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主な地方税の納付方法まとめ – 住民税や個人事業税の納付方法

更新日: 2023/09/11 PR
主な地方税の納付方法まとめ – 住民税や個人事業税の納付方法

個人事業主が納付する地方税(住民税・個人事業税など)の、主な納付方法を7種類にまとめました。2020年(令和2年)からは「スマホ決済アプリ」を利用した納付方法が新たに導入され、より手軽に納付できるようになっています。

INDEX

目次

    地方税の納付方法

    住民税や個人事業税は、毎年納付の時期になると、自治体から「納税通知書」や「納付書」が送られてきます。納付書には税額が記載してあるので、自分で税金の計算をする必要はありません。

    地方税の主な納付方法

    窓口納付 郵便局・金融機関・役所等の窓口で納付書を使って納付する
    ほとんどの自治体・税目に対応している
    コンビニ納付 コンビニのレジに納付書を持参して、現金で納付する
    対象者には専用のバーコード付き納付書が届く
    口座振替 指定した銀行口座からの自動引き落としによって納付する
    各納期の末日に口座振替が行われる
    クレジットカード 専用サイトからクレジットカード払いで納付する
    決済時に手数料が発生する
    スマホ決済アプリ スマホ決済アプリを利用して、バーコード決済で納付する
    手数料は無料、使用するアプリによってはポイント還元あり
    Pay-easy(ペイジー) ペイジー経由で、ネットバンキング・ATMから納付する
    納付書に記載されている払込用の番号を利用する
    eLTAX(エルタックス) eLTAXでの手続き後、ネットバンキング・ATMから納付する
    eLTAXの利用開始手続きを済ませておく必要がある

    「窓口納付」は、ほとんどの自治体や税目に対応しています。「コンビニ納付」も幅広く対応していますが、上限金額が設定されています(30万円まで)。その他の納付方法については、自治体や税目によって対応状況にバラつきがあります。念のため、各自治体のホームページなどで事前に納付方法を確認してください。

    個人事業主の納める主な地方税

    • 住民税
    • 個人事業税
    • 自動車税
    • 固定資産税

    消費税の一部も地方税に含まれますが、消費税の納付窓口は国なので、本記事では省略しています。なお、住民税の徴収方法には「普通徴収(個人事業主などが該当)」と「特別徴収(会社員などが該当)」があります。本記事で扱っているのは「普通徴収」での納付方法です。

    窓口納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    現金 不要 不要 窓口の受付時間

    窓口納付は、各地の都道府県税事務所・市区町村の役所・金融機関などの窓口に納付書を持参して、現金で納付する方法です。納める金額は、自治体から届いた納付書に記載してあります。

    この方法は、ほとんどの自治体や税目に対応しています。手数料はかからず、上限金額も設定されていません。一方で、窓口の空いていない土日祝日や、早朝・夜間は利用できないというデメリットがあります。

    なお窓口納付では、納付時にその場で領収証書を発行してもらえます。受け取った領収証書は、万が一に備えて必ず保管しておきましょう。

    コンビニ納付

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    現金 不要 不要 コンビニの営業時間
    (土日祝日も可)

    納付書1枚あたりの納付額が30万円以下であれば、コンビニのレジから納付が可能です。対象者には、通知書と一緒に「バーコード付き納付書」が送られてくるので、これをコンビニのレジに持参すれば支払いできます。

    バーコード付納付書

    地方税の納付には、大手コンビニエンスストア3社(セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン)をはじめ、多くのコンビニが対応しています。納付時には、領収証書と併せてレシートも発行されるので、どちらも必ず受け取って保管しておきましょう。

    口座振替

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    口座振替 不要 必要

    振替納税は、指定した銀行口座からの自動引き落としによって納付する方法です。この方法を利用するには、事前に口座振替の依頼書を提出する必要があります。ただ、一度手続きをしておけば、次回以降は自動的に口座振替が適用されるので、払い忘れを防ぐことができます。

