同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の違い

更新日: 2026/04/16
同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の違い

「同一生計配偶者」「控除対象配偶者」「源泉控除対象配偶者」の意味をわかりやすく解説します。年末調整や確定申告の際に参考にしてください。

目次

    同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の違いとは

    3つの区分の意味と所得要件

    同一生計配偶者 障害者控除や住民税免除に関わる概念
    主な条件:年収131万円以下であること(恒久ベース。R8・R9特例期間中は136万円以下)
    控除対象配偶者 配偶者控除の対象者を示す言葉
    主な条件:年収131万円以下であること(恒久ベース。R8・R9特例期間中は136万円以下)
    源泉控除対象配偶者 給与の源泉徴収で使われる概念
    主な条件:年収178万円以下であること(恒久ベース。R8・R9特例期間中は183万円以下)

    前提として、同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の3つは「使われる場面」や「使われる目的」が異なります。

    所得要件に従って下図のように整理できますが、そもそも異なる場面で使われる区分なので、スッキリ区別できるわけではありません。ひとりの配偶者が3つすべてに該当する、ということもあります。

    同一生計・控除対象・源泉控除対象配偶者の所得要件

    ※ 上図は改正前の数値。改正後の数値は上の一覧を参照

    ここで言う「合計所得金額」については、ひとまず「すべての所得をひっくるめた金額」と考えておきましょう。一般的な会社員や専業の個人事業主など、そもそも1種類の所得しか得ていない人は、その額がそのまま「合計所得金額」になります。(詳細は後述)

    なお、所得以外に「あなたと生計を一にする配偶者であること」などという要件も定められています。

    「生計を一にする」とは?
    「同じ財源で生活している状態」を指す言葉。同居しているなら、基本的に「生計を一にしている」と考えてよい。なお、生活費を送金していれば、別居でも「生計を一にしている」と認められることがある。
    >>「生計を一にする」の判断基準

    ここからは、各区分の要件などについて詳しく説明していきます。

    所得要件の整理

    • 同一生計配偶者・控除対象配偶者:配偶者の合計所得金額 62万円以下(給与収入のみなら131万円以下〈恒久〉/ 136万円以下〈R8・R9特例〉)
    • 源泉控除対象配偶者:配偶者の合計所得金額 109万円以下(給与収入のみなら178万円以下〈恒久〉/ 183万円以下〈R8・R9特例〉)

    同一生計配偶者とは?要件と年収の目安をわかりやすく解説

    あなたに課される要件 配偶者に課される要件
    なし
    • 合計所得金額が62万円以下
      (給与収入のみなら年収131万円以下〈恒久〉/ 136万円以下〈R8・R9特例〉)
    • あなたと生計を一にしている
    • 白色の専従者に該当しない
    • 青色の専従者として給与を受けていない

    上記の要件を満たす配偶者は、あなたの「同一生計配偶者」に該当します。「同一生計配偶者」は、障害者控除や住民税の減免制度などに関わる区分です。

    「同一生計配偶者」が関係する主な税制

    障害者控除 同一生計配偶者が障害者なら、あなたは障害者控除を受けられる
    住民税の免除 同一生計配偶者がいると、あなたは住民税の非課税限度額が高くなる(住民税を免除されるハードルが下がる)
    住民税の軽減* 誰かの同一生計配偶者に該当する人は、市区町村民税の均等割が軽減される

    * 軽減制度がない自治体もある

    単純に「配偶者が同一生計配偶者に該当する」というだけでは、税金に影響が出ない場合も多いです。「同一生計配偶者」は扶養親族と似た概念で、ごく簡単に言えば、ひとまず「この人が養ってますよ」と示すための区分に過ぎません。

    「同一生計配偶者」について記入する書類の例

    会社員の場合 個人事業主などの場合
    給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    ※ 通称「マル扶」
    確定申告書(第二表)
    扶養控除等申告書 - 同一生計配偶者の記入欄 確定申告書第二表 - 配偶者の記入欄

    会社員が会社に提出する「扶養控除等(異動)申告書」には、”障害者に該当する”同一生計配偶者の情報を記入します。ここで、あなたの同一生計配偶者が障害者であることを申告すると、あなたの給与や賞与から源泉徴収される税額が軽減されます。

    確定申告書では、第二表に配偶者の情報を記入する欄があります。右のほうにある「同一」の項目は、あなたの配偶者が「同一生計配偶者」で、かつ、あなたの合計所得が「1,000万円超」のときだけ◯をつけます。

