ミロクの会計ソフト「かんたん!シリーズ」を解説【比較一覧】

更新日: 2025/07/17
ミロクの会計ソフト「かんたん!シリーズ」を解説【比較一覧】

個人事業主・法人向けに、ミロク情報サービス(MJS)が提供する「かんたん!シリーズ」の会計ソフトを解説します。クラウド型ソフトとインストール型ソフトのラインナップを整理して、価格やメリット・デメリットをまとめました。

目次

    ミロクの会計ソフト「かんたん!シリーズ」とは?

    ミロクの「かんたん!シリーズ」は、個人事業主や法人のバックオフィス業務を効率化できるソフトです。以下のような種類があり、業種や規模によって選ぶべきソフトが異なります。赤枠で囲んだ4つが会計ソフトです。

    「かんたん!シリーズ」の種類【比較一覧】

    料金(税込) 主な対象 用途
    かんたん
    クラウド会計
    19,800円/年〜
    クラウド
    個人事業主
    法人
    会計ソフト
    かんたん!
    青色申告
    7,920円
    インストール
    個人事業主
    かんたん!
    会計
    27,500円
    インストール
    個人事業主
    法人
    かんたん!
    法人会計
    33,000円
    インストール
    法人
    かんたん!
    見積・納品・請求
    5,500円
    インストール
    個人事業主
    法人
    請求書ソフト
    かんたん!
    販売仕入
    33,000円
    インストール
    個人事業主
    法人
    在庫管理ソフト
    かんたん!
    給与
    27,500円
    インストール
    個人事業主
    法人
    給与計算ソフト
    かんたんクラウド
    給与
    19,800円/年〜
    クラウド
    個人事業主
    法人
    かんたんクラウド
    ファイルBOX
    無料〜
    クラウド
    個人事業主
    法人
    クラウドストレージ

    表中の「クラウド・インストール」は、ソフトの利用形式を表しています。ミロクはインストール型のソフトが多いですが、これから導入するならクラウド型のほうがおすすめです。一般的に、インストール型よりクラウド型のほうが先進的で使いやすいです。
    おすすめのクラウド会計ソフトを比較【個人事業主向け】

    ちなみに、クラウド型の「かんたんクラウド会計」や「かんたんクラウド給与」は、ミロクの公式サイトでは「かんたん!シリーズ」と別枠で扱われています。ただ、一般向けのバックオフィスソフトというコンセプトは同じなので、本記事ではまとめて解説します。

    「かんたん!シリーズ」のラインナップを詳しく解説!

    ミロク(MJS)が提供する「かんたん!シリーズ」の価格や機能をソフトごとに解説します。どのソフトも、これといってユニークな機能はありませんが、一般的な機能はだいたい問題なく使えます。また、全体的に操作画面はややクラシカルな感じです。

    かんたんクラウド会計

    かんたんクラウド会計(ミロクの会計ソフト)

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 部門管理
    19,800円/年〜 3人
    (4人目から追加料金)
    Windows
    Mac

    上位プランのみ
    自動仕訳 決算書
    (法人向け)
    所得税申告書 消費税申告書
    × ×
    (集計表は作成可能)

    かんたんクラウド会計」は、個人事業主と法人のどちらでも同じ料金で利用できます。法人向けクラウド会計ソフトとしては、他社と比べても破格の料金です。さらに、サポートオプション(電話や遠隔操作など)がわずか月額330円で受けられます。

    ただし、個人事業主の確定申告書は作成できません(令和4年分までは作成できたが、令和5年分からは不可)。大手のクラウド会計ソフトでは、記帳内容をもとに確定申告書類を自動作成できるのが当たり前になっているので、これはかなり残念なポイントです。

    確定申告書を自動で作れる会計ソフト – 弥生・マネーフォワード・freeeの比較

    MJSかんたん!青色申告

    MJSかんたん!青色申告(ミロクの会計ソフト)

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 部門管理
    7,920円 1ライセンス1台 Windows ×
    自動仕訳 決算書
    (法人向け)
    所得税申告書 消費税申告書
    × ×
    (集計表は作成可能)

    MJSかんたん!青色申告」は、個人事業主の確定申告に特化したインストール型の会計ソフトです。白色申告・青色申告の両方に対応しています。法人用の決算書などは作成できませんが、そのぶん値段が安いです。

    「あんしん!サポート」というサービスに加入すれば、毎年最新バージョンを利用できます。確定申告書の様式は毎年のように変わるので、加入を前提に考えましょう。サポート料金は、税込みで「1年5,500円・3年14,850円・5年19,250円」です。

    MJSかんたん!会計

    MJSかんたん!会計(ミロクの会計ソフト)

