自営業がとことん分かるメディア

弥生・freee・マネーフォワード – 人気のクラウド会計ソフトを徹底比較!

更新日: 2020/11/24
弥生・freee・マネーフォワード – 人気のクラウド会計ソフトを徹底比較!

弥生・freee・マネーフォワードの3社が提供する、個人事業用クラウド会計ソフトの比較情報をまとめました。本記事では、この3社がそれぞれ提供する会計ソフトについて、料金プラン・機能・操作画面・サポート体制などを徹底的に比較しています。

INDEX

目次

    【一覧】弥生・freee・マネーフォワードの比較

    本記事では、大手3社が提供する下記のクラウド会計ソフトを比較します。記事の中では、それぞれ「弥生」「freee」「マネーフォワード」と表記します。

    どの会計ソフトも、日々の取引を帳簿づけでき、確定申告書類の作成に必要な基本機能はモレなく備えています。他の要素も含めて比較すると、主に以下のような違いがあります。

    弥生 freee マネーフォワード
    ホーム画面 やよいの青色申告 オンライン トップページ freee トップページ画面 マネーフォワード 確定申告 トップページ画面
    料金
    (税抜)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円/年
    ベーシックプラン
    8,000円/年
    トータルプラン
    14,000円/年
    スターター
    1,180円/月
    11,760円/年

    スタンダード
    2,380円/月
    23,760円/年

    プレミアム
    39,800円/年

    パーソナルミニ
    980円/月
    9,600円/年

    パーソナル
    1,280円/月
    11,760円/年

    パーソナルプラス
    35,760円/年

    【青色申告】
    セルフプラン
    8,000円/年
    ベーシックプラン
    12,000円/年
    トータルプラン
    20,000円/年
    帳簿づけ
    (手入力)
    帳簿づけ
    (自動取込)
    請求書
    の作成

    月6枚以上は追加料金
    申告書類の作成
    電子申告の対応 スムーズだが添付書類の郵送がほぼ必須 添付書類の提出までオンラインで完結 「e-Taxソフト」を使うため面倒
    スマホ
    アプリ
    手入力による簡単な帳簿づけに特化 申告書や請求書の作成まで幅広く対応 帳簿づけから申告書類の作成まで対応
    分析
    レポート
    どのプランでも全種類を閲覧可能 種類が豊富だが、最安プランは制限あり 便利なレポートもあるが、種類は少なめ
    サポート
    • 電話サポート付きのプランが安価
    • 最上位プランなら業務相談も可能
    • 全プランにチャットサポート付き
    • 最上位プランには独自の補償制度あり
    • 全プランにチャットサポート付き
    他の主な
    機能
    • 消費税申告
    • 消費税申告*
    • 経費精算
    • 支払調書の作成
    • 経費精算
    • 給与計算
    • 社会保険事務
    • 勤怠管理
    • マイナンバー管理
    メーカー 弥生株式会社 freee株式会社 株式会社
    マネーフォワード

    *「スタンダード」以上のプランのみ

    弥生は、白色申告者向けの「やよいの白色申告 オンライン」と、青色申告者向けの「やよいの青色申告 オンライン」を、それぞれ別で提供しています。これらは機能面で共通する部分が多いので、本記事ではまとめて説明しています。

    freeeの「クラウド会計ソフト freee」には、個人事業向け・法人向けの両方があります。本記事では、個人事業向けソフトについて説明します。従業員を雇用している個人事業主や法人向けに「人事労務ソフト freee」などもありますが、利用には別途料金がかかります。

    マネーフォワードは「マネーフォワード クラウド」という名称で、7つのクラウドソフトをセット提供しています(単体での利用プランはない)。本記事では、個人事業用の会計ソフトに相当する「クラウド確定申告」を中心に、セット内で利用できる機能などについて説明します。

    ① 料金プラン

    弥生 freee マネーフォワード
    やよいの白色申告
    オンライン
    フリープラン
    0円/年
    ベーシックプラン
    8,000円/年
    トータルプラン
    14,000円/年
    スターター
    1,180円/月
    11,760円/年

