本記事では、株式会社Miraieの「シニアエンジニアの将来への不安」に関する調査を紹介します。2022年3月に行われた本調査で、40代~60代のフリーランスエンジニアのうち、7割以上が「案件獲得に苦労している」と答えています。
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目次
40代以上のシニアフリーランスが抱える不安
10年以上活躍している40代~60代のフリーランスを対象に、将来の不安についてアンケートが行われました。「システムエンジニア(SE)・プログラマ(PG)・デザイナー・フロントエンジニア」などが回答しています。
「『シニアエンジニアの将来への不安』に関する調査」SEES(株式会社miraie)
このアンケート結果によれば、シニアフリーランスが抱える不安は、概ね以下の3点に集約されるようです。とくにITエンジニアは、求められるスキルも目まぐるしく変化するため、案件獲得に関する不安が膨らみがちです。
- 案件が取れなくなる
- 単価が下がる
- 体力や集中力がもたない
漠然と不安を抱えるのではなく、きちんと実態を把握することも重要です。ここからは、「実際どのくらい苦労するのか」など、実態に関するアンケート結果を紹介していきます。
案件が取れなくなる
40代~60代のすべての世代において、案件獲得に「苦労している」と回答したフリーランスの割合が「70%」を超えています。
「『シニアエンジニアの将来への不安』に関する調査」SEES(株式会社miraie)
40代後半以降になると、案件獲得に苦労している人の割合は「80%」前後まで上昇します。本格的に案件を獲得しづらくなるのは、40代後半ということですね。
ちなみに、60代になると「70%」まで減少していますが、これは現役引退も視野に入ってくるためと考えられます。
単価が下がる
シニアエンジニアの場合、案件の月額単価は「40万円~60万円」ぐらいが相場のようです。また、以前と比べて単価が減ったと回答した人は「70%弱」でした。
単価の減少に関しては、必ずしも加齢のみが原因とは限りません。dodaの「平均年収ランキング」によれば、会社員を含むITエンジニア全体の平均年収は、ここ数年にわたり減少傾向にあります。
ITエンジニア全体の平均年収の推移
出典:「平均年収ランキング」doda
要因はどうあれ、以前より収入が減っているのは間違いなさそうです。今後、安定的な収入を維持していくには、きちんと対策を練る必要があるでしょう。
シニアこそ人脈形成が重要!
日本労働組合総連合会(連合)の調査によれば、世代ごとに案件の獲得方法が異なります。2021年11月に連合より発表された「フリーランスの意識・実態調査2021」を見てみましょう。
※連合調べ
若年世代ほど、人脈への依存度が低くなっています。上記の項目を「人脈」と「非人脈」のざっくり2つに分けて、わかりやすく整理したのが以下のグラフです。
出典:「フリーランスの意識・実態調査2021」連合調べ
20代の場合、人脈と非人脈の割合は、ほぼ半々です。他方、40代は新規案件の「70%」を人脈から獲得しています。このように、40代以降の案件獲得においては、人脈が非常に重要となります。
人脈形成は、なかなか一朝一夕にできるものではありません。早いうちから、コツコツとつながりを増やしていくのが上策です。20代~30代のフリーランス・個人事業主も、将来に向けてしっかり準備しておきましょう。