確定申告書「第一表」の書き方・見方をわかりやすく説明します。2022年分(令和4年分)以降、申告書AとBの区別がなくなり、個人事業主も会社員も同じ様式を使って確定申告を行うことになりました。
INDEX
目次
確定申告書の構成 – 第一表
確定申告では「申告書 第一表」と「申告書 第二表」を必ずセットで提出します。第二表から第一表へ転記する項目があるので、手書きの場合は第二表から書き始めましょう。
確定申告書 第一表- 全体の構成
e-Tax(イータックス)や市販の会計ソフトで作成する場合も、最終的にはこの形で出力・表示されます。どこに何が書かれているのか、しっかり把握しておきましょう。
会計ソフトで確定申告するメリット
- 帳簿を作成するだけで、確定申告書の大部分を自動作成できる
- 青色申告による特典を利用しやすいので、簡単に節税できる
- 電子データによる帳簿書類の保存が容易で、申告後の書類管理を効率化できる
確定申告対応の会計ソフトを利用すれば、面倒な税額計算などを自動化でき、人為的なミスも防ぎやすくなります。「事業所得」として申告するなら、どのみち帳簿付けは必須ですから、ぜひ導入を検討してみましょう(帳簿がなければ原則「雑所得」)。
「申告書A」と「申告書B」の違い – 2021年分まで
2021年分(令和3年分)までは「申告書A」と「申告書B」の区別が存在しました。今後も還付申告や修正申告などで、過去の年分にさかのぼって申告する場合のみ、これらを使い分ける必要があります。
2021年分以前の確定申告書類 – 申告書AとBの違い
1. 日付など
______税務署長
管轄の税務署名を記入します。国税庁のウェブサイトで自宅等の住所を入力すれば、管轄の税務署を検索できます。
令和__年___月___日
確定申告書の提出日を記入します。2023年分の確定申告であれば、令和6年(2024年)1月以降の日付となります。西暦で書いてはダメという決まりはないですが、本記事では無難に和暦で統一しておきます。
令和0□年分の所得税及び復興特別所得税の 申告書
「0□」の部分には、確定申告の対象年を記入します。2023年分なら「令和05年分」です。「 申告書」の空白には「確定」と書きます(還付申告でも「確定」と記入する)。
2022年 | 2023年 | 2024年 |
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令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
2. 本人の基本情報
本人の住所・氏名などを記入します。個人番号(マイナンバー)の記入も義務付けられています。個人番号は、マイナンバーカードや住民票で確認できます。
すぐに自分のマイナンバーを知る方法
現在の住所 または 居所 事業所等 |
提出日の時点で住んでいる自宅の住所 (個人事業主が事業所を納税地とする場合は「事業所」に○をして、点線の上に事業所、下に自宅の住所を書く) |
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令和 年1月1日の住所 | 令和5年分の申告では、令和6年1月1日時点の住所を書く ※現住所と同じなら「同上」でOK |
個人番号 | 本人のマイナンバー(12ケタの数字) |
生年月日 | 左から「元号」「年」「月」「日」の順で書く 元号は番号で表す(昭和=3、平成=4) |
氏名 | 姓と名の間は1字空けて書く ※フリガナの濁点・半濁点・小さい文字も1マス使う |
職業 | 本人の職業を記入する(例: 会社員・公務員) ただし、個人事業主は事業内容を具体的に書く (例: ウェブデザイン業・ITエンジニア・飲食店業・小売業) |
屋号・雅号 | 個人事業などで屋号やビジネスネームがあれば記入する |
世帯主の名前 | 住民票に記載されている世帯の代表者 ※自分が世帯主なら、自分の名前を書く |
世帯主との続柄 | 世帯主から見た関係性 (例:本人・妻・夫・母・父・子・同居人) |
振替継続希望 |
転居等で所轄税務署が変わったときに記入する 以前から振替納税を利用しており、今後も利用したい場合のみ◯をつける |
種類 | 該当するもの全てに○をする 青色:青色申告を行う個人事業主 分離:第三表を提出する人(株の配当など) 国出:国外移住などで特例制度を利用する人 損失:第四表を提出する人(事業の赤字など) 修正:修正申告をする人 |
特農の表示 | 「特別農業所得者」に該当する事業主は○をする 農業所得が総所得の70%以下なら該当しない |
