2021年10月31日、第49回衆議院議員選挙の投開票が行われます。本記事では、各党の税金や社会保険料などに関する主な公約(マニフェスト)をまとめています。
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目次
税制関連の主な公約【比較一覧表】
本記事では、衆議院解散前の時点(10月14日)で、衆議院に議席を持っていた9つの政党について取り上げます。
各党の主な公約
所得税 | 消費税 | 法人税 | |
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自民 | とくに言及なし | とくに言及なし | 企業の賃上げに税制支援 |
立民 | 期間限定で実質免除 | 期間限定で5%に減税 インボイス制度は延期 |
超過累進税率の導入 |
公明 | とくに言及なし | とくに言及なし | とくに言及なし |
維新 | 「フロー大減税」の断行 | 期間限定で5%に減税 | 「フロー大減税」の断行 |
共産 | 最高税率の引き上げ | 5%に減税 インボイス制度は中止 |
税率の引き上げ |
国民 | 猶予・減免の拡充 | 期間限定で5%に減税 インボイス制度は中止 |
猶予・減免の拡充 |
れいわ | 金融所得の総合課税化 | 消費税廃止 インボイス制度は中止 |
税率の引き上げ |
社民 | 累進課税の強化 | 3年間は消費税ゼロ | 大企業の課税強化 |
N党 | とくに言及なし | とくに言及なし | とくに言及なし |
※「インボイス制度」は事業者の消費税納付に関する制度
なお、本記事では各党が「公約」として挙げている政策のうち、税金や社会保険料に関わる重要なトピックのみを取り扱っています。(公約と明記していない政党については「政権政策」や「重点政策」などを参照)
自由民主党
所得税 | とくに言及なし |
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消費税 | とくに言及なし |
法人税 |
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社会保険料 | とくに言及なし |
自民党の公約パンフレットには、税金や社会保険料に関する具体的な記述があまりありません。大枠としては既定路線を崩さず、納税のデジタル化などで利便性を向上していく方針のようです。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- 引き続き、協力金や月次支援金等を迅速に支給する
- 事業再構築補助金を拡充し、運用を改善する
立憲民主党
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 |
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立憲民主党は、所得税・消費税ともに期間限定で減税を行う方針です。加えて、所得税・法人税・社会保険料に関しては、富裕層や大企業への課税強化を通して現行制度における不平等感の解消を目指しています。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- 持続化給付金と家賃支援給付金の要件を緩和して再給付する
- 休業協力金と一時支援金支給の要件を緩和し、事業規模に応じた支援を実施する
- 税金や社会保険料の猶予特例の再実施に加えて、減免を含む特例措置を創設
- 収入減の補填を行うなど、文化芸術活動や公共交通などを支援する
公明党
所得税 | とくに言及なし |
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消費税 | |
法人税 | |
社会保険料 |
公明党の重点政策パンフレットに、税制関連の具体的な公約はほとんどありませんでした。基本的には、自民党と同様に既定路線を維持する方針でしょう。ただ、コロナ関連の給付制度などについては、いくぶん具体的に示されています。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- 日本政策金融公庫等の実質無利子・無担保融資を継続する
- 協力金の先払いや申請手続きの簡素化などを進める
- 月次支援金の拡充と給付の迅速化する
- 事業再構築補助金等を大幅に拡充する
- 感染収束を前提として「新・Go Toキャンペーン(仮称)」を再開する
日本維新の会
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 |
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維新の会は「フロー大減税」と称した所得税・法人税の減税を通して、現状の「フローからストックへ」を基軸とする税体系の抜本的な改革を目指しています。消費税の引き下げについては、将来的な地方税化や税制改革と合わせて終了時期を検討する方針です。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- コロナ禍で特に困窮しているひとり親の支援を拡充する
- 観光産業に、地方自治体主導による段階的な振興政策を打ち出す
日本共産党
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 |
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共産党は、期間限定ではない消費税の引き下げを総選挙政策に掲げています。加えて、消費税のインボイス制度も中止を目指しています。代わりに、所得税や法人税の最高税率を引き上げることで税収を確保する方針です。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- コロナで収入が減った家計の支援として、1人10万円が基本の特別給付金
- 持続化給付金、家賃支援給付金を再支給する
- 月次支援金を増額しつつ、支給を迅速化する
- 雇用調整助成金のコロナ特例も継続する
国民民主党
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 |
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国民民主党は「コロナ禍の影響が収束し、経済が回復するまでの間」に限り、消費税率を5%に引き下げることを政策に掲げています。また、個人・事業者の税金や社会保険料の猶予・減免制度を、コロナの影響が収束するまで延長する方針です。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- まん延防止協力金として一律10万円、低所得者には10万円上乗せして給付する
- 事業者に、家賃や光熱費などの固定費を最大9割まで支援する
れいわ新選組
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 |
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れいわ新選組は、消費税の「廃止」を公約に掲げています。また、社会保険については、国の負担割合を増やすことで保険料を軽減する方針です。一方、金融所得の所得税や、法人税については課税を強化し、格差の是正を目指しています。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- 1人あたり毎月20万円の現金給付を行う(コロナ脱却給付金)
- ステイホームできないエッセンシャルワーカーには危険手当24,000円を支給する
- あらゆる事業者の粗利補償、債務の猶予、利息の補填、家賃補助などを行う
社会民主党
所得税 |
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消費税 |
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法人税 |
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社会保険料 | とくに言及なし |
社民党は、大企業の内部留保金に対する課税を財源として、消費税を3年間限定でゼロにすることを公約に掲げています。また、所得税の累進課税強化や、法人税の見直しなどを通して、大企業や富裕層に応分の負担を求めていく方針です。
【補足】コロナの給付等に関する主な方針
- あらたな特別給付金として10万円を支給する
- 自粛、時短営業、休業は補償とセットで行う
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で
所得税 | とくに言及なし |
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消費税 | |
法人税 | |
社会保険料 |
NHK党が発表している公約は「NHKが委託法人に行わせている弁護士法72条違反となる訪問行為について徹底的に追及する」というものだけです。その他の政策に関して、具体的な発表はありません。