    スタンダード
    2,380円/月
    23,760円/年

    プレミアム
    39,800円/年

    パーソナルミニ
    980円/月
    9,600円/年

    パーソナル
    1,280円/月
    11,760円/年

    パーソナルプラス
    35,760円/年

    やよいの青色申告
    オンライン
    セルフプラン
    8,000円/年
    ベーシックプラン
    12,000円/年
    トータルプラン
    20,000円/年

    料金は税抜表示

    白色申告と青色申告、どちらの場合でも最安で利用できるのは弥生です。ただ、各社の上位プランには相応のメリットがあるので、一概に「安いからオススメ!」とは言えません。自分に必要な機能やサポートを見極め、総合的なコスパで考えましょう。

    ちなみに、freeeとマネーフォワードには、月単位で契約できるプランもあります。とはいえ、ソフトの機能を最大限に活かすなら、1年(帳簿づけ~確定申告)を通して利用するのが基本です。

    弥生の料金プラン

    フリープラン
    セルフプラン
    ベーシックプラン トータルプラン
    料金
    (税抜)
    【白色】
    0円/年
    【青色】
    8,000円/年
    【白色】
    8,000円/年
    【青色】
    12,000円/年
    【白色】
    14,000円/年
    【青色】
    20,000円/年
    初年度特典 無料 半額
    基本機能
    サポート なし
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • 電話サポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • 電話サポート
    • 業務相談

    料金プランの詳細はこちら – 弥生

    やよいの白色申告 オンラインの「フリープラン」なら、ずっと無料で使えます。プランごとの違いはサポート面の差だけで、安価なプランでも機能に制限がかかることはありません。さらに、最初の1年間は割引が適用されるので、かなりおトクに利用できます(半額 or 無料)。

    月単位での料金プランはありませんが、白色・青色ともに1年間は無料で使えるので、お試し利用も十分にできます。ちなみに「無料期間を始める前にちょっと操作感が知りたい」という人に向けて、青色には「無料体験版(最大2ヶ月)」も用意されています。

    freeeの料金プラン

    スターター スタンダード プレミアム
    料金
    (税抜)
    月額契約 1,180円/月 2,380円/月 なし
    年額契約 11,760円/年 23,760円/年 39,800円/年
    基本機能
    (一部機能に
    制限あり)
    サポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • 電話サポート
    • 税務調査補償

    料金プランの詳細はこちら – freee

    freeeの利用料金は、3社の中で最も高いです。といっても、機能重視で選ぶなら大きなデメリットではないでしょう。ただ「スターター」のプランだと一部の機能に制限がかかります(基本的な会計業務は問題なく行える)。

    「スターター」のプランで制限される主な機能
    ・レシート画像などの保存件数(月5枚まで)
    ・自動作成される分析レポートの閲覧(一部のみ閲覧可能)
    ・消費税申告の書類作成

    ちなみに、各プランは1ヶ月間の無料体験ができ、それが終了すると自動的に「無料プラン」に移行します。この「無料プラン」のまま使い続けることも可能ですが、機能がかなり制限されてしまいます。

    マネーフォワードの料金プラン

    パーソナルミニ パーソナル パーソナルプラス
    料金
    (税抜)
    月額契約 980円/月 1,280円/月 なし
    年額契約 9,600円/年 11,760円/年 35,760円/年
    基本機能
    (一部機能に
    制限あり)
    サポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • チャットサポート
    • メールサポート
    • 電話サポート*

    料金プランの詳細はこちら – マネーフォワード
    * 会計ソフトに関する問い合わせのみ可能

    前述したように「マネーフォワード クラウド」は、7つのクラウドソフトをセットで提供するサービスです。つまり上記の料金で、会計ソフトを含む7つのソフトを利用できるわけです。したがって、単純に機能の幅で考えれば、コスパは非常に良いと言えます。

    最安の「パーソナルミニ」だと、機能に若干の制限がかかります。とはいえ、帳簿づけ~確定申告の機能に制限はないので、基本的な会計業務に支障はありません。

    「パーソナルミニ」のプランで制限される主な機能
    ・毎月発生する請求書の自動作成機能
    ・分析レポートの閲覧(キャッシュフローのみ閲覧可能)
    ・消費税の集計機能