整理番号 | 何も記入しない |
電話番号 | 日中連絡が取れる電話番号 「自宅」「勤務先」「携帯」のどれかに○をする |
3. 収入金額等
収入の種類ごとに、金額や区分を記入します。個人事業主の「事業」や「不動産」の収入金額は、「収支内訳書」か「青色申告決算書」から転記します。会社員の「給与」は、源泉徴収票の「支払金額」を参照しましょう。
事業[営業等] | ア | 一般的な事業で得た収入(農業を除く) 白色…収支内訳書1ページの④を転記する 青色…青色申告決算書1ページの①を転記する 事業収入の区分欄は、帳簿の種類を記入する 1…優良な電子帳簿(税務署へ事前届出が必要) 2…その他の電子帳簿(1に該当せず、会計ソフトで記帳する場合など) 3…紙の帳簿(複式簿記) 4…紙の帳簿(簡易簿記) 5…上記のいずれにも該当しない場合(記帳の仕方が分からない場合を含む) |
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事業[農業] | イ | 農業や酪農業、養蚕業などの事業で得た収入 |
不動産 | ウ | 土地や建物の貸付けなど、不動産で得た収入
「区分1」は、国外中古建物に関する特例(措法41-4-3)を受ける際に「1」と書く |
配当 | エ | 株式の配当金や、投資信託の分配金などで得た収入 ※特定口座で「源泉徴収あり」を選んでいれば記入不要 |
給与 | オ | 勤務先から給与や賞与として受け取った収入 区分欄は「所得金額調整控除」の対象者のみ記入 1…給与収入が850万円超 2…公的年金の収入もある 3…1と2の両方を満たす |
雑[公的年金等] | カ | 公的な年金制度などによって得た収入 (例: 国民年金、iDeCo、退職年金) |
雑[業務] | キ | 帳簿書類の保存を要しない「業務」による収入 ※営利目的で継続的に行うものに限る 区分欄には、現金主義の特例を利用する場合のみ「1」と記入 |
雑[その他] | ク | 雑所得にあたる収入のうち、カ・キに該当しない金額 ※区分欄には、1~3のいずれかを記入する 1…個人年金保険に係る収入がある場合 2…暗号資産取引に係る収入がある場合 3…1と2の両方に該当する場合 |
総合譲渡[短期] | ケ | 所有期間が5年以内の資産を譲渡して得た収入 (例: ゴルフ会員権・貴金属・骨とう・書画・機械・船舶) |
総合譲渡[長期] | コ | 所有期間が5年超の資産を譲渡して得た収入 ※自身の特許権や著作権は5年以内でも「長期」に記入 |
一時 | サ | 労働や譲渡の対価でない、臨時的な収入 (例: 賞金・当選金・生命保険の一時金) |
「給与(オ)」の区分欄は、所得金額調整控除を受ける人だけ記入します。給与収入が850万円以下で公的年金も受け取っていない場合、この区分欄には何も記入しません。
「総合譲渡」の欄には、総合課税の対象となる収入だけを記入します。不動産や株式の譲渡で得た収入などは、分離課税の対象となるため第三表を使って別途申告します。
4. 所得金額等
所得金額は、基本的に「収入金額 - 必要経費の金額 = 所得金額」のように算出します。もし最終的にマイナスとなった所得があれば、その先頭に「 - 」か「△」をつけて記入します。
事業[営業等] | ① | 「営業等(ア)」から必要経費を差し引いた金額 白色…収支内訳書1ページの㉑を転記する 青色…青色申告決算書1ページの㊺を転記する |
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事業[農業] | ② | 「農業(イ)」から必要経費を差し引いた金額 |
不動産 | ③ | 「不動産(ウ)」から必要経費を差し引いた金額 |
利子 | ④ | 利子による収入金額 利子所得は必ず「収入金額=所得金額」となる |
配当 | ⑤ | 「配当(エ)」から「負債の利子」を差し引いた金額 ※赤字のときは「0円」と書く |
給与 | ⑥ | 「給与(オ)」から給与所得控除を差し引いた金額 区分欄は「特定支出控除」の適用時のみ記入する |
雑[公的年金等] | ⑦ | (カ)から公的年金等控除を差し引いた金額 |
雑[業務] | ⑧ | (キ)から必要経費を差し引いた金額 |
雑[その他] | ⑨ | (ク)から必要経費を差し引いた金額 |
雑[⑦から⑨までの計] | ⑩ | 雑所得の合計金額 ※赤字のときは「0円」と書く |
総合譲渡・一時 | ⑪ | (コ)と(サ)の合計額の2分の1に、(ケ)を加えた額 ※赤字のときは別途「損益の通算の計算書」を使用 |
