弥生が提供する、個人事業主向け会計ソフトのラインナップを比較表にまとめました。クラウド型の会計ソフト「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」、インストール型の会計ソフト「やよいの青色申告」の3種類があります。
INDEX
目次
弥生の会計ソフトは初心者にも使いやすい!
弥生の会計ソフトは、初めて帳簿付けをする個人事業主・フリーランスでも使いやすいです。1987年から会計ソフトを提供し続けている老舗メーカーで、初心者から専門家まで幅広く支持されています。
弥生の個人事業主向け会計ソフト【比較一覧表】
やよいの白色申告 オンライン |
やよいの青色申告 オンライン |
やよいの青色申告 | |
---|---|---|---|
ホーム画面 | |||
形式 | クラウド型 (クラウドアプリ) |
インストール型 (デスクトップアプリ) |
|
本体価格 | なし (プラン別の年額料金がかかる) |
15,400円 (無料体験版あり) |
|
プラン の加入 |
必須 | 任意 | |
プラン料金 (税込) |
フリープラン 無料 ベーシックプラン トータルプラン |
セルフプラン 9,680円/年 初年度無料 ベーシックプラン トータルプラン |
セルフプラン 9,680円/年 初年度無料 ベーシックプラン トータルプラン |
申告対応 | 白色申告 | 白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
対応OS | Windows & Mac | Windows | |
対応 デバイス |
パソコン・タブレット・スマホ | パソコン | |
利用可能な デバイス数 |
無制限 | 2台 | |
ネット環境 | 必須 | なくても利用可能 | |
基本機能 |
|
||
クラウド 機能 |
|
プラン加入により 左記機能が利用可能 |
|
弥生の個人事業主向け会計ソフトは、2024年5月1日より有料プランの値上げを予定している(やよいの白色申告 オンライン、やよいの青色申告 オンライン、やよいの青色申告)。値上げ率では、セルフプランが約17%の値上げ、それ以外の有料プランは25%の値上げとなる。無料プランについては据え置き。本記事では、すべて値上げ前の価格で記載している。
クラウド型の「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」は、インターネット環境さえあればいつでも帳簿付けができます。面倒なインストール作業がないので、パソコンが苦手な人でも扱いやすいです。
インストール型の「やよいの青色申告」は、ネットに繋がなくても使えるので動作が軽快です。契約するプランによっては、クラウドを活用した自動バックアップなどもできるので、クラウド型とインストール型のハイブリッドとも言える製品です。
自分に合った弥生ソフトの選び方は?
先述のとおり、弥生には3種類の個人事業主向け会計ソフトがあります。「自分にはどれがいいの?」と迷う方は、以下のフローチャートを参考にしてください。
基本的には、クラウド型の「やよいの白色申告 オンライン」か「やよいの青色申告 オンライン」がおすすめです。クラウド型なら初期費用がかからず、毎年のバージョンアップも不要です。操作方法もインストール型に比べてシンプルでわかりやすいです。
一方、インストール型の「やよいの青色申告」は、取引が月に何十件もあって、一度に大量の記帳をする場合などにおすすめです。「やよいの青色申告」はショートカットキーが使えるので、慣れればキーボードだけで素早く入力できます。
他社サービスとの違いは?
弥生の会計ソフトは、他の大手メーカー(freee・マネーフォワード)と比較して下記のような点で優れています。
- 料金が安い(無料で使えるソフトも!)
