確定申告をする個人事業主・フリーランスには、帳簿付けだけでなく、確定申告書の作成までしっかりサポートしてくれるアプリがおすすめです。e-Taxに対応していれば、作成した申告書をそのままオンライン提出できます。
操作画面 | アプリの主な機能 | 料金(税込) | |
---|---|---|---|
freee 会計 |
|
12,936円/年~ | |
クラウド確定申告 |
|
11,880円/年~ | |
弥生 申告 |
※ PCブラウザで利用すれば、確定申告書の作成・提出も可能 |
無料~ | |
スマホ会計 FinFin |
|
5,600円/年 | |
CalQShare |
|
無料 | |
taxnote |
|
無料~ | |
快速仕訳 (Android専用) |
|
無料~ | |
白色申告帳 |
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無料~ | |
青色申告帳 |
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無料~ | |
Kaikei Lite |
|
無料~ | |
Kaikei |
|
2,800円/年~ | |
Tax Assist |
|
無料~ | |
操作画面 | アプリの主な機能 | 料金(税込) | |
無料で使えるスマホアプリのほとんどは、帳簿付けと簡単な集計ぐらいしかできません。確定申告書の作成・提出まで手軽に済ませたい個人事業主は、大手3社の「弥生・freee・マネーフォワード」のいずれかを選ぶとよいです。
大手3社の会計ソフトは、スマホアプリだけでなく、ChromeやSafariなどのウェブブラウザからも帳簿にアクセスできます。アプリとブラウザのどちらで操作しても、入力したデータは自動的に同期・バックアップされます。
スマホアプリならではの特徴
スマホ特有の利点としては、持ち運びが容易な点や、通信方法が多彩である点、カメラが搭載されている点などが挙げられます。会計用のスマホアプリにも、こうしたスマホの特長が活かされています。
- 導入しやすく、操作が簡単
- スマホ1台でどこからでも経理作業ができる
- レシートを撮影してアップロードできる
① 導入しやすく、操作が簡単
会計用のスマホアプリは、App StoreやGoogle Playからアプリをダウンロードするだけで準備が完了します。使い慣れたスマホで、直感的に帳簿付けができます。経理経験のない初心者でも、スマホの操作さえできれば誰でも簡単に扱えます。
② スマホ1台でどこからでも経理作業ができる
会計用のスマホアプリなら、スマホがあればいつでもどこでも帳簿付けできます。電車移動などのスキマ時間を有効活用し、面倒な記帳作業を効率よく片付けましょう。とくにfreeeかマネーフォワードなら、帳簿付け〜確定申告書類の提出までスマホ1つで完結できます。
③ レシートを撮影してアップロードできる
カメラ機能付きのアプリなら、経費のレシートなどを読み取って、日付や金額などを自動で帳簿に反映してくれます。さらに、大手3社「弥生・freee・マネーフォワード」の場合は、画像データを適切な形式でクラウドにアップロードできるので、紙のレシートは捨ててもOKです。
PC向けの会計ソフト(Web版)とも連携や同期が可能!
弥生・freee・マネーフォワードのクラウド会計ソフトなら、パソコンとスマホの両方に対応しています。パソコンでは、Chromeなどのブラウザで動作する「Web版」を使います。一方、スマホでは、基本的に「アプリ版」をダウンロードして使います。
Web版とアプリ版のデータは、常に同期されているので、どちらで操作してもOKです。アプリ版のほうが機能は少なめですが、取り回しは抜群です。出先でちょっとした経費を記帳したいときなど、アプリはかなり重宝します。
データのバックアップもかんたん!
大手3社のクラウド会計ソフトなら、安全にデータ管理できます。データを入力したらすぐにクラウド上に保存され、データ喪失が起きないよう、何重もの対策が施されます。自分のハードディスクにそのまま保存するよりは、高い安全性が期待できるでしょう。
もちろん、必要に応じてデータをPDFやCSVで書き出すことも可能です。定期的にローカル保存してバックアップを取らないと不安だ、という方でも安心して扱えます。
スマホアプリを選ぶ際のポイントは?