合計 | ⑫ | ①~⑥の合計に⑩と⑪を加えた金額 ※繰越損失がある場合はそれを差し引いた額 |
マイナスの所得がある場合も、基本的にはそのまま足し引きして「合計⑫」欄に記入して構いません(損益通算)。ただし「総合譲渡・一時⑪」欄を使う人のみ、特殊な計算が必要です。この場合は、税務署に相談するか「損益の通算の計算書」を利用しましょう。
給与所得の「特定支出控除」は、職務上の費用などを会社側に負担してもらえず、やむなく自己負担した場合に受けられる控除です。要件が厳しく、年間の適用者数は全国でも2,000人程度とされます。
5. 所得から差し引かれる金額
所得から差し引く「所得控除」の金額を記入します。所得控除の種類によっては、各ルールに従って、あらかじめ控除額の確認や計算をしておく必要があります。
社会保険料控除 | ⑬ | 社会保険料の支払額を記入する(家族の分も含む) (例:国民年金・国民健康保険・厚生年金・健康保険) |
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小規模企業共済等掛金控除 | ⑭ | 小規模企業共済などの掛け金の支払額を記入する (例:小規模企業共済・iDeCo・しょうがい共済) |
生命保険料控除 | ⑮ | 所定の計算を行い、控除額を記入する 控除上限あり(保険の区分ごとに4万円まで) (例:定期保険・終身保険・医療保険・がん保険) |
地震保険料控除 | ⑯ | 地震保険料の支払額を記入する 控除上限あり(5万円まで) ※事業用資産にかけた地震保険料は対象外 |
寡婦控除、 ひとり親控除 |
⑰~⑱ | 寡婦控除: 一律27万円(離婚等で独身となった女性) ひとり親控除: 一律35万円 ※ひとり親控除を受ける場合、区分に「1」と記入する |
勤労学生、 障害者控除 |
⑲~⑳ | 勤労学生控除:一律27万円 障害者控除:障害の区分に応じた控除額を記入する ※これらを併用する場合は合計額を記入する |
配偶者(特別)控除 | ㉑~㉒ | 配偶者と本人の所得に応じた控除額を記入する 控除額は最大38万円(配偶者が70歳以上なら最大48万円) 区分1…配偶者特別控除を受ける場合に「1」と記入する 区分2…配偶者が国外居住の場合にのみ記入する |
扶養控除 | ㉓ | 扶養親族の年齢に応じた控除額を記入する 控除額は扶養親族1人につき原則38万円 区分欄は、親族が国外居住の場合のみ記入する |
基礎控除 | ㉔ | 「48万円」と記入する (ただし、合計所得2,400万円超の人は金額が異なる) |
⑬から㉔までの計 | ㉕ | 社会保険料控除から基礎控除までの合計額 |
雑損控除 | ㉖ | 所定の計算を行い、控除額を記入する(家族の分も含む) 災害や盗難による損失額をもとに計算する (例: 震災、風水害、雪害、落雷、火災、シロアリなど) |
医療費控除 | ㉗ | 所定の計算を行い、控除額を記入する(家族の分も含む) 自己負担した医療費をもとに計算する ※セルフメディケーションの場合は区分を「1」とする |
寄附金控除 | ㉘ | 所定の計算を行い、控除額を記入する ただし、特定の団体などに寄附金した場合に限る (例:ふるさと納税・国への寄附・政治活動に対する寄附) |
合計 | ㉙ | すべての所得控除の合計金額 |
※細かな要件などは、上記の控除名をクリックして確認できます
所得控除を受けるには、たいてい「控除関係書類」などの添付が必要です。ちなみに、e-Taxで電子申告する場合、これらの多くは添付不要となります。
6. 税金の計算
所得税の金額を計算して記入します(1円未満の端数が出たら切り捨て)。住宅ローン控除などの「税額控除」を受ける場合は、その金額も記入しましょう。税額控除がなければ「㉜~㊵」は飛ばしてOKです。
課税される所得金額 | ㉚ | 「⑫ - ㉙ = ㉚」(1,000円未満の端数は切り捨て) ※ 計算結果がマイナスなら「0円」と書く |
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上の㉚に対する税額 | ㉛ | 国税庁サイトの速算表に㉚を当てはめて計算する | |
配当控除 | ㉜ | 所定の計算を行い、控除額を記入する ただし、配当所得を総合課税で申告する場合に限る |
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㉝ | 個人事業の設備投資等により税額控除を受ける場合のみ記入する 例:中小事業者が特定の機械を取得した際の特別控除 |