    ② 基本機能 – 手入力による帳簿づけ

    弥生 freee マネーフォワード
    かんたん取引入力 - やよいの青色申告 オンライン 取引の登録(手入力) – freee 簡単入力 - マネーフォワード
    パパっと入力できることを重視した設計 幅広いユーザーが使えることを重視した設計 入力方法の使い分けによる効率化重視の設計

    前提として、3社とも帳簿づけの機能に何ら不足はありません。画面の作りも、それぞれ使い勝手を考えた仕様になっています。ただ、たとえば「シンプルな使いやすさ重視」の弥生と、「機能の多様性重視」のマネーフォワードでは、使用感が大きく異なります。

    弥生

    「かんたん取引入力」の画面 科目の説明
    かんたん取引入力 - やよいの青色申告 オンライン 勘定科目の説明 - やよいの青色申告 オンライン

    画面は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    「かんたん取引入力」の機能を使えば、4つの項目を埋めるだけで帳簿づけができます。解説も細かく表示されるので、会計の知識がなくても分かりやすいでしょう。ただ、簡易化されたフォーマットなので、補足的な情報まで細かく記録したい人には不向きです。

    「やよいの青色申告 オンライン」なら、一応「仕訳の入力」というメニューも用意されており、もう少し詳細な帳簿づけを行うこともできます。とはいえ、コチラはがっつり複式簿記の形式になっているので、使いこなすには簿記の知識が不可欠です。

    freee

    取引の入力画面 「詳細登録」の画面
    取引の登録(手入力) – freee 取引の登録(詳細登録) - freee

    freee

    入力項目がシンプルなうえ、解説も丁寧に表示されるので、弥生と同様に会計初心者でも使いやすい仕様となっています。加えて、入力内容が即座に仕訳形式でプレビュー表示されるなど、帳簿づけに慣れた人でもストレスなく使える工夫がされています。

    また「詳細登録」をクリックすれば、そのまま入力内容を細かく編集することもできます。簡単な取引入力から、ちょっと特殊な処理まで、最小限の手数で済ませられるわけです。

    マネーフォワード

    「簡単入力」の画面 「振替伝票入力」の画面
    簡単入力 - マネーフォワード 振替伝票入力 - マネーフォワード
    「仕訳帳入力」の画面 「取引から入力」の画面
    仕訳帳入力 - マネーフォワード 取引から入力 - マネーフォワード

    マネーフォワード

    手入力だけでも4種類のメニューがあり、常に効率よく帳簿づけを行えます。たとえば「普段はコレ」「特殊な取引はコレ」「一気に記帳するときはコレ」などと、シーンに応じた使い分けができるわけです。上手に活用すれば、大きなメリットとなる機能です。

    ただ、弥生・freeeと比べると、マネーフォワードは勘定科目などの解説があっさりしています。したがって、ある程度は会計の知識がある人、もしくは「細かいことは自分で調べるから大丈夫!」という人向けの仕様だと言えます。

    ③ 基本機能 – 自動取り込みによる帳簿づけ

    弥生 freee マネーフォワード
    スマート取引取込 - やよいの青色申告 オンライン freee 自動入力による帳簿づけ画面 マネーフォワード 自動仕訳した取引データ画面
    • 件数が多くても見やすい
    • 細かな編集はやや面倒
    • 取引登録の自動化も可能
    • 追記や修正がスムーズ
    • 件数が多くても見やすい
    • 追記や修正がスムーズ

    ここで言う「自動取り込み」は、銀行口座やカードを介したお金の動きを、ソフトが自動的に「会計データ」として取り込む機能のことです。3社とも機能の内容はほとんど変わりませんが、使い勝手などが微妙に異なります。

    「自動取り込み機能」ってなにが便利なの?
    取り込んだデータには、ソフトが独自に推測した勘定科目などが付与される。ユーザーはそれを確認・編集し、帳簿に登録するかどうかを選択するだけでOK。取引内容の推測精度は学習機能によって自然と向上するが、特定の処理ルールを教え込むこともできる。

