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個人事業税の猶予・減免【新型コロナの影響】
新型コロナの影響で個人事業税の納付が困難な場合は、地方税の「猶予制度」を利用できます。法律上は「減免制度」も存在しますが、今回のようなケースでは利用できません。
猶予制度 | 要件を満たす場合に、納付をしばらく待ってもらえる制度(地方税法15条) 新型コロナの影響で要件を満たせる可能性が高い |
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減免制度 | 災害時などに、税金を減額 or 免除してもらえる制度(地方税法72条の62) 新型コロナの影響だけで要件を満たせる可能性は低い |
念のため、東京都の都税事務所や大阪府の府税事務所に確認したところ、いずれも「新型コロナを理由に利用できるのは基本的に猶予制度のみ」との回答でした。
ちなみに2021年2月1日までは、新型コロナ関連の特例制度が適用できました。こちらはすでに終了していて、現在利用できるのは上記のようなベーシックな救済措置のみとなっています。
このほか、自治体単位で独自の救済制度を設けている可能性もあります。自治体が運営しているホームページも合わせてご確認ください。
地方税の猶予制度について
地方税の猶予制度は「やむを得ない事情で期限日までの納付が難しい場合に、納付を最長1年延ばしてもらえる」というものです。新型コロナの影響で納付が困難な場合も、この制度を利用できます。
猶予制度の概要
- 納付期限を最長1年、延長してもらえる
- 猶予期間中の延滞金は「減額 or 免除」
- 申請先は、所轄の都道府県税事務所など
申請期限は地域によって異なります。期限を設けていない自治体もあれば、「本来の納付期限日まで」などと期限を明記している自治体もあります。
猶予制度を利用できる主なケース
財産に相当な損失が生じた場合 例:新型コロナの発生に伴い消毒作業を行い、備品や棚卸資産を廃棄した |
本人 or 家族が病気にかかった場合 例:本人または同居の家族が新型コロナに感染した |
事業を廃止 or 休止した場合 例:緊急事態宣言やまん延防止措置により、やむを得ず事業を休業・廃業した |
事業に著しい損失を受けた場合 例:新型コロナの影響による利益の減少などで、事業に大きな損失を受けた |
上記はあくまでも一例です。コロナ関連の事情であれば、このほかのケースについても柔軟に対応してくれるようです。自分が対象かどうか判断が難しい場合は、市区町村の役所に相談してみましょう。
猶予制度の申請方法
猶予制度を申請する時には、原則として下記のような書類が必要です。ただ、書類を用意できない理由がある場合は、柔軟に対応してもらえます。必ずしも下記のすべてを提出すべきということではありません。
- 必要事項が記入された申請書(徴収猶予申請書)
- 事実を証するに足りる書類(現金出納帳、預金通帳のコピーなど)
- 財産目録(財産収支状況書、財産目録など)
- 担保の提供に関する書類
- その他、各地方の条例で定める書類
※これらはあくまで原則的な書類(地方税法15条の2)
猶予の申請は、所轄の都道府県税事務所などで行いましょう。