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せどりで確定申告は必要?本業と副業による違いや申告方法を解説

更新日: 2024/09/06 PR
せどりで確定申告は必要?本業と副業による違いや申告方法を解説

せどりや転売をする上で知っておきたい確定申告の情報を、わかりやすくコンパクトにまとめました。せどりで稼いだら、基本的には確定申告が必要です。本業と副業で考え方が異なる部分もあるので、それぞれ詳しく解説します。

INDEX

目次

    せどりで確定申告が必要となるケース

    結論から言うと、ほとんどのせどらーは、確定申告をしないといけません。確定申告とは、簡単に言うと「今年は〇〇万円の儲けが出たので、所得税を△△円納めます」と国に申告する手続きです。以下では、本業と副業での考え方をそれぞれ解説します。

    そもそも「せどり」とは?
    「せどり」とは、お店などで商品を仕入れて、別のお店や消費者へ販売する商売です。安く買って、高く売れれば、その差額が利益になります。ジャンルとしては、家電せどり・アパレルせどり・古本せどりなどが有名です。

    ① せどりを本業とする場合

    専業でせどりをしている個人事業主の場合、確定申告は必須と考えましょう。個人事業主は必ず帳簿を用意して、その帳簿に基づき、売上や利益などを申告します。会計ソフトがあれば、こうした業務の大部分を自動化できて便利です。

    所得(収入−経費)がほとんどなくても、基本的に申告はしたほうがよいです。確定申告をしないと、自治体があなたの所得を把握できません。結果として、国民健康保険料が異様に高くなるなど、不利な扱いを受ける恐れがあります。

    ちなみに、様々なネット記事やSNSなどで「年間の所得が48万円以下なら、確定申告は不要」とも言われます。これは所得税のみに論点を絞った場合の話で、上述した自治体との関係が十分に考慮されていないので注意しましょう。

    ② せどりを副業とする場合

    副業でせどりをしている会社員は、せどりの年間所得(収入−経費)が黒字なら確定申告をしましょう。とくに、副業の所得が20万円を超えた場合は、確定申告の義務が生じます。会計ソフトを活用すると、比較的かんたんに申告できます。

    副業が会社にバレたら困る人は、住民税の納付方法を「普通徴収(自分で納付)」に変更しておきましょう。そうしないと、副業で稼いだ分の住民税が勤務先に通知され、副業を疑われる恐れがあります。

    副業の利益が年間20万円以下なら申告不要?

    副業の所得が20万円以下なら「確定申告」と「住民税の申告」のどちらかをすればOKです(副業以外で臨時収入などを得ていない場合)。確定申告なら会計ソフトで簡単に行えますが、住民税申告に対応している会計ソフトはほぼありません。

    副業所得20万円以下で
    確定申告を選んだ場合
    副業所得20万円以下で
    住民税申告を選んだ場合
    会計ソフトの対応状況
    副業分への課税 所得税と住民税 住民税のみ
    手続きの内容 どちらもほぼ同じ

    副業の所得が20万円以下で、確定申告を選んだ場合は、副業分に対して所得税と住民税がかかります。一方、確定申告をせずに住民税申告を選んだ場合、副業分には住民税のみがかかります。住民税申告を選んだほうが、税負担はやや軽くなります。

    【補足】フリマアプリで不要品を売った場合は?

    使っていたけど要らなくなった生活家電や洋服を、ヤフオクやメルカリで売った場合、その収入は基本的に非課税です(生活用動産)。せどり用のアカウントで、こうした不要品を出品することもあるかと思いますが、それらは申告に含めなくてOKです。

    ただし、売却額が30万円を超えた貴金属や美術品は例外で、いわゆる「ぜいたく品」として課税されます(譲渡所得)。時計・バッグなどで、宝石類が多く散りばめられたものや、アンティーク的な価値が高いものも、ぜいたく品に該当する場合があります。

    【白色申告と青色申告の違い】せどりではどちらがおすすめ?

    せどりで稼ぐ個人事業主は、事前に「白色申告」と「青色申告」のどちらで確定申告するか決めておきましょう。白色申告には節税につながる特典がないので、基本的には青色申告のほうがおすすめです。

    白色申告と青色申告の違い

    白色申告 青色申告
    概要 ベーシックな申告方式
    (最低限の記帳でOK)
    模範的な申告方式
    (高度な記帳が求められる)
    税制優遇 なし 複数あり
    事前申請 不要 最初の年だけ必要
    ※申請期限あり

    >> 青色申告の事前申請期限 − 当年3月15日 or 開業日から2ヶ月

    青色申告は記帳のハードルが高いぶん、節税につながる様々な特典が用意されています。主なメリットは下記の通りです。会計ソフトを上手に活用すれば、初心者でもわりと簡単に青色申告できます。

