個人事業主・フリーランスでも、税理士に相談してから確定申告に臨むのが無難です。「個人レベルの税務なら、会計ソフトや生成AIなどのツールがあれば十分」と考える人もいるでしょうが、それらのツールも万能ではありません。税理士に関与してもらうメリットや費用などを、個人事業主向けにわかりやすく解説します。
目次
個人事業主に税理士は必要?‐ 基本の考え方
結論から言うと、個人事業主やフリーランスでも、税理士の無料相談を利用するのがおすすめです。無料で専門家に見てもらい、税務調査で困らないよう事前に対策できるわけですから、利用しておくに越したことはありません。

税理士との関わり方は、ざっくり「単発の相談」と「継続的な顧問契約」の2つに分類するとわかりやすいです。細かく言うと、記帳代行や申告代行など、いろいろなオプションもありますが、それらは有料で依頼する際に改めて考えればOKです。
単発で相談するだけなら、相談方法や内容にもよりますが、無料〜数万円の費用で済みます(詳細は後述)。一方、顧問税理士をつけるなら年間で数十万円の費用がかかります。そのため、いちど無料相談などを経てから顧問契約に進むケースがほとんどです。
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税理士に確定申告の相談をするには? 4つの方法
個人事業主が税理士に確定申告の相談をする方法は、主に以下の4つです。税金に関する一般的な質問であれば、基本的には無料の範囲で済ませられます。一方、個別の事情に踏み込んだ質問で、計算などの手間がかかる相談については有料の場合が多いです。
| 費用 | 特徴 | |
|---|---|---|
| ① 税理士会の無料相談会 | 無料 | 当番の税理士が担当(選べない) |
| ② 自治体の無料相談会 | 無料 | 当番の税理士が担当(選べない) |
| ③ 税理士紹介サービス | 無料紹介 | 条件に合う税理士を複数紹介 |
| ④ 税理士事務所への相談 | 有料 | 初回相談は無料の場合も多い |
方法① 税理士会の無料相談会を利用する

各地の税理士会が、確定申告期(2〜3月)を中心に無料相談会を開催しています。税理士会によっては、毎月開催しているところもあるようです。税理士資格を持つ専門家に、無料で直接相談できるのが大きなメリットです。
ただし、相談時間は30分〜1時間程度と限られています。当番の税理士が対応するため、相性などで税理士を選べない点には注意しましょう。予約しないと会場に入れないこともあるため、参加するなら早めの予約がおすすめです。
方法② 自治体の無料相談会を利用する

市区町村が主催する無料相談会も、選択肢のひとつです。地域の広報誌やホームページで開催日程が案内されています。地元で気軽に参加でき、住民向けサービスとして無料で利用できます。
ただし、開催日時・場所が限られており、相談時間も15〜30分程度と短いことが多いです。確定申告書の作成・提出についても、基本的には対応していないので、過度な期待はしないほうがよいでしょう。
方法③ 税理士紹介サービスを利用する

「当番の税理士じゃなくて、ちゃんと自分に合った税理士に相談したい」という場合は、税理士紹介サービスを活用するのがおすすめです。希望条件を伝えるだけで、条件に合った税理士を複数紹介してもらえます。
自分で探す手間が省け、複数の税理士を無料で比較検討できるのがメリットです。ほとんどの場合、税理士側が紹介料を負担する仕組みになっているので、ユーザーは紹介料を負担することなく無料で紹介が受けられます。
方法④ 税理士事務所や会計事務所に直接相談する

多くの税理士事務所では、初回相談を無料で実施しています。無料相談は30分〜1時間程度が一般的で、有料の依頼には進まなくても問題ありません。気軽に利用してみましょう。
相談したい税理士が決まっている人は、直接その税理士事務所に問い合わせるのが手っ取り早いです。ただ、具体的な目星がついていない場合は、先述の税理士紹介サービスを利用するのが早道です。
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【補足】国税庁・税務署の相談窓口を利用する
- 確定申告電話相談センター:税務署の代表番号から自動音声で接続
- チャットボット(ふたば):24時間対応のAIによる回答
- タックスアンサー:よくある質問をWeb上で検索
- 対面相談:税務署での相談(要予約)
国税庁では、上記の方法で税に関する相談を無料で受け付けています。ただし、あくまで聞かれたことに答えるだけのお役所仕事なので、積極的な節税アドバイスや経営相談はしてもらえません。また、確定申告期は電話がつながりにくいこともあります。
ちなみに「チャットボット(ふたば)」のAIは、近年のChatGPTのような生成AIとは異なります。入力された単語に反応して簡易検索を行うだけの旧世代AIですので、困りごとの相談には不向きです。
税理士に確定申告をサポートしてもらう4つのメリット
税理士に確定申告の相談をして、さまざまなサポートを受けることによって、主に以下の4つのメリットが得られます。「個人事業主だから税理士なんていらない」「法人になってからでいいや」と短絡的に考えるのではなく、事業の成長段階や運営状況を踏まえて判断しましょう。