スマホアプリを選ぶ際は、以下のポイントを押さえましょう。「そんなの自分で検証する暇なんてないよ」という人は、弥生・freee・マネーフォワードのどれかを選んでおけば、これらのポイントはだいたい押さえられます。
- 対応OS(iOS or Android)
- 画面のわかりやすさや操作感
- 帳簿付け機能
- 確定申告書類の作成と提出(電子申告)
- 料金・コストパフォーマンス
① 対応OS(iOS or Android)
いまのところ、多くの会計アプリはiOS(iPhone)とAndroidのどちらにも対応しているようです。まれに、片方にしか対応していない場合もあるので、まずは対応OSを確認しましょう。
② 画面のわかりやすさや操作感
操作画面の印象も重要です。何度も起動するアプリなので、ストレスのないものを選びましょう。どのソフトも大抵はトライアル機能やお試し期間があるので、気になるアプリをダウンロードして実際に触ってみるのもおすすめです。
③ 帳簿付け機能
帳簿の手入力がしやすいアプリや、自動入力に対応したアプリを選びましょう。自動入力は、口座連携による「自動仕訳」と、スマホカメラを用いた「レシート撮影」の2種類に大別できます。弥生・freee・マネーフォワードなら、どちらの自動入力にも対応可能です(詳細は後述)。
④ 確定申告書類の作成&提出機能(e-Tax)
確定申告書類をアプリで作成して、そのままオンラインで提出できれば、場所に縛られずいつでも簡単に確定申告ができます。freeeやマネーフォワードのアプリなら、e-Taxに対応しているので、オンラインで電子申告までスマホで完結できます。
⑤ 料金・コストパフォーマンス
料金と機能のバランスを見て、自分に合ったアプリを選びましょう。弥生・freee・マネーフォワードなら、パソコン向けの「Web版」とスマホ向けの「アプリ版」が両方とも使えます。このような高機能な会計ソフトなら、大幅な業務効率化も期待できます。
【大手3社を比較】スマホアプリでも弥生・freee・マネーフォワードの人気は高い
クラウド会計ソフトはSafariやChromeなどのウェブブラウザからログインして使うのが基本ですが、下記の大手3社はスマホ用のアプリも提供しています。
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
ホーム画面 | |||
対応OS | iOS・Android | ||
取引の入力 | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳機能の操作 | ☓ | ○ | ○ |
レシート撮影・登録機能 | 別アプリを使用 | ○ | 別アプリを使用 |
レポートの 表示 |
☓ | ○ | ○ |
申告書類の 作成 |
☓ | ○ | ○ |
電子申告 | ☓ | ○ | ○ |
アプリ名称 | 『弥生 申告』アプリ | 会計アプリfreee | マネーフォワード クラウド確定申告 |
※弥生の画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの
上表のとおり、スマホアプリでできることの数では、freeeが一歩リードしています。逆に弥生は、スマホアプリの用途を大胆にしぼっているようです。アプリに対応していない基本機能については、Web版から実行することになります。
これらのスマホアプリを使用するには、パソコンで操作する際と同じように、登録済みのメールアドレス・パスワードでログインする必要があります。すでにアカウントを取得していれば、新たに作成する必要はありません。
① 取引の入力
まずはスマホアプリのメインともいえる、取引の入力機能から比較していきます。「画面が見やすく直感的に操作できるか?」や「タップ回数や画面遷移はちょうどよいか?」などの観点で比べるとよいです。
【弥生】取引入力の流れ
弥生のスマホアプリを開くと、すぐに取引入力ができます。1つの画面ですべての入力が完結するので、迷うことはほぼないでしょう。ただ、「減価償却」などのちょっとややこしい取引に関しては、アプリでは対応していません。
【freee】取引入力の流れ
freeeの場合、ひとつの画面ですべての情報を入力していきます。Web版同様、「取引先」「品目」「部門」など、細かい情報も登録可能です。画面もスッキリとしていて見やすいです。
【マネーフォワード】取引入力の流れ
「かんたん入力」の場合 | 「振替伝票入力」の場合 |
---|---|
マネーフォワードには「かんたん入力」と「振替伝票入力」の2種類の入力方法が設けられています。どちらも、細かい情報まで登録できます。「かんたん入力」は弥生と似ており、複式簿記の知識がなくても操作できるようデザインされています。
② 自動仕訳機能の操作
クラウド会計ソフトにかかせない自動仕訳の機能ですが、freeeとマネーフォワードなら、スマホアプリからでも登録や設定の操作ができます。弥生は、スマホアプリでは操作できませんが、もちろんWeb版からであれば可能です。
弥生 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
なし |
- 自動仕訳機能とは
- 銀行口座・クレジットカード・電子マネーなどを登録することで、明細データを自動で読み込み、科目などを振り分けてくれる機能。クラウド型の会計ソフトには、基本的にこの機能が備わっている
freeeでは、金融機関の設定だけでなく、明細の確認も可能です。さらに、Web版同様「自動登録・推測ルール」もスマホアプリから操作できます。この機能を活用すれば、日々の帳簿づけの手間がグッとラクになります。
マネーフォワードでも、登録した金融機関ごとに明細を閲覧できます。自動仕訳が反映されなかったものについても、手動で科目や摘要などを登録・修正できます。
③ レシート撮影・登録機能