    青色申告の主なメリット

    • 最大65万円の青色申告特別控除が適用される
    • 少額減価償却資産の特例が受けられる
    • 最長3年にわたって赤字を繰り越せる
    • 専従者に対する給与を経費にできる
    • 申請を出せば現金主義での記帳が可能
    • 一括評価による貸倒引当金の特例が適用

    >> 青色申告のメリット・デメリットを詳しく解説

    上記のなかでも「青色申告特別控除」については、とくに大きな節税効果が期待できます。一定の要件を満たせば、毎年65万円が控除されます。経費として実際に支出したわけではないのに、経費と同じように収入から差し引ける特典です。

    青色申告特別控除を受ける場合の事業所得の計算方法

    たとえば、年間売上が500万円で、実際の経費が300万円だったとします。65万円の青色申告特別控除を適用すると、所得は「500万円 − 300万円 − 65万円 = 135万円」です。所得を低く抑えられるので、そのぶん所得税や住民税が安くなります。

    せどりで経費にできるもの

    税金の納めすぎや申告漏れを防ぐには、必要経費を適切に計上する必要があります。「経費になるもの・ならないもの」を見極めたうえで、経費にできるものはしっかり記帳し、根拠となるレシートなども保存しておきましょう。

    せどりで経費にできるもの(主な例)

    • 仕入れた商品の購入費
    • 商品保管用の棚、ボックス、衣装ケースの購入費
    • 店舗仕入れ時のレンタカー代、駐車場代、電車代
    • 仕入れ用の車の維持費、ガソリン代
    • 電脳仕入れ時の送料、サイト使用料や年会費
    • ECプラットフォームの販売手数料(Amazonなど)
    • 売れた商品の発送料
    • 発送用の梱包資材代(ダンボール箱、OPPテープ、緩衝材)
    • 梱包、発送などを外部委託する際の外注費用

    上記のように、せどりに必要な費用は、基本的に経費にできます。一方、一人での昼食代などは、せどりをしなくてもどのみち生活にかかるお金なので、原則として経費にできません。

    商品の購入費は「仕入れ」として経費にできる

    仕入れた商品の購入費は「仕入れ」という科目で必要経費にできます。ただし、商品が年内に売れなかった場合は、その年の経費にはできません。売れ残った在庫については、年末にまとめて「棚卸し(たなおろし)」という作業が必要です(三分法で仕訳する場合)。

    業務以外にも使うものは「家事按分」をする

    家賃・スマホ代・ガソリン代のように、プライベートでも使用するものは、費用の一部を経費にできる場合があります。家事按分(かじあんぶん)」という方法で、ビジネスとプライベートでの使用割合を明らかにして、ビジネス部分のみを経費計上します。

    たとえば、自宅の1室をせどり専用にして、商品の保管・撮影・梱包などを行うとします。その部屋の面積が全体の20%なら、家賃の20%が経費になりえます。ただし、家事按分が有効なのは、ビジネス部分とプライベート部分を明確に区分できる場合だけです。

    せどりの確定申告の方法・流れ

    当年分の帳簿を集計し、翌年の2月16日〜3月15日(土日祝なら翌平日)に確定申告・納税すればOKです。申告の根拠となる帳簿やレシートなどは、すべて7年保存しておくのが無難です。

    確定申告の流れ

    >> 確定申告の流れをわかりやすく

    せどりの場合は、他の業種よりも年末の「決算」がやや大変です(上図①の最後)。決算とは、ごく簡単にいうと、その年の経営成績を明らかにする業務をいいます。とくに面倒なのは、商品在庫の「棚卸し(たなおろし)」です。

    棚卸しは、原則として12月31日に行います(多少前後してもよい)。在庫の状態・数量・仕入れ値を確認して「棚卸表」という書類を作成しましょう。その内容を帳簿に反映させて、帳簿を締め切ったら、決算書や確定申告書の作成へ移れます(上図②)。

    棚卸しの流れ ‐ 価値の評価・仕訳例・決算書の記入例など

    確定申告をしないとどうなる?

    確定申告するのを忘れたら「延滞税」や「無申告加算税」などの対象になります。基本的には、放置したぶんペナルティが重くなると考えましょう。意図的な所得隠しなど、悪質な場合は、いわゆる脱税(逋脱犯)として刑事罰の対象にもなりえます。

    期限後申告の流れ

    3月15日の確定申告期限を過ぎても、早めに自分から申告すれば、ペナルティが発生しない場合もあります。申告の手順は、通常の確定申告とほとんど変わりません。

    • 確定申告書類を作成する
    • 申告書類を税務署に提出する
    • 申告書で算出した税額を納付する
    • 必要に応じて、延滞税や無申告加算税を納める

