扶養控除とは?対象になる親族の要件や控除額など

更新日: 2020/08/28
扶養控除とは?対象になる親族の要件や控除額など

扶養控除とは、16歳以上の「扶養親族」がいる場合に受けられる所得控除のこと。「扶養親族」の範囲は法律で定められており、給与収入が103万円を超える親族などは含まれません(103万円の壁)。控除額は、扶養親族1人につき38万円が基本です。

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目次

    扶養控除とは?

    16歳以上の「扶養親族」がいる納税者は、その人数分だけ扶養控除という所得控除を受けられます。「扶養親族」とは、ざっくり言うと「養っている家族・親戚」のこと。控除額は1人につき38万円が基本ですが、扶養親族の年齢によって異なります。

    所得税算出のおおまかな流れ

    配偶者は「扶養親族」に含まれないため、扶養控除の対象にはなりません。配偶者を養っている場合は、「配偶者控除(配偶者特別控除)」という別の所得控除を受けることができます。

    また、事業専従者として給与を受け取っている親族も、扶養控除の対象にはなりません。1人の親族について、「専従者控除」や「専従者給与」と扶養控除を同時に申告はできないということです。

    親族を複数人で養っている場合

    1人の親族を複数の納税者で養っている場合でも、扶養控除を受けられるのは1人だけです。たとえば、実家の母親に兄弟2人で仕送りをしていても、2人が同時に扶養控除を受けることはできません。原則的には、先に申告をした納税者に控除が適用されます。

    同じ親族についての扶養控除を受けられる納税者は1人

    上図のように、1人の納税者が複数人分の扶養控除を受けることはできても、複数の納税者が同じ親族を対象とした扶養控除を受けるのはNGだということです。

    扶養控除の要件 – 16歳以上の扶養親族がいること

    扶養控除の要件とは、ズバリ「16歳以上の扶養親族がいること」です。ただし「扶養親族」に該当する人の範囲は、所得税法で定められています。ちなみに「16歳以上」というのは、その年の12月31日時点での年齢で判断します。

    同じ親族を対象とした扶養控除を受けられる納税者は1人だけ

    所得税法が定める「扶養親族」とは、その年の12月31日時点で、以下の4つ全てに当てはまる人のことを指します。

    「扶養親族」の要件

    1. 配偶者以外の親族、もしくは「里子」や「養護を委託された老人」
    2. 納税者と生計を一にしていること
    3. 給与収入が年間103万円以下であること(年間の合計所得金額が48万円以下)
    4. 事業専従者として納税者の営む事業に従事していないこと

    上記4つの要件をすべて満たす16歳以上の親族(里子などを含む)がいれば、納税者は扶養控除を受けられるということです。

    ちなみに「生計を一にしている」とは、「同じ財源で生活している」状態を指します。対象の親族と同居していれば、基本的に「生計を一にしている」と認められます(明らかにお互いが独立した生活を営んでいる場合を除く)。
    >> 扶養親族の要件について

    扶養親族の年齢で異なる控除額 – 基本は38万円

    扶養控除の控除額は、1人につき38万円が基本ですが、扶養親族の年齢によって以下のように異なります。教育費がかさむ年代や、高齢の場合には、家庭の負担を減らすために控除額が高く設定されています。

    扶養親族の年齢 1人あたりの控除額
    16歳~18歳、23歳~69歳 38万円
    19歳~22歳 63万円
    70歳以上 48万円 (「同居老親等」以外の場合)
    58万円 (「同居老親等」の場合)

    (年齢はすべてその年12月31日時点のもの)

    「同居老親等」とは、納税者と配偶者の父母・祖父母などのうち、納税者(もしくは納税者の配偶者)と同居している人のこと。1年以上の長期入院をしている場合なども、病気の治療のための入院である限り「同居」と見なされます。ただし、老人ホームなどへ入所している場合は「別居」の扱いになります。
    >> 「同居」の範囲 – 国税庁

    確定申告書Bの記入方法

    確定申告によって扶養控除を受ける際は、確定申告書Bの第一表に控除額、第二表に扶養親族の情報(マイナンバーなど)を記入します。扶養親族と別居している場合のみ、第二表のいちばん左下にも名前と住所を記入しましょう。

    確定申告書Bの第一表 確定申告書Bの第二表
    令和元年分以降用 確定申告書B 第一表「扶養控除」 令和元年分以降用 確定申告書B 第二表「扶養控除」

    第二表の「⑲扶養控除」の欄には、以下のように記入すればOKです。

    令和元年分以降用 確定申告書B 第二表「扶養控除」記入例

    なお、扶養親族が国外にいる場合のみ、納税者とその親族との関係を示す書類の添付が必要になります。その際に添付するのは、戸籍・パスポートのコピーや、仕送りしていることを証明する送金依頼書の控えなどです。

    親族の給与収入が103万円を超えたら -「103万円の壁」

    年間の給与収入が103万円を超える親族は「扶養親族」から除外され、納税者はその分の扶養控除を受けられません。これが、いわゆる「103万円の壁」。親族の給与収入が103万円を超えると、納税者の所得税が増すことになります。(親族の収入が給与収入のみの場合)

    たとえば、納税者の所得が500万円程度の場合、38万円の扶養控除が受けられなくなると、その他の所得控除が100万円分あったとしても、所得税は7.6万円増えることになります。親族の給与収入が103万円前後で、きわどい金額の場合は注意しましょう。

    親族の給与収入
    103万円以下 103万円超
    納税者 扶養控除が受けられる 扶養控除が受けられない
    親族自身 所得税の納付は不要 所得税の納付義務が発生

    また、給与収入が103万円を超える場合は、その親族自身も所得税の納付が必要になります。とはいえ収入が少なければ、こちらは大きな額になりません。たとえば、給与収入が110万円になっても、その親族自身の納税額は単純計算で年間3,500円だけです。

    まとめ – 扶養控除の重要ポイント

    扶養控除とは、「16歳以上の扶養親族」がいる場合に受けられる所得控除です。扶養親族の範囲は所得税法で定められており、配偶者や事業専従者などは除外されます。

    扶養控除の対象となる要件

    扶養控除の重要ポイント

    • 扶養控除は、16歳以上の扶養親族の人数分だけ受けられる
    • 控除額は1人につき38万円が基本だが、扶養親族の年齢によって異なる
    • 1人の親族を複数人で養っている場合でも、扶養控除を受けられるのは1人だけ
    • 給与収入が年間103万円を超える親族は、扶養親族から除外される
    • 配偶者は扶養控除の対象外だが、要件を満たせば「配偶者控除」が受けられる
    • 事業専従者は扶養控除の対象から外れる

    扶養控除の控除額は、扶養親族の年齢によって以下のように異なります。

    扶養控除の控除額

    扶養親族の年齢 1人あたりの控除額
    16歳~18歳、23歳~69歳 38万円
    19歳~22歳 63万円
    70歳以上 48万円 (「同居老親等」以外の場合)
    58万円 (「同居老親等」の場合)

    (年齢はすべてその年12月31日時点のもの)

    なお、「同居老親等」とは、納税者の父母・祖父母(義理の父母・祖父母を含む)などのうち、納税者(もしくは納税者の配偶者)と同居している人のことです。