訂正申告と修正申告の違いをわかりやすく!どっちをやればいい?

更新日: 2025/12/09
訂正申告と修正申告の違いをわかりやすく!どっちをやればいい?

「訂正申告」と「修正申告」の違いをわかりやすく解説します。何が違うの?どっちをやればいいの?と迷っている人は参考にしてください。

目次

    「訂正申告」と「修正申告」の違い

    • どちらも確定申告のミスを正すための手続き
    • 確定申告期限より前だったら「訂正申告」
    • 確定申告期限を過ぎていたら「修正申告」

    確定申告のミスに気付いたときは、「確定申告期限日の”前”か”後”か」によって行うべき手続きが異なります。(確定申告期限日とは基本的に3月15日のことですが、土日祝と重なる場合は翌平日にズレます)

    訂正申告 修正申告
    概要 確定申告期限の前
    申告ミスを正す手続き
    確定申告期限の後
    申告ミスを正す手続き
    やり方 確定申告期限日までに
    申告書類を再提出する
    できるだけ早く
    必要書類を提出する
    ペナルティ なし 延滞税や
    過少申告加算税など

    確定申告期限日の”前”に申告ミスに気付いたら、申告書類を再提出するだけでミスを訂正できます。一般的に、この手続きを「訂正申告」といいます。訂正申告は、とくに罰則が課されることもなく、何回でもできます。

    一方、確定申告期限日の”後”に申告ミスに気付いた場合は、「修正申告」か「更正の請求」という手続きを行います。経過日数などに応じてペナルティ(追加の税金)を課される可能性があるので、なるべく早めに行いましょう。

    「更正の請求」とは?
    確定申告期限日を過ぎてから申告ミスを正す際は、「申告ミスで”得”をしていたか”損”をしていたか」によって行うべき手続きが異なる。申告ミスによって自分が”得”をしてしまっていた場合は「修正申告」を行い、”損”をしていた場合は「更正の請求」を行う。
    >> 修正申告と更正の請求の違いをわかりやすく解説!

    訂正申告のやり方

    確定申告期限日(原則3月15日)より前に申告ミスを訂正する場合は、正しい内容の申告書類を提出しなおすだけでOKです。基本的に、最後に提出された申告書が正規のものとして扱われ、以前に提出したほうの申告書は無効になります。

    訂正申告の流れ

    1. 確定申告書類を正しい内容で作り直す
    2. 確定申告期限日までに再提出する
    3. 確定申告期限日までに正しい税額を納める*

    * 還付の場合は振り込まれるのを待つ

    再提出の際は、ミスがあった書類だけ出すのではなく、当初と同じセットで提出しましょう。たとえば「確定申告書にミスがあったけど、決算書は正しかった」という場合も、確定申告書だけ出すのではなく、決算書とセットで再提出するのが無難です。(国税局に確認済み)

    ちなみに、訂正申告の前に「もう当初の申告内容で納税しちゃった」という人や「もう還付金が振り込まれちゃってる」という人は、差額の精算が必要です。このような場合は、手続きが複雑になる可能性もあるので、先に税務署に問い合わせておくと安心です。

    修正申告のやり方

    修正申告では「修正申告書」を作成して税務署に提出します。書類を提出したら、その日のうちに税金を納付しましょう。延滞税や過少申告加算税が課される場合は、それらもまとめて納付します。

    修正申告の流れ

    1. 修正申告書を作成する
    2. できるだけ早く再提出する
    3. 再提出した日のうちに、増加分の税金と「延滞税」などを納める

    修正申告の必要書類は人によって異なりますが、ひとまず申告書の「第一表」と「第二表」はマストです(確定申告で使う第一表・第二表と同じ書類です)。正しい申告内容をまとめたうえで、第一表の「修正申告」という欄に、追加の納税額などを記入します。

    修正申告書の記入例

    第一表 第二表
    修正申告の記入例(第一表) 修正申告の記入例(第二表)

    個人事業主の場合は、第一表・第二表に加えて「収支内訳書」や「青色申告決算書」も提出する場合が多いです。また、第三表の申告内容を修正する場合は、改めて第三表を提出する必要があります(第三表は株などによる所得の申告に使う)。

    修正申告のやり方について詳しく!必要書類や期限など

    訂正申告と修正申告にペナルティはある?