    ちなみに、確定申告をしなくても、すぐに税務署から指摘されるわけではありません。一般的に、税務調査の連絡があるのは「3年〜7年後」とされます。これだけ長く放置すれば、ペナルティも相当重くなるはずです。税務署から指摘される前に動きましょう。

    確定申告の期限を過ぎたらどうなる?ペナルティなどを詳しく

    せどりの記帳や確定申告には会計ソフトがおすすめ

    せどらーの個人事業主は、会計ソフトを選ぶ際、以下のポイントを押さえるとよいです。せどりの性質上、とくに帳簿付けが複雑になりがちです。帳簿付けさえクリアすれば、会計ソフトが確定申告書の大部分を自動作成してくれます。

    1. レシートの読み取り機能が付いていること
    2. CSVファイルのインポートができること
    3. メーカーのサポートが充実していること

    ① レシートの読み取り機能

    レシートをスマホで撮影すると、アプリが文字を自動認識して、日付や金額などをデータ化してくれます。勘定科目もソフトが推測してくれるので、記帳の手間を大幅に減らせます。とくに実店舗での仕入れや経費の支払いが多い方にはマストの機能です。

    ② CSVファイルのインポート機能

    大抵のせどらーは、エクセルや各種アプリを使って商品管理をしているかと思います。つまり、仕入れ値や売却価格を入力済のリストが、すでにデータとして存在するわけです。これを活用しない手はないでしょう。

    エクセルに入力した商品データなどを、少し加工してCSV形式で保存すれば、会計ソフトに取り込めます。Amazonのセラーセントラルや、売上管理アプリのセラーブックなどに登録した商品データについても同様です。

    ③ サポートの充実度

    チャットや電話でのサポートがあれば、より確実な帳簿付け・確定申告ができます。どんなに優れたソフトでも、ユーザー側に会計知識がないと、間違った帳簿付けをしてしまう恐れがあります。それを防ぐためにも、やはりサポートは欠かせない要素です。

    せどりにおすすめの会計ソフト

    せどりをしている個人事業主には、弥生・freee・マネーフォワードのクラウド会計ソフトがおすすめです。この3社なら、先述したポイントをしっかり押さえているので、どれを選んでもスムーズに帳簿付け・確定申告ができます。

    弥生 freee マネーフォワード
    ホーム
    画面
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    料金
    (税込)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円
    ベーシックプラン
    12,650円/年
    トータルプラン
    23,100円/年
    スターター
    1,628円/月
    12,936円/年


    スタンダード
    2,948円/月
    26,136円/年


    プレミアム
    43,780円/年
    パーソナルミニ
    1,408円/月
    11,880円/年


    パーソナル
    1,848円/月
    16,896円/年


    パーソナルプラス
    39,336円/年
    【青色申告】
    セルフプラン
    11,330円/年
    ベーシックプラン
    18,975円/年
    トータルプラン
    33,000円/年
    自動仕訳
    申告書類の作成
    レシート読み取り
    CSVインポート
    サポート ・電話サポート付きプランが安価
    ・最上位プランなら業務相談も可能
    ・全プランにチャットサポート付き
    ・最上位プランには独自の補償制度あり
    ・全プランにチャットサポート付き
    弥生 freee マネーフォワード
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    Q.これまでに会計ソフトを導入したことがある?

    初めて導入する 導入した経験あり

    この3社であれば、どれを選んでも帳簿付け〜確定申告までスムーズにできます。無料トライアルで実際に使ってみたり、以下のまとめを参考にしたりして、自分に合うものを選びましょう。

    せどり・転売におすすめの会計ソフトを徹底比較!

    まとめ

    せどりで稼いでいる人は、基本的に確定申告が必要です。「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトを導入すれば、簡単に帳簿付けや確定申告ができ、青色申告での節税もしやすくなります。

    弥生 サポートの充実度を重視する人におすすめ
    freee レシートの読み取り機能を重視する人におすすめ
    マネーフォワード データ(CSV等)の取り込み機能を重視する人におすすめ

    弥生がおすすめの人

    弥生の上位プランなら「業務相談」が可能です。ソフトの操作方法だけでなく、帳簿付けや確定申告に関する一般的な疑問まで、チャットや電話でサポートしてくれます。ややこしいルールを自分で調べたくない方は、弥生の業務相談を活用するとよいです。

    freeeがおすすめの人

    freeeは、先進的な機能をいち早く取り入れています。レシートの読み取り機能についても、シャッターを押さずに次々と連続撮影できたり、LINEからもアップロードできたりと、性能面で他社より一歩リードしています。

    マネーフォワードがおすすめの人

    マネーフォワードは、外部データとの連携や取り込み機能に優れています。エクセルで作成した商品管理表などをCSVで取り込む場合は、仕訳帳の画面からインポート用のシートをダウンロードして、そのまま使えばOKです。

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