2023年4月から、Square・Airペイ・STORES決済などの決済手数料が引き下げられました。主に、クレジットカードと電子マネー決済がおトクになっています。(本記事はキャッシュレス決済を導入する店舗向けです)
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目次
キャッシュレス決済手数料の引き下げ【2023年4月~】
2023年4月から、スクエア・エアペイ・STORESなどのキャッシュレス決済サービスが、そろって決済手数料を引き下げました。手数料の変更点をざっくりまとめると、以下のとおりです。
具体的には、「JCB」や「QUICPay」の決済手数料率が引き下げられています。「代わりに〇〇が高くなった」などのデメリットもなく、キャッシュレス決済を導入する事業者にとっては嬉しい変更となりました。
- そもそも「決済手数料」ってなんだっけ?
- 決済手数料とは、キャッシュレス決済の売上金額に応じて支払う手数料のこと。キャッシュレス決済の運営会社に支払う「サービス利用料」のようなもの。たとえば、決済手数料率が「3.24%」のキャッシュレス決済で1万円を売り上げたら、手数料として「324円」を支払う(1万円 × 3.24% = 324円)。
個人事業主や小規模法人は、決済手数料がキャッシュレス導入のネックになりがちです。経済産業省は、手数料引き下げのため様々なアプローチを行っており、今回の料率変更もその影響を受けて行われたものと思われます。
Square(スクエア)
- 国際ブランド「JCB」と電子マネー「QUICPay」の決済手数料が引き下げられた
- これにより、iD以外の決済手数料は3.25%で統一された
- 引き下げは2023年4月28日から適用される
Square(スクエア)の決済手数料【引き下げ前との比較】
従来 | 2023年4月28日~ | |
---|---|---|
クレジットカード | 【3.25%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express ・DinersClub ・Discover 【3.95%】 ・JCB |
【3.25%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express ・DinersClub ・Discover ・JCB |
電子マネー | 【3.25%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) 【3.75%】 ・iD ・QUICPay |
【3.25%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・QUICPay 【3.75%】 ・iD |
QRコード決済 | 【3.25%】 ・PayPay |
【3.25%】 ・PayPay |
従来「スクエア」では、JCBの決済手数料が他社と比較してもかなり高めでした。それが、2023年4月からは一般的な水準まで引き下げられます(3.95% → 3.25%)。コスト面のネックがひとつ解消されたわけです。
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stera pack(ステラパック)
- すべての決済手数料が引き下げられた
- VISA・Mastercardの料率は一律2.7%に(従来の変動制が廃止された)
- その他の決済手数料はすべて3.24%に統一された
stera pack(ステラパック)の決済手数料【引き下げ前との比較】
従来 | 2023年4月1日~ | |
---|---|---|
クレジットカード | 【2.7%~2.9%】 ・VISA ・Mastercard 【3.25%】 ・銀聯 【3.74%】 ・American Express ・JCB ・DinersClub ・Discover |
【2.7%】 ・VISA ・Mastercard 【3.24%】 ・American Express ・JCB ・DinersClub ・Discover ・銀聯 |
電子マネー | 【3.25%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・楽天Edy ・WAON ・nanaco ・iD 【3.74%】 ・QUICPay |
【3.24%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・楽天Edy ・WAON ・nanaco ・iD ・QUICPay |
QRコード決済 | 【3.25%】 ・PayPay ・d払い ・au PAY ・メルペイ ・ゆうちょPay ・AliPay ・WeChat Pay ・Union Pay |
【3.24%】 ・PayPay ・d払い ・au PAY ・メルペイ ・ゆうちょPay ・AliPay ・WeChat Pay ・Union Pay |
従来「ステラパック」では、VISAとMastercardの決済手数料が、前年の売上金額に応じて変動する仕組みでした。しかし、2023年からは最安水準の「2.7%」で固定されます。(お試しプランの期間中に限り、VISA・Mastercardの決済手数料は3.24%)
決済手数料が最安水準ステラパック 公式サイト
Airペイ(エアペイ)
- 一部のクレジットカードブランドと電子マネーで手数料が引き下げられた
- ほぼ全ての決済手数料が「3.24%」に統一された
- バーコード決済の決済手数料は変更なし
AirPAY(エアペイ)の決済手数料【引き下げ前との比較】
従来 | 2023年4月1日~ | |
---|---|---|
クレジットカード | 【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express 【3.74%】 ・JCB ・DinersClub ・Discover ・銀聯 |
【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express ・JCB ・DinersClub ・Discover ・銀聯 |
電子マネー | 【3.24%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) 【3.74%】 ・iD ・QUICPay |
【3.24%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・iD ・QUICPay |