- 個人事業主のシェアが高い
- ユーザーサポートが手厚い
弥生の会計ソフトは料金が安いです。特に、クラウド型ソフトの利用料金は、大手3社のなかで最安です。また、弥生のクラウド会計ソフトは、ここ数年ずっと50%以上のトップシェアを維持しています。
弥生の会計ソフトは、ユーザーサポートの手厚さも強みです。特に、初心者には「業務相談」のオプションが心強いです。業務相談とは、帳簿付けや確定申告に関する質問に答えてくれるサービスです。他社のサポートは、ソフトの操作方法などを質問する用途でしか使えないので、質問できる範囲では弥生に劣ります。
個人事業主の会計ソフトを徹底比較!弥生・freee・マネーフォワード
【クラウド型】やよいの白色申告 オンライン
- 白色申告専用のクラウド会計ソフト(青色申告は不可)
- 会計ソフトの全機能を無料で使える
- 有料プランにはサポートが付いてくる
- 画面構成はシンプルで、簿記初心者でもわかりやすい
- WindowsとMacの両方に対応
「やよいの白色申告 オンライン」は、帳簿づけから申告書類の作成、さらに電子申告までの機能が無料で使えます。白色申告専用の会計ソフトなので、青色申告で提出する「青色申告決算書」は作成できません。
「やよいの白色申告 オンライン」の操作画面
トップ | 取引入力 |
---|---|
レポート | 申告書類作成 |
電話サポートは、ベーシックプラン以上から利用できます。トータルプランの「業務ヘルプデスク」は、会計ソフトの操作方法だけでなく、確定申告や経理業務に関する相談ができる弥生独自のサポートです。
料金プランの比較(やよいの白色申告 オンライン)
フリープラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
年額料金 (税込) |
無料 | 10,120円 初年度無料 |
18,480円 初年度9,240円 |
全機能 | ○ | ○ | ○ |
サポート | × | ○ | ○ |
業務ヘルプデスク | × | × | ○ |
電話サポート付きのプランをここまで低価格で提供しているのは、大手のなかでは「やよいの白色申告 オンライン」くらいです。freeeやマネーフォワードの会計ソフトでは、年間3万円以上のプランに加入する必要があります。
「やよいの白色申告 オンライン」のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・ずっと無料で利用できる ・画面構成がシンプル ・青色申告への移行がスムーズ |
・青色申告に対応していない ・記帳データをエクスポートできない |
「やよいの白色申告 オンライン」は白色申告専用のソフトなので、画面の情報量が少なめで、初心者でもストレスなく扱えます。これは、白色申告専用ソフトならではのメリットです。(他社は白色・青色の兼用ソフトが多く、画面構成が複雑になりがち)
デメリットを挙げるとしたら、記帳データのエクスポート(他社ソフトへのお引っ越し)には非対応な点です。ただ、いったん「やよいの青色申告 オンライン」へ契約を変更すれば、エクスポートできるようになります。
「やよいの白色申告 オンライン」はこんな人におすすめ!
- 白色申告をする個人事業主
- 無料で会計ソフトを使いたい個人事業主
- 初めての確定申告に不安がある個人事業主
「やよいの白色申告 オンライン」なら、家計簿感覚で簡単に帳簿付けができます。こんなふうに簿記の知識なしで扱える会計ソフトはそう多くありません。青色申告へ切り替えることになっても、使い慣れたインターフェイスの「やよいの青色申告 オンライン」へそのまま移行できます。
【クラウド型】やよいの青色申告 オンライン
- 白色申告と青色申告の両方に対応
- 簿記の知識がなくても、カンタンに複式簿記での帳簿づけができる
- ほかの会計ソフトから取引データのインポートが可能
- 画面構成はシンプルで、簿記初心者でもわかりやすい
- WindowsとMacの両方に対応
「やよいの青色申告 オンライン」の操作画面は、「やよいの白色申告 オンライン」とよく似ています。名称に「青色申告」とありますが、白色申告で提出する「収支内訳書」の作成にも対応しています。
「やよいの青色申告 オンライン」の操作画面
トップ | 取引入力 |
---|---|
レポート | 申告書類作成 |
「やよいの青色申告 オンライン」では、白色申告用のソフトにはない下記のような機能が使えます。