    弥生

    スマート取引取込 - やよいの青色申告 オンライン

    取り込んだデータについて、帳簿に「登録する・しない」を選んでいくシンプルな仕様です。データを編集したいときは少しやりづらいですが、あくまで手入力をメインで使い、自動取り込みを多用しないならほとんど気にならないでしょう。

    freee

    freee 自動入力による帳簿づけ画面

    取り込んだデータに対して、一覧画面からスムーズに編集ができます。取引の補足情報を追記したり、ソフトの推測ミスを修正したりと、細かな作業をパパっと行えるのは嬉しいポイントです。

    また、freeeでは「こういうデータを取り込んだら、こう処理してね」という指示を細かく設定できます。これにより、特定の取引を全自動で帳簿に登録することも可能になっています。ユーザーの確認を省略して、登録まで自動化できるのは、今のところfreeeだけです。

    マネーフォワード

    マネーフォワード 自動仕訳した取引データ画面

    取り込んだデータがズラッと一覧表示されるうえ、個々の編集もスムーズにできるので、件数が多くてもストレスなく処理できます。freeeのように登録まで自動化できる機能はありませんが、インターフェイスの良さではこちらも負けていません。

    ④ 基本機能 – 請求書や納品書の作成

    弥生 freee マネーフォワード
    仕様例 請求書の仕様例 - Misoca 請求書の仕様例 - freee 請求書の仕様例 - マネーフォワード
    利用方法 別サービスを利用する
    (弥生「Misoca」など)
    ソフト内に機能が備わっている 「クラウド請求書」を使う
    追加料金 かかる場合がある かからない かからない
    主な対応
    書類
    • 見積書
    • 納品書
    • 請求書
    • 領収書
    • 注文書
    • 検収書
    • 見積書
    • 納品書
    • 請求書
    • 領収書
    • 注文書
    • 見積書
    • 納品書
    • 請求書
    • 領収書

    ※ 弥生の対応書類は「Misoca」を使う場合の例

    3社とも、請求書等を手軽に作成できる機能を、ソフトの内外で提供しています。この機能を使えば、請求書の作成と帳簿を連動させて、売掛金の管理などを自動化することも可能です。基本的な機能は、どのソフトでも共通しています。

    弥生

    請求書の作成画面 請求書の例
    請求書の作成画面 - Misoca 請求書の仕様例 - Misoca

    ソフトには請求書機能がないので、弥生が提供する「Misoca」などのサービスを別途で利用する必要があります。「Misoca」は無料でも使えますが、月に6通以上の請求書を作るなら有料プランに加入しなくてはなりません。(「Misoca」の他に「MakeLeaps」とも連携可能)

    freee

    請求書の作成画面 請求書の例
    請求書の作成画面 - freee 請求書の仕様例 - freee

    freee

    会計ソフトの中で請求書の作成ができるので、弥生・マネーフォワードと比べると若干使い勝手が良いです。ただ、書類テンプレートの種類や細かな機能の面で、個別のサービス(弥生の「Misoca」やマネーフォワードの「クラウド請求書」など)には及ばない部分もあります。

    マネーフォワード

    請求書の作成画面 請求書の例
    請求書の作成画面 - マネーフォワード 請求書の仕様例 - マネーフォワード

    マネーフォワード クラウド請求書

    請求書機能は「クラウド請求書」に搭載されています。「クラウド請求書」は「マネーフォワード クラウド」の一部なので、利用の際に追加料金はかかりません。会計ソフト「クラウド確定申告」のメニューからスムーズに起動できるうえ、情報も随時共有できます。

    ⑤ 基本機能 – 確定申告書類の作成

    弥生 freee マネーフォワード
    作成画面 確定申告書の作成 - やよいの青色申告 オンライン 確定申告書の作成 - freee 確定申告書の作成 - マネーフォワード
    収支内訳書 ○*
    青色申告決算書 ○*
    確定申告書B
    第一表・第二表
    第三表
    (分離課税用)
    ×
    第四表
    (損失申告用)

    (令和2年分から)
    ×
    第五表
    (修正申告用)
    × × ×

    *「やよいの白色申告 オンライン」は収支内訳書、
    やよいの青色申告 オンライン」は青色申告決算書に対応

    個人事業主が提出する基本的な申告書類(決算書・確定申告書B)は、どのソフトでも作成できます。このとき、記入欄の多くは帳簿をもとに自動入力されるので、自力でイチから作るより断然ラクです。