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(特定増改築等) 住宅借入金等特別控除 |
㉞ | 別紙「計算明細書」から転記する ※いわゆる「住宅ローン控除」のこと 区分1…東日本大震災の特例でのみ使用する欄 区分2…給与などで年末調整済であれば「1」と記入 |
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政党等寄附金等 特別控除 |
㉟~㊲ | 別紙「計算明細書」から転記する | |
住宅耐震改修 特別控除等 |
㊳~㊵ | 別紙「計算明細書(区分1・2)(区分3)」から転記する 区分:耐震改修=1、特定改修=2、認定住宅=3、併用=4 |
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差引所得税額 | ㊶ | 「㉛ - (㉜~㊵の合計) = ㊶」 | |
災害減免額 | ㊷ | 被災した年分の所得に応じた控除額を記入する ただし、災害で資産の半分以上を損失した場合に限る |
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再差引所得税額 (基準所得税額) |
㊸ | 「㊶ - ㊷ = ㊸」 | |
復興特別所得税額 | ㊹ | 「㊵ × 0.021 = ㊸」 | |
所得税及び復興特別所得税の額 | ㊺ | 「㊸ + ㊹ = ㊺」 | |
外国税額控除 | ㊻~㊼ | 別紙「外国税額控除に関する明細書」等から転記する ただし、「外国の所得税」を納付している場合に限る |
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源泉徴収税額 | ㊽ | 給与や報酬から源泉徴収された金額を記入する ※「源泉徴収票」や「支払調書」で確認できる |
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申告納税額 | ㊾ | 「㊺ - (㊻~㊽の合計) = ㊾」 プラスの場合……100円未満の端数は切り捨て マイナスの場合…1円未満の端数は切り捨て |
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予定納税額 | ㊿ | 当年中に予定納税した金額(1期と2期の合計額) ※予定納税の通知を受け取っていなければ記入しない |
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第3期分の税額 | 納める税金 | 51 | 「㊾ - ㊿ = 51」 ※計算結果がプラスの場合のみ記入する |
還付される税金 | 52 | 「㊾ - ㊿ = 52」 ※計算結果がマイナスの場合のみ記入する |
国税庁が運営する「確定申告書等作成コーナー」というウェブサイトや、個人事業主向けの会計ソフトを活用すれば、税額などを自動計算してくれるので大変便利です。
「源泉徴収税額㊽」には、給与や報酬から天引きされた「所得税および復興特別所得税」の年間合計額を記入します。会社員は、勤務先から配布された「源泉徴収票」を参照すればOKです。
個人事業・副業などの報酬については、毎年1月~2月ごろに取引先から送付される「支払調書」で源泉徴収税額を確認するのが一般的です。もし手元に届いていなければ、送ってもらえるようお願いしてみましょう。
7. 修正申告
「修正申告」欄は、過去の確定申告にミスがあり、本来の税額よりも少なく申告してしまったときに使用します。したがって、通常の「確定申告」では使用しません。
修正前の第3期分の税額 | 53 | 前回提出した「確定申告書」の51か52から転記する |
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第3期分の税額の増加額 | 54 | これから提出する「修正申告書」を参照し、以下の計算を行う 「51 - 53 = 54」or「52 - 53 = 54」 ※ 100円未満の端数は切り捨て |
ちなみに、2021年分以前の修正申告では「第一表」のほかに「第五表」も提出する必要がありました。2022年分からは「第五表」が廃止となり、上記の欄に記入するだけの簡素な手続きとなっています。
2021年分以前の修正申告では「第五表」を用いる
8. その他