- 青色申告に必要な複式簿記に対応
- 青色申告決算書の作成に対応
- レポート機能の充実(残高試算表や貸借レポート等の追加)
- ほかの弥生シリーズや、他社の会計ソフトから取引データの取り込みが可能
料金プランは下表の通りです。「やよいの白色申告 オンライン」と同様、「トータルプラン」では会計ソフトの操作サポートだけでなく、帳簿づけや確定申告に関する相談ができます。
料金プランの比較(やよいの青色申告 オンライン)
セルフプラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
年額料金 (税込) |
9,680円 初年度無料 |
15,180円 初年度無料 |
26,400円 初年度13,200円 |
全機能 | ○ | ○ | ○ |
サポート | × | ○ | ○ |
業務ヘルプデスク | × | × | ○ |
青色申告に対応している他社のクラウド会計ソフトに比べると、割安の料金設定です。割引額やサービス内容を総合的に考えれば「トータルプラン」がお得なので、青色申告が初めてという事業主には、初年度はトータルプランをおすすめします(プランはあとから変更も可能)。
「やよいの青色申告 オンライン」のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・料金が他社より安い ・最安プランでも全機能が使える ・初年度無料・半額キャンペーンあり |
・スマホでの使い勝手にやや難あり ・デザインがおしゃれじゃない ・年額契約しかできない(月額プランなし) |
「やよいの青色申告 オンライン」の一番の強みは、他社の上位プランと同等の機能を、より安価に使える点です。弥生には3つの料金プランがありますが、違いはサポートの範囲のみで、最安プランでも最上位プランと全く同じ機能を使えます。
弱みを挙げるとしたら、スマホでの機能が限られていたり、デザインが洗練されていなかったりする点です。ただ、それは「freeeやマネーフォワードに比べたらちょっと見劣りするかな」という程度の話です。業界全体で見れば、じゅうぶんハイクオリティと言えます。
「やよいの青色申告 オンライン」はこんな人におすすめ!
- 青色申告対応の会計ソフトを安価に導入したい個人事業主
- 事務経験などがなく、簿記の知識がない初心者
- 電話やチャットで詳しく業務の相談をしたい
インターフェイスのデザインなどに強いこだわりがなく、安価に会計ソフトを導入したい個人事業主には「やよいの青色申告 オンライン」がおすすめです。帳簿付けから確定申告までに必要な機能はしっかり揃っていますし、サポートも充実しています。
【インストール型】やよいの青色申告
- 本体価格(13,200円)+ プラン別のサポート料金(年額)
- サポートに加入すれば、いくつかのクラウド機能が使用できる
- グラフィカルなレポートの表示は、ほとんどできない
- 画面構成はやや専門的(経理経験者向け)
- Windowsに対応(Macは非対応)
インストール型の「やよいの青色申告」は、クラウド型の弥生シリーズと比べると、画面の構成がやや複雑です。初心者よりも、ある程度簿記の知識がある人のほうが操作しやすいでしょう。
「やよいの青色申告」の操作画面
トップ | 取引入力 |
---|---|
レポート | 申告書類作成 |
「やよいの青色申告」の本体価格は13,200円です。30日間の無料体験版もあるので、使ってみて気に入ったらライセンスを購入するのでもよいでしょう。
パッケージ単体でも利用可能ですが、プラスで年額料金を支払うと「あんしん保守サポート」のサービスを受けられます。
「あんしん保守サポート」料金プラン(やよいの青色申告)
セルフプラン | ベーシックプラン | トータルプラン | |
---|---|---|---|
年額料金 (税込) |
9,680円 初年度無料 |
15,180円 初年度無料 |
26,400円 初年度13,200円 |
製品活用サービス | ○ | ○ | ○ |
次期製品の無償提供 | ○ | ○ | ○ |
サポート | × | ○ | ○ |
業務ヘルプデスク | × | × | ○ |
「あんしん保守サポート」には、下記3つのクラウドサービスがついてきます。
「製品活用サービス」の内容
スマート取引取込 | 金融機関や紙のレシートの取引データをクラウド経由で自動で取り込み、入力する機能 |
---|---|
