個人事業向けのクラウド会計ソフト「freee会計」について、料金プランや操作画面などの情報をまとめました。簿記の用語がほとんど登場せず、画面に表示される質問に答える形式で確定申告書類が作成できてしまう、初心者特化型のクラウド会計ソフトです。
INDEX
目次
freee会計とは?
freee会計(フリー会計)は、日々の帳簿づけから確定申告まで対応した会計ソフトです。個人事業向けプランと法人向けプランがありますが、本記事では個人事業向けプランの機能などについて紹介していきます。
freee会計の特徴
- 初心者でもわかりやすい独特なインターフェイス
- アンケート感覚で確定申告の書類を作成できる
- スマホのアプリ版を使えば経理業務がよりカンタン
簿記にまったく触れたことがない人でも簡単に操作できるようデザインされているので、初めて確定申告をする方におすすめのクラウド会計ソフトです。
freee会計の料金プラン【比較一覧表】
freee会計の個人事業主向け料金プランは「スターター・スタンダード・プレミアム」の3種類です。プランごとに使える機能が若干異なります。
スターター | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
料金 (税込) |
12,936円/年 | 26,136円/年 | 43,780円/年 |
申告対応 | 白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
帳簿付け | ◯ | ◯ | ◯ |
自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告 | ◯ | ◯ | ◯ |
消費税申告 | × | ◯ | ◯ |
e-Tax | ◯ | ◯ | ◯ |
請求書作成 | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
分析レポート | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
サポート | ・メール ・チャット |
・メール(優先対応) ・チャット(優先対応) |
・メール(優先対応) ・チャット(優先対応) ・電話 |
ほとんどの個人事業主は「スターター」のプランで問題ありません。ただし、年間の課税売上高が1,000万円を超えると消費税申告が関係してくるので、その場合は「スタンダード」です。
そのほか、表示できるレポートの種類など、「スターター」と「スタンダード」には機能面においていくつかの違いがあります。「スタンダード」と「プレミアム」は機能面での差はほとんどありませんが、「プレミアム」では電話によるサポートが受けられます。
機能① 手動入力による帳簿付け
freee会計なら簿記の知識がなくても、簡単に帳簿づけできます。表示に従って取引の発生日・勘定科目・金額などのを埋めていけばOKです。
freee会計の取引入力画面
入力画面には専門用語がほとんど登場しないので、簿記をまったく知らなくても帳簿づけできます。また、入力画面のすぐ下に仕訳形式でも表示されるため、経理の経験がある人にも親切です。
なお、摘要(てきよう)欄はありませんが、代わりに取引先や品目、備考を入力できる項目があります。
登録された取引
入力した取引データは、上画像のように表示されます。内容を間違えて登録してしまっても、あとから簡単に修正できます。
機能② 自動入力による帳簿付け(自動仕訳)
freee会計に銀行口座やクレジットカードを登録すると、情報を自動で取得できます。連携できる金融機関の数は3,000件以上です。freeeが勘定科目を提案してくれるので、ユーザーが最終的に確認だけして取引を登録していきます
freee会計では、勘定科目にカーソルを合わせると説明が一覧で表示されるので、勘定科目の知識がなくても大丈夫です。
ちなみに、同じ勘定科目の取引であれば、一括で登録することもできます。たとえば、取引先と食事したデータだけを何件か選択して「接待交際費」として登録する、というような使い方です。
freeeの「自動登録ルール」
自動で読み込まれたデータを確認する際、右下にチェックボックスが表示されます。これにチェックをつけると、今後同じようなデータを読み込んだときに、設定した勘定科目で自動的に登録してくれます。
「このカードで電気代を支払ったときは水道光熱費で登録する」など、毎月発生するような取引登録を効率化するために有効な機能です。
freee会計と連携可能な金融機関・サービス
freeeは3,000件以上の銀行やクレジットカード、決済サービスなどと連携できます。メジャーな金融機関には対応しているので「freeeと連携させるために、新たな銀行口座を開設しなくてはいけない!」というようなケースはほぼありません。
まずは無料トライアルfreee会計 公式サイト
機能③ 分析レポートの自動生成
freeeはレポートやグラフを自動作成してくれる機能も搭載しています。期間や取引先、勘定科目など、条件を指定して表示させることもできます。
損益レポート | 収益レポート |
---|---|
![]() |
![]() |
グラフで状況を把握できるので、経営分析をする際の手助けになります。ただし、契約しているプランが最安値の「スターター」プランでは、損益レポートと現預金レポートしか閲覧できません。
freee会計のレポート機能【プラン別比較表】
スターター | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
損益レポート | ◯ | ◯ | ◯ |
現預金レポート | ◯ | ◯ | ◯ |
収益レポート | ☓ | ◯ | ◯ |
費用レポート | ☓ | ◯ | ◯ |
入金管理レポート | ☓ | ◯ | ◯ |
支払管理レポート | ☓ | ◯ | ◯ |
資金繰りレポート | ☓ | ◯ | ◯ |
収益レポートや費用レポートといった基本的なグラフを表示できないのは、スタータープランの残念なポイントです。ただ、レポート機能は確定申告には関係ないので、特に分析を重視しないユーザーはこのポイントには目をつむってもよいでしょう。
機能④ 確定申告書類の作成&提出
確定申告が初めてでも、freee会計を使えば簡単に確定申告の書類を作成できます。書類を作成する画面では、下画像のように確定申告の流れがわかりやすく示されます。
書類の作成自体も、質問に○☓形式で回答することで項目が埋まっていく、初心者にやさしいつくりになっています。
○を選択すると、金額や情報を入力する欄が表示されます。たとえば「国民年金に加入していますか?」の問いに○を選ぶと、支払った金額を入力する欄が現れます。☓を選んだ場合は次の項目に進みます。
作成した書類は、印刷用にPDFデータに出力して書面で提出するか、電子申告(オンラインで確定申告の書類を提出)をします。
freeeなら会計ソフトから直接電子申告できる!