レシートをスマホで撮影して、取引日や金額などのデータを自動で取り込んでくれる機能です。現金取引のように、口座連携で自動取得できない取引については、この機能を活用するのがおすすめです。
弥生 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
枚数制限なし 追加費用なし |
スターター:月5枚まで 上位プラン:月10GBまで 追加費用なし |
税込22円/枚 ※月5枚まで無料 |
弥生の場合は、「弥生 レシート取込アプリ」という、レシート撮影用のアプリを別途インストールする必要があります(無料)。取り込んだ金額なども、このアプリで確認できます。ただし、このデータを帳簿に登録するには、パソコンから操作しないといけません。
freeeのアプリでは、かなり快適にレシートから情報を取り込めます。撮影した画像は「ファイルボックス」という場所にアップロードされますが、最安値のスタータープランだとデータの登録件数に上限があり、月々最大5件とされています。5件以上のレシートを登録したい場合、過去のデータを削除しなくてはなりません。
マネーフォワードのアプリでは、「AI‐OCR」という機能でレシートを撮影するのがおすすめです。ただ、従量課金に抵抗を感じる方は、「クラウド経費」や「マネーフォワードME」を併用する方法をおすすめします。この方法なら追加費用なしで、レシート撮影が可能です。
④ グラフレポートの表示
freeeとマネーフォワードでは、スマホアプリからでもグラフレポートを確認できます。ただ、どちらもWeb版と比べると機能が制限されています。弥生のアプリには、レポートの表示機能はありません。
弥生 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
なし |
freeeでは「損益レポート」を閲覧できます。そのほかのグラフレポート(入金管理レポートや資金繰りレポート)は閲覧時にブラウザへ自動遷移してしまうものの、表示はできます。スマホを横にすればかろうじて全体が表示されるほどで、見やすくはありません。
マネーフォワードは、「口座残高」や「損益分析」などのグラフレポートを表示できます。画面に表示される科目をタップすれば、科目ごとのレポートも確認できるので便利です。
⑤ 申告書類の作成
freeeとマネーフォワードなら、確定申告の提出書類をスマホアプリからでも作成できます。弥生のスマホアプリには、書類の作成機能は搭載されていません。とはいえ、ブラウザからであればもちろん作成できます。
弥生 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
なし |
freeeとマネーフォワードのスマホアプリでは、作成した申告書類で、そのまま電子申告を行うことができます。もしくは、印刷して提出するために、PDF形式で出力することも可能です。
ちなみに、freeeのスマホアプリでは「請求書」「納品書」「見積書」も作成できます。作成した書類は、メールによる送信が可能です。メールでの書類の表示方法は「WEB上で確認できるリンク」と「PDFの添付」の2種類から選べます。
請求書の作成
作成画面 | プレビュー画面 |
---|---|
弥生・freee・マネーフォワードの比較まとめ
最後に、クラウド会計ソフトの「やよいの白色申告 オンライン/やよいの青色申告 オンライン」「freee会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」のスマホアプリの機能をおさらいしておきます。
スマホアプリの機能比較
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
ホーム画面 | |||
対応OS | iOS・Android | ||
取引の入力 | ○ | ○ | ○ |
自動仕訳機能の操作 | ☓ | ○ | ○ |
レシート撮影・登録機能 | 別アプリを使用 | ○ | 別アプリを使用 |
レポートの 表示 |
☓ | ○ | ○ |
申告書類の 作成 |
☓ | ○ | ○ |
電子申告 | ☓ | ○ | ○ |
※弥生の画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの
freeeは、ひとつのスマホアプリに多くの機能が備わっています。ただ、機能が多すぎて、人によっては使いにくく感じるかもしれません。弥生とマネーフォワードは、レシート撮影・登録機能に関してはアプリが分かれています。
スマホアプリはあくまでも補助的な利用だけで、基本的な操作はパソコンで行うという方向けに、Web版についても簡単にまとめておきます。
Web版の機能比較
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
料金 | やよいの白色申告 オンライン フリープラン 0円/年 ベーシックプラン 12,650/年 トータルプラン 23,100円/年 やよいの青色申告 オンライン セルフプラン 11,330円/年 ベーシックプラン 18,975円/年 トータルプラン 33,000円/年 |
スターター 1,628円/月 12,936円/年 スタンダード
プレミアム
|
パーソナルミニ 1,408円/月 11,880円/年 パーソナル
パーソナルプラス
|
取引入力 | |||
レポート | |||
申告書類の作成 | |||
対応OS | Windows・Macなど | ||
機能 |
|
表示は税込料金
3つとも、帳簿づけから確定申告までの基本的な機能は備わっています。それぞれ、ユーザーインターフェイスやサポート内容、そのほか細かな機能に違いがあります。詳しい比較については、以下の記事をご参照ください。
弥生・freee・マネーフォワードを徹底比較!個人事業主の会計ソフト