    口座振替依頼書は、各自治体のホームページからダウンロードが可能です。また、一部の自治体ではインターネットからも申請できます。提出期限は自治体によって異なりますが、たとえば東京都の場合は「口座振替を開始しようとする月の前月の10日まで」とされています。

    振替日は各納期の末日

    地方税の口座振替日は、それぞれの税金の納付期限日です。振替日が土日祝日に当たる場合は、次の平日へ繰越となります。

    口座振替日 – 住民税・個人事業税

    一括納付の場合 分割納付の場合
    住民税 6月末日 6月、8月、10月、翌年1月
    それぞれの末日
    個人事業税 8月末日 8月、11月
    それぞれの末日

    クレジットカード

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    カード決済 不要 必要 基本24時間

    対象の地域であれば、Yahoo!公金支払いからクレジットカードで納付が可能です。また一部ですが、クレジットカード納付の専用サイトを提供している自治体もあります。

    クレジットカードで納付する場合は、決済手数料がかかります。手数料は、利用するサイトや自治体、税目ごとに異なります。東京都の運営する「都税クレジットカードお支払いサイト」の場合、すべての地方税に対して税額1万円ごとに80円(税込)の手数料が発生します。

    クレジットカード納付への対応状況は、まだまだ自治体ごとにバラつきがあります。同じ自治体でも、税目によって手数料が異なる場合があるので、利用する場合は事前に確認しておきましょう。

    スマホ決済アプリ

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    バーコード決済 不要 不要 基本24時間

    令和2年から、多くの自治体で「スマホ決済アプリ」(PayPay・LINE Payなど)を利用した納付方法が導入されました。納付書1枚につき納付額が30万円以下であれば、スマホ決済アプリで納付することができます。なおコンビニ納付と同様に、対象者には「バーコード付き納付書」が送られてきます。

    スマホ決済アプリによる税金納付の手順

    スマホ決済アプリによる税金納付手順 - PayPayの場合

    ※PayPayの場合

    事前にチャージを済ませておけば、納付書のバーコードを読み取るだけで簡単に納付できます。すでにスマホ決済アプリを利用している人は、普段の買い物と同じ要領で操作すればOKです。

    スマホ決済アプリで納付すると、支払金額に応じてポイント還元を受けられます。たとえば「PayPay」なら、支払金額の「0.5%~最大1.5%」分のポイントが還元されます。10万円の支払いをしたら、500円~1500円分のポイントが付くというわけです。

    スマホ決済アプリを利用した納付方法は、導入されたばかりということもあり、対応状況は自治体によってまちまちです。

    住民税などのアプリ納付【対応状況の一覧表】スマホで納税

    Pay-easy(ペイジー)

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    ネットバンキング・ATMで払込み 基本的に不要* 不要 ネットバンキングなどの利用可能時間

    * 金融機関によってはネットバンキングやATMの利用手数料がかかる

    Pay-easy(ペイジー)という支払いサービスを利用すれば、ネットバンキングやATMなどで納付することができます。「Pay-easyマーク」がついている納付書であれば、ペイジーに対応しています。

    ペイジー対応の納付書には、払込用の番号(収納機関番号・納付番号など)が記載されています。これらの数字を、ネットバンキングやATMの操作画面に入力することで納付が可能です。

    Pay-easy(ペイジー)マーク付き納付書

    ペイジーは様々な金融機関に幅広く対応しています。ただ、ネットバンキングのみに対応している金融機関も多く、ATMに対応している金融機関はゆうちょ銀行・メガバンク・一部の地方銀行などに限られます。ちなみにATMから納付する場合、ネットバンキングの契約は不要です。
    >> ペイジー対応金融機関・支払手段一覧表 – 東京都

    eLTAX(エルタックス)

    決済手段 手数料 事前申請 利用できる時間
    口座振替
    ネットバンキング・ATMで払込み
    基本的に不要* 必要 ネットバンキングなどの利用可能時間

