税理士にレシートを丸投げしたらどうなるのか、費用感・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。記事後半では、費用を抑えるコツや、依頼前に確認すべきチェックリストも掲載しています。
目次
レシートを税理士に丸投げするってどういうこと?
レシートや領収書を税理士にまとめて渡して、帳簿付けから確定申告までお願いできます。これが、いわゆる「丸投げ」と呼ばれる依頼方法です。丸投げする場合、クライアントと税理士の役割分担は、一般的には以下の通りです。
| あなたが主にやること | 税理士が主にやること |
|---|---|
| ・レシート類をなくさず保管する
・毎月のレシートをまとめて渡す ・使い道の質問などに応じる |
・帳簿への記入(記帳代行)
・税務署類の作成(申告代行) ・経費にできるかの判断など |
「紙やデータとして証拠が残っているもの」を税理士に渡すだけで、帳簿付けや確定申告の大部分を作成してもらえるイメージです。とはいえ、事業と無関係のレシートを渡すと混乱のもとなので、事業に関するレシートだけを選別して渡すのが基本です。
「丸投げ」と「記帳代行」の違い
| 丸投げ | 税理士にしかできない
記帳+決算+申告+税務相談までまとめて依頼する |
|---|---|
| 記帳代行 | 税理士以外でもできる
帳簿への入力作業だけを依頼する |
いわゆる「丸投げ」の場合は、税理士が的確なアドバイスをしてくれます(税務相談)。一方「記帳代行」のみを依頼した場合、基本的にはクライアントの指示通りに記帳するだけなので、税務上のアドバイスはないものと考えましょう。
レシートを税理士に丸投げする主なメリット
レシートや領収証を税理士に丸投げする主なメリットは、以下の5つです。税理士にレシートを丸投げすることで、本業に集中できる、税務調査対策になるなど、多くのメリットがあります。
② 記帳ミスや経費漏れを減らせる
③ 税務・経営の相談やサポートが受けやすい
④ 税務調査が入っても対応を任せられる
⑤ 確定申告の期限に追われなくなる
メリット① 経理にかかる時間を大幅に減らせる
- レシートを1枚ずつ入力する手間がなくなる
- 勘定科目を自分で調べたりする必要がない
- 繁忙期でもレシートを溜めることなく、本業に集中できる
税理士に丸投げすることで、経理の手間を大幅にカットできるため、本業に集中しやすくなります。とくに、レシート・領収書が多い業種(物販・飲食・美容など)では、月に数時間〜十数時間もの時間が浮くケースも珍しくありません。
メリット② 記帳ミスや経費漏れを減らせる
- 適切な勘定科目で記帳してくれる
- 消費税・源泉徴収なども正しく処理できる
- 経費性のグレーゾーンを判断してもらえる
税理士にレシートや領収書をチェックしてもらうことで、うっかりミスによる申告漏れ・ペナルティのリスクを減らせます。「本当は経費にできるのに、自分では気づけなかった支出」を見つけてもらえるケースもあります。
メリット③ 税務・経営の相談やサポートが受けやすい
- 売上・利益のレポートを作成してもらえる
- もっと節税できないか相談に乗ってもらえる
- 将来の法人化・資金調達などの相談もできる
レシートを丸投げする場合は「顧問契約」がセットになっていることが多いため、税務・経営全体のサポートも受けやすくなります。定期的にミーティングを行い、預けたレシートなどの数字に基づいて、今後の事業方針を確認できるわけです。
メリット④ 税務調査が入っても対応を任せられる
- 帳簿の作成根拠をしっかり説明してもらえる
- 税務署からの質問や追及に対応してもらえる
万が一の税務調査でも、税理士がいれば代わりに対応してくれるので、心理的な負担が大幅に軽減されます。税理士本人がレシートに基づいて帳簿を作成してくれているため、安心して対応をお任せできます。
メリット⑤ 確定申告の期限に追われなくなる
- 事業者はレシートや資料を定期的に渡すだけ
- 税理士が申告書を作成・提出してくれる
税理士に丸投げしていれば、上記の通り、税理士が期日内に申告書を作成してくれます。申告期限ギリギリになって徹夜で作成する、といった負担から解放されます。とくに繁忙期と確定申告時期が重なる人にとっては、大きな安心材料です。
レシート丸投げの主なデメリットと注意点
ここでは、レシートの丸投げを検討する際に知っておくべき主なデメリットと、その対策について解説します。レシートの丸投げは、先述した多くのメリットがある一方で、いくつか注意点も存在します。
② 自分で数字を追わなくなる
③ レシートを整理・保管する作業は残る
デメリット① 年間コストがそれなりにかかる
- レシート枚数(≒ 仕訳数)が増えるほど記帳代行料が上がる
- 相談の頻度などに応じた顧問料がかかる
- 所得税や消費税の申告書作成料がかかる
売上がまだ小さい人にとっては、税理士費用を負担できない場合もあります(費用相場は後述)。開業したばかりの個人事業主やフリーランス、副業中のサラリーマンなどで、資金に余裕がない方は以下のような対策を検討してみましょう。
- まずは「確定申告のスポット依頼」だけ試す
- 一部の記帳だけを任せる(現金取引だけ/クレカ部分だけなど)
- 創業初期の割引プランや、おトクな丸投げパックがあれば検討する
対策のヒント
デメリット② 自分で数字を追わなくなる
- 月次の売上・利益・現金残高を、自分でチェックしなくなる
- 試算表を見てもピンとこないまま、判断を税理士に丸投げしてしまう