    給与収入からの換算方法【改正前後の比較表つき】

    給与収入から給与所得控除を差し引いた額が「合計所得金額」になります。

    改正前 改正後(R8・R9特例)
    給与所得控除 最低保障額 65万円 74万円
    所得要件 58万円以下 62万円以下
    給与収入の目安 123万円以下 136万円以下

    控除対象配偶者とは?配偶者控除を受けるための条件

    あなたに課される要件 配偶者に課される要件
    • 合計所得金額が1,000万円以下
      (給与収入のみなら年収1,195万円以下)
    • 合計所得金額が62万円以下
      (給与収入のみなら年収131万円以下〈恒久〉/ 136万円以下〈R8・R9特例〉)
    • あなたと生計を一にしている
    • 白色の専従者に該当しない
    • 青色の専従者として給与を受けていない

    あなたと配偶者が上記の要件を満たせば、あなたの配偶者は「控除対象配偶者」に該当します。「控除対象配偶者」とは、簡単に言うと「配偶者控除の対象となる配偶者」を指す言葉です。

    「控除対象配偶者」には、「配偶者”特別”控除の要件を満たす配偶者」は含まれない。「配偶者控除」と「配偶者特別控除」は、書類上では「配偶者(特別)控除」のように一括して記載されることも多いが、控除対象配偶者の判定においては区別する必要がある。

    「控除対象配偶者」が関係する主な税制

    配偶者控除 配偶者が「控除対象配偶者」に該当するとき、あなたは配偶者控除を受けられる(控除額は、あなたの所得や配偶者の年齢によって異なる)

    ちなみに「老人控除対象配偶者」という言葉もありますが、これは「70歳以上の控除対象配偶者」を指す区分です。配偶者が「老人控除対象配偶者」に該当すると、配偶者控除の控除額がアップします。

    「控除対象配偶者」について記入する書類の例

    会社員の場合 個人事業主などの場合
    給与所得者の配偶者控除等申告書
    ※ 通称「マル基配所」
    確定申告書(第二表)
    配偶者控除等申告書 - 控除対象配偶者の記入欄 確定申告書第二表 - 配偶者の記入欄

    年末調整の際、会社員は会社に「配偶者控除等申告書」を提出します。この書類で「私の配偶者の所得は〇〇円なので、配偶者控除を適用してください」と申告するわけです。基礎控除と所得金額調整控除の申告も兼ねた様式になっています。

    確定申告書では、第二表に配偶者の情報を記入する欄があります。「同一」の欄は、あなたの所得が1,000万円以下であれば◯をつけません。ここに◯をつけるのは「控除対象配偶者に該当しない同一生計配偶者」だけです。

    源泉控除対象配偶者とは?源泉徴収での判定基準を解説

    あなたに課される要件 配偶者に課される要件
    • 合計所得金額が900万円以下
      (給与収入のみなら年収1,095万円以下)
    • 合計所得金額が109万円以下
      (給与収入のみなら年収178万円以下〈恒久〉/ 183万円以下〈R8・R9特例〉)
    • あなたと生計を一にしている
    • 白色の専従者に該当しない
    • 青色の専従者として給与を受けていない

    あなたと配偶者が上記の要件を満たせば、あなたの配偶者は「源泉控除対象配偶者」に該当します。「源泉控除対象配偶者」は、給与や賞与(ボーナス)の源泉徴収において「扶養親族等」の1人としてカウントされます。

    「源泉控除対象配偶者」が関係する主な税制

    給与・賞与の源泉徴収 配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当するとき、あなたは給与や賞与から源泉徴収される税額が軽減される

    会社は、下図のような「源泉徴収税額表」を参考に、従業員の給与や賞与から所得税を天引きしています。上部にある「扶養親族等の数」が多いと、源泉徴収される金額が下がる仕組みです。

    「扶養親族等の数」で天引き金額が軽減 - 源泉徴収税額表

    配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当すると、この「扶養親族等の数」が1人分増えます。これにより、あなたの給与や賞与から源泉徴収される金額が減るのです。

    「源泉控除対象配偶者」について記入する書類の例

    会社員の場合 個人事業主などの場合
    給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    ※ 通称「マル扶」
    特になし
    扶養控除等申告書 - 源泉控除対象配偶者の記入欄

    給与所得者が会社に提出する「扶養控除等(異動)申告書」には、源泉控除対象配偶者の個人情報や、所得の見積額を記入する欄があります。ここで「配偶者の所得が109万円以下になりそうなので、源泉徴収の際に考慮してください」と申告するわけです。

