「やよいの青色申告」は、老舗の会計ソフトメーカー・弥生株式会社が提供する会計ソフトです。おなじみのインストール型でありながら、手軽に扱えるクラウド型のような使用感が特徴です。
「やよいの青色申告」と「やよいの青色申告 オンライン」の違いを比較
INDEX
目次
やよいの青色申告の特徴
- クラウド型に近いインストール型の会計ソフト
- 日々の帳簿づけから確定申告まで可能
- 電子申告にも対応
- クラウドで入力データのバックアップがとれる
- 充実のサポート機能
やよいの青色申告は、パソコンにソフトをインストールして使う「インストール型」の会計ソフトです。これに対して、ネットワークに接続してソフトを使うものが「クラウド型」です。やよいの青色申告は、インストール型でありながら、クラウド型に近い機能性が特徴です。
やよいの青色申告はWindowsにのみ対応しています。Macで使いたい場合などは、クラウド型の「やよいの青色申告 オンライン」の利用を検討しましょう。
「やよいの青色申告」と「やよいの青色申告 オンライン」の違いを比較
やよいの青色申告の料金プラン
「やよいの青色申告」には、3つの料金プランがあります。どれを選んでもソフト自体の機能は同じですが、操作サポートや業務相談の有無に違いがあります(詳しくは後述)。
料金システム
初回購入時、ソフトは「本体 + あんしん保守サポート」のセット価格で提供されます。本体はそれ以降、基本的に追加料金がかからず利用可能です。サポート機能を継続する場合、2年目以降は有償になります。
3種類の料金プラン
セルフプラン | ベーシック プラン |
トータル プラン |
||
---|---|---|---|---|
初回購入時 (本体価格+1年間サポート) |
15,400円 | 15,400円 | 31,900円 | |
基本機能 (帳簿づけ、確定申告など) |
○ | ○ | ○ | |
あんしん 保守サポート |
2年目以降 (サポート料金のみ) |
11,330円/年 | 18,975円/年 | 33,000円/年 |
バージョンアップ版 無償提供 |
○ | ○ | ○ | |
クラウドサービス (自動入力、 バックアップなど) |
△ | △ | △ | |
操作サポート | × | ○ 電話/チャット/メール でのサポート ※電話は年10回まで |
○ 電話/チャット/メール でのサポート |
|
操作以外の相談 | × | × | ○ |
※ 料金はすべて税込表示
- 「あんしん保守サポート」のプランによって値段が変わる
- サポートを継続する場合、希望するプランの料金のみ毎年支払う
- サポートが不要な場合、無償期間終了後に解約も可能
「あんしん保守サポート」を解約した場合、自動入力などのクラウドサービスは受けられなくなります。また、ソフト本体の無償バージョンアップも保守サポートの中に含まれています。
実際のメニュー画面
導入画面 | 決算・申告メニュー |
---|---|
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- 文字+イラストで、わかりやすい操作案内
- カーソルを合わせれば簡単な説明も表示される
- Windowsユーザーになじみのあるデザイン
全体的に、初めて会計ソフトを操作する人・確定申告に不慣れな人でもわかりやすいデザインになっています。
選べる手動入力 – 帳簿づけ
かんたん取引入力 – やよいの青色申告
- 「かんたん取引入力」は会計初心者でもすぐ使える入力方法
- 取引の必要事項さえ入力すればOK
- 取引手段や勘定科目の説明が省略されており、少しわかりにくい
クラウド型の「やよいの青色申告 オンライン」に近いデザインですが、「やよいの青色申告 オンライン」の方がより初心者向けのソフトと言えるでしょう。
伝票入力 – やよいの青色申告
- 「伝票入力」は慣れている人向けの入力方法
- 入力形式は「複式簿記」のみ
- 複数の取引を効率的に入力できる
「伝票入力」では、“その日の取引をすべて画面に入力してから、最後にまとめて登録する” という方法がとれます。1件ずつしか入力・登録ができない「かんたん取引入力」は面倒臭い、という人にもオススメの入力方法です。
スマート取引取込 – 帳簿づけ
「やよいの青色申告」より
- 事業用口座などの明細をクラウド経由で取り込める
- 明細は自動で仕訳されるので、ユーザーは最後にチェックするだけ
- 利用には「あんしん保守サポート」への加入+ネット環境が必要
主要な金融機関やクレカ等であれば、大抵は「スマート取引取込」を使って連携できます。パソコンを起動していない時間帯でも、クラウド経由で利用明細を取得してくれるので便利です。インストール型ソフトでありながら、クラウド型の利点も兼ね備えているわけです。
また、クラウド経由で連携できるアプリとして「弥生 レシート取込アプリ」もあります。こちらは、実際のレシートをスマホで撮影し、その内容を取り込ませるというものです。
確定申告書類の作成
確定申告画面 | 必要事項の診断 |
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- 白色申告でも青色申告でも決算書 + 確定申告書が作成できる
- 手順をひとつひとつ確認しながら進むので、無理なく書類作成ができる
- 質問に「はい」「いいえ」で答えるだけで入力すべきものを教えてくれる
どの申告書が必要なのか、どの項目に入力すればいいのか、順番に誘導してくれます。申告を始める前には、必要作業が済んでいるかを確認してくれるので、抜け・漏れの起こる心配がありません。
確定申告書の一本化 - 2022年分から申告書A・Bの区別がなくなる
電子申告にも対応
出来上がった確定申告書類は、そのまま印刷して税務署に提出するほか、弥生の「確定申告e-Taxオンライン」を利用した電子申告も可能です。弥生の対象製品さえ持っていれば基本的に誰でも利用できますし、追加料金はかかりません。
- ソフトから直接e-Taxによる申告ができるプログラム
- マイナンバーカードと対応機種のスマホが必要
- 従来のICカードリーダーは不要
2020年分(令和2年分)の確定申告から、65万円の青色申告特別控除を受ける要件に「電子申告 or 電子帳簿保存」が加わりました。電子申告対応の会計ソフトはほとんどクラウド型ばかりですが、「やよいの青色申告」はインストール型では珍しい、電子申告が可能なソフトです。
>> スマホでマイナンバーカードを読み取るには
まとめ
セルフプラン | ベーシック プラン |
トータル プラン |
||
---|---|---|---|---|
初回購入時 (本体価格+1年間サポート) |
15,400円 | 15,400円 | 31,900円 | |
基本機能 (帳簿づけ、確定申告など) |
○ | ○ | ○ | |
あんしん 保守サポート |
2年目以降 (サポート料金のみ) |
11,330円/年 | 18,975円/年 | 33,000円/年 |
次期バージョンアップ版の無償提供 | ○ | ○ | ○ | |
クラウドサービス (自動入力、 バックアップなど) |
△ 対応する金融機関は 少なめ |
△ 対応する金融機関は 少なめ |
△ 対応する金融機関は 少なめ |
|
操作サポート | × | ○ 電話/チャット/メール でのサポート ※ 電話は年10回まで |
○ 電話/チャット/メール でのサポート |
|
操作以外の相談 | × | × | ○ |
ソフトをただ使うだけならセルフプランでも利用可能ですが、ソフトが故障したときなど、不慮の事故に対するサポートが受けられないというデメリットがあります。長期間の利用を想定している場合、ベーシックプランかトータルプランがオススメです。
初心者でも操作しやすいですが、実務で使用するなら、ある程度の簿記知識を持っていると使いやすさがグンと上がるソフトです。「帳簿づけに慣れていて、かつ2020年分(令和2年分)以降も青色申告特別控除65万円を狙っている個人事業主」にピッタリのソフトと言えます。