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主な国税の納付方法まとめ – 所得税や消費税はどう納付する?

更新日: 2024/12/11
主な国税の納付方法まとめ – 所得税や消費税はどう納付する?

所得税や消費税などの国税には複数の納付方法があり、自分の好きな方法を選択できます。本記事では、納付方法を大きく8種類に分けて紹介します。

INDEX

目次

    国税の納付方法一覧

    所得税や消費税の納付方法は、大きく下記の8種類に分けられます。いずれかの方法で、期限日までに納付を済ませましょう。

    国税の主な納付方法

    窓口納付(現金のみ) 税務署や銀行の窓口で納付書を使って納付する方法
    窓口で相談しながら納付できるので、初心者も安心
    コンビニ納付(現金のみ) コンビニのレジで専用の納付書を使って納付する方法
    納付額が30万円以下の場合に利用可能
    振替納税 口座振替で納付する方法
    所得税や消費税の振替日は、通常の期限日の約1ヶ月後になる
    スマホアプリ納付 専用サイトからスマホ決済アプリで納付する方法
    PayPay・d払い・au PAYなどが利用可能
    クレジットカード納付 専用サイトからクレジットカード払いで納付する方法
    別途で手数料がかかる(1万円ごとに税込83円)
    電子納税 ダイレクト納付 e-Tax上で手続き後、口座振替で納付する方法
    納付期限日までで振替日を自由に指定できる(即時も可能)
    登録方式 ネットバンキング・ATMから納付する方法
    e-Tax上で取得した「納付区分番号」を利用する
    入力方式 ネットバンキング・ATMから納付する方法
    ルールに従って作成した「納付目的コード」を利用する

    電子納税(ダイレクト納付・登録方式・入力方式)は、いずれの方法も事前にe-Taxの利用手続きを済ませておく必要があります。基本的には電子申告をする人向けの納付方法です。
    電子納税の方法まとめ

    窓口納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    現金 不要 不要 窓口の受付時間

    窓口納付は、所轄の税務署や金融機関の窓口で、現金に納付書を添えて納付する方法です。確定申告書を窓口で提出する場合は、そのままこの方法で納付を済ませることもできます。税務署の開庁時間は、通常なら平日8:30~17:00ですが、確定申告期間は土日に開庁することもあります。

    納付書は窓口に用意されているので、その場で記入すればOKです。ただし、金融機関は納付書の在庫を切らしていることもあるので注意しましょう。なお、メガバンク・ゆうちょ銀行・地方銀行・信用金庫など、ほとんどの金融機関は窓口納付に対応しています。

    窓口納付は、納付時に領収証書を発行してもらえる唯一の納付方法です。とはいえ、他の方法でも納付後に「納税証明書」を発行することができます。会計処理をする際も、領収証書は使用しません。すぐに納税の証明書が必要でない限り、わざわざ窓口納付をする必要はないということです。

    コンビニ納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    現金 不要 不要 24時間*

    * コンビニの営業時間に準ずる

    納付書1枚につき納付額が30万円以下であれば、コンビニで納付ができます。ただし、基本的には「Loppi」か「Famiポート」が設置されているローソン・ファミリーマートなどでしか利用できません。セブンイレブンは対応していないので注意しましょう。

    国税庁ウェブサイトで作成した「コンビニ納付用QRコード」を、Loppi・Famiポートに読み取らせることで、コンビニ納付に必要な「バーコード付き納付書」を発行できます。

    コンビニ納付(QRコード) - 国税の納付手続き コンビニ納付用QRコードの作成ページ

    ちなみに、あらかじめバーコードが印刷された納付書が届くこともあります(予定納税の納付書など)。この場合は、改めてバーコード付き納付書を発行する必要がないので、Loppi・Famiポートのないコンビニでも納付が可能です。

    振替納税

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    口座振替 不要 依頼書の提出

    振替納税は口座振替(指定した銀行口座からの自動引き落とし)によって納付する方法です。納付手続きの手間がかからない上に、納付し忘れを防ぐこともできるのでオススメの方法です。事前に届出を済ませておけば、振替日に自動で納付額が引き落とされます。

    初めて振替納税を利用する際は、事前に依頼書を提出しておきましょう。税務署か金融機関へ書面で提出しても良いですし、e-Taxからオンラインで提出することもできます。
    預貯金口座振替依頼書 – 国税庁

    振替日までに約1ヶ月の猶予が得られる

    所得税や消費税の振替日は、通常の納付期限日の約1ヶ月後となります。振替納税を選択すれば、実質的に納付期限を1ヶ月ほど延長できるというわけです。振替日の具体的な日付は、国税庁が毎年発表します。

    スマホアプリ納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    Pay払いアプリ
    (PayPayなど)
    不要 不要 24時間*

    * メンテナンス時間を除く

    2022年12月から、スマホ決済での納税も可能になりました(納付額は最大30万円まで)。国税スマートフォン決済専用サイト」を利用し、PayPay・d払い・楽天ペイなどQR決済アプリで納付できます。夜間・休日でも納税できるうえ、手数料もかかりません。