メリット① 正確なアドバイスで申告ミスを防げる

税理士は、控除の適用漏れや経費の判断ミスを防ぎ、正確な申告ができるようサポートしてくれます。確定申告で税額を本来より少なく申告してしまうと、過少申告加算税(ペナルティ的な税金)がかかることがありますが、このようなリスクを抑えてくれるということです。
また、顧問契約を結んだ税理士は、クライアントがミスしないよう注意し、専門家として適切な情報共有を行わなくてはいけません(善管注意義務)。万が一これを怠り、クライアントが損害を受けたら、契約に応じた賠償責任が生じるとされます。
メリット② 自分では気づかない節税策を提案してもらえる

「これも経費にできるのか?」「どの控除が使えるのか?」といった疑問に対して、税理士は最適な方法を提案してくれます。自分だけでは見落としがちな節税策を教えてもらえることもあり、結果として手元に残るお金を増やせる可能性もあります。
ネットやSNSでは魅力的な節税手法の情報が溢れていますが、こうした手法は時代とともに規制が強化されるなど、いたちごっこの状態が続いています。なかには、法的にグレーな手法が混じっていることも珍しくありません。そのため、リスクとリターンを冷静に判断できる、バランス感覚を持った税理士を通すことが重要です。
メリット③ 本業に集中できる

経理や確定申告にかかる時間を削減し、より売上に直結するコア業務に集中できるようになります。記帳代行などのオプションを活用することで、経営判断やスキルアップ、顧客対応といった「本来注力すべき仕事」に時間を使いやすくなります。
とくに、頻繁に行われる税制改正や複雑な特例措置について、個人事業主が自力で調べて正確に対応するのは大変です。そういうことは税理士におまかせして、浮いた時間をコア業務に充てて売上アップを狙うこともできます。
メリット④ 税務調査への備えができる