    第三表~第五表は特殊な申告で提出する
    ・第三表(分離課税用)……株の譲渡による所得などを申告する際
    ・第四表(損失申告用)……事業の赤字などを翌年へ繰り越す際
    ・第五表(修正申告用)……過少申告を修正する際

    ただ、作成時のインターフェイスは三者三様です。ユーザーの好みや習熟度によって、マッチするソフトは変わってきます。

    弥生

    書類作成のトップ画面 各項目の入力フォーム
    確定申告書の作成 - やよいの青色申告 オンライン 所得控除の入力 - やよいの青色申告 オンライン

    画面は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    ホーム画面から「確定申告」を選択すれば、パッと書類作成が始められます。やるべきことを大きなステップに分けてガイドしてくれるので、確定申告が初めての人も取り掛かりやすいでしょう。個々の入力項目にも、逐一詳しい説明が配置されています。

    freee

    書類作成のトップ画面 直接入力編集の画面
    確定申告書の作成 - freee 確定申告書の直接入力編集 - freee

    ○×アンケートのような形式で作成を進められるので、そもそも「確定申告ってよく分からん!」という超初心者でも書類を作成できそうです。一方で「直接入力編集」というメニューも用意されており、作成に慣れた人でも使いやすい仕様になっています。

    マネーフォワード

    書類作成のトップ画面 各項目の入力フォーム
    確定申告書の作成 - マネーフォワード 所得控除の入力 - マネーフォワード

    どちらかというと、申告経験のある人向きの仕様です。各所にヘルプページ等へのリンクが配置されていますが、画面上には最小限の解説しかありません。実際の書類作成に近い感覚で入力を進められる反面、初心者は戸惑う部分が多そうです。

    ⑥ 電子申告への対応状況

    弥生 freee マネーフォワード
    • スムーズに申告可能
    • 添付書類は郵送
    • スムーズに申告可能
    • 添付書類も送信可能
    • 国税庁の「e-Taxソフト」を使うため面倒

    電子申告の利便性を考える上で、大切なのは「ソフトからスムーズに申告ができるか」「添付書類(控除証明書など)の提出を省略できるか」というポイントです。各社の対応状況にはわりと差があり、現状ではfreeeがリードしています。

    ここで説明するのは、あくまで「ソフトで作成した申告データ」を国税庁へ送信する方法である。どのソフトを使っていても、国税庁が運営する「確定申告書等作成コーナー」というウェブサイトで改めて申告内容を手入力すれば、電子申告自体はできる。
    >> 個人事業主が電子申告をする方法まとめ

    弥生

    電子申告の流れ(Windows) - やよいの青色申告 オンライン

    ※ Windowsの場合

    弥生が提供する「確定申告e-Taxモジュール」を使えば、申告書類の作成画面からシームレスに電子申告を行えます。ただ、添付書類の省略にはまだ一部しか対応していません。なので、電子申告をした場合でも、控除証明書などの多くは別途で郵送が必要です。

    なお、現状「確定申告e-Taxモジュール」はWindows版しか公開されていません。Macユーザーは、国税庁が提供する「e-Taxソフト(WEB版)」を使うことになるので、少し手間が増えます。

    freee

    freeeで電子申告をする流れ(電子申告アプリ)

    freee独自の「電子申告アプリ」を使えば、申告書類の作成画面からそのままの流れで電子申告を行えます。添付書類の省略にも幅広く対応しています。一般的な申告内容であれば、郵送などの手間をかけずに、すべてオンラインで完結できるでしょう。

    「電子申告アプリ」は、Windows版・Mac版の両方が公開されています。WindowsでもMacでも、国税庁の「e-Taxソフト」にノータッチで電子申告ができるわけです。

    マネーフォワード

    マネーフォワードで電子申告をする流れ
    現状、マネーフォワードで作った申告データを電子申告に活用したいなら、国税庁が提供する「e-Taxソフト」(Windows版のみ)を使うしかありません。「e-Taxソフト」は使い勝手が悪いので、他社の独自ツールと比べるとかなり手順が面倒になります。