QRコード決済 | 【3.24%】 ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・Alipay ・WeChat Pay ・UnionPay 他20種類以上 【1.08%】 ・Coin+ |
【3.24%】 ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・Alipay ・WeChat Pay ・UnionPay 他20種類以上 【1.08%】 ・Coin+ |
「Coin+」だけは決済手数料率が1.08%ですが、これはエアペイの運営会社(リクルート)が提供しているQRコード決済だからです。他のキャッシュレス決済と比較すると、利用者数はまだまだ多くありません。
今なら初期費用が0円エアペイ 公式サイト
STORES決済
- 一部のクレカブランドで決済手数料が引き下げられた
- 電子マネーとバーコード決済の決済手数料は変更なし
STORES(ストアーズ)の決済手数料【引き下げ前との比較】
従来 | 2023年4月1日~ | |
---|---|---|
クレジットカード | 【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express 【3.74%】 ・JCB ・DinersClub ・Discover |
【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express ・JCB ・DinersClub ・Discover |
電子マネー | 【1.98%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) |
【1.98%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) |
QRコード決済 | 【3.24%】 ・WeChat Pay |
【3.24%】 ・WeChat Pay |
今回はクレカの決済手数料が引き下げられましたが、「STORES決済」はもともと交通系ICの手数料の安さが魅力です。SuicaやPASMOによる決済手数料率が「1.98%」というのは、2023年4月以降も業界最安水準のままです。
交通系ICの手数料が安いSTORES決済 公式サイト
楽天ペイ 実店舗決済
- 一部のクレカブランドで決済手数料が引き下げられた
- iDとQUICPayの決済手数料も引き下げられた
- 決済手数料がすべて3.24%に統一された
楽天ペイ(実店舗決済)の決済手数料【引き下げ前との比較】
従来 | 2023年4月1日~ | |
---|---|---|
クレジットカード | 【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express 【3.74%】 ・JCB ・DinersClub ・Discover |
【3.24%】 ・VISA ・Mastercard ・American Express ・JCB ・DinersClub ・Discover |
電子マネー | 【3.24%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・楽天Edy ・WAON ・nanaco 【3.74%】 ・iD ・QUICPay |
【3.24%】 ・交通系IC(Suica・PASMO等) ・楽天Edy ・WAON ・nanaco ・iD ・QUICPay |
QRコード決済 | 【3.24%】 ・楽天ペイ ・au PAY |
【3.24%】 ・楽天ペイ ・au PAY |
QRコード決済の「楽天ペイ」と、キャッシュレス決済サービスの「楽天ペイ(実店舗決済)」は別物と考えましょう。楽天の公式サイトからは「楽天ペイ」を単体で導入することもできますが、「楽天ペイ(実店舗決済)」に申し込めば上記のようなキャッシュレス決済を一括導入できます。
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キャッシュレス決済サービスの比較一覧表
今回、決済手数料が引き下げられたキャッシュレス決済サービス(決済代行サービス)について、改めて基本情報を比較表にまとめました。下表では変更後の手数料を表示しています。
キャッシュレス決済サービスの比較一覧表【手数料引き下げ後】
Square | stera pack | Airペイ | STORES 決済 |
楽天ペイ (実店舗決済) |
||
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初期費用 (端末代金) |
4,980円~ | 無料 | 20,167円 無料 キャンペーン中 |
19,800円 | 19,800円 | |
月額料金 | 無料 | 3,300円 無料お試し プランあり |
無料 | 無料 | 無料 | |
対応する 決済の数 |
18種類 | 30種類 | 40種類以上 | 16種類 | 22種類 | |
決済 手数料 |
QR | 3.25% | 3.24% | 3.24% | 3.24% | 3.24% |
電子 マネー |
3.25% | 3.24% | 3.24% | 1.98% | 3.24% | |
クレカ | 3.25% | 2.7%~ | 3.24% | 3.24% | 3.24% | |
振込手数料 | 無料 | 無料 or 220円 |
無料 | 無料 or 200円 |
無料 or 330円 |
|
入金サイクル | 最短翌日 | 月2回 or 月6回 |
月1回 ~ 月6回 |
最短 2日以内 |
最短翌日 | |
Square | stera pack | Airペイ | STORES 決済 |
楽天ペイ (実店舗決済) |
今回の手数料率引き下げ以降も、やはり「エアペイ」が手堅い選択と言えそうです。初期費用ゼロで導入できるうえ、対応決済の種類が圧倒的に多いです。
少しでも決済手数料を抑えたいなら「ステラパック」か「STORES決済」がおすすめです。4月以降も、それぞれ電子マネーとクレカの手数料で優位性を保っています。ただ、特に「ステラパック」には月額料金があるので、ランニングコストを具体的に試算してみるのがよいでしょう。
下記のページでは、決済手数料以外の情報についても詳しくまとめています。キャッシュレス決済端末を導入を検討している店舗は、ぜひ参考にしてみてください。