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 部門管理
    27,500円 1ライセンス1台 Windows ×
    自動仕訳 決算書
    (法人向け)
    所得税申告書 消費税申告書
    ×
    (集計表は作成可能)

    MJSかんたん!会計」は、個人事業主と法人の両方に対応したインストール型会計ソフトです。「いまは個人事業主だけど、もうすぐ法人成りする予定」という場合などは、このソフトがぴったりです。

    「あんしん!サポート」に加入して、毎年最新バージョンに更新すれば、ソフトの買い替えは不要です。税込みで「1年15,950円・3年43,065円・5年55,825円」なので、長い目で見ればコストパフォーマンスは高いです。

    MJSかんたん!法人会計

    MJSかんたん!法人会計(ミロクの会計ソフト)

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 部門管理
    33,000円 1ライセンス1台 Windows
    自動仕訳 決算書
    (法人向け)
    所得税申告書 消費税申告書
    ×

    MJSかんたん!法人会計」は、法人企業向けに特化したインストール型会計ソフトです。消費税申告書が作成できる上に、部門管理機能がしっかり使えます。それでいて価格はリーズナブルなので、他社の法人向け会計ソフトと比べてお買い得です。

    ただし、個人事業主向けの機能はついていないので注意しましょう。所得税の確定申告書は作成できませんし、帳簿の簡単入力機能もありません。(簡単入力機能とは、複式簿記の知識がなくても記帳できる家計簿のようなフォーマットのこと)

    MJSかんたん!見積・納品・請求

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 主な機能
    5,500円 1ライセンス1台 Windows 請求書などの作成

    MJSかんたん!見積・納品・請求」は、見積書・納品書・請求書などの伝票を作成できるインストール型ソフトです。買い切りですが、5年間の無料アップデート保証が付帯します。インボイス(適格請求書)にも対応可能です。

    MJSかんたん!販売仕入

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 主な機能
    33,000円 1ライセンス1台 Windows 仕入れ〜販売の管理

    MJSかんたん!販売仕入」は、商品の仕入れ~販売のフローを管理できるインストール型ソフトです。実際の仕入れ・売上データに連動する形で、各種伝票の発行や掛取引のステータス管理などができます。在庫の確認や棚卸しの機能もついています。

    MJSかんたん!給与

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 主な機能
    27,500円 1ライセンス1台 Windows 給与計算など

    MJSかんたん!給与」は、従業員の給与計算や明細の作成、社会保険や年末調整の計算などができるインストール型ソフトです。従業員50名まで登録できます。買い切りですが、最新の法令にもアップデートプログラム等で対応可能です(あんしん!サポート)。

    かんたんクラウド給与

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 主な機能
    19,800円/年〜 3人〜
    (4人目から追加料金)
    Windows
    Mac
    給与計算など

    かんたんクラウド給与」は、従業員の給与計算などができるクラウド型ソフトです。従業員数は最大100名まで登録でき、給与明細などの作成や社会保険料の更新が可能です。ただし、年末調整に対応できるのは月額2,750円のプラスプランのみです。

    かんたんクラウドファイルBOX

    料金(税込) ユーザー上限 対応OS 主な機能
    無料〜 3人〜
    (4人目から追加料金)
    Windows
    Mac
    電子取引データ保存

    かんたんクラウドファイルBOX」は、メールでやり取りした請求書などをアップロードできるクラウドストレージサービスです。電子帳簿保存法に対応しており、「かんたんクラウド会計」のユーザーは100MBまで無料で使えます(以降は700円/3GB)。

    ミロクの会計ソフトのメリット・デメリット

    ミロク(MJS)の会計ソフトのメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。最大のメリットは安価に利用できる点ですが、機能面ではやや物足りない部分もあります。

    ミロクの会計ソフトのメリット

    • 費用を抑えやすく、導入のハードルが低い
    • ニーズに応じて最適なソフトを組み合わせて使える
    • 個人事業主から法人まで幅広く対応している

    ミロクの会計ソフトは比較的値段が安いです。クラウド型とインストール型の両方が用意されており、業務ごとにソフトが分かれています。そのなかで必要なものだけを選べばよいので、無駄がありません。

    ミロクの会計ソフトのデメリット

    • 飛び抜けて便利な機能はない
    • 確定申告の機能が充実していない(所得税・消費税など)
    • 公式サイトの説明が少ない・わかりにくい

    ミロクの会計ソフトには、他社と比べて「ここがスゴイ!」と言えるポイントが見当たりません。価格以外は平均点のソフトという感じです。確定申告機能が充実していない点も、特に個人事業主にとっては大きなデメリットです。

    ミロクの公式サイトは、必要な情報にパッとたどり着くのが難しく、ソフトの使い方などが体系的に網羅されているページもなさそうです。ソフト内にはヘルプ機能があるものの、初心者向けの用語説明などがなく読みづらいです。

    他社のおすすめ会計ソフトと比較してみた!

