自営業がとことん分かるメディア

国民年金・国民健康保険の減免・猶予【新型コロナの影響】

更新日: 2021/09/03 投稿日: 2021/08/25
国民年金・国民健康保険の減免・猶予【新型コロナの影響】

INDEX

目次

    特例の概要

    新型コロナの影響で収入が減少した人は、保険料の「減免」か「猶予」を受けられる可能性があります。国民年金と国民健康保険の対応状況は、下記のとおりです。

    減額・免除 納付猶予
    国民年金
    コロナ特例あり

    コロナ特例あり
    国民健康保険
    コロナ特例あり
    ×
    コロナ特例はない*

    *ベーシックな猶予制度を適用できる可能性はある

    本記事では、全国的に利用できる、新型コロナ関連の特例措置について説明します。本記事で説明する要件が満たせなくても、自治体が独自の制度を設けている場合があるので、お住まいの自治体ホームページなどもあわせてご確認ください。

    国民年金の特例措置

    減額・免除 納付猶予

    コロナ特例あり

    コロナ特例あり

    国民年金の減免・猶予制度は、本来「前年の所得が基準を下回る人」を対象とした制度です。しかし、現在はコロナ関連の特例的な措置として「当年の所得見込額が基準を下回る人」も利用できるようになっています。

    免除制度の概要

    要件
    • コロナの影響により収入が減少している
    • 本人,世帯主,配偶者」全員の所得見込額が、それぞれ下記の基準以下
    基準額 全額免除 (扶養親族等の数 + 1 ) × 35万円 +22万円
    4分の3免除 78万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
    半額免除 118万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
    4分の1免除 158万円+ 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
    受給への影響
    • 受給額算定の際に、免除期間分だけ少ない額で計算される
    • 減免を受けた期間があっても、受給期間が減ることはない

    猶予制度の概要

    要件
    • コロナの影響により収入が減少している
    • 本人と配偶者の所得見込額が、それぞれ下記の基準以下
    基準額 (扶養親族等の数 + 1) × 35万円 + 22万円
    受給への影響
    • 受給額算定の際に、猶予期間分だけ「ゼロ」で計算される
    • 猶予を受けた期間があっても、受給期間が減ることはない

    減免・猶予制度を利用した人は、10年以内であれば任意で追納することができます。猶予制度も含め、追納しない場合のペナルティはありません。ただし、将来の受給額は少なくなったままです。

    申請方法(国民年金)

    コロナ特例による減免・猶予制度の申請受付は、すでに始まっています。令和2年2月以降の保険料なら、さかのぼって申請することもできます。

    必要書類
    • 免除・納付猶予申請書*
    • 所得の申立書*
    • 本人確認書類
    提出先 住所地の市区町村役場 or 年金事務所
    提出方法 郵送が基本(推奨はしていないが窓口での提出も可能)

    *日本年金機構のHPからダウンロードできる

    申請書には、免除割合などを記入する欄がありますが、この部分は基本的に記入不要です。ひとまず、その他の情報を記入しておけば、具体的な免除区分等は機構側が審査・決定してくれます。

    国民健康保険の特例措置

    減額・免除 納付猶予

    コロナ特例あり
    ×
    コロナ特例はない

    国民健康保険料の減免については、厚生労働省が各自治体に「コロナの特例でこういうふうに対応してくださいね」という通達を出しています。これによると、下記のいずれかに該当する人は、特例的な保険料の減免を受けられます。

    コロナ特例で保険料の減免を受けられる人

    1. 新型コロナで生計維持者が死亡 or 重篤な傷病を負った人
    2. 新型コロナで生計維持者の収入が減った人

    ここで言う「生計維持者」は、原則として「国民健康保険の世帯主」を指します。自分で保険料を納めている人は、自分が上記に該当するかどうかで考えればOKです。

    パターン1. 新型コロナで生計維持者が死亡 or 重篤な傷病を負った人

    要件 とくになし
    免除額 保険料の全額が免除される

    パターン2. 新型コロナで生計維持者の収入が減った人

    要件 下記のすべてに該当すること

    1. 給与収入・事業収入・不動産収入・山林収入のどれかを得ている
    2. ①のいずれかの収入が前年の7割以下
    3. 生計維持者の前年の合計所得金額が1,000万円以下
    4. ①以外の前年合計所得が400万円以下
    免除額 生計維持者の所得に応じて減免割合が異なる

    なお、国民健康保険料の「猶予」に関するコロナ特例はありません。ただ、法律では災害時などを想定した猶予制度が設けられおり、それを利用できる場合もあります。利用の可否は自治体の判断によるので、気になる人は自治体のHPなどを確認してみましょう。

    申請方法(国民健康保険)

    国民健康保険の減免額は、申請書類を提出すれば自治体側が計算してくれます。「そもそも要件を満たしているか分からない」という人は、とりあえず申請しておいて、審査結果を待つのもアリです。

    主な必要書類
    • 申請書 (役所や自治体のホームページで入手)
    • 添付書類(下表「主な添付書類」参照)
    • 本人確認書類
    提出先 住所地の市区町村役場
    提出方法 直接提出 or 郵送

    必要な添付書類は、前述の「パターン1」と「パターン2」のどちらに該当するかによって異なります。

    主な添付書類

    パターン1の場合 次のいずれかの写しを添付する

    • 死亡診断書
    • 医師の診断書
    パターン2の場合 以下全ての書類を添付する

    • 収入申告書 (役所や自治体のホームページで入手)
    • 令和2年の収入がわかるもの(令和2年分の確定申告書など)
    • 令和3年中の収入がわかるもの(売上帳簿や給与明細など)

    令和3年度分(2021年度分)の減免申請は、原則として令和4年(2022年)3月31日が期限となっています(自治体によって期日や必要書類が異なる場合があります)。

    \ この記事をSNSでシェアする /
    PICKUP POSTS
    ピックアップ記事
    NEW POSTS
    新着記事
    自営業の専門メディア 自営百科
    最新情報はSNSアカウントで