データバックアップサービス | バックアップデータを自動的に弥生のサーバーに保存できる機能 |
データ共有サービス | 弥生IDを持つユーザー同士でデータをやり取りできる機能(税理士とのデータ共有が可能) |
これらの機能により、「自動仕訳機能が使えない」「自動バックアップができない」といったインストール型の会計ソフトならではの弱点が解消できます。
「やよいの青色申告」のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・動作が軽い ・ショートカットキーが使える ・入力画面がわかりやすい ・優良電子帳簿に対応できる |
・初期費用がかかる(ソフト代) ・Mac非対応 ・空き容量が必要(300MB~) ・インターネット環境は必須* |
* 初回のライセンス認証や更新データのダウンロード時のみ
「やよいの青色申告」の特長は、他社のインストール型に比べて初心者に優しい点です。複式簿記がわからなくても、家計簿と同じ感覚で入力できます。筆者の主観も若干ありますが、インストール型のなかでは、弥生の画面構成がもっともシンプルで使いやすいです。
インターネット環境は必須とされていますが、初回のライセンス認証や更新データのダウンロード時のみ通信できればOKです。ソフトを使っているあいだ、常時通信するわけではないので、ネットが不安定なせいで動作が重くなるという心配はありません。
「やよいの青色申告」はこんな人におすすめ!
- 取引が頻繁にあり、一度に大量の記帳をする個人事業主
- インターネット環境に不安がある個人事業主
- 優良電子帳簿に対応したい個人事業主
「やよいの青色申告」は優良電子帳簿に対応しています。優良電子帳簿に対応すると、青色申告の65万円控除が受けやすくなったり、申告ミスによるペナルティが軽減されたりします(事前に税務署に届け出などが必要)。
ちなみに、クラウド型の「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」は、通常の電子帳簿保存には対応していますが、“優良”電子帳簿には非対応です。
まとめ
個人事業主向けの会計ソフト「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの青色申告」には、下記のような共通点があります。
【共通点】個人事業主向け弥生シリーズ3種類
- 料金が割安(さらに無料や特別価格のキャンペーンあり)
- プランの支払い方法は年払いのみ
- サポート体制が手厚い
- 30年以上の歴史がある老舗メーカーという安心感
- 確定申告や経理業務の相談も可能(トータルプランのみ)
相違点についても簡単にまとめておきます。簿記初心者には、クラウド型の「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」がオススメです。
【相違点】個人事業主向け弥生シリーズ3種類
やよいの白色申告 オンライン |
やよいの青色申告 オンライン |
やよいの青色申告 | |
---|---|---|---|
ホーム画面 | |||
形式 | クラウド型 | インストール型 | |
画面構成 | シンプル (初心者・経理経験者向き) |
やや複雑 (経理経験者向き) |
|
申告対応 | 白色申告 | 白色申告 青色申告 |
白色申告 青色申告 |
作成可能な書類 (主な例) |
・収支内訳書 ・確定申告書 ・消費税申告書 |
・収支内訳書 ・青色申告決算書 ・確定申告書 ・消費税申告書 |
・収支内訳書 ・青色申告決算書 ・確定申告書 ・消費税申告書 |
料金形態 | プラン別の年額料金がかかる | 本体価格 + サポート料金(年額) |
|
対応OS | Windows & Mac | Windows | |
対応デバイス | パソコン・タブレット・スマホ | パソコン | |
利用可能な デバイス数 |
無制限 | 2台 | |
ネット環境 | 必須 | なくても利用可能 | |
クラウド機能 | 利用可能 | サポートに加入 すれば利用可能 |
「やよいの青色申告」はインストール型の会計ソフトですが、サポートに加入すればクラウド機能が利用できます。他社のインストール型と比べると、機能の幅が広く使いやすいです。
どれを使うか迷うようなら、白色申告なら無料で利用できる「やよいの白色申告 オンライン」から始めるとよいでしょう。「やよいの青色申告 オンライン」は1年間、「やよいの青色申告」は30日間、無料でお試しできます。