必要経費の一覧 – 白色申告と青色申告の経費

更新日: 2020/08/28
必要経費の一覧 – 白色申告と青色申告の経費

個人事業における必要経費の勘定科目(全19項目)をまとめました。加えて、確定申告の際に提出する書類には記載されていない、事業主自らがつくる勘定科目(支払手数料や事務用品費など)も紹介しています。

INDEX

目次

    個人事業の必要経費【一覧表】

    実際に確定申告で提出する書類「収支内訳書」(白色申告用)と「青色申告決算書」(青色申告用)に記載されている19の勘定科目をざっくりとまとめました。

    概要と具体例
    租税公課
    (そぜいこうか)
    業務上で課される税金や公的な団体に支払う負担金
    個人事業税・固定資産税・自動車税・収入印紙代
    荷造運賃
    (にづくりうんちん)
    商品を顧客に届けるためにかかる費用
    ダンボール箱・エアパッキン・宅配便代・航空便
    水道光熱費 事業に必要な生活インフラにかかる費用
    水道代・電気代・ガス代・暖房灯油代
    旅費交通費 業務上の移動にかかる費用や宿泊費用
    電車賃・バス運賃・タクシー代・出張時のホテル代
    通信費 業務上の通信や郵便にかかる費用
    電話料金・インターネット料金・切手代・ハガキ代
    広告宣伝費 事業や商品を不特定多数へ向けて宣伝する際の費用
    ポスター・メルマガ・看板・HPの制作費用
    接待交際費 事業を円滑に行うための接待や交際にかかる費用
    取引先との飲食代・お中元・お歳暮
    損害保険料 事務所や店舗・商品などに対する損害保険の費用
    自動車保険・火災保険・盗難保険
    修繕費
    (しゅうぜんひ)
    固定資産を修理・改良したときの費用
    コピー機の修理・パソコンの保守料・タイヤ交換
    消耗品費 短い期間で消耗してしまう事務用品などの費用(10万円未満)
    ノート・安価なパソコン・ソフトウェア
    減価償却費
    (げんかしょうきゃくひ)
    固定資産の購入費用 ※減価償却をする
    事務所や店舗などの建物・自動車・高額なパソコン
    福利厚生費 従業員の生活向上や労働環境改善を目的とした費用
    健康診断費・慰安旅行費・忘年会費・残業中の食事代
    給料賃金 従業員に支給する給料
    基本給・残業代・賞与・退職金
    外注工賃
    (がいちゅうこうちん)
    外部の業者などに仕事を委託したときの費用
    デザイン発注・業務委託費用・事務代行・営業代行
    利子割引料 事業用に借り入れをした際の利子など
    金融機関の支払利息・自動車ローン
    地代家賃
    (ちだいやちん)
    事業所や店舗などにかかる賃借料や使用料
    家賃・レンタルオフィスの利用料金・月極駐車場の賃料
    貸倒金
    (かしだおれきん)
    売掛金などが回収不能になった際の損失
    取引先が倒産したために回収できなくなった売掛金
    雑費 どの勘定科目にも当てはまらない少額の費用
    ゴミ処理代・引っ越し代・清掃代
    専従者給与 青色事業専従者(家族従業員)に支払う給料

    個人事業の場合、経費として計上できる金額に上限はありません。とはいえ、特定の勘定科目がふくらみすぎていると、税務署の目に止まりやすくなります。そうならないよう、新たに勘定科目を増やすなどの対策をします(詳しくは後述)。

    固定資産は「減価償却」をして毎年少しずつ経費に計上

    高額なパソコンや自動車などの固定資産は「減価償却」という方法で、数年にわたって少しずつ経費に計上していきます。ほかの経費とは違い、すべての金額をその年の経費として扱えません。

    プライベートだけでなく事業でも使用していれば「家事按分」

    自宅兼事務所(自宅で仕事をしている)など事業でもプライベートでも同じものを使用している場合は、それにかかる費用の一部を経費として計上できます。これを「家事按分」といいます。「水道光熱費」「通信費」「地代家賃」などは家事按分することが多いです。

    決算書のどこに書く? – 収支内訳書・青色申告決算書

    先ほど紹介した19の勘定科目は、白色申告なら「収支内訳書」青色申告なら「青色申告決算書」にそれぞれ記入していきます(青い枠内)。

    収支内訳書 青色申告決算書
    令和元年分以降用 収支内訳書 必要経費 追加欄 令和元年分以降用 青色申告決算書 必要経費 追加欄

    決算書を見ると、勘定科目の項目が空欄の箇所が見られます(赤い枠内)。ここは、自分でつくった勘定科目を記入する欄です。

    決算書にない勘定科目を新たにつくってもOK

    事業者は必要に応じて、決算書に記載されていない勘定科目を新たに作成できます。むやみに増やすのはおすすめできませんが、下記のような場合には勘定科目を追加しましょう。

    • 特定の勘定科目がふくらみすぎているので、複数の勘定科目に分けて管理したい
    • 該当する勘定科目が複数あって迷うので、ひとつの勘定科目にまとめたい

    勘定科目の追加によって、例年と比べて決算書の見え方が大きく変わってしまう場合は、決算書にある「本年中における特殊事項」という欄に変更内容を記入しておけば良いです。

    「複数の勘定科目に分けて管理したい」から勘定科目を追加する

    フリーライターの場合、取材にかかる費用も「旅費交通費」に計上していると、取材にいくら使ったのかわかりにくいです。そのようなときは「取材費」という勘定科目を追加します。取材費用と普段の交通費を分けることで、支出の流れがより明確になります。

