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税務調査にNGワードはある?重加算税を避けるための注意点と対策

更新日: 2023/07/21 投稿日: 2023/06/30
税務調査にNGワードはある?重加算税を避けるための注意点と対策

税務調査は、例年7月ごろから増えると言われています。調査官と話すときのNGワードや注意点を知っておくことで、重加算税のリスクを減らせます。万一の税務調査に向けて、準備・対策しておきましょう。

INDEX

目次

    そもそも税務調査とは?

    税務調査とは、税務署の職員などが事務所を訪問し、申告ミスや脱税がないかチェックしに来ることです。通常は過去3年~5年分が調査対象となります。調査の結果は、以下の3パターンに大別できます。

    税務調査の結果 ‐ 3パターンに大別

    概要 主なペナルティ
    是認 (ぜにん) おおむね正しく申告できていた場合 なし
    申告漏れ うっかり申告ミスしていた場合 過少申告加算税税率5%~15%
    所得隠し
    脱税
    わざと嘘の申告などをした場合 重加算税税率35%~45%

    ※「所得隠し」のなかでも、とくに悪質なものを「脱税」という

    “わざと”収入を少なく申告したり、経費を水増ししたりすると、「重加算税」という非常に重いペナルティが課されます。事業主としては、単なる“うっかり”ミスなら、安易に重加算税を受け入れるべきではありません。

    一方、調査官の立場からすると、所得隠しや脱税を発見して「重加算税」を課すことは、最も重要な仕事の一つです。ときに誘導尋問的な質問が行われることもあるようなので、事業主は慎重に回答しましょう。

    >> 申告漏れのペナルティは?過少申告加算税と重加算税の違い

    税務調査で重加算税を課されるケース

    重加算税を課されるのは、所得隠しや脱税のために「仮装・隠蔽」をしたときだけです。「仮装(かそう)」とはニセの事実をでっち上げることを言い、「隠蔽(いんぺい)」とは真実を隠すことを言います。具体的には、以下のようなケースが該当します。

    重加算税の対象になるケース(主な例)
    • 税務調査で嘘をついた
    • 帳簿やレシートを捨てた・隠した・偽造した
    • 二重帳簿(ダミーの帳簿)を作成した

    申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

    税務調査では「嘘」や「隠す」のような言葉は、軽率に使わないほうがよいです(いわゆるNGワード)。逆に、調査官の立場からすると、事業主にこういうNGワードを言わせれば重加算税を課しやすくなります。

    税務調査で注意したいNGワード・質問

    税務調査で不備などが見つかると、重加算税につながる「NGワード」で問い質されることがあります。やましいところがなければ、否定すべき点はしっかり否定しましょう。

    たとえば、確かに保存していたはずの領収書が出てこなかったとき、「捨てたんですか?」と聞かれたら「いえ、紛失しました」のように答えるイメージです。ここで「はい」と答えてしまうと、意図的に破棄したと見なされ、重加算税のリスクが高まります。

    重加算税に関わるNGワードと言い換え(一例)

    NGワード 言い換え
    捨てた、破棄、処分 なくした、紛失、行方不明
    意図的に、意図して、故意に 意図せず、誤解して、知らずに
    隠す、隠匿 書き忘れ、出し忘れ
    嘘、改ざん、捏造、虚偽記載、架空 書き間違え、言い間違え、記憶違い
    (売上などの)除外 計上漏れ
    仮装隠蔽 誤り、ミス
    事実と異なると知りながら~ 当時は事実だと認識していたが~
    不正の目的で~ 不正の目的はなく、誤って~

    ※ あくまで一般論であり、個別の状況に対応するものではありません

    具体的には、以下のような質問が想定されます。NGワードに誘導するかのような、誘導尋問的な質問をされることもあるため、慎重に回答しましょう。なお、記憶があやふやで正確に答えられない場合は「調べて後日回答します」と言えばOKです。

    誘導されないよう注意したい質問(一例)

    直接的にNGワードを言わせる質問
    • 領収書が保存されていませんね。「破棄」したのですか?
    • 記録に漏れがあります。なぜ「隠した」のですか?
    • さきほどの発言と矛盾していますが、どちらが「嘘」ですか?
    矛盾が生じやすくなる質問
    • 報酬の受け取り方法は「100%」銀行口座のみですか?
    • 取引があったのはこの日付で「絶対」に間違いありませんか?
    • 帳簿は「漏れなく」つけていますか?

    ※ あくまで一般論であり、個別の実例を紹介するものではありません

    「100%」や「絶対」などと口にすると、ろくなことになりません。あとで例外が一つでも見つかると、矛盾する証言をしたことになるからです。「概ね」や「ほぼ」のような言い換えをしましょう。さらにしつこく追及されたら「後日回答」でOKです。

    このほか、何気ないあいづちにも注意が必要です。「はい、そうです」のように断定せず、「はい、現時点ではそう考えます」のように、あとで矛盾点を指摘されてもリカバリーしやすい言動を心がけましょう。

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