freee会計では、ソフトからそのまま電子申告ができます。国税庁の「e-Taxソフト」などを介する必要がないので、初心者でも簡単です。
まずは無料トライアルfreee会計 公式サイト
スマホアプリでできること
freeeのスマホアプリは、大手クラウド会計ソフトのなかでも最も機能が充実しています。スマホだけで、日々の帳簿づけから電子申告まで、ほとんどの会計業務を行うことができます。
【freee会計】スマホアプリの主な機能
- 手入力での帳簿づけ
- 自動入力による帳簿づけ
- レシート撮影による帳簿づけ
- 確定申告書類の作成
- 電子申告(e-Tax)
- 請求書や領収書の作成
- 分析レポートの閲覧
「レシート撮影による帳簿づけ」は、スマホアプリに特有の機能です。レシートなどをスマホで撮影すると、金額等の情報を自動で読み取られ、そのまま帳簿づけができます。手軽に取引の登録ができるので、スキマ時間に会計業務を行えます。
① レシートを撮影 | ② 金額などの情報が自動で読み取られる |
---|---|
![]() |
![]() |
アプリでも、ログインするメールアドレス・パスワードは同じです。もちろんデータは自動で同期されるので、アプリで読み取って登録したデータも、パソコンから確認できます。
スマホのブラウザでログインする場合
パソコンと同じ画面をスマホでも見たい場合は、スマホアプリではなく、SafariやGoogle Chromeなどのブラウザからfreeeにログインします。ただ、パソコンのような大きい画面での操作を前提としてつくられているので、スマホでの操作には向いていません。タブレットであれば、問題なく利用できます。
freee会計のユーザーサポート
契約しているプランのグレードが高いほど、サポート内容は充実していきます。チャット・メールでのサポートはどのプランでも利用できますが、電話サポートに限っては、「プレミアム」プランのみ対応です。
freee会計のサポート内容【プラン別比較表】
スターター | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
チャット | ◯ | ◯ 優先対応 |
◯ 優先対応 |
メール | ◯ | ◯ 優先対応 |
◯ 優先対応 |
電話 | × | × | ◯ |
全プランでチャットとメールのサポートは利用可能ですが、「スタンダード」と「プレミアム」のプランなら、優先的に応対してもらえます。特にチャットサポートは、アクセスが集中していると長く順番待ちになることもあるので、上位プランのユーザーにはうれしいオプションといえます。
チャットサポート
freeeのチャットサポートは、平日10~12時、13時~18時の間に利用可能です。質問内容を送信すると、AIからヘルプページのリンクが送られてきます。リンクを見ても解決しない場合は、サポートデスク担当者にチャットで尋ねることができます。
① 画面右下をクリック | ② チャット画面が表示される |
---|---|
![]() |
![]() |
電話サポートは予約制
「プレミアム」プランの契約者のみ利用できる電話サポートですが、事前に予約をしてfreeeのサポートデスクから電話がかかってくる仕組みです。そのため、ユーザーに通話料はかかりません。予約の際に問い合わせ内容も伝えるので、相談もスムーズです。
まとめ
freee会計では簿記の用語がほとんど登場しないため、会計について右も左もわからない初心者にオススメのクラウド会計ソフトといえます。ただ、ある程度の知識がある方にとっては、馴染みの用語が使われていないので、逆にわかりにくく感じるかもしれません。
freee会計の個人事業主向け料金プラン
スターター | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
料金 (税込) |
12,936円/年 | 26,136円/年 | 43,780円/年 |
申告対応 | 白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
帳簿付け | ◯ | ◯ | ◯ |
自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告 | ◯ | ◯ | ◯ |
消費税申告 | × | ◯ | ◯ |
e-Tax | ◯ | ◯ | ◯ |
請求書作成 | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
分析レポート | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
サポート | ・メール ・チャット |
・メール(優先対応) ・チャット(優先対応) |
・メール(優先対応) ・チャット(優先対応) ・電話 |
契約する際は、料金を年額で支払ったほうがお得に利用できます(月額で支払うより2ヶ月分安い)。利用できる機能はプランごとに異なりますが、事業を始めたばかりという個人事業主なら「スターター」プランで十分です。
freee会計の主なポイントまとめ
手動入力機能 |
|
---|---|
自動入力機能 |
|
レポート機能 |
|
確定申告 |
|
サポート体制 |
|
スマホでの利用 |
|
freee会計は、まったくの初心者でも帳簿づけや確定申告が行えるよう、独特なインターフェイスをしています。簿記について時間をとって学べず、とにかくカンタンに会計業務を済ませたい方にはfreeeがピッタリです。