    ⑦ スマホアプリでできること

    弥生 freee マネーフォワード
    トップ画面 弥生スマホアプリ 勘定科目選択画面 スマホアプリ - freee スマホアプリ - マネーフォワード
    主な機能
    • 帳簿づけ(手入力)
    • レシート読み取り*
    • 帳簿づけ(手入力)
    • 帳簿づけ(自動入力)
    • レシート読み取り
    • レポートの閲覧
    • 確定申告書類の作成
    • 請求書等の作成
    • 帳簿づけ(手入力)
    • 帳簿づけ(自動入力)
    • レシート読み取り*
    • レポートの閲覧
    • 確定申告書類の作成

    *別アプリを使用する

    単純に機能の数で比較すると、現状はfreeeのスマホアプリがリードしています。ただ、3社とも「基本的な帳簿づけをスマホアプリで行える」という点は同じです。スマホアプリを補助的な位置づけで使うなら、基本的な帳簿づけ機能だけでも十分でしょう。

    弥生

    手入力による帳簿づけ
    (『弥生 申告』アプリ)
    レシート撮影による帳簿づけ
    (弥生 レシート取込アプリ)
    弥生スマホアプリ 勘定科目選択画面 弥生 レシート取込アプリ撮影画面

    弥生のスマホアプリは、シンプルな帳簿づけ機能に特化しています。他の機能はほとんどありませんが、出先でパパっと帳簿づけをするぶんには使いやすいです。なお、レシート撮影による帳簿づけには、別の「弥生 レシート取込アプリ」が必要です。

    freee

    手入力による帳簿づけ 自動取り込みによる帳簿づけ
    スマホアプリの帳簿づけ(手入力) - freee スマホアプリの帳簿づけ(自動取込) - freee
    レシート撮影による帳簿づけ 確定申告書類の作成
    freee スマホアプリ レシート撮影画面 スマホアプリで確定申告書作成 - freee

    freeeのスマホアプリは、他社と比べてダントツで機能が充実しています。弥生・マネーフォワードのように、機能が別のアプリに分散することもありません。強いて言えば、機能が多いぶん操作画面が少し複雑になってしまっているのが難点です。

    マネーフォワード

    手入力による帳簿づけ
    【ステップ入力】
    手入力による帳簿づけ
    【振替伝票入力】
    スマホアプリの帳簿づけ(ステップ入力) - マネーフォワード スマホアプリの帳簿づけ(振替伝票入力) - マネーフォワード
    自動取り込みによる帳簿づけ レシート撮影による帳簿づけ*
    アプリで自動取込(マネーフォワードクラウド会計) スマホアプリでレシート撮影 - マネーフォワード

    *別アプリ「マネーフォワード クラウド経費」を使う

    マネーフォワードのスマホアプリは、充実した帳簿づけ機能が魅力です。スマホからの帳簿づけにも「ステップ入力」と「振替伝票入力」の2つの方法が用意されています。さらに、自動取り込みによる帳簿づけ機能を、スマホからも見やすい画面で利用できます。

    なお、2020年11月のアップデートで、スマホアプリでも確定申告書類が作成できるようになりました。2021年2月頃には、スマホからの電子申告にも対応する予定です。

    ⑧ 分析レポート

    弥生 freee マネーフォワード
    やよいの青色申告 オンライン 日別取引レポート画面 収益レポート - freee キャッシュフローレポート - マネーフォワード
    • 損益レポート
    • 科目別損益レポート
    • 取引先別損益レポート
    • 日別取引レポート
    • 残高試算表(青色のみ)
    • 貸借レポート(青色のみ)

    など

    • 損益レポート
    • 現預金レポート
    • 収益レポート*
    • 費用レポート*
    • 入金/支払管理レポート*
    • 資金繰りレポート*

    など

    • キャッシュフローレポート
    • 収益レポート*
    • 費用レポート*
    • 得意先レポート*
    • 仕入先レポート*

    など

    * 最安プランでは閲覧不可

    3社とも、帳簿の内容をもとに、各種のレポートを自動作成する機能を備えています。経営の分析に役立つものから、経理業務をサポートするものまで、様々なレポートが用意されています。

    作成されるレポートのバリエーションや仕様は、ソフトによって異なります。ただ、あくまで「あったら便利だな」という機能なので、何かが不足していても大きな支障はありません。上手に活用していきたい人は、各ソフトの差を確認しておきましょう。