    ミロクのクラウド会計ソフトを、大手3社(弥生・マネーフォワード・freee)のソフトと比べてみます。個人事業主と法人向けに、それぞれ比較表をまとめました。ミロクはインストール型ソフトが多いですが、これから導入するなら断然クラウド型がおすすめです。

    【個人事業主向け】ミロクと大手3社の比較表

    やよいの青色申告
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    かんたん
    クラウド会計
    料金
    (税込)
    11,330円/年~ 12,936円/年~ 11,880円/年~ 19,800円/年〜
    動作環境 Win・Mac
    パソコン・スマホ
    Win・Mac
    パソコン・スマホ
    Win・Mac
    パソコン・スマホ
    Win・Mac
    パソコン
    基本
    ユーザー数
    1名 1〜3名
    (プランによる)
    1名〜無制限
    (プランによる)
    3名
    自動仕訳
    帳簿の
    電子保存
    電子取引
    データ
    5枚〜10GB/月
    (プランによる)
    100MB
    (有料で追加可能)
    確定申告 ×
    請求書発行 × ×
    インボイス対応
    給与管理 × × ×
    ユーザー
    サポート
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    弥生 freee マネーフォワード ミロク(MJS)

    ミロクの「かんたんクラウド会計」では、個人事業主の確定申告書を作成できません。個人事業主の場合は、確定申告のために会計ソフトを導入する人が大半でしょうから、これはかなりのマイナスポイントと言えます。

    費用面においても、ミロクより弥生・マネーフォワード・freeeのほうが安いです。より便利な機能が安く使えるわけですから、個人事業主であれば大手3社のいずれかをおすすめします。
    弥生・マネーフォワード・freeeのクラウド会計ソフトを徹底比較

    【法人向け】ミロクと大手3社の比較表

    弥生会計
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    freee会計 マネーフォワード
    クラウド
    かんたん
    クラウド会計
    料金
    (税込)
    38,280円/年~ 39,336円/年~ 32,736円/年~ 19,800円/年〜
    利用端末 パソコン
    スマホ
    パソコン
    スマホ
    タブレット
    パソコン
    スマホ
    タブレット
    パソコン
    タブレット
    部門管理 上位プランのみ 上位プランのみ 上位プランのみ
    基本
    ユーザー数
    3名 1〜5名 3名 3名
    自動仕訳
    帳簿の
    電子保存
    電子取引
    データ
    5枚〜10GB/月
    (プランによる)
    100MB
    (有料で追加可能)
    請求書発行 ×
    インボイス対応
    給与管理 × × ×
    ユーザー
    サポート
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    弥生 freee マネーフォワード ミロク(MJS)

    法人の場合は、料金の安さを取るか、使いやすさを取るかで、選ぶべきソフトが異なります。「ちょっとくらい高くても、高性能で使いやすいソフトがいい」という法人には、弥生・マネーフォワード・freeeのいずれかがおすすめです。
    中小法人向けのおすすめ会計ソフト【比較一覧表】

    まとめ

    ミロク(MJS)の会計ソフトは、個人事業主と法人の両方に対応しています。どちらかといえば、法人向けのほうが充実しています。費用を抑えやすいのが利点ですが、機能面はそこそこです。

    ミロク「かんたん!シリーズ」の会計ソフト【早見一覧表】

    かんたん
    クラウド会計
    かんたん!青色申告 かんたん!会計 かんたん!法人会計
    インストール 不要 必要 必要 必要
    費用(税込) 19,800円/年〜 7,920円 27,500円 33,000円
    対応OS Win・Mac Win Win Win
    簡単入力 ×
    自動仕訳
    部門管理 上位プランのみ × ×
    所得税申告 × ×
    消費税申告 集計表のみ 集計表のみ 集計表のみ
    決算書
    (法人向け)
    ×

    個人事業主であれば、この中ではインストール型の「かんたん!青色申告」が手頃です。料金と機能のバランスがよく、確定申告書も作成できます。ちなみに「かんたんクラウド会計」は、確定申告書を作成できないためおすすめできません。

    法人の場合は「かんたんクラウド会計」が第一候補となります。格安で利用でき、一般的な機能を一通り押さえられます。機能面では物足りない部分もあるので、もっと高度な機能を求めるなら、他社ソフトも検討してみましょう。

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