すべてを税理士任せにすると、数字の把握が疎かになりがちです。極端な例では、黒字なのに資金繰りが悪化する「黒字倒産」に気づくのが遅れるケースもありえます。心配な方は、税理士との面談回数を多めに設定しましょう。
- 毎月1回、試算表と預金残高は自分の目で確認する
- レシートを毎月提出するなどして、情報の鮮度を保つ
- クラウド会計などを活用してリアルタイムでの情報共有を行う
対策のヒント
デメリット③ レシートを整理・保管する作業は残る
- レシートや領収書をきちんと捨てずに保管する
- シワシワ・ぐちゃぐちゃの状態にしない
- 月別や支払方法別などにレシートを整頓して渡す
「丸投げ」といっても、上記の作業は事業者側が行う必要があります。税理士に提出したレシートや領収書に抜け漏れがあると、正しい帳簿や申告書は作成してもらえません。この点は誤解のないようにしましょう。
なお、税理士に丸投げするしないにかかわらず、上記の作業は必要です。そのため、厳密にいえば、上記は丸投げに特有のデメリットとは言えませんが、誤解されやすい点なので紹介しました。
レシート丸投げが向いている人・向いていない人【判断基準】
税理士にレシートを丸投げするか迷っている方向けに、向き不向きを判定する、簡単なチェックリストを用意しました。もちろんこのシート通りに判断する必要はありませんが、個人事業主やフリーランス、中小法人の方は、一つの参考にしてみてください。
□ レシートや請求書が多く、毎月の入力が負担になっている
□ 税金や会計が苦手で、自己判断の不安が消えない
□ 将来的に法人化や資金調達も考えており、早めに税理士と関係を作っておきたい
□ 取引が増え、勘定科目や処理のルールが月ごとに揺れやすい
□ インボイス対応や電子帳簿保存法など、制度対応を調べながら進めるのがつらい
□ 旅費や交通費、会議費など判断に迷いやすい支出が多く、処理の精度に自信がない
□ 事業とプライベートの支出が混ざりやすく、家賃や通信費の按分で毎回迷う
□ 期末にまとめて処理しがちで、確定申告前に毎回慌てる
□ 税務調査や融資への備えとして、十分なクオリティの帳簿を作る自信がない
上のチェックに2つ以上当てはまるなら、税理士への丸投げを前向きに検討する価値があります。問い合わせの際は、ざっくりでよいので、毎月どのくらいのレシートがあるのかなど、大体の取引量を伝えるとスムーズです。
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□ 会計ソフトでの記帳に慣れていて、入力自体はあまり苦にならない
□ 初年度はあえて自分で経理を経験し、数字の感覚を掴みたい
□ 取引の型がシンプルで、売上や経費の流れが毎月ほぼ同じ
□ 経理は内製で回し、外注に頼らない運用を作りたい
上のチェックにすべて当てはまる人は、いきなり丸投げするのではなく、段階的に外注へ切り替えていくのがおすすめです。帳簿付けは自社で行い、確定申告書や青色申告書をスポットで税理士に作成してもらうだけなら、それほど費用はかかりません。
レシート丸投げの費用相場と、費用を抑えるコツ
税理士にレシート丸投げする費用は、事務所や地域、売上規模や取引量によって大きく異なりますが、大まかな目安としては以下の通りです。あくまでざっくりなので、実際に依頼する際は、複数の事務所から相見積もりを取ることをおすすめします。
| 顧問料(記帳代行込み) | 年間約12万〜36万円(月額1万〜3万円) |
|---|---|
| 確定申告書の作成料 | 年間約3万〜10万円(スポット依頼の場合) |
税理士費用を抑えるコツ

税理士と契約する際は、トラブル回避のため、料金体系・サービス内容・業務範囲・レポート頻度・解約条件などを確認し、納得の上で契約しましょう。
まとめ
税理士にレシートや領収書を丸投げで渡すと、帳簿付けから確定申告までの大部分をお任せできます。ただし、レシートを捨てずに保管し、まとめて渡すのは事業者側の仕事として残ります。完全に放置できるわけではない点は理解しておく必要があります。
税理士にレシートを丸投げする際の役割分担
| あなたが主にやること | 税理士が主にやること |
|---|---|
| ・レシート類をなくさず保管する
・毎月のレシートをまとめて渡す ・使い道の質問などに応じる |
・帳簿への記入(記帳代行)
・税務署類の作成(申告代行) ・経費にできるかの判断など |
税理士に依頼する際、どこまでの範囲をやってもらうか選ぶ必要があります。レシートを丸投げして、税理士に帳簿付けや確定申告をやってもらう場合のメリット・デメリットは、主に以下のとおりです。
税理士に丸投げする主なメリット・デメリット
| 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|
| ① 経理にかかる時間を大幅に減らせる
② 記帳ミスや経費漏れを減らせる ③ 税務相談やサポートが受けやすい ④ 税務調査が入っても対応を任せられる ⑤ 確定申告の期限に追われなくなる |
① 年間コストがそれなりにかかる
② 自分で数字を追わなくなるリスク ③ レシートを保管する作業は残る |
レシート処理に追われて本業や生活が圧迫されている方は、いちど問い合わせや見積もり依頼をして、実際の費用感などを確認してみるのがおすすめです。
税理士費用は、事務所や地域、売上規模や取引数によって大きく異なります。「その金額なら全然あり!」という好条件で税理士が見つかる可能性もあります。問い合わせるだけなら費用はかからないので、試してみて損はありません。
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