    弥生

    損益レポート 日別取引レポート
    損益レポート - やよいの青色申告 オンライン やよいの青色申告 オンライン 日別取引レポート画面

    画面は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    弥生の場合、プランによって制限がかかることはありません。最安のプランでも、すべてのレポートを閲覧できます。内容としては、科目ごとの残高レポートや損益レポートなど、ベーシックなところを押さえている印象です。

    freee

    損益レポート 集計表
    損益レポート - freee 集計表 - freee

    単純にレポートの種類を比べると、freeeが最多です。さらに「集計表」の機能を使えば、縦軸と横軸を自由にカスタマイズして、任意のレポートを作成することもできます。ただ、最安プランの「スターター」では基本的なレポートしか閲覧できません。

    マネーフォワード

    得意先レポート キャッシュフローレポート
    得意先フローレポート - マネーフォワード キャッシュフローレポート - マネーフォワード

    「得意先レポート」「仕入先レポート」が優れモノで、これを使えば取引先ごとの売掛金や買掛金をひと目で把握できます。また、表示期間(年・月・日など)の切り替えがスムーズにできるなど、地味に使い勝手が良い点もGOODです。

    ただ、弥生・freeeと比べるとレポートの種類が少ないうえ、最安プランの「パーソナルミニ」だと「キャッシュフローレポート」しか閲覧できません。

    ⑨ ユーザーサポートの内容

    弥生 freee マネーフォワード
    ヘルプページ 全プラン 全プラン 全プラン
    チャット 最安プラン以外 全プラン 全プラン
    メール 最安プラン以外 全プラン 全プラン
    電話 最安プラン以外 最上位プランのみ 最上位プランのみ
    最上位プラン
    の特典
    • 業務相談
    • 税務調査サポート
    • 他社からの乗り換えサポート
    特になし

    3社とも、料金プランによって利用できるサポートの内容が異なります。会計ソフトに不慣れな人は、少なくともチャット・メールによるサポートの付いたプランを選ぶのが良いでしょう。そのほか、会計初心者には弥生の「業務ヘルプデスク」などが魅力的です。

    弥生

    フリープラン
    セルフプラン
    ベーシックプラン トータルプラン
    料金
    (税抜)
    【白色】
    0円/年
    【青色】
    8,000円/年
    【白色】
    8,000円/年
    【青色】
    12,000円/年
    【白色】
    14,000円/年
    【青色】
    20,000円/年
    ヘルプページ
    チャット ×
    メール ×
    電話 ×
    その他 特になし 特になし ・業務ヘルプデスク

    弥生

    最安プランにはサポートが付きませんが、「ベーシックプラン」以上ならチャット・メール・電話によるサポートが受けられます。また「トータルプラン」では、経理業務や確定申告の疑問にも答えてくれる「業務ヘルプデスク」のサービスも付きます。

    freee

    スターター スタンダード プレミアム
    料金
    (税抜)
    【月額】
    1,180円/月
    【年額】
    11,760円/年
    【月額】
    2,380円/月
    【年額】
    23,760円/年
    【年額】
    39,800円/年
    ヘルプ
    ページ
    チャット
    メール
    電話 × ×
    その他 特になし 特になし
    • 税務調査サポート
    • 他社からの乗換代行

    freee

    全てのプランでチャット・メールによるサポートを受けられますが、電話サポートが付くのは最上位の「プレミアム」だけです。「プレミアム」には「税務調査サポート補償(税理士の立ち会い費用の補償)」などといったユニークなサービスも付きます。

    マネーフォワード

    パーソナルミニ パーソナル パーソナルプラス
    料金
    (税抜)
    【月額】
    980円/月
    【年額】
    9,600円/年
    【月額】
    1,280円/月
    【年額】
    11,760円/年
    【年額】
    35,760円/年
    ヘルプ
    ページ
    チャット
    メール
    電話 × × △*
    その他 特になし 特になし 特になし