顧問税理士がいれば、日頃から正確な帳簿を整備できるほか、税務調査の立ち会いサポートが受けられます。税務署からの問い合わせや指摘に対しても、専門家の立場から適切に対応してもらえるため、精神的な負担も軽減されます。
また、日常的に税理士のチェックが入ることで、税務調査の対象になりにくい経営体制を築くことにもつながります。近年、AIの活用により、調査対象者の選別が高精度化している背景もあります。税理士と連携して、適正な申告を心がけることが重要です。
税理士への相談にかかる費用相場
税理士への依頼料は、相談のみの場合と、確定申告書の作成まで依頼する場合とで費用が異なります。シンプルな相談のみであれば、無料で行える場合もあります。一方、本格的に確定申告を依頼するなら最低5万円は見積もっておきましょう(売上規模などによって異なる)。
相談のみの費用相場 – 税理士への初回依頼
| 無料相談(税理士会・自治体など) | 無料 |
|---|---|
| 税理士事務所の初回相談 | 無料〜5,000円 |
| 有料のスポット相談 | 5,000円〜2万円/時間 |
※上記は目安であり、実際の料金は事務所や地域により異なります。
初めて会った税理士に、いきなり年単位での顧問を依頼するのはハードルが高いです。まずは基本的な相談のみで様子を見るのが定石でしょう。初回は無料相談を実施している税理士事務所も多いです。
確定申告を依頼する場合の費用相場 ‐ 税理士への本格依頼
| 年間売上 | 確定申告のみ (スポット) |
顧問契約+確定申告 (年額) |
|---|---|---|
| 1,000万円〜 | 約15万〜25万円 | 約40万円〜 |
| 500万〜1,000万円 | 約10万〜15万円 | 約30万円〜 |
| 〜500万円 | 約5万〜10万円 | 約20万円〜 |
※ 記帳代行を含む場合は別途費用がかかることがあります。
いちど相談した後、確定申告書類の作成や顧問を正式に依頼する場合は、上記が税理士費用の目安となります。料金表は事務所によって異なりますが、売上規模によって報酬額が決まることが多いです。
税理士費用を抑えるポイント
- 複数の税理士から見積もりを取って比較する
- 自分で記帳できる部分は自分でやる
- 確定申告のみのスポット依頼を検討する
税理士費用を抑えるには、複数の事務所から相見積もりを取るのが最も効果的です。税理士事務所のWEBサイトに掲載されている料金表は、参考価格にすぎません。実際の依頼料は依頼内容によって異なるので、複数の事務所を比較したい場合は、必ず見積もりを取りましょう。
税理士に相談すべき?【簡易診断】チェックリスト
そもそも税理士に相談すべきかわからない、という個人事業主・フリーランスのために、簡易的な目安となるチェックリストを用意しました。あくまで目安なので、この診断通りにする必要はありませんが、ひとつの参考にしてみてください。
税理士に相談した方がよい人
□ 経費にできるかどうか、判断に迷う項目が複数ある
□ 青色申告特別控除65万円を適用したいが、複式簿記がわからない
□ 消費税の申告が必要(インボイス登録事業者を含む)
□ 不動産収入や株式・暗号資産の売却益がある
□ 開業したばかりで、何から手をつければいいかわからない
□ 経理作業に時間を取られ、本業に集中できていない
上記に当てはまる項目が多いほど、税理士への相談がおすすめです。とくに2つ以上当てはまる方は、以下の「自分で確定申告しても問題ない人」に当てはまったとしても、いちどは相談しておくことをおすすめします。
ひとまず自分で確定申告しても問題ない人
□ 会計ソフトを使いこなせている
□ 経費の判断基準を学習済みで、迷うことがほぼない
□ 時間に余裕があり、調べながら進められる
□ 毎年同じような申告内容で、大きな変化がない
上記すべてに当てはまる場合は、ひとまず自力で申告できる可能性があります。ただし、会計ソフトも万能ではありません。「この支出は経費として認められるか」などの判断の正確性について、ソフト側では保証してくれない点は理解しておきましょう。
少なくとも、開業初年度や事業内容に大きな変化があった年は、税理士へのスポット相談を検討することをおすすめします。まずは無料相談をしてから、本格的に依頼するかどうかを決めても遅くはありません。
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まとめ
個人事業主が確定申告について税理士に相談する方法は、主に4つあります。申告ミスを避けたいなら、相談するに越したことはありません。税金に関する一般的な質問なら無料の範囲で済みますが、個別の事情に踏み込んだ相談は有料になる場合が多いです。
| 費用 | 特徴 | |
|---|---|---|
| ① 税理士会の無料相談会 | 無料 | 当番の税理士が担当(選べない) |
| ② 自治体の無料相談会 | 無料 | 当番の税理士が担当(選べない) |
| ③ 税理士紹介サービス | 無料紹介 | 条件に合う税理士を複数紹介 |
| ④ 税理士事務所への相談 | 有料 | 初回相談は無料の場合も多い |
有料のスポット相談は5,000円〜2万円/時間が目安です。確定申告を正式に依頼する場合は、売上500万円以下で約5万〜10万円、1,000万円超なら約15万〜25万円あたりが相場になります。
税理士に相談する4つのメリット
| 主なメリット | 概要 |
|---|---|
| ① 申告ミスの防止につながる | 控除の適用漏れや経費の判断ミスがないよう、専門家の視点でチェックしてもらえる |
| ② 節税の見落としを防げる | 自分では気づかない控除や経費の活用方法を教えてもらえる |
| ③ 本業に集中しやすい | 経理や申告の時間を削減し、売上に直結するコア業務に充てられる |
| ④ 税務調査に備えられる | 正確な帳簿整備と、調査時の立ち会いサポートが受けられる |
売上が少なくて取引もシンプル、会計ソフトで問題なく確定申告ができているなら、ひとまず自力で申告しても差し支えありません。ただし、会計ソフトが経費などの判断の正確性まで保証してくれるわけではないので、その点は理解しておきましょう。
また、自力で確定申告すると決めた人も、開業初年度や事業内容に大きな変化があった年は、スポット相談で不安要素を取り除いておくのが無難です。
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