    訂正申告 修正申告
    ペナルティなし 経過日数などに応じて
    ペナルティが課される

    確定申告期限の前なら、ペナルティなしで何度でも「訂正申告」ができます。一方、確定申告期限を過ぎると「修正申告」という扱いになり、延滞税や過少申告加算税などのペナルティが課されます。

    修正申告で課されるペナルティ

    性質 税率
    延滞税 超過日数に応じて課される
    ※1,000円未満の場合は免除
    最大14.6%
    過少申告加算税 税務調査の通知後に
    修正申告をした場合に課される
    税務調査前:5%
    税務調査後:10%
    重加算税 隠蔽等が発覚したとき
    過少申告加算税の代わりに課される
    35%

    これらのペナルティは、どれも「修正申告によって追加で納めることになった税額」に税率をかけて算出されます。ですから、そもそも追納する税額がわずかなら、ペナルティも大きな金額にはなりづらいです。

    ちなみに、延滞税は計算結果が1,000円未満なら納付を免除されます。そのため、過少申告加算税が課される前(税務調査の事前通知を受ける前)に、早い段階で修正申告を行えば、ペナルティが0円で済む場合もあります。

    訂正申告と修正申告に関する疑問【Q&A】

    確定申告を間違えたらどうする?
    確定申告期限日の前にミスに気付いたら「訂正申告」をしましょう。一方、期限を過ぎてからミスに気付いた場合は、「修正申告」か「更正の請求」という手続きが必要です。(確定申告期限日は基本的に3月15日ですが、土日祝と重なる年は翌平日まで延長されます)
    「更正の請求」ってなに?
    更正の請求とは、申告ミスによって過剰に納めていた税金を返してもらうための手続きです。確定申告期限を過ぎてから申告ミスを正すとき、過少申告となっていた場合には「修正申告」を行いますが、逆に税金を納めすぎていた場合には「更正の請求」を行います。
    「修正申告」と「更正の請求」の違いを詳しく!
    訂正申告にデメリットはある?
    確定申告期限内の再提出によって罰則等を課されることはないので、訂正申告に特段のデメリットはありません。強いて言えば、納税や還付の完了後に訂正申告をすると、差額の精算手続きが必要になるので、少し面倒だったりします。
    修正申告にデメリットはある?
    修正申告では、不足していた税金を納めるだけでなく、ペナルティの税金(延滞税や過少申告加算税など)を課される場合もあります。ペナルティの金額は経過日数に応じて膨らんでいくので、申告ミスに気付いたら速やかに修正申告を行いましょう。
    訂正申告と修正申告はe-Taxでできる?
    訂正申告と修正申告はe-Taxでもできます。訂正申告の場合は、通常の確定申告と同じように申告書類を送信すればOKです。修正申告については、国税庁の確定申告書等作成コーナーに「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」という項目があるので、そちらから手続きできます。

    まとめ

    確定申告をしたあと、確定申告期限日(原則3月15日)より前に申告ミスに気付いたら「訂正申告」をしましょう。一方、確定申告期限日を過ぎてから申告ミスを正す場合は「修正申告」か「更正の請求」を行います。

    訂正申告の重要ポイント

    • 確定申告期限内に申告ミスを訂正する手続き
    • 確定申告書類を提出しなおすだけでOK
    • 確定申告期限内なら何度でも再提出できる
    • 最後に提出したものが正規のものとして扱われる
    • 訂正申告をしても特にペナルティは課されない

    修正申告の重要ポイント

    • 確定申告期限後に申告ミスを修正する手続き
    • 不足していた税金を追加で納めるために行う
    • 修正申告をしたら、その日のうちに追納分の税金を納める
    • 確定申告期限日からの超過日数に応じて「延滞税」が課される
    • 税務調査の通知を受けてからだと「過少申告加算税」も課される

    ちなみに、本記事では詳しく触れませんでしたが「更正の請求」という手続きもあります。確定申告期限を過ぎてから、「申告ミスで税金を納めすぎていた or 還付金を少なく申告していた」と気付いた場合は、修正申告ではなく更正の請求を行います。

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