個人事業向けクラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」の操作画面や基本的な使い方をまとめました。会計初心者から上級者まで、幅広い層が利用できるクラウド会計ソフトです。
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目次
マネーフォワードクラウドとは?
マネーフォワードクラウドとは、ひとことで言えば「事業に役立つ10種類以上のクラウドソフト」をおトクに導入できるサービスです。マネーフォワードクラウドに加入すると「クラウド確定申告」や「クラウド請求書」など、クラウド〇〇というソフトをまとめて導入できます。
※ これらはセットに含まれるソフトの一部です
各ソフトのおおまかな機能は下記のとおりです。
マネーフォワードクラウドに含まれる主なソフト
クラウド確定申告 | 個人事業主の帳簿づけや確定申告ができる |
---|---|
クラウド請求書 | 請求書の作成・送付・受取ができる |
クラウド経費 | 従業員の経費精算などができる |
クラウド債務支払 | 組織内の債務支払いを一括管理できる |
クラウド給与 | 従業員の給与計算や給与明細ができる |
クラウド勤怠 | 従業員の勤怠管理ができる |
クラウド年末調整 | 従業員の年末調整ができる |
クラウド社会保険 | 従業員の社会保険の手続きができる |
クラウドマイナンバー | 従業員などのマイナンバーを管理できる |
このうち個人事業主がよく使うのは、会計ソフトの「クラウド確定申告」や、請求書ソフトの「クラウド請求書」あたりでしょう。従業員を雇っている場合は、クラウド勤怠・クラウド給与・クラウド年末調整なども役立ちます。
ちなみに、個々のソフトを個別に契約することは基本的にできません。会計ソフトの「クラウド確定申告」だけを使いたい場合でも、マネーフォワードクラウドに加入する必要があります。といっても、マネーフォワードクラウドの料金はかなりリーズナブルなので、一部のソフトしか使わない場合でも十分にもとがとれるでしょう。
マネーフォワードクラウドの料金プラン【比較表】
マネーフォワードクラウドには「パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス」の3種類の料金プランがあります。どのプランでもセットに含まれるソフトの種類は同じですが、使える機能やサポートの手厚さが異なります。
パーソナル ミニ |
パーソナル | パーソナル プラス |
|
---|---|---|---|
年額料金 (税込) |
11,880円/年 | 16,896円/年 | 39,336円/年 |
帳簿付け | ◯ | ◯ | ◯ |
自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告 | ◯ | ◯ | ◯ |
消費税申告 | × 非対応 |
◯ | ◯ |
請求書作成 | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
分析レポート | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
サポート | ・メール ・チャット |
・メール ・チャット |
・メール ・チャット ・電話 |
申告対応 | 白色申告・青色申告 | ||
対応OS | Windows・Mac (スマホでも利用可能) |
小規模な個人事業主・フリーランスなら最安の「パーソナルミニ」で十分です。パーソナルミニでも、帳簿付けや確定申告に必要な機能はすべて使えます。
ただ、パーソナルミニは消費税申告機能が使えないので、消費税の課税事業者は「パーソナル」以上のプランを選びましょう。ちなみに「パーソナル」と「パーソナルプラス」の違いは、電話サポートの有無だけです。
機能① 手入力による帳簿付け
マネーフォワードで取引を入力する際は、簿記にまったく触れたことのない人でも簡単に操作できる「簡単入力」と、経理の経験がある人向けの「振替伝票入力」、どちらかの機能を使います。
簡単入力の画面
「簡単入力」は、その名のとおり取引を簡単に入力できる会計初心者向けの機能です。画面の案内に従って項目を選び、金額などを入力するだけで、取引を分類してくれます。まるで家計簿をつけるかのような手軽さで、取引を登録できます。
振替伝票入力の画面
複式簿記に慣れている方であれば「振替伝票入力」のほうが使いやすい場面もあります。先ほど簡単入力で入力した取引を、振替伝票入力で打ち込んだ画面が上の画像です。簿記の用語が多いので、中~上級者向けの機能といえます。
取引を仕訳した結果
簡単入力・振替伝票入力のどちらを使用しても、仕訳帳には同様に反映されます。ユーザー自身が使いやすいと思う入力方式を選びましょう。
機能② 自動取込による帳簿付け(自動仕訳)
自動入力とは、会計ソフトに銀行口座などを登録しておくことで、明細データを自動で読み込み、仕訳の提案までしてくれる機能のことです。現在、マネーフォワードと連携可能なサービスは2,000件以上あります。
自動入力の機能を利用すれば、ユーザーは最終的な確認をするだけで、取引データを登録できます。すべてのデータを手動入力するとなると、金額の打ち間違いなどのミスが発生することもありますが、自動入力ならその心配はありません。
取引の一括編集や削除ができる
マネーフォワードには、自動取得したデータを一括編集する機能がついています。複数の取引データを一度にまとめて帳簿に登録できるので、作業効率の大幅アップにつながります。登録したいデータをポチポチ選択するだけで、誰でも簡単に操作できます。