    * 金融機関によってはネットバンキングやATMの利用手数料がかかる

    「eLTAX」(エルタックス)は、地方税の申告・納税などをインターネット経由で行うためのシステムです。eLTAXを利用するには、事前に届出を提出して「利用者ID」を取得しておく必要があります。

    eLTAX(エルタックス)とは
    eLTAXとは「地方税ポータルシステム」の呼称。地方税における、申告、申請・届出および納税などの手続きを電子的に行うためのシステム。全国の地方公共団体が共同で運営している。

    eLTAXを利用した納付方法は、主に2種類あります。ただ、事前準備に手間がかかるうえに、もっと簡単な納付方法が他にあるので、特別な事情がない限りこれらの方法はオススメしません。

    納付方法① ダイレクト納付

    ダイレクト納付は、事前に指定した銀行口座から自動引き落しで納付する方法です。事前の届出をeLTAX上で行う点を除けば、先述の「口座振替」と似ています。ダイレクト納付の場合、届出から口座の登録完了まで最大で1ヶ月ほどかかります。

    納付方法② インターネットバンキング等

    eLTAX上で取得した「納付情報(収納機関番号など)」を利用して、ネットバンキングやATMから納付することもできます。とはいえ、納付書を見ながらペイジーで納付する方が簡単なので、特別な理由がない限りは、この方法を選ぶメリットはありません。

    まとめ

    住民税や個人事業税などの地方税は、納付の時期になると、納税通知書や納付書が送られてきます。通知書や納付書には、金額や納付期限が書いてあるので、これに従って納付を行いましょう。なお納付義務のない場合、こういった書類は送られてきません。

    主な地方税の納付期限日

    通知書の発送 納付期限日(一括) 納付期限日(分割)
    住民税 6月上旬 6月末日 6月、8月、10月、翌年1月
    それぞれの末日
    個人事業税 8月上旬 8月末日 8月、11月
    それぞれの末日
    自動車税 5月上旬 5月末日
    (特別な事情がない限り不可)
    固定資産税 4~6月 自治体によって異なる 自治体によって異なる

    ※期限日が土日祝日の場合は翌平日へ繰越

    固定資産税の納付時期は自治体によって異なります。たとえば東京都の場合、1回目の納付期限が「6月末日」に設定されています。ただ、それ以外の地域では「4月末日」に設定されている場合が多いです。

    通知書が届いたら、自分の好きな方法を選んで期限日までに納付を済ませましょう。納付方法ごとの主なメリットとデメリットは下記の通りです。

    地方税の納付方法とメリット・デメリット

    決済手段 メリット(○)・デメリット(△)
    窓口納付 現金 ○:幅広い税目に対応、手数料なし
    △:窓口の受付時間が限られている
    コンビニ納付 現金 ○:幅広い税目に対応、手数料なし、24時間OK
    △:上限額あり(30万円まで)
    口座振替 口座振替 ○:手数料なし、払い忘れを防止できる
    △:事前申請が必要(初回)
    クレジット
    カード
    カード決済 ○:24時間OK
    △:手数料がかかる
    スマホ決済
    アプリ
    バーコード決済 ○:24時間OK、手数料なし、ポイント還元あり
    △:上限額あり(30万円まで)、アプリの登録が必要
    Pay-easy ネットバン
    キング
    ATM
    ○:夜間・早朝もOK、ネットバンキングも使える
    △:金融機関によっては手数料がかかることも
    eLTAX ネットバン
    キング
    ATM
    口座振替
    ○:eLTAXに登録済みならネット上で手続きが完結
    △:事前申請が面倒、手数料がかかることも

    お住まいの自治体や税目が対応しているのであれば、「スマホ決済アプリ」を利用した納付方法が一番お得に納付できます。支払金額に応じたポイント還元を受けられ、手数料もかかりません(ポイント還元については、各社の規約を確認して下さい)。

    「eLTAX」を利用した納付方法は、あまりオススメできません。事前準備に手間がかかる上に、他の納付方法で代替できるからです。銀行口座からの自動引き落しで納付するなら「口座振替」を、ネットバンキングで納付するなら「Pay-easy」を利用したほうが、簡単に納付を済ませられます。

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