2025年10月以降、e-Taxにログインする方法のうち「ID・パスワード方式」の新規利用ができなくなりました。これからe-Taxを始める人は「マイナンバーカード方式」でカードをスマホなどで読み取ってログインする必要があります。
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e-Taxの「ID・パスワード方式」が廃止!?【2025年10月~】
2025年(令和7年)10月1日から、e-Taxの「ID・パスワード方式」で使うIDとパスワードの新規発行が停止されました。2025年9月以前に、IDとパスワードを税務署で発行済みの人は、当面は引き続き「ID・パスワード方式」でもe-Taxを利用できます。

そもそもe-Taxの「ID・パスワード方式」とは?
「ID・パスワード方式」とは、ざっくりいうと、パソコンやスマホで確定申告などを行う際、IDとパスワードを入力してe-Tax(イータックス)にログインする仕組みです。2025年9月以前は、税務署で対面の本人確認を行うことで、このIDとパスワードを発行してもらえました。

「ID・パスワード方式」は、マイナンバーカードが普及するまでの一時的な仕組みでした。2025年10月時点でカードの普及率は80%を超え、環境がずいぶん整ってきたこともあり、ID・パスワードの新規発行は停止される運びとなりました。
新しくe-Taxを始めるにはマイナンバーカードが必須!
これからe-Taxを新たに使い始める人は、マイナンバーカードと、それを読み取るためのスマホかICカードリーダーが必要です。カードにはICチップが内蔵されており、これを対応機種のスマホなどで読み取らないと、e-Taxにログインできません。

※ 上図は、パソコンで利用する場合の一例です。
マイナンバーカードをまだ持っていなくて、新規発行したい方はマイナンバーカード総合サイトから申し込めます。手元に届くまで通常1~2ヶ月はかかるので、作ると決めたら早めに申請しましょう。
「マイナンバーカード方式」で使えるスマホはどれ?【対応機種リスト】
- マイナポータルの対応機種リストに載っていればOK
- iPhoneは8以降なら対応している
- 最近のAndroidスマホもおおむね対応している
自分のスマホが対応機種でないときは、家族や知人のスマホを借りて読み取ってもOKです。そのままスマホで確定申告書などを作成した場合も、使った後ログアウトすれば端末に情報は残りません(デジタル庁・国税庁に確認済み)。
どうしても対応機種のスマホを用意できない場合は、ちょっと面倒ですが、マイナンバーカードに対応したICカードリーダーを購入する必要があります。安いものなら1,000円ぐらいで買えます。
発行済のID・パスワードは引き続き使用できるが……
2025年9月以前に税務署で発行済みのIDとパスワードは、10月以降も引き続き使用可能です(再発行も可能)。このIDとパスワードを持っている人に限り、当面はマイナンバーカードがなくてもe-Taxにログインして確定申告などができます。
ただし、この「ID・パスワード方式」がいつまで有効か、具体的な期日は公表されていません。もともとは、マイナンバーカードが普及するまでの“つなぎ”で設けられた仕組みです。現状では、いつ使えなくなっても不思議ではない状況だと言えます。
「ID・パスワード方式」のメリット・デメリット

「ID・パスワード方式」は、手軽で便利なログイン方法ではありますが、認証強度の面では「マイナンバーカード方式」に劣るとされています。そのため、セキュリティや本人確認の観点から、e-Taxの一部機能に制限が設けられています。
遅かれ早かれ、いずれは「マイナンバーカード方式」に移行しなくてはいけないので、この機会に検討してみるのも手です。「マイナンバーカード方式」であれば、マイナポータルを活用して、より簡単に確定申告を行うこともできます。
まとめ
2025年10月1日から、e-Taxにログインする方法のひとつ「ID・パスワード方式」に関して、新規のIDとパスワードが発行できなくなりました。そのため、e-Taxをこれから始める人は「マイナンバーカード方式」でのログインが必要です。

2025年9月以前に税務署で発行済みのIDとパスワードは、2025年10月以降もこれまで通り使えます。したがって、IDとパスワードを取得済みのユーザーに関しては、当面は「ID・パスワード方式」で確定申告することも可能です。
すでにIDとパスワードを持っている人も、マイナンバーカードと対応機種のスマホがあれば「マイナンバーカード方式」を利用できます。一度「マイナンバーカード方式」でログインしたからといって、そのせいでIDとパスワードが無効になることはありません。




