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【新型コロナ】給付金・助成金等の課税関係まとめ

更新日: 2021/09/06 投稿日: 2020/08/27
【新型コロナ】給付金・助成金等の課税関係まとめ

給付金や助成金などは、基本的に課税対象になりえます。ただし、10万円の「特別定額給付金」のように、特別に非課税として扱われるものもあります。本記事では主な給付金等の取り扱いを、表などでわかりやすく整理しています。

INDEX

目次

    課税?非課税?主な給付金等の一覧

    新型コロナ関連の給付金・助成金等(あとで返済する必要がないもの)については、課税対象になるものと、そうでないものとに分けられます。個人事業主にかかわる給付金等のうち、主要なものをピックアップして、下表に整理しました。

    課税 非課税
    • 持続化給付金(最大100万円)
    • 家賃支援給付金
    • 雇用調整助成金
    • 小学校休業等対応支援金
    • 東京都の感染拡大防止協力金
    • ベビーシッター補助券(通常時)
    • 特別定額給付金(一律10万円)
    • 子育て特別給付金
    • 雇用保険の失業等給付
    • 児童(扶養)手当
    • 東京都のベビーシッター利用支援
    • ベビーシッター補助券(コロナ特例)

    課税対象の給付金等は、一定のルールにしたがって集計し、必要に応じて確定申告をしなくてはなりません。申告する際の所得区分によって、税務処理の方法が少し異なります。これについては、あとで順番に説明します。

    一方、非課税の給付金等は所得に含まれないので、申告や帳簿書類の保存は基本的に不要です。ただし、個人事業主の方は「事業主貸」や「事業主借」の科目で記帳しておくべきケースもあります(事業用口座のお金をプライベートで使ったときなど)。

    所得区分のちがい

    個人事業主がコロナ関連で給付金や助成金を受け取る場合は、ほぼ事業所得に区分されると考えて構いません。課税対象の給付金等は、種類によって所得区分が以下のように異なります。

    課税される給付金等の所得区分

    事業所得*
    • 持続化給付金(事業所得者向け)
    • 家賃支援給付金
    • 農林業者への経営継続補助金
    • 文化芸術、スポーツ活動の継続支援
    • 東京都の感染拡大防止協力金
    • 雇用調整助成金
    • 小学校休業等対応支援金
    一時所得
    • 持続化給付金(給与所得者向け)
    • 地域振興券(自治体が発行するプレミアム付商品券など)
    雑所得

    * ふだん事業所得を得ていない場合は、他の区分で申告する場合もあります

    上表の分類は、国税庁サイトの「よくある質問」に基づいて作成しました。なお、所得区分によって、下図のように所得の計算方法が異なります。といっても、基本的な考え方はほとんど同じです。

    事業所得・一時所得・雑所得の計算方法

    当然ながら、事業所得に区分される給付金等を得たら、きちんと帳簿づけをしなくてはなりません。そして「給付通知書」などの書類も、5年(青色申告者は7年)保管しておきましょう。

    一時所得や雑所得に区分される給付金等については、帳簿づけ等は不要です。ただし、必要経費等が生じた場合、その領収書などは少なくとも5年は保管しておいたほうがよいです(この場合も帳簿づけは不要)。

    ① 事業所得となる給付金等 – 仕訳例

    事業所得に計上される給付金等は、売上ではないため「雑収入」の科目で記帳します。消費税区分は「不課税」です。雑収入は、名称が「雑所得」とそっくりで紛らわしいですが、まったくの別物です。

    たとえば、2020年8月4日に、家賃支援給付金として「30万円 × 6ヶ月分 = 180万円」を申請したとします。その後、8月17日に180万円が事業用口座に入金された場合は、次のように仕訳をします。

    複式簿記の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2020年8月17日 普通預金 1,800,000 雑収入 1,800,000 家賃支援給付金

    単式簿記の場合は、以下のように記帳します。なお、国税庁がネットで公開している「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」に基づいて例示していますが、必要項目が不足なく整理された状態で明示されていれば、この通りでなくても構いません。

    単式簿記の記帳例

    日付 雑収入等 摘要
    2020年8月17日 1,800,000 家賃支援給付金

    >> 単式簿記と複式簿記の違い

    ② 一時所得・雑所得となる給付金等 – 申告方法

    一時所得や雑所得に区分される給付金等は、基本的に帳簿づけしなくてOKです。そのかわり、確定申告をするとき、申告書の第二表に、大まかな内訳を以下のように記載する必要があります。

    持続化給付金(給与所得者用)を一時所得で申告する記入例(申告書B第二表)

    上図は、93万円の持続化給付金(給与所得用)を、フリーランスの方が受け取った場合の記入例です。行政書士に3万円を支払い、申請の支援をしてもらったと仮定して、その代金を「必要経費等」に計上しています。すると「差引金額」は90万円となります。

    さらに、一時所得に限っては、50万円の「特別控除」が適用されます。よって、特別控除を差し引いた「90万円 - 50万円 = 40万円」が、一時所得の金額となるわけです。これを申告書の第一表に記入します。

    ちなみに、第二表には「所得の内訳」という記入欄もあります。しかし、これは源泉徴収を受けた収入を書くところなので、持続化給付金の受取金額は「所得の内訳」欄には記入しません。

    まとめ

    給付金や助成金を受け取ったら、税務処理の方法を確認する必要があります。まずは課税対象かどうかを確認し、課税対象である場合には、所得区分も確認しましょう。処理方法のちがいをざっくりまとめると、以下のようになります。

    課税 非課税
    事業所得 一時所得・雑所得
    帳簿づけ 必要
    ※科目は「雑収入」
    不要 不要
    確定申告 必要 必要 不要
    主な給付金等 ・持続化給付金
    ・家賃支援給付金
    ・持続化給付金(特例*)
    ・地域振興券
    ・特別定額給付金
    ・子育て特別給付金

    * 主たる収入を給与所得や雑所得として確定申告した場合の特例

    なお、上表で「帳簿づけ不要」とした給付金等でも、事業用口座で受け取った場合には「事業主借」の勘定科目で記帳しておきましょう。個人用と事業用とを併用している口座で受け取った場合も同様です。
    >> 事業主貸・事業主借をわかりやすく解説

    給付を受けると税金が高くなってしまうのか?

    課税対象の給付金等を受け、前年比で課税所得が増える場合と減る場合

    課税の給付金等を受け取っても、前年比で考えれば、税額が低くなる場合もあります。また、受け取ったお金を必要経費等に充てた場合は、そのぶん所得が低くなり、結果的に税額も低くなります。課税されるからといって、給付申請をためらう必要はないのです。

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