    利用できるスマホ決済アプリ

    PayPay ポイント付与なし
    d払い ポイント付与なし
    楽天ペイ ポイント付与なし
    au PAY Pontaポイントの付与あり
    (200円につき1ポイント)
    LINE Pay ポイント付与なし
    メルペイ ポイント付与なし
    Amazon Pay ポイント付与なし

    現状、国税の納付によってポイントが付与されるのは「PayPay」と「au PAY」の2つだけです。ただ、アプリによっては残高をチャージする際にポイントを獲得できる場合もあります。
    国税のスマホアプリ納付について詳しく

    クレジットカード納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    クレジットカード 1万円ごとに税込83円 不要 24時間*

    * メンテナンス時間を除く

    国税クレジットカードお支払サイト」を利用すれば、国税をクレジットカード払いで納付できます。手軽な納付方法ですが、納付額1万円ごとに税込83円の手数料がかかります。

    国税クレジットカード納付の手数料

    納付額 手数料 (税込)
    40,001円~50,000円 418円
    30,001円~40,000円 334円
    20,001円~30,000円 250円
    10,001円~20,000円 167円
    10,000円以下 83円

    ※5万円以降も、1万円を超えるごとに手数料がかかる

    還元率の良いクレジットカードを利用していないと、納付によってポイントが貯まったとしても、手数料で損をすることになってしまいます。

    電子納税① – ダイレクト納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    口座振替 不要 届出書の提出 e-Tax等の稼働時間

    ダイレクト納付は、e-Taxで手続きをしたのち、口座振替によって納付する方法です。振替日は、税金を申告した日から納付期限日までの間なら自由に設定できます。もちろん即時振替も可能です。

    ダイレクト納付の場合、e-Taxの利用開始手続きを済ませた上で、書面またはオンラインで届出書を提出する必要があります。届出書を提出してから利用できるようになるまで1週間〜1ヵ月ほどかかるので、余裕を持って準備しましょう。

    ダイレクト納付なら「予納」がカンタン

    「予納」とは、ざっくり言うと、任意の日付で税金を前払いできる制度のことです(予定納税とは別モノ)。ダイレクト納付の届出を済ませておけば、振替日や金額の設定をe-Tax上でカンタンにできるようになります。

    電子納税② – 登録方式

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    ネットバンキング・ATM 基本的に不要* 不要 e-Tax等の稼働時間

    * 金融機関によってはネットバンキングやATMの利用手数料がかかる

    登録方式の電子納税では、インターネットバンキングやATMの操作画面に「納付区分番号」を入力して納付を行います。「納付区分番号」は、e-Taxに納付情報を登録することで取得できます。

    登録方式なら、振替納税やダイレクト納付で利用できないネット銀行などの金融機関にも対応している場合があります(入力方式も同様)。対応状況については、金融機関のホームページなどでご確認ください。

    電子納税③ – 入力方式

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    ネットバンキング・ATM 基本的に不要* 不要 e-Tax等の稼働時間

    * 金融機関によってはネットバンキングやATMの利用手数料がかかる

    入力方式の電子納税では、インターネットバンキングやATMの操作画面に、ルールに従って自分で作成した「納付目的コード」を入力して納付を行います。納付目的コードは、ルールに従って数字を組み合わせることで作成できるので、難しいものではありません。

    「登録方式」と比べると、e-Taxの操作が不要なので、電子申告をしない人でも利用しやすい方法だと言えます。(ただし、e-Taxの利用開始手続きは済ませている必要がある)

    まとめ – 8種類の納付方法とポイント

    本記事で紹介してきたのは「国税」の納付方法です。国税で主なものには、所得税と消費税があります。所得税は多くの個人事業主が納めることになりますが、消費税には課税売上高1,000万円の基準があり、納めなくてよい事業者(免税事業者)も多いです。

    国税の納付方法とポイント

    決済手段 事前申請 ポイント
    窓口納付 現金 不要 ・窓口で相談しながら納税できる
    コンビニ納付 現金 不要 ・納付額は30万円まで
    ・Loppi、Famiポート設置店舗のみ
    振替納税 口座振替 依頼書の提出
    (納期限まで)
    ・税金の納付を法定納付期限から約1ヶ月先延ばしにできる
    スマホアプリ納付 スマホ決済アプリ 不要 ・PayPay、d払い、au PAYなどが利用可能
    クレジットカード納付 カード 不要 ・手数料がかかる (1万円ごとに税込83円)
    ダイレクト納付 口座振替 届出書の提出 ・振替日を納期限までの好きな日付に設定できる
    登録方式 ネットバンキング
    ATM
    不要 ・金融機関によってはネットバンキングやATMの利用手数料がかかる
    入力方式

    所得税と消費税の法定納付期限

    • 所得税………毎年3月15日
    • 消費税………毎年3月31日

    * 土日祝日にあたる場合は翌平日に繰り越し

    期限日までに正しく納付が完了しない場合、ペナルティとして「延滞税」などが課されることがあります。この金額は、延滞した日数に応じて加算されていくので注意しましょう。

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