マネーフォワードの連携状況
銀行口座 | クレジットカード | その他サービス |
---|---|---|
主要なものは総じてOK | 主要なものは総じてOK | 比較的多め (ただしサービスによる) |
メガバンク・地方銀行問わず、一通りの金融機関には対応しています。クレジットカードも同様です。そのほかのPOSレジや通販サイト、クラウドソーシングサイトなどについても、ほかの会計ソフトと比べて多くのサービスと連携できます。
連携サービスの登録画面 | 連携可能なその他サービスの一覧 |
---|---|
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2022年12月時点
もちろん「マネーフォワード クラウド請求書」や「マネーフォワード クラウド給与」など、同社の他サービスとシームレスに連携できます。
機能③ 分析レポートの自動生成
入力してきた取引データは、レポート機能によってグラフ形式で表示させることも可能です。収益や必要経費の割合などをグラフで閲覧でき、経営状態の分析ができます。また、表示する範囲は自由に指定できるので、一年の流れを把握するだけでなく月ごとの確認もできます。
マネーフォワードで表示できる主なレポート
キャッシュフローレポート | 費用レポート |
---|---|
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たとえば「費用レポート」では、必要経費の割合が勘定科目ごとに色別で表示されるので、無駄な支出を見極めるのに有効です。
機能④ 確定申告書類の作成・送信
帳簿づけした内容を確定申告書類データに反映し、個人事業主の確定申告に必要な書類を作成することができます。マネーフォワードで作成した確定申告書類は、印刷して税務署に提出できるほか、ソフトからそのままオンライン提出(電子申告)することもできます。
マネーフォワードで作成できる確定申告書類
白色申告の場合 | 青色申告の場合 |
---|---|
|
|
書面で提出する場合は、作成したデータをプリントアウトして、税務署に持参するか、所定の宛先に郵送して提出します。電子申告する場合は、マネーフォワードで作成した申告データをソフトからそのまま送信できます。
収支内訳書 or 青色申告決算書
マネーフォワードは白色申告・青色申告の両方に対応しているので、「収支内訳書」と「青色申告決算書」の両方を作成できます。作成の際は、これまで入力してきたデータをもとに自動で反映されるので、手間がかかりません(下画像は、青色申告決算書を作成する例)。
確定申告書
「確定申告書」についても、収支内訳書や青色申告決算書と同様、案内に従ってデータを入力すれば作成できます。
>> 白色申告で提出する書類
>> 青色申告で提出する書類
マイページで確定申告の進捗状況を把握できる
マネーフォワードのマイページでは、確定申告の流れが箇条書きで示されています。完了した項目については、左のチェックマークが自動的に青色に変わります。次にすべきことがわかりやすいので、初めて確定申告をする人でも安心です。
機能⑤ スマホアプリでできること
スマホアプリ「マネーフォワード クラウド確定申告」を使えば、主に下記4つの機能をスマホから利用できます。もちろん、スマホ側で操作した内容は、パソコンからログインしたときにも反映されます。
- 手入力による帳簿づけ(かんたん入力 or 振替伝票入力)
- 自動入力による帳簿づけ
- 口座残高や損益分析レポートの確認
- 申告書類の作成や電子申告
取引の手入力に関しては、「かんたん入力」と「振替伝票入力」の2つの方法が用意されています。「かんたん入力」を選択すれば、初心者でもパパっと帳簿づけができます。
また、連携した口座・カード・電子マネーなどの取引情報は、アプリ上では以下のように表示されます。パソコンから処理するときと同じように、シンプルな操作で修正・登録が可能です。
2020年11月からは、確定申告書類の作成や電子申告ができるよう、アプリがリニューアルされました。これにより、日々の会計業務から確定申告までをスマホで完結できます。
ユーザーサポートの内容
サポート内容は、契約しているプランごとに異なります。AIチャットボットやメールでのサポートはどのプランでも利用できますが、マネーフォワードのスタッフによるチャットや電話のサポートは有料プラン向けとなっています。
プラン別サポート内容
パーソナル ミニ |
パーソナル | パーソナル プラス |
|
---|---|---|---|
AIチャット ボット |
◯ | ◯ | ◯ |
メール | ◯ | ◯ | ◯ |
チャット | ◯ | ◯ | ◯ |
電話 | ☓ | ☓ | ◯ |
AIチャットボットによるサポート
AIチャットボットでは、自分に当てはまる項目を選択していくと、該当するヘルプページのリンクが提示されます。AIといっても、ChatGPTのような生成AIではなく、ヘルプページの検索がちょっと楽になる程度の機能です。
チャットによるリアルタイムサポート
① ホーム画面右下をクリックする | ② チャット画面が表示される |
---|---|
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スタッフによるチャットサポートは、平日10:30~17:00の間利用できます(土日祝日は対応時間外)。チャットの履歴はメールで自身に送信することもできるので、あとで読み返しながら作業をすることも可能です。