    「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、その年の「最初の給与の支払を受ける日の前日」までに提出することが定められている。会社によっては年末調整の際に渡されるケースもあるが、その場合は「翌年分」であることが多い。

    ちなみに、源泉控除対象配偶者の要件は、「配偶者控除」および「控除額38万円の配偶者特別控除」の要件と一致します。したがって、源泉控除対象配偶者がいる人は、所得の見積額と実態が大きく変わらない限り、年末調整で配偶者控除か配偶者特別控除を受けられます。

    月次の源泉徴収と年末調整での判定基準の違い

    源泉徴収実務との違いについて
    令和8年版「源泉徴収のしかた」では、月次の源泉徴収における源泉控除対象配偶者の判定基準は旧基準(合計所得95万円以下・給与収入160万円以下)のままとなっています(所得税法第2条第1項第33号の4の本則値)。改正後の109万円は租税特別措置法による特例であり、令和7年の基礎控除引上げ時と同様の対応であれば、年末調整または確定申告で精算される見込みです。

    合計所得金額とは?給与収入からの計算方法

    前述したように、そもそも1種類の所得(給与所得事業所得)しか得ていない人は、その金額をそのまま「合計所得金額」と考えてOKです。

    給与所得の金額は、2つの会社に勤めていたりしない限り、会社から受け取る「源泉徴収票」で確認できます。

    給与収入と給与所得はどこか - 源泉徴収票

    複数の所得があるときの考え方

    複数の所得を得ている人は、「合計所得金額」の計算が複雑になる場合もあります。具体的には、下記のような流れで計算しなくてはなりません。

    合計所得金額の考え方

    損益通算」とは、一定のルールに従って「黒字の所得」から「赤字の所得」を差し引く処理のことです。たとえば、事業所得が250万円の黒字でも、不動産所得で100万円の赤字がある場合、合計所得金額は150万円(250万円 - 100万円)になります。
    合計所得金額の考え方について詳しく

    まとめ – 3区分の所得要件を一覧で比較

    同一生計配偶者・控除対象配偶者・源泉控除対象配偶者の3つは、どれも異なる場面・目的で使われる区分です。まずは各区分の意義を理解しておきましょう。

    同一生計配偶者 障害者控除や住民税の減免制度などに関わる区分
    配偶者が「同一生計配偶者」に該当しても、あなたの税金に影響が出るとは限らない
    控除対象配偶者 配偶者控除の対象者を示す際に用いられる区分
    配偶者が「控除対象配偶者」に該当すると、あなたは配偶者控除を受けられる
    源泉控除対象配偶者 源泉徴収税額の計算において用いられる区分
    配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当すると、あなたは給与や賞与から源泉徴収される税額が減る

    各区分の所得要件についても、混同しやすいので注意が必要です。「あなたの所得に課される要件」と「配偶者の所得に課される要件」を、それぞれ以下にまとめました。

    年間ベースの所得要件(確定申告・年末調整後)

    あなたの所得 配偶者の所得
    同一生計配偶者 要件なし 合計所得金額62万円以下
    給与のみ:年収136万円以下
    控除対象配偶者 合計所得金額1,000万円以下
    給与のみ:年収1,195万円以下
    合計所得金額62万円以下
    給与のみ:年収136万円以下
    源泉控除対象配偶者 合計所得金額900万円以下
    給与のみ:年収1,095万円以下
    合計所得金額109万円以下
    給与のみ:年収183万円以下

    同一生計・控除対象・源泉控除対象配偶者の所得要件

    ※ 上図は改正前の数値。改正後の数値は上の表を参照

    なお、上図のとおり「控除対象配偶者」の多くは「同一生計配偶者」と「源泉控除対象配偶者」にも該当します。スッキリ区別できないのでややこしいですが、ひとまず書類等で「〇〇配偶者」という欄があったとき、各区分を混同せずに書ければ問題ありません。

    参考:月次源泉徴収での判定基準

    配偶者の所得(月次判定) 配偶者の給与収入目安(月次判定)
    同一生計配偶者 58万円以下 123万円以下
    源泉控除対象配偶者 95万円以下 160万円以下
    上記の月次判定基準は、令和8年版「源泉徴収のしかた」に基づく値です。令和7年の基礎控除引上げ時と同様の対応であれば、R8年度改正分との差額は年末調整(12月)または確定申告で精算される見込みです。具体的な取扱いは、国税庁が年末調整関連の資料を公表次第(例年9〜10月頃)確定します。
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