これまで記入した各項目について、計算がとくに複雑なものは、その計算過程がわかるように「その他」欄で補足します。該当する項目があれば、必ず記入しましょう。
公的年金等以外の 合計所得金額 |
55 | 「雑所得(公的年金等)⑦」の補足 |
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配偶者の 合計所得金額 |
56 | 「配偶者特別控除㉑㉒」の補足 ※ 配偶者の合計所得金額が48万円以下であれば記入不要 |
専従者給与(控除)額 の合計額 |
57 | 「収支内訳書」or「青色申告決算書」から転記 |
青色申告特別控除額 | 58 | 「青色申告決算書」から転記 |
雑所得・一時所得等の 源泉徴収税額の合計額 |
59 | 第二表の「所得の内訳」を参照 |
未納付の源泉徴収税額 | 60 | 「還付される税金52」の補足 ※申告時点で、未収入の給与や報酬がある場合 |
本年分で差し引く 繰越損失額 |
61 | 「合計所得金額⑫」の補足 ※ 第四表を提出する場合は記入不要 |
平均課税対象金額 | 62 | 別紙「計算書」から転記する ただし「変動・臨時所得(前々年~当年分)」がある場合に限る |
変動・臨時所得金額 | 63 | 別紙「計算書」から転記する ただし「変動・臨時所得(当年分)」がある場合に限る 区分: 臨時所得(雑)=1、臨時所得(事業等)=2、変動所得(雑)=3 |
「未納付の源泉徴収税額60」欄は、還付申告で使用します。「源泉徴収票」や「支払調書」には、以下のように年末時点での未納付額が記載されています(記載がなければ気にしなくてOK)。
なお、還付申告は“納めすぎた税金”を返還してもらう手続きですから、60に記入した未納付額については還付を受けられません。ただし、後で「源泉徴収税額の納付届出書」を提出すれば、問題なく還付を受けられます。
9. 延納の届出
ここでいう「延納」とは、所得税を2回の分割払いにできる制度です(利子税が別途かかります)。延納を希望しない場合は、この欄には何も記入しません。
申告期限までに納付する金額 | 64 | 3月15日*までに納める金額 「51 - 65 = 64」 |
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延納届出額 | 65 | 5月31日*までに納める金額 ※51の50%以下であれば、好きな金額でよい(千円単位) |
* 土日祝の場合は翌平日まで
まずは「第3期分の税額 納める税金51」のうち、50%以上を期限内に納付します。「延納届出額65」に1,000円未満の端数が出ないよう、上表の手順に従って計算しましょう。
延納する場合は、年利1.5%~2%前後の「利子税」が別途かかります(利率は年度によって微妙に異なる)。といっても、1,000円未満の端数は切り捨てとなるので、利子税は払わなくて済むケースも多いでしょう。
10. 還付される税金の受取場所
所得税の還付金は、ここで指定した銀行口座や「公金受取口座」に入金されます(ただし、一部のネット銀行は非対応)。なお、先述の52が空欄であれば還付金はもらえないので、ここで口座情報を記入する必要はありません。
「公金受取口座」とは?
2022年から「公金受取口座登録制度」が始まっています。任意で銀行口座とマイナンバーを紐付け、給付金や還付金をスムーズに受け取れる仕組みです。右下の「公金受取口座の利用」欄に◯をすれば、銀行名や口座番号といった口座情報はすべて記入不要となります。
銀行 金庫・組合 農協・漁協 |
金融機関名を記入する 該当する機関の種類に◯をつける |
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本店・支店 出張所 本所・支所 |
支店名を記入する 該当する区分に◯をつける |
郵便局名等 | 口座で受け取る場合は何も記入しない ※ 窓口で直接受け取りたい人だけ記入する |
預金種類 | 該当する種類に◯をつける |
口座番号 記号番号 |
口座番号を左詰めで記入する |
公金受取口座登録の同意 |
以上の欄に記入した口座を「公金受取口座」として登録したい場合のみ◯をつける ※ すでにマイナポータル等で登録が済んでいる人は◯をつけてはならない |
公金受取口座の利用 |
「公金受取口座」で還付金を受け取りたい場合のみ◯をつける ※ すでに公金受取口座の登録が済んでいる人に限る |
ちなみに、ゆうちょ銀行であれば、下記のように「記号番号」のみ記入すればOKです。
ゆうちょ銀行の場合の記入例