2024年1月16日〜3月29日の期間限定で、税理士とチャットできるサービスを実施していた(オペレーターが必要と判断した場合に限る)。チャットを通じて、確定申告(仕訳・記帳、所得税、消費税)に関する税務相談ができるサービス。「マネーフォワード クラウド確定申告」の有料プランを利用中であれば、追加費用なしでこのサービスを利用できた。2025年の実施は未定。
【補足】レシート撮影で帳簿付けする方法
マネーフォワードのアプリを使って、紙のレシートなどをスマホカメラで撮影すると、書かれている文字を読み取って帳簿に反映できます。マネーフォワードの場合、以下の3通りの方法が用意されています。
マネーフォワードでレシートなどを読み取る方法
① クラウド確定申告 | ② クラウド経費 | ③ マネーフォワードME | |
---|---|---|---|
機能の通称 | AI-OCRで仕訳 | OCR読み取り | レシート |
アプリ | ![]() |
![]() |
![]() |
追加料金 (税込) |
22円/枚 月5枚まで無料 |
なし | なし |
連携の手間 | なし | 面倒 | 面倒 |
スキャナ保存 | 可能 | 可能 | 不可 |
保存上限 | 無制限* | 無制限* | そもそも保存不可 |
* クラウドBOXへの保存件数は、「パーソナルミニ」プランのみ上限あり(合計1,000件まで)
基本的には「① クラウド確定申告」が使いやすくておすすめです。ただ、月5枚を超えたら、6枚目からは従量課金制(22円/枚)となります。また、月6枚以上の読み取りには「パーソナル」以上のプランが必要です。
費用が気になる方には、追加料金がかからない「②クラウド経費」や「③マネーフォワードME」もおすすめです。
方法① クラウド確定申告(AI-OCRで仕訳)
「クラウド確定申告」は、帳簿付けや確定申告に使うスマホアプリです。ホーム画面から「AI-OCRで仕訳」という機能が使えます。個人事業主のような小規模事業者にとっては、この機能でレシートを読み取るのがもっともお手軽です。
撮影したレシートは、そのままクラウドにアップロードされます。この画像データは電子帳簿保存(スキャナ保存)の要件を満たして保存できるため、もとの紙のほうは捨てても構いません。アップロードしたレシート画像は「クラウドBOX」で閲覧できます。
方法② クラウド経費(OCR読み取り)
「クラウド経費」は、主に従業員の経費精算などに使用するスマホアプリです。レシート画像を読み取って、自動的にテキスト化&クラウド保存できます。「クラウド確定申告」と連携させれば、読み取ったデータを帳簿にも自動で反映できます。
ただ、このアプリは、従業員を雇っている法人企業での運用を想定して作られています。もちろん個人事業主でも利用はできますが、主には法人向けのシステムなので、人によっては使いづらく感じるかもしれません。初期設定にも少し手間がかかります。
方法③ マネーフォワードME(レシート)
「マネーフォワードME」は、家計簿アプリです。レシートを読み取って、家計簿に登録する機能がついています。「クラウド確定申告」と連携することで、事業の収支と家計を一元的に管理して、確定申告書の作成なども行えます。
あくまで家計簿アプリなので、電子帳簿保存(スキャナ保存)の要件は満たせません。このアプリで撮影した経費のレシートなどは、捨てずに紙媒体のまま保存しましょう。
マネーフォワードクラウドのポイントまとめ
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、会計初心者から上級者まで使用できるクラウド会計ソフトです。とはいえ簿記用語が多く登場するので、ある程度の知識があったほうがスムーズに利用できます。
マネーフォワードクラウドの料金プランまとめ
パーソナル ミニ |
パーソナル | パーソナル プラス |
|
---|---|---|---|
年額料金 (税込) |
11,880円/年 | 16,896円/年 | 39,336円/年 |
帳簿付け | ◯ | ◯ | ◯ |
自動仕訳 | ◯ | ◯ | ◯ |
確定申告 | ◯ | ◯ | ◯ |
消費税申告 | × 非対応 |
◯ | ◯ |
請求書作成 | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
分析レポート | △ 制限あり |
◯ | ◯ |
サポート | ・メール ・チャット |
・メール ・チャット |
・メール ・チャット ・電話 |
申告対応 | 白色申告・青色申告 | ||
対応OS | Windows・Mac (スマホでも利用可能) |
会計ソフト以外のサービスもセットで利用できることは、マネーフォワードの大きな特徴です。税務や人事労務の事務作業をクラウド化して連携することにより、事業運営を効率的に進めることができます。
マネーフォワードクラウドの主な機能(会計関連)
手動入力機能 |
|
---|---|
自動入力機能 |
|
レポート機能 |
|
確定申告書類 の作成 |
|
サポート体制 |
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スマホでの 利用 |
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マネーフォワードなら、日々の帳簿づけから確定申告の書類作成だけでなく、主要なバックオフィス作業をトータルでサポートしてくれます。すべての機能を使える「パーソナル」プランを一ヶ月無料で利用できるので、気になる方は試してみてください。
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