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個人事業税の計算方法・計算例

更新日: 2021/07/19
個人事業税の計算方法・計算例

INDEX

目次

    個人事業税の計算方法

    個人事業税の基本的な計算方法は、下図のとおりです。

    個人事業税の計算方法 - 基本の考え

    確定申告をしていれば自治体から税額のお知らせが届くので、自分で計算する必要はありません。また、年間の所得が290万円以下なら、基本的に税額は生じません。

    ざっくり税額を把握するだけなら、上記の式だけで十分です。ただ、正式な計算式はもうすこし複雑です(下図)。

    個人事業税の正式な計算式 - 東京都主税局

    個人事業税額の算出方法 – 東京都主税局

    この計算式を理解するには、「所得」と「各種控除」の考え方をきちんと把握する必要があります。順番に説明していきましょう。

    「所得」の計算方法

    個人事業税における所得の計算方法

    ここでは「個人事業税における所得」の計算方法について説明します。基本的な考え方は「所得税における事業所得」と同じですが、以下のような相違点があります。

    個人事業税における所得 所得税における事業所得
    青色申告特別控除 適用できない 適用できる
    青色事業専従者給与 経費にできる* 経費にできる
    白色事業専従者控除 適用できる* 適用できる

    * ただし、法定業種の業務に従事した部分のみ

    「青色申告特別控除が適用できない」ことだけ押さえておけば、ひとまず問題ありません。専従者給与・控除については、複数の事業を営んでいなければ、所得税の計算と同じように差し引いてOKです。

    「各種控除」の計算方法

    個人事業税における各種控除の計算方法

    • 「事業税控除」は、すべての事業主に適用される
    • 「繰越控除」は、一定の赤字がある事業主にのみ適用される

    「事業主控除」- 基本290万円を所得から差し引ける

    事業主控除の金額は、基本的に一律「290万円」です。ただし、営業期間が1年未満の場合は月割りで計算します。たとえば、営業期間が半年なら「290万円 ÷ 2 = 145万円」です。

    「繰越控除」- 赤字を所得から差し引ける

    損失の繰越控除 被災事業用資産の
    損失の繰越控除
    譲渡損失の控除と
    繰越控除
    青色申告者が営む事業で
    赤字が出たとき
    白色申告者の事業用資産が災害などで損害を受け
    赤字が出たとき
    事業用資産を譲渡して
    赤字が出たとき

    過去3年分の事業について、上記のいずれにも該当しない人は事業主控除額(基本290万円)が「各種控除」の金額になります。

    「税率」は5%が基本

    個人事業税の税率は、下表の通り、ほとんどの業種で5%です。たとえば「物品販売業」や「請負業」も税率5%です。

    法定70業種と業種別の税率一覧

    個人事業税の法定業種と税率 – 東京都主税局

    大抵の事業は、上記の70業種(= 法定業種)のいずれかに該当するでしょう。例外として、もし法定業種のいずれにも該当しなければ、個人事業税は課税されません(非課税所得)。

    法定業種に該当するかどうかの線引きはあいまいで、明確な基準は設けられていません。最終的には、各自治体が事業の実態を見て判断します。

    計算例① 納めなくてよいケース

    • 収入350万円
    • 必要経費100万円
    • 広告業

    上記のようなケースでは、個人事業税は納めずに済みます。実際に計算してみましょう。

    • 350万円(収入)- 100万円(必要経費)= 250万円(所得)

    広告業は法定業種に該当しますから、個人事業税の課税対象です。しかし、290万円の事業主控除を適用できるので、税額は結局0円となります。

    計算例② 納めなくてはならないケース

    • 収入1,000万円
    • 必要経費600万円
    • 製造業

    こちらのケースでは、個人事業税を納めなくてはなりません。計算は下記の通りです。

    • 1,000万円(収入)- 600万円(必要経費)= 400万円(所得)
    • 400万円(所得)– 290万円(事業主控除)= 110万円
    • 110万円 × 5%(製造業の税率)= 5万5,000円

    よって、この場合の個人事業税は5万5,000円です。なお、この確定額に100円未満の端数がでる場合には「切り捨て」の処理を行います。100円未満なので、99円までを切り捨てできるということです。

    まとめ

    個人事業税は、業種に応じた税率により課税されます。税額は、以下の計算式で算出します。

    個人事業税の計算方法 - 基本の考え

    計算の際、以下のポイントに注意しましょう。

    • 青色申告特別控除は適用できない
    • 専従者給与(控除)は差し引いてよい*
    • 事業主控除290万円は、営業期間で月割りにする
    • 確定金額の100円未満は切り捨て処理する

    * ただし、法定業種の業務に従事した部分のみ

    新規開業したばかりの事業主は、年間の所得が290万円以下でも、個人事業税の対象になる場合があるので注意しましょう。