4種類!個人事業主が納める主な税金まとめ

更新日: 2020/09/16 税理士監修
4種類!個人事業主が納める主な税金まとめ

個人事業主が納める主な税金は4つあり、「所得税」「消費税」「住民税」「個人事業税」です。これから新しく個人事業を始める方に向けて、これらの税金について、それぞれわかりやすく解説します。

INDEX

目次

    個人事業主が納める主な4つの税金の納付時期

    個人事業主が納める主な4つの税金の納付期限日は、以下の通りです。消費税の納付は3月末日までですが、確定申告と同時に済ませる場合が多いです。

    主な税金と納付期限日

    税金の種類 納付期限日
    所得税 3月15日(確定申告の期限日)
    消費税 3月31日
    住民税 6月30日・8月31日・10月31日・翌年1月31日
    個人事業税 8月31日・11月30日

    期限日が土日祝日と重なる場合は翌平日

    住民税は4回に分けて納付するのが基本です。希望すれば一括納付もできますが、それによる割引はありません。個人事業税も同じように、2回で分納します。こちらも一括納付が選べる場合もありますが、一括納付による割引はありません。

    なお、振替納税を選択すれば、所得税は通常4月20日前後、消費税は4月25日前後に指定口座から自動引き落としになります。>> 国税の納付方法まとめ

    所得税 – 年間の利益に対して課せられる税金

    所得税とは、1年間で稼いだ金額、つまり所得に対して課せられる税金です。個人事業の所得とは、売上から必要経費を差し引いた利益部分のことをいいます。個人事業主は、確定申告書類を作成するときに、自分で所得税の納税額を算出します。

    個人事業主の所得税は、年間の収入から、経費や各種控除を差し引いた金額に応じて納付します。この、税金が課せられることになる所得を「課税所得」といいます。

    所得税の計算方法

    個人事業主は、所得税の課税所得と納税額をそれぞれ自分で計算するのが基本です。まずは自分の課税所得を算出し、この金額に応じて納める金額を計算します。

    所得税の計算方法は、「課税所得(収入 – 経費 – 各種控除)× 税率 – 税額控除」です。

    所得税の計算方法

    各種控除」には、所得税の基礎控除額48万円が含まれます。この基礎控除は、全ての人が等しく適用できます。また「税額控除」にはいくつか種類がありますが、身近な例をあげると住宅ローン控除が当てはまります。

    所得が48万円以下であれば所得税はかからない

    年間の事業所得が、基礎控除内に収まる場合は、課税所得が0円になります。ですから、事業所得が48万円以下の年度は、所得税がかかりません。

    納付は確定申告後すぐの3月15日まで

    所得税の納付期限日は、確定申告の期限日と同じ3月15日です。この日が土日祝日と重なる年は、期限日が後ろの平日にずれます。あらかじめ口座振替の手続きをしておけば、1ヶ月ほど納付を遅らせることもできます。

    前年1年分の所得を、確定申告時期(原則2月16日~3月15日)に税務署へ申告したら、その後すぐに3月15日までに所得税を納付します。

    消費税 – 開業して間もない事業主は不要

    消費税は、事業における多くの取引に対して課税されます。しかし、以下のいずれかにあてはまる個人事業主は納付義務がなく、「免税事業者」という扱いになります。

    免税事業者(消費税の納税義務なし)の条件

    • 開業してから2年以内
    • 前々年の課税売上高が1,000万円以下

    例外として開業2年目から納税が必要な場合も

    前々年の課税売上高が1,000万円以下であっても、消費税の納付が必要となる場合があります。特定期間(個人事業では、前年の1月1日~6月30日)に、以下2つの条件をどちらも満たした場合には、開業2年目でも消費税を納めなければいけません。

    • 課税売上高が1,000万円を超えた場合
    • 支払った給与等の金額が1,000万円を超えた場合

    消費税の計算方法

    消費税は、売上金額全体から、仕入れや経費などで支払った消費税を差し引いた金額を納税するのが基本です。売上とともに受け取ったすべての消費税を納税するわけではありません。

    納める消費税の計算式

    納付は3月31日まで、免税事業者はなにもしなくてOK

    消費税の納付期限は3月31日です。しかし免税事業者の条件のいずれかに当てはまる事業主は納付義務がないので、売上と共に預かった消費税を、そのまま事業主の取り分にすることができます。

    また所得税と同様に、あらかじめ口座振替の手続きをしておけば、1ヶ月ほど納付を遅らせることもできます。

    住民税 – 都道府県や市町村に納付する税金

    住民税とは、事務所を構える地方自治体に納める税金のことです。確定申告をすれば、特別に住民税の届出を行う必要はありません。納税額の記載された納税通知書が郵送されます。

    個人事業主の納付する住民税とは、2種類の税金「市区町村民税」と「都道府県民税」の合計です。これらはそれぞれ、所得額に関係なく定額で課税される「均等割」と、所得に対して課税される「所得割」という、2つの要素から構成されています。

    「均等割」と「所得割」で構成される都道府県民税と市区町村民税

    均等割は年間4,000円~5,000円前後

    均等割とは、基本的にすべての人に定額で課せられる住民税です。税額は地域ごとに異なりますが、「市区町村民税」の均等割と、「都道府県民税」の均等割の合計額は、だいたいの地域で1年あたり4,000円~5,000円前後です。

    所得割は税率10%

    所得割とは、所得(利益)にかかる住民税です。所得割の計算方法は、「(所得 – 各種控除)× 10% – 税額控除」です。「各種控除」には、住民税の基礎控除額43万円が含まれます。こちらの基礎控除も、全ての人に等しく適用されます。

    所得割の計算方法

    所得割の税率は、「市区町村民税」が6%、「都道府県民税」が4%です。合計の「10%」を覚えておけば問題ありません(一部地域を除く)。

    住民税が非課税になるケースも

    所得が一定基準以下の場合、住民税が非課税になります。均等割と所得割では、それぞれ基準、つまり非課税限度額が異なります。

    均等割の非課税限度額は地域ごとに異なり、おおきく分けて「28万円・31.5万円・35万円」の3段階です。

    所得割の非課税限度額は、全国一律で35万円です。所得がこの金額以下であれば、所得割は非課税となります。扶養親族がいる場合はさらに優遇され、非課税限度額は「35万円 ×(自分 + 扶養家族分の人数)+ 32万円」まで引き上がります。

    納付方法は6月一括 or 4回払い(6月・8月・10月・翌年1月)

    毎年6月上旬~中旬に、住民税の納税通知書が地方自治体から届きます。納税額が記載してあるので、これにしたがって指定の金額を納付しましょう。

    住民税の納付方法は、一括払い(6月)か、4回払い(6月・8月・10月・1月)です。どちらを選んでも納税額の合計は変わらないので、好きな納付方法を選びましょう。

    あらかじめ手続きを済ませておけば、口座振替も可能です。この場合は基本的に、6月末日・8月末日・10月末日・翌年1月末日、この4回にわたって振替されます。

    個人事業税 – 課税の目安は290万円

    個人事業税とは、事業に対して課税される税金のことです。確定申告をしていれば個人事業税の申告は不要で、届いた納税通知書にしたがって指定の金額を納付すればOKです。

    課税の目安は「290万円」

    おおまかにいうと、青色申告特別控除を差し引く前の事業所得が290万円以下の個人事業主は、個人事業税を納付する必要がありません。

    税率は3%~5%

    税率は、収入から経費や各種控除を差し引いた額の3%~5%です。事業内容によって異なりますが、畜産・水産業や各種医業などを除き、多くの場合は税率5%です。

    納付は原則として8月・11月の年2回払い

    毎年8月に、都道府県税事務所から、個人事業税の納税通知書が届きます。これにしたがって、記載の金額を納付しましょう。なお、年間の事業所得が290万円以下の個人事業主には、納税通知書は送られてきません。

    基本的には8月と11月の2回に分けて納付しますが、地域によっては一括払いが選択できる場合もあります。個人事業税は事業に課せられる税金なので、支払った税金は経費に計上できます。仕訳の勘定科目は「租税公課」です。

    まとめ – 個人事業主が納める主な4つの税金

    個人事業主が納める主な税金は「所得税」「所得税」「住民税」「個人事業税」の4つです。これらの特徴や、免除される場合について、それぞれまとめました。

    納付時期 納付方法 免除になる目安
    所得税 3月15日(確定申告の期限日)まで 確定申告を通して税務署に申告・納付 所得が48万円以下
    消費税 3月31日まで 税務署に申告・納付
    • 開業してから2年以内
    • 2年前の売上高が1,000万円以下
    住民税 6月・8月・10月・翌年1月 納税通知書にしたがって納付 所得が非課税限度額以下(均等割・所得割それぞれ異なる)
    個人
    事業税
    8月・11月 納税通知書にしたがって納付 事業所得が年間290万円以下

    所得税

    所得税の納付期限日は、確定申告の期限日と同じ3月15日です。所得税は、確定申告の際に納税額を自分で算出する必要があります。

    所得税は所得(利益)にかかる税金なので、赤字の年度はもちろん、事業所得が基礎控除(48万円)内に収まれば納税は不要です。事業が機動に乗ってきたら、だいたいの場合は納めなくてはならない税金です。

    所得税の計算方法

    所得税の計算方法

    消費税

    消費税の納付期限日は3月31日です。以下の免税事業者の条件いずれかに当てはまる個人事業主は、原則的に消費税の納付義務はありません。

    消費税の免税事業者の条件

    • 開業してから2年以内
    • 前々年の課税売上高が1,000万円以下

    ただし前年の上半期(1月~6月)という「特定期間」内に、以下の2つの条件をどちらも満たした場合は、開業2年目でも消費税を納めなければいけません。

    • 課税売上高が1,000万円を超えた場合
    • 支払った給与等の金額が1,000万円を超えた場合

    住民税

    住民税は、毎年6月上旬~中旬に届く納税通知書にしたがって納付します。6月の一括払いか、4回払い(6月・8月・10月・翌年1月)から、納付方法が選べます。

    住民税は「均等割」と「所得割」から構成されていて、均等割は年間だいたい4,000円~5,000円前後、所得割は基本的に課税所得の10%から税額控除を差し引いた額です。

    所得が一定基準以下の場合は、住民税が非課税になります。均等割と所得割で、この基準( = 非課税限度額)はそれぞれ異なります。

    住民税の非課税限度額

    均等割 所得割
    28万円・31.5万円・35万円の3段階
    (地域ごとに異なる)
    全国一律35万円
    (扶養家族がいればさらに優遇あり)

    個人事業税

    個人事業税は、毎年8月に届く納税通知書にしたがって納付します。原則的に8月と11月の2回に分けて納付しますが、一括払いができる地域もあります。個人事業税は営む事業に対してかかる税金で、税率は3%~5%と事業によって異なります。

    個人事業税が免除される場合

    基本的には事業所得が年間290万円以内であれば、個人事業税を納付する必要はありません。年の途中で開業した場合などは、控除額は290万円の月割となります。

    監修

    柴田会計事務所
    税理士
    柴田 裕士
    1983年生まれ、千葉県出身。高校卒業後にプロレスラーを目指し大阪プロレスに入門するが怪我によりプロレスラーになるのを断念した後、税理士試験を通過し税理士となった異色の経歴を持つ。現在は東京都板橋区にて10人規模の税理士事務所を経営している。