個人事業の開業から2年目までの手続きまとめ

更新日: 2020/09/15
個人事業の開業から2年目までの手続きまとめ

開業してから2年目までのスケジュールについて、4月開業のフリーランスを例に、税務の観点からまとめました。1年目は開業の前後が大変ですが、その他の手続きはそれほど多くありません。ただ、2年目以降は確定申告を筆頭に重要なタスクが増えます。

INDEX

目次

    【おさらい】開業前後の流れ

    会社員から個人事業主へ転身する際は、社会保険に関わる手続きを忘れずに行いましょう。また、青色申告を選択したいなら、開業日から2ヶ月以内に申請を行う必要があります。開業前後にやるべきことをまとめると、おおよそ下図のとおりです。

    退職から開業までの流れ

    開業前後の流れついては、以下の記事で詳しく説明しています。開業を控えている場合は、まずこちらから確認しておきましょう。
    >> 個人事業を開業する手順まとめ【独立起業の流れ】

    税務関係のスケジュール – 開業から2年目まで

    個人事業主が開業1年目と2年目に行う税務関係の手続きのうち、特に重要なものを以下にまとめました。なお、このスケジュールは4月開業のフリーランスを想定して作成しています。(業種や事業形態によっては、この他にも必要となる手続きがあります)

    開業から2年目までの税務スケジュール

    ちなみに、ほとんどの事業者が開業から2年間は消費税の納付を免除されます。そのため、消費税関係のトピックは上図に含めていません。ただし、開業直後から売上が1,000万円を超える場合などは、2年目以降に消費税の納付義務を負う可能性があります。
    >> 消費税の課税・非課税って何? – 個人事業の消費税入門

    1年目の主な手続き

    開業前後のタスクが済めば、1年目に行う税務関係の手続きは少なめです。とはいえ、もちろん日々の帳簿づけはモレなく行い、確定申告に備えておきましょう。

    1年目の税務スケジュール

    住民税の納付 – 6月ごろ

    地域によってバラつきはありますが、6月頃に住民税の通知書が届きます。通知書には、一括納付用と分割納付用の納付書が添付されているので、好きな方で納付を行いましょう。なお、どちらを選んでも納税額は変わりません。

    一括納付の期限 6月30日
    分割納付の期限 6月、8月、10月、翌1月それぞれの末日

    地域によって異なる場合も

    >> 個人事業主の住民税 – 計算方法・納付時期・仕訳など

    決算 – 12月

    決算とは、ざっくり言うと「会計期間」における収入や支出をまとめる作業のことです。個人事業では1月1日~12月31日を会計期間とするので、必ず12月31日で年間会計を締めます。

    とはいえ、決算の結果を記載する決算書は、1月以降に作成するのが一般的です。そのため、棚卸しを行う小売業などを除けば、年末に何か特別なことをする必要はありません。余裕があったら、当年中の記帳内容に不備がないか確認しておきましょう。

    2年目の主な手続き

    2年目には、いよいよ確定申告を行います。この確定申告によって、2年目に納める税金が決まります。1年目にそこそこ儲かった場合は、所得税の予定納税や、個人事業税の納付も必要になります。

    2年目の税務スケジュール

    所得税の確定申告 – 2月~3月

    確定申告とは、前年の収支から納税額を算出し、国に申告する手続きのことです。原則として、毎年2月16日~3月15日に行います。なお、所得税の納税自体も3月15日までに済ませます。ただ、期限日は曜日のめぐりで後ろにズレるので、その年ごとに確認しておきましょう。
    >> 確定申告とは?個人事業主の確定申告を1から解説

    予定納税 – 7月・11月

    予定納税とは、翌年に納める所得税の一部を“前払い”する制度のことです。おおまかにいうと、直近の確定申告の際に、所得税を15万円以上納めた人が行うことになります。該当者には6月頃に通知が届くので、指定された金額を7月と11月の期限までに納付しましょう。
    >> 予定納税を分かりやすく!基準額・支払時期・納付方法など

    個人事業税の納付 – 8月・11月

    前年の事業所得(及び不動産所得)が一定額を超えると、個人事業税の納付が必要になります。通知が届いたら、指定された金額を8月と11月の期限までに納付しましょう。地域によっては、8月に一括で納付できる場合もあります。

    ちなみに4月開業であれば、1年目(4月~12月)の儲けがおよそ217万円を超えると、2年目に個人事業税の納付が必要になると考えておきましょう。
    >> 個人事業税とは?税率・納付時期・具体的な計算例など

    早めにやっておいたほうがいいこと

    税務の手間を減らすために、以下の3つも早めに済ませておくことをおすすめします。

    • 会計ソフトを導入する
    • 電子申告の準備をする
    • 振替納税の届け出をする

    会計ソフトの導入

    会計ソフトを使えば、日々の帳簿づけを簡単に済ませられるうえ、記帳した内容から確定申告書類の大半を自動で作成できます。開業したら帳簿の作成は必須なので、早めに用意しておくとよいでしょう。中には、無料で利用できるソフトもあります。
    >> 個人事業の会計ソフト【比較一覧表】

    電子申告の準備

    電子申告のシステムは、ちょっとややこしい部分もありますが、上手に活用すれば確定申告の手間を大きく削減できます。また、2020年分の確定申告からは、電子申告が節税につながる場合もあるので、早めの準備がおすすめです(青色申告特別控除)。
    >> 個人事業主が電子申告をする流れ【e-Taxによる申告までの手順】

    振替納税の届け出

    ほとんどの税金は、事前に手続きを行えば、口座振替で納めることができます。振替納税なら納付が自動的に行われるうえ、基本的に手数料もかかりません。ちなみに、他にも便利な納付方法があるので、必要に応じて届け出などを済ませておきましょう。
    >> 主な税金の納付方法まとめ – 所得税や住民税の納め方

    まとめ – 2年目までの主な税務手続き

    開業1年目と2年目に行う税務関係の手続きのうち、一般的なフリーランスにとって特に重要なものは以下のとおりです。

    主な税務関係の手続き

    1年目 2年目
    • 開業前後の各種届出等
    • 住民税の納付
    • 所得税の確定申告
    • 所得税の納付
    • 住民税の納付
    • 予定納税
    • 個人事業税の納付

    ただ、すべての事業主が必ず上記の手続きを行うわけではありません。たとえば予定納税は、おおまかにいえば直近の確定申告で15万円以上の所得税を納めた人が行います。また、1年目の儲けが一定金額以下なら、2年目に個人事業税を納める必要はありません。

    これらは、いずれも納付の必要があれば通知書が郵送されます。よく分からなければ、該当の月に通知書が届くかどうかを待っていればOKです。

    なお、従業員を雇用する事業主や、消費税の納付義務を負う事業主(年間の売上が1,000万円超など)は、上記以外にもやるべき手続きがあります。