    マネーフォワード
    * 会計ソフトに関する問い合わせのみ可能

    全プランにチャット・メールのサポートが付きますが、電話サポートは「パーソナルプラス」のみです。サポート範囲は「クラウド確定申告」の操作方法だけで、公式サイトに「経理や税務のご相談および他サービスのご相談は承ることができません」と明記されています。

    まとめ

    「電子申告への対応状況」や「スマホアプリでできること」を除けば、どのソフトでも機能に大きな差はありません。したがって、単純に「自分のレベルに合っているか?」「インターフェイスが自分好みか?」なども重要な比較要素になってきます。

    弥生 freee マネーフォワード
    料金
    (税抜)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円/年
    ベーシックプラン
    8,000円/年
    トータルプラン
    14,000円/年
    スターター
    1,180円/月
    11,760円/年

    スタンダード
    2,380円/月
    23,760円/年

    プレミアム
    39,800円/年

    パーソナルミニ
    980円/月
    9,600円/年

    パーソナル
    1,280円/月
    11,760円/年

    パーソナルプラス
    35,760円/年

    【青色申告】
    セルフプラン
    8,000円/年
    ベーシックプラン
    12,000円/年
    トータルプラン
    20,000円/年
    帳簿づけ
    (手入力)
    かんたん取引入力 - やよいの青色申告 オンライン 取引の登録(手入力) – freee 簡単入力 - マネーフォワード
    パパっと入力できることを重視 幅広いユーザーが使えることを重視 入力方法の使い分けによる効率化を重視
    帳簿づけ
    (自動取込)
    スマート取引取込 - やよいの青色申告 オンライン freee 自動入力による帳簿づけ画面 マネーフォワード 自動仕訳した取引データ画面
    • 一覧が見やすい
    • 細かな編集が面倒
    • 登録の自動化も可能
    • 追記や修正が簡単
    • 一覧が見やすい
    • 追記や修正が簡単
    請求書の
    作成

    月6枚以上は追加料金
    申告書類の
    作成
    作成手順や記入項目の解説が丁寧 習熟度に応じた2つの作成方法がある 解説が最小限で、実際の書類作成に近い
    電子申告の
    対応
    スムーズだが添付書類の郵送がほぼ必須 添付書類の提出まで完結できる 「e-Taxソフト」を
    使うため面倒
    スマホ
    アプリ
    機能:少 機能:多 機能:中
    手入力による簡単な
    帳簿づけに特化
    申告書や請求書の作成まで幅広く対応 帳簿づけから申告書類の作成まで対応
    分析
    レポート
    どのプランでも全種類を閲覧可能 種類が豊富だが、最安プランは制限あり 便利なレポートもあるが、種類は少なめ
    サポート
    • 電話サポート付きのプランが安価
    • 最上位プランなら業務相談も可能
    • 全プランにチャットサポート付き
    • 最上位プランには独自の補償制度あり
    • 全プランにチャットサポート付き
    他の主な
    機能
    • 消費税の申告書作成
    • 消費税の申告書作成*
    • 経費精算
    • 支払調書の作成
    • 経費精算
    • 給与計算
    • 社会保険事務
    • 勤怠管理
    • マイナンバー管理

    *「スタンダード」以上のプランのみ

    このような違いを踏まえると、3社のソフトはざっくり以下のような人におすすめです。

    弥生 – シンプルな操作性と安さを重視する人にオススメ

    白色申告の場合、ひとまず弥生を選べば間違いないでしょう。ずっと無料で使えるうえ、機能も十分です。また、青色申告でも「基本的な機能が備わっていればOK!」という人には、シンプルな画面構成と低価格が魅力の弥生をオススメします。

    freee – 会計業務の効率化を重視する人にオススメ

    「会計ソフト」という枠で考えると、最も機能が充実しているのはfreeeです。記帳の自動化や電子申告など、先進的な機能についても、素早い対応で他社をリードしています。「帳簿づけ~確定申告の業務をトコトン効率化したい!」という人にオススメです。

    マネーフォワード – プラスαの機能を重視する人にオススメ

    「クラウド確定申告」単体でも会計ソフトとしての機能は十分ですが、追加料金なしで他6種類のクラウドソフトも利用できます。「事業の拡大を見据えて、バックオフィス全体を効率化したい!」という人には、マネーフォワードのコスパが非常に高いと言えます。