    勘定科目を追加して2つに分ける例

    「ひとつの勘定科目にまとめたい」から勘定科目を追加する

    自動車を使う上でかかる費用はさまざまな勘定科目に分類されるので、自動車にかかる費用だけを把握するのは難しいです。「車両関連費」という勘定科目を作成すれば、細々とした支出もひとつの勘定科目にまとめられ、帳簿づけがカンタンになります。

    勘定科目を追加して、関連費用をひとつにまとめる例

    自身で作成する勘定科目【一覧】 – 決算書にない勘定科目

    決算書にはあらかじめ記載されていないものの、一般的な事業でよく使われている勘定科目をまとめました。新たに追加する勘定科目の選択肢としてご覧ください。一部の勘定科目は、会計ソフトに標準で設定されている場合もあります。

    概要と具体例
    支払手数料 支払時にかかる手数料
    振込手数料・仲介手数料・証明書発行手数料
    事務用品費 事務用品の購入費用
    文房具・コピー代・事務用机・インクカートリッジ
    新聞図書費 情報収集のために必要な新聞紙や書籍などの費用
    新聞紙代・書籍代・雑誌の定期購読料
    取材費 原稿を執筆するための取材にかかる費用
    取材にかかる交通費や宿泊費・インタビュー時の食事代
    パソコン関連費 パソコンやパソコン周辺の機器などの費用(10万円未満)
    パソコン本体・プリンター・ハードディスク・ソフトウェア
    車両関連費 業務用の車両に関係する出費
    ガソリン代・車検費用・ETC代
    賃借料
    (ちんしゃくりょう)
    機械や設備などを外部から借りる際の費用
    工具や家具のレンタル料・レンタルオフィスの一時的な利用料
    リース料 事務用品や機械などのリース費用
    コピー機・パソコン・ファックス・自動車などのリース代
    会議費 取引先と打ち合わせする際にかかる費用
    会食代・会議に使った会場代・弁当代・お茶代
    諸会費 同業者の団体や自治体などの会費
    商工会費・町内会費・カード年会費
    研修費 業務に必要なスキルを習得するためにかかる費用
    セミナー参加費・資格取得のためのテキスト代

    上記以外の勘定科目を作成してもOKです。ただし、勘定科目の名称は誰が見ても経費の内容がわかるものにしましょう。また、決算書の空欄に追加できるのは白色申告が5つ、青色申告が6つまで。それ以上は増やせません。

    自分なりの会計ルールを決めておく – 継続性の原則

    勘定科目のなかには似ているものも多く、どれで仕訳をするのが正解なのか迷うことがあります。判断が難しいものについては、一度自分でコレと決めた勘定科目で毎年仕訳をすれば良いことになっています。

    個人事業においても従うべき「企業会計原則」には「継続性の原則」というルールがあります。ざっくりいえば「同じ内容は同じ勘定科目で毎回仕訳をしなくてはいけませんよ」というルールで、これが守られていれば良いわけです。

    複数の勘定科目があてはまる支出

    複数の勘定科目が当てはまる支出の具体例

    ここでは例として、法人の要件を参考にして定めた「会議費」と「接待交際費」を区別するルールを紹介します。

    「会議費」と「接待交際費」の例

    • 飲食代が一人あたり5,000円以内の打ち合わせ費用……会議費
    • 会議費に当てはまらない打ち合わせ費用……接待交際費

    このように、誰から見ても明確なルールを決めておくと、帳簿づけのときに悩むことはありません。万が一、税務署の調査が入った際にも説明しやすいです。

    領収書やレシートは最低でも7年間は保管しておく – 出金伝票

    支出を証明するために、領収書とレシートは保管する必要があります。白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は7年間、これらの書類を保管しておきましょう。

    「いつ・誰に・何を・いくら支払ったか」ということがわかれば、領収書ではなくレシートでも問題ないです。情報が足りない場合は、余白にメモを残しておきましょう。

    領収書がもらえない場合は、出金伝票に詳細を記入しておきます。この出金伝票は、文房具店や100円均一で販売されています。領収書がでない費用などのために、ひとつ購入して持っておくと良いです。

    出金伝票の記入例

    出金伝票の記入例 - 接待交際費

    個人事業の経費に関する重要なポイント

    事業で収入を得るために必要な支出は、必要経費として計上できます。個人事業の確定申告で提出する決算書においては、この必要経費の勘定科目が19個用意されています。費用の使途に応じて、適切な勘定科目で帳簿づけしましょう。

    必要経費の重要ポイント

    • 事業に必要な支出が必要経費として計上できる
    • 事業と私用の両方で使うものは、家事按分してその一部を経費にできる
    • 特定の勘定科目だけ金額がふくらまないように配慮する
    • もともと決算書にない経費の勘定科目をつくってもOK
    • 同じ内容は同じ勘定科目で毎回帳簿づけすること(継続性の原則)
    • 領収書やレシートは白色申告の場合5年、青色申告の場合7年保管する

    支出の内容によっては、どの勘定科目で仕訳をしていいか悩むものもあります。たとえば、自動車のガソリン代は「消耗品費」で計上する人もいれば、「旅費交通費」と考える人もいます。

    このような複数の勘定科目があてはまる支出については、自分で決めた勘定科目で毎年仕訳をしていけばOKです。一度決めた会計基準を更新したい場合は、決算書の「本年中における特殊事項」という欄に変更内容を記入しておきます。