荷造運賃とは?通信費や消耗品費との使い分けなど

更新日: 2020/09/15
荷造運賃とは?通信費や消耗品費との使い分けなど

荷造運賃は、商品・製品を販売する際、梱包や発送などにかかる諸経費の総称です。代表例として、運送会社に支払う送料が挙げられます。荷造運賃は、海外に発送する場合の送料などを除き、基本的に消費税の「課税」対象です。

INDEX

目次

    荷造運賃とは ‐ 顧客に商品や製品を届けるまでの経費

    「荷造運賃(にづくりうんちん)」は、販売した商品や製品を顧客に届けるのにかかる経費について、帳簿上で会計処理するための勘定科目です。実務上は、運送会社に送料を支払う場合に使うことが多いです。基本的に、消費税区分は「課税」となります。

    製造業・卸売業・小売業など、商品・製品を発送する幅広い業種に関係する勘定科目です。運送会社に委託した場合の送料など(運賃)だけでなく、梱包したり伝票を書いたりといった一連の発送準備(荷造)にかかる梱包資材費用や委託費用まで、荷造運賃に含みます。

    荷造運賃とは荷造費と運賃にかかる経費

    荷造運賃には、消費税がかかります。国内において対価を得る取引については、原則として消費税の課税対象となるためです。日本を経由しない、海外から海外への運賃などは「不課税」です。日本から海外へ発送する場合は「免税」となります。
    >> 消費税の課税・非課税って何? – 個人事業の消費税入門

    荷造運賃として計上する費用の具体例

    商品・製品の発送に直接的に関係するかぎり、そのためにかかった費用は、基本的に「荷造運賃」として計上できることになります。ただし実務上は、煩雑なために別の勘定科目として処理してOKというケースも多いです。

    荷造運賃に該当する費用 ‐ 一般的な事例

    荷造費 運賃
    • ダンボール箱、木箱、包装紙
    • ガムテープ、のり、ひも
    • 緩衝材(気泡シートなど)
    • ガソリン代
    • 外部委託費用
    • 検査手数料
    • 郵便小包
    • レターパック
    • 書留
    • 宅配便
    • 船舶、鉄道、航空機などの輸送費

    たとえば、商品梱包専用にダンボールなどを用意している場合は、荷造運賃に計上するのが妥当です。ガソリン代も、商品運搬に使っている車両がある場合は、荷造運賃の勘定科目となります。農作物等を出荷する際、検査手数料が発生する場合も、荷造運賃です。

    記帳の具体例 ‐ 単式簿記・複式簿記

    記帳方法には大まかに「単式簿記」と「複式簿記」の2種類があり、青色申告特別控除(65万円・55万円控除)を狙いたい事業者のみ、「複式簿記」で記帳する必要があります。複式簿記の場合、荷造運賃は「費用」勘定となりますので、勘定科目を借方(左側)に記入します。

    宅配便を使って顧客に商品を発送し、送料税込2,200円を現金で支払った場合は、次のように記帳します。勘定科目の設定は事業者の方針によっても異なりますので、あくまで参考例です。

    複式簿記の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月20日 荷造運賃 2,200 現金 2,200 〇〇運輸 配送料

    単式簿記の場合、日付・金額・内容などの取引実態が正確に記帳されていれば、帳簿の様式に定めはありません。下記は一例として、経費欄がある様式を使用しています。

    単式簿記の記帳例

    日付 荷造運賃 摘要
    20XX年5月20日 2,200 〇〇運輸 配送料

    「通信費」「消耗品費」との使い分け ‐ 荷造運賃に計上してもよい

    荷造運賃と混同しやすいのが、通信費消耗品費です。しかし結論から言って、事業の実態と合っていて一貫性があれば、どの勘定科目で処理しても構いません。税額計算では、結局どちらも費用として処理されるので大きな問題にはなりません。

    「通信費」‐ 商品・製品以外を発送する場合

    たとえば、商品の発送にかかる費用は「荷造運賃」ですが、カタログの発送費用など、商品・製品以外のものを発送する際は「通信費」を使うのが一般的です。

    事業者のなかには、大きな荷物を送る時は「荷造運賃」、小さな書類などは「通信費」というように、サイズや送付物の内容によって使い分ける場合もあります。それでも使い分けの基準が常に一貫していれば問題はありません。

    「消耗品費」‐ 汎用性の高い物品を購入する場合

    ガムテープのように、使途が商品・製品の発送のみに限定されない、汎用性が高い物品を費用計上するときには、「消耗品費」の勘定科目を使うのが適当です。反対に、商品梱包専用のダンボールを用意する場合などは、「荷造運賃」に計上しても構いません。

    「仕入」との使い分け ‐ 基本的には荷造運賃に計上しない

    販売時だけでなく、商品や製品材料を仕入れる際にも、送料を負担する場合があります。これは販売した商品などを届けるための費用ではないため、荷造運賃ではなく「仕入」の勘定科目で処理するのが普通です。

    ただし、仕入れる際の送料であっても、少額であったり頻度が少なかったり、重要性が低い取引については、荷造運賃として処理してもOKです。

    まとめ ‐ 荷造運賃のポイント

    荷造運賃は勘定科目の一つで、商品や製品を顧客に届ける際にかかる経費を会計処理するのに使います。運送会社に支払う送料を仕訳するのに使われることが多いです。

    荷造運賃の重要ポイント

    • 荷造運賃は商品や製品の発送にかかる経費のこと
    • 国内への送料は、消費税の「課税」対象
    • 海外への送料は、消費税が「免税」
    • 商品や製品以外のものを発送するときは通信費
    • 商品や製品の発送以外にもよく使用する物品は消耗品費

    「消費税区分」と、「発送するものが商品・製品かどうか」が、荷造運賃として計上する際のポイントとなります。海外への送料は消費税区分が「免税」となります。商品や製品以外のものを発送するときは、「通信費」や「消耗品費」として仕訳をします。

    荷造運賃に該当する費用 ‐ 一般的な事例

    荷造費 運賃
    • ダンボール箱、木箱、包装紙
    • ガムテープ、のり、ひも
    • 緩衝材(気泡シートなど)
    • ガソリン代
    • 外部委託費用
    • 検査手数料
    • 郵便小包
    • レターパック
    • 書留
    • 宅配便
    • 船舶、鉄道、航空機などの輸送費

    業態によっては、上表に記載のある費用であっても、他の科目を使ったほうがよいケースもあります。税額計算で問題が発生しないよう記帳することと、一貫性